セブン&アイ 環境対応向上に期待

セブン・イレブンをつくり、経団連副会長を務めたこともある鈴木敏文氏。セブン&アイの「鈴木体制」が、まもなく創業家である伊藤家に交代しそうだ。

これまで環境系市民の間では、セブン・イレブンのイメージは、少なくとも環境対応という面で、他のコンビニと比べてもかなり悪いのではないか。
もちろん、市民の環境活動に助成しているし、一部の容器のエコ対応もしている。

しかし、大きな問題になっている海洋プラスチック汚染原因の1つとして名指しされ、世界中で(欧米はもちろん、アフリカや南米、アジアでも)規制が進むレジ袋を野放しにする(少なくとも国や自治体の規制を妨害しているように見える)日本フランチャイズ協会の代表的存在であるセブン・イレブンの環境対応は、明らかにおかしい。

かつて容器包装リサイクル法改正時に、日本フランチャイズ協会はレジ袋有料化に反対し、国がレジ袋を規制できる絶好のチャンスを潰した。また数年前には某市で、市と市民団体が共同で行ったレジ袋削減キャンペーンの一環で作成した「レジ袋削減協力店」というポスターをセブン・イレブンは店内に貼るのを断った。A4版やA5版というポスターと呼べないような小さいものでさえも、地域の全店に貼ってはならないと強硬に拒絶したのだ。他の多くのコンビニは「地域貢献」として貼ったにも関わらず。
拒絶理由は、既にレジ袋を削減している、全国統一のレジ袋削減ポスターがある、などというもの。

しかし、セブン・イレブンのレジ袋使用量は、スーパー(ヨーカドーやイオン)などと比べてもダントツ一位で、増加はしても減少の気配はない。

東京都の目指す東京オリンピックまでのレジ袋ゼロ目標も、セブン・イレブンは都のレジ袋会議に日本フランチャイズ協会として出席はするが、協力しそうには見えない。

ついでにいえば(レジ袋とは関係ないが)、成人雑誌への対応も、ミニストップは販売を中止したが、セブン・イレブンはまだ中止していない。

セブン&アイが伊藤体制に変わることで、セブン・イレブンがどのように変わるかはわからないが、イメージが良くなることを期待している。

日経新聞(2018.4.24)「創業家エース 表舞台に」↓ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29588190Z10C18A4000000/?n_cid=NMAIL007

妊娠中のカフェインは要注意

2002年から2008年の間にノルウェーの5万1000人の女性とその子どもを追跡調査した結果、妊娠中にカフェインを多く摂取した人の子どもほど、幼児期に過体重になる傾向があったとのこと。
ノルウェー公衆衛生研究所の研究者は、「妊婦がカフェインを遮断することは望ましいかもしれない」と述べている。

NHSは現在、流産や胎児の成長を阻害するリスクを避けるため、カフェインの摂取量を1日200mg未満に抑えるようにと勧告している。
今回の結果は、その勧告の裏付けとなる証拠を追加するものであるそうだ。

カフェインは、コーヒー1杯に140mg、インスタントコーヒーには100mg、紅茶には75mg、チョコレートは50gのミルクチョコレートに約10mg程度入っているとのこと。

<出所>

THE TIMES(2018.4.24)A  coffee a day can harm unborn children, researchers claim;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/one-cup-of-coffee-can-harm-unborn-children-say-researchers-qlpwthhbd?utm_source=newsletter&utm_campaign=newsletter_101&utm_medium=email&utm_content=101_Mailing%20Name%20(96)%20(1)&CMP=TNLEmail_118918_3204010_101

キリンのエコ包装は今一つ惜しい?! 

キリンがエコ包装をテーマに動画を作成した。今一つ惜しい内容だ。
国産最軽量のペットボトルや軽量びん。アルミ缶でも最軽量化を実現したとのこと。結構なことだ。
エコパンダも可愛い。

しかし、本当のエコは、まず自社製品を100%回収することではないか。
米国のコカコーラ社のように、自社が販売した容器、あるいは自社販売相当量を100%回収・リサイクルするという目標を打ち出して欲しい。
しかし、日本のコカコーラ社はいつから回収に乗り出すのだろうか?本当に日本でも回収するのか?その具体的な方法は?

