食品包装に含まれる約1300の化学物質が人体に蓄積

スイスの非営利団体フード・パッキング・フォーラム財団(Food Packaging Forum Foundation)などの研究チームが、食品に接触する化学物質を1万4000以上のデータを調査したところ、うち3601(約25%)の物質が、皮膚、毛髪、血液、母乳、脂肪組織などの人体サンプルから見つかった。

2024年9月17日に「Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiology」で発表された。

これにはプラスチックだけではなく、紙や段ボール、インクなどの物質も含まれているそうだ。

https://www.businessinsider.jp/post-293805

食品包装に乳がん原因物質が約200種類

食品包装に乳がんと関連する化学物質のいずれかが約 200 種類含まれているそうだ。

「一般的に使用される食品包装材には、乳がんを引き起こす可能性のある189の化学物質が含まれている」と研究者が報告したそうだ。

PFASやビスフェノール、フタル酸エステル類などの危険な化学物質は「米国、欧州連合、中国、南米、その他の場所で、使用制限することを目的とした規制にもかかわらず、食品包装に含まれている」とのこと。

これはプラスチック製の包装に限らず、紙で販売されているものも対象のようで、「乳がんに関連するプラスチック包装材料に使用されている143の化学物質を特定し、そのうち89は紙や段ボールで見つかった」。

研究者らは、人間が食事を通じて少なくとも76の発がん性化学物質に日常的に曝露されているという強力な証拠がある」と話している。

「がんを引き起こす化学物質上位76種のうち約40種は、すでにさまざまな国際規制当局によって何らかの形で有害物質として分類されているが、依然として食品包装に使用されている」と研究者らは指摘している。

Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiologyに掲載されたレポートによると、そのうち79の化学物質が、がんや遺伝子変異、内分泌および生殖問題を引き起こすことが知られているそうだ。

<出典>

https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2024-09-24/almost-200-chemicals-linked-to-breast-cancer-are-found-in-food-packaging

トリニダード・トバゴ国でデポジット制度の計画を立ち上げ

トリニダード・トバゴ政府は7月26日、飲料容器のデポジット制度を開始するため、国家飲料容器預金返還システム(BCDRS)の実施に関するフレームワークを発表した。

対象は、密閉された5リットル以下の飲料容器(ペットボトルや缶、びん、カートンなど)で、紙コップや既にリユースされている飲料容器は含まない。

容器の返却先になる事業者には手数料を支払う。

https://tt.loopnews.com/content/govt-launches-plan-beverage-containers-deposit-return-system?eType=EmailBlastContent&eId=6bd6bb32-619b-47a6-9b76-a6a0edfc5f97

目的は、埋立地で終わる資源物をリサイクルに転換することだ。

紙製人工芝、PFASは大丈夫?

東京新聞(2024.6.17)によると、紙製人工芝がプラスチック製人工芝の代替として使われ始めているようだ。

「マニラ麻という植物から作った紙を細かく切ってより合わせ、ゴムの土台に載せている。防炎性能があり、熱がこもりにくく水にも強いという。アパレル製品などに使う紙の糸を手がける王子ファイバー(東京)と親会社の国際紙パルプ商事(同)が販売する」とのこと。

屋外で使える製品の開発も進めているそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/334036?rct=life

PFASは使われていないのだろうか?

紙製ストローは、9割からPFASが検出されている。PFOAやトリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMS)が検出されているそうだ。

この人工芝には、TFAやTFMSが使われていないのだろうか?TFAやTFMSは分子量が小さいので、体内に吸収されやすい。

体内に吸収されにくいPTFE(テフロン系樹脂)でさえも、健康に悪影響を及ぼす可能性が最近の研究により指摘されている。

体内に吸収されやすいPFASならば、その危険性は増す可能性が高い。特に子ども対象の施設に採用されているようなので、心配だ。

紙製人工芝にPFASが含まれていないか、誰か調べてほしい。


韓国、ストローや紙コップなどの使い捨て用品禁止を撤回か

飲食店内での使い捨てストローや紙コップの禁止を発表していた韓国が、また禁止までの啓発期間を延長した。また、コンビニのレジ袋禁止も同様に、禁止が延長された。いつまで延長するかは発表されていない。

KOREA WAVEによると「今月7日の発表によると、中小企業主の負担緩和を理由に、規制のかわりに勧告・支援する方向に路線を転換。ビニール袋に対して取り締まりを通じた過料ではなく代替品の使用定着を促進するとしている。事実上、使い捨て品規制から後退するものだ」とのこと。

「環境省は、生分解性袋や買い物かごなど代替品を使う傾向が定着したため、現場の肯定的な変化を考慮し、生活文化として定着させることを支援すると説明」しているという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f835e14326e2a27d9204035fe4771160739e10cd

「韓国コンビニ産業協会によると、大手コンビニが今年上半期に使用した袋は生分解性が70%を占めた」そうだ。

今年6月から施行する予定だった紙コップやプラスチックコップをテイクアウトする際の保証金制(デポジット制)は、既に2025年まで延期されている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f01ac325315ce2a01cfcf235500982c937b61d6

韓国の政策は決まるのも早いが、変更も多い。

イオン、衣料品などの有料買い物袋を紙製に

イオンが衣料品や日用品などの有料レジ袋を紙製に切り替える。

紙製レジ袋は10月5日より。価格は、小サイズが20円、中・大・特大サイズが30円とのこと。

これまでのプラスチック製有料レジ袋は3円と5円だったので、レジ袋購入者は減りそうだ。

せっかくプラ袋を減らしても紙袋が増えたのでは話にならないので、とてもよいと思う。

FSC認証紙を採用するそうだ。

<出典>

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1528649.html

PFAS(有機フッ素化合物)とは。一定の濃度を超えた製品は「意図的添加」でなくとも流通を禁止すべき

PFASについて調べてみた。日本ではPFASについての明確な定義がないようだが、アメリカでは「各州は PFAS を、フッ化炭素を少なくとも一つ含む有機フッ素化合物、と広範な定義」をされているそうだ。

フッ化炭素とはフッ素と炭素の化合物。つまり、総フッ素量が多くても、炭素と結合していなければPFASとはいえない。

多くの州は「意図的に添加された」 PFAS のみに規制が適用されるそうだが、カリフォルニア州は「意図的な添加でなくとも、100ppm 以上の濃度の PFAS を含有する製品も規制され」るとのこと(出典は同上)。

従って