コカコーラも気になるが、キリンにも早急に自社の回収・リサイクル目標を発表して欲しい。そうでなければ、ワインやビール容器をペットボトルにするべきではない。

キリン「環境への取り組み」↓

https://youtu.be/cCJM4cgtxc8

リユースびん物語

びん再使用ネットワークの作った動画「リユースびん物語」が公開されている。内容は「日常に追われる3人の若い女性が、ふとしたきっかけでリユースびんに出会い、小さな変化が生まれた」というもの。

牛乳びんも登場し「時代による評価の変化」を痛感した。

日本包装学会誌Vol.26(2017)によると、牛乳びんを紙パックに切り替える方針を打ち出したのは農林省だ。1969年、農林省は人件費、輸送費の高騰、衛生面の問題から、「牛乳容器のワンウェイ化」の方針を打ち出したそうである。1970年には学校給食の補助対象を200mLとした。紙パックが採用され、さらには充填機の関税免除が決定し、1977年にパック牛乳の販売量はびん牛乳を追い越した、とのこと。

つまり日本政府の政策により、ワンウェイ容器が奨励された結果、リユースびん(リターナブルびん)が廃れ、紙パックが普及したのである。

近年は3Rのかけ声とともに、リユースはリサイクルより優先する、と法律にも明記されている。しかし、本気でそうすべきだと思っているのかは疑わしい。同じ価格ならば、返さなくてよい容器のほうが面倒がないから買いたいと思うのが普通の人の感覚だ。

リユースびんを本気で推奨するならば、ワンウェイ容器もリユースびん同様に返却することを消費者に求めるべきだろう。例えば、ワンウェイ容器をデポジット制度の対象とし、返却させるのがよい。また、ワンウェイ容器に課税し、リユースびんと価格差をもうけるべきだ。そうでなければ、リユースびんはやがて「マニア」だけのものになるのではないか。

進む水道民営化 儲かるのは誰?

安全で安いのが当たり前だと思っていた水道水が、今後変わるかもしれない。
麻生副大臣が熱心に進める水道民営化。そのための水道法改正案が、3月9日付けで再上程され、現国会で審議されている。

改正案の目玉は、「民間事業者に水道施設の運営権を譲渡できるようにする」「都道府県がリーダーシップをとって市町村水道の広域化を推進する」の2点である。

世界では一度民営化した水道を買い戻し、再び公営化する動きも広がる中(例えば、パリ、ベルリンなど)、なぜ日本が今さら民営化しなければならないのか。

民営化によりコストが削減でき、老朽化した設備を安価で更新できる、広域化により規模のメリットが生まれる、などの利点があるというが、民間だからこそ発生するコストもあるし、広域化は民営化を前提とした発想だろう。これまで小規模だからこそうまくいっていた地域が巻き込まれる可能性がある。

浜松市は水道法が改正され次第、民営化する計画であると聞く。
民営化で水質が低下した挙げ句、価格が急騰した例が世界各地にある。だからといって、市民は水道会社を変更することはできない。
浜松市の水道は大丈夫なのだろうか?

ビッグイシュー・オンライン(2017.3.27)「民営化から再公営化へ。パリ、市民参加で45億円のコスト削減、ウェールズ、非営利法人による運営」↓

http://blogos.com/article/215462/?p=1

水源連ニュース(2018.3.15)

水道法改正案の再上程

レジ袋規制、禁止・有料化・課税のどれが有効か

海洋ごみ汚染対策や温暖化防止対策の一環として、レジ袋を削減するため、各国・各州ではさまざまな取組が展開されている。
基本的には、有料化、禁止、課税・課金の3種類だ。
課税といっても、どの段階で誰に課税するかはいろいろで、課税分がダイレクトに消費者に課せられる場合を「課税」に分類するケース(アイルランド)と、レジ袋製造者や輸入業者などに課税するケースがある。後者のほうが多く、一般に課税という場合にはこちらのケースも含めていう場合もあるようだ。

しかし、後者のケースの場合、課税の結果、小売店のレジ袋調達費用が上がり、小売店がレジ袋を有料化するため、消費者にとっては「有料化」として認識される。このため、「有料化」にカウントされるケースも多い。また、課税ではなく有料化であったとしても、政府が金額を決めた場合、消費者には課税に見える。このため、新聞などにlevyあるいはtaxなどと書かれるケースもある(例えば、イングランドで有料化された時のケース)。

従って、課税と有料化を分けてカウントする場合、あらかじめそれぞれの定義が必要だ。

どれが有効かについては、おそらくケニアのような罰則を伴う全面禁止が最も有効だろうということは想像に難くないが、これはなかなか難しい。

アメリカでは州により対応が分かれている。例えば、ワシントンDCでは有料化、カリフォルニア州やハワイ州では禁止、シカゴ市では課税である。

JETROによると、シカゴ市の場合、レジ袋(紙袋含む)1枚につき7セント課税され、うち5セントは市に、2セントはレジ袋費用として小売店に入る。
環境保護と同時に、市の税収にもなるという一石二鳥の効果を狙ったものだ。一般財源となるか、環境対策に特化して使われるかはともかくとして、福祉や環境などに有効に利用されるならば、課税も悪くないかもしれない。

いずれの政策がどの程度の効果を生み出すか、どれが最も有効かについては、今後検証されるだろう。
楽しみである。

それにしても、日本の取組の遅さは一体どういうことなのか、理解に苦しむ。最も穏便な方法だと思われる有料化でさえ、コンビニ業界や百貨店業界に阻止されている。

コンビニ業界は、レジ袋削減に取り組んでいると言いはるが、財布を出している間に袋を広げ商品を入れようとするのでレジ袋を断ると、一度広げたものは使い物にならぬとばかりに、店員が客の目の前でごみ箱にレジ袋を捨てる、というコンビニさえある。

コンビニがレジ袋削減に取り組んでいるようには、とても見えない。レジ袋削減を自治体と業界に任せていては、コンビニはおそらくいつまでも取り組まない。

海ごみ対策に取り組むと国会でも答弁したからには、まずレジ袋を国が政策的に規制すべきである。

<シカゴについての出典>

JETRO(2017.2.)「シカゴ市がレジ袋税を導入」↓
https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/02/2908205868c2a2b9.html

英国でストロー、マドラー、綿棒を禁止 今年後半にはさらなるプラスチック削減計画も

英国のマイケル・ゴーブ環境相が、レジ袋有料化や飲料容器のデポジット制に続いて、また新たな政策を発表した。
ストローと同様に、マドラーと綿棒(プラスチック製の柄)の販売も禁止するとのことである。早ければ、来年には施行される。

世界自然保護基金によると、英国では、年間132億本の綿棒と441億本のマドラー、そして420億本のストローを使用している。これらは他のEU諸国に比べ多いとのこと。
この動きは、英国の目標に沿ったものであるが、これらの品目が選ばれた理由は、これらは既に代替品があるからとのこと。またこれらは、カメの鼻孔をふさいだり、ペンギンの胃にせん孔したりするためだ。

また、ゴーブ氏は先月、小規模店のレジ袋も5ペンス課すこと(現在は大規模店のみ有料化)と、ペットボトルのデポジット制の計画を発表した。
さらに、財務省では持ち帰り用容器の削減を目的に、課税の動きも進行している。
ゴーブ氏は、企業がより多くのプラスチックを削減するため、今年後半にはもっと多くの政策を発表すると述べている。

これらの政策をメイ首相も強く支持しており、首相はイギリスは海洋汚染と闘う「世界のリーダーだ」と述べた。また、19日からロンドンで開かれる英連邦諸国との首脳会議で、英国や英連邦諸国のプラスチックごみ対策として、6140万ポンドの拠出も表明する。

英政府によると、海洋には1億5000万トン以上のプラスチックが存在し、毎年100万羽の鳥と10万頭以上の海洋哺乳類がプラスチックごみを食べたり、巻き込まれたりして死に至っている。

<出所>

THE TIMES(2018.4.19):Cotton buds and plastic stirrers will be banned from sale in UK;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/cotton-buds-and-plastic-stirrers-will-be-banned-from-sale-vm3pl5q3n

ペットボトルを分解する酵素 偶然発見

ペットボトルを高速で分解する酵素が、研究室内で偶然生み出された。これはプラスチックのリサイクル行程の改革につながる可能性があるという。
この酵素のもとは、日本のごみの中から科学者が発見したもので、ポーツマス大学のジョン・マギーハン教授の研究チームが、太陽光の100倍強いX線を当てることで、突然変異で作り出されたものとのこと。

この酵素は、何世紀もかかるプラスチックの分解スピードを何日という単位に短縮し、真のリサイクル(分子レベルにまで分解)ができる可能性がある。

(筆者補筆→しかし、この技術が将来実用化されたとしても、この酵素を自然界に放つわけにはいかない。施設内で100%リサイクルできるとしても、100%回収できない現状では、まず回収方法と販売方法を見直す必要がある。そうでなければこのような技術がいかに開発されようとも、海洋汚染はなくならないだろう。)

<出所>

THE TIMES(2018.4.17):Plastic-eating enzyme hailed as breakthrough in recycling;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/plastic-eating-enzyme-hailed-as-breakthrough-in-recycling-83696tg97?utm_source=newsletter&utm_campaign=newsletter_101&utm_medium=email&utm_content=101_17.04.18%20Best%20of%20Times%20Hack%20(1)&CMP=TNLEmail_118918_3165865_101

Gigazine(2018.4.17):「ペットボトルを分解できる酵素が実験施設で偶然に生み出されたことが判明」↓

https://gigazine.net/news/20180417-enzyme-eat-plastic-accidentally-created/

オーストラリアのデポジット制度:2018年4月時点での最新情報

デポジット制度は今、プラスチックごみの海洋汚染問題をきっかけに、再び注目を集めている(以前注目されていた時期は空き缶公害の1970年代から80年代にかけてと最終処分場の汚染が世界的に問題になった1990年代)。
最近、特に目を離せないのがオーストラリアだ。

オーストラリアでは、既に3州がデポジット制度を開始しているが、ようやく首都特別地域(ACT)でも今年6月30日から開始することが決定した。

ニューサウスウェールズ州(NSW州)の中にあるACTは、NSW州とほぼ同時期に開始すると見られていたが、その後、2018年の早い時期に開始すると発表された。しかし、具体的な時期は不明であった。
対象は、150ミリリットル以上3リットル以下の飲料容器で、アルミ、ガラス、PET、HDPE、スチール、紙パックとのことである。金額は、NSW州や南オーストラリア州、ノーザンテリトリー(北部準州)と同様、デポジット(預り金)もリファンド(返金)も10セントと見られる。

他に、クイーンズランド州も年内に制度開始予定だが、まだ正式日程は発表されていないようだ。
また、西オーストラリア州では、2019年1月1日から開始すると発表されている。もし遅れたとしても、2019年内には開始されるだろう。
ビクトリア州とタスマニア州の2州では、まだデポジット制度導入予定はない。この2州が制度を導入するならば、オーストラリア全土の飲料容器がデポジット制度の対象となる。

日本ではデポジット制度というと、なぜかドイツなどヨーロッパを思い浮かべる人が多いが、デポジット制度の発祥の地は、筆者の知る限り北米だ。制度対象容器の種類も北米のほうが断然多い。ヨーロッパでは缶・びん・ペットボトルのみを対象にする国が多く、カナダでは紙パックも対象にする州が多い(牛乳パックをも対象にする州はまだ少ないが、増加傾向にある)。オーストラリアも紙パックを対象に加える州が増えそうだ。

<参考>

ACT Government: ACT Container Deposit Scheme;

https://www.yoursay.act.gov.au/act-container-deposit-scheme

究極の雑がみ入れ:仙台市の月刊紙袋

仙台市の月刊紙袋は、学生のプロジェクトチーム「ワケアップキャンパス」が規格・制作したものだという。若者の利用が多い飲食店や美容院、大学、街頭などで配布される。

紙に関する情報が満載された究極の雑がみ分別袋だ。紙ひもも付いているのでプラスチックひもは不要。とてもよく考えられている。

<関連記事>

雑がみ分別袋

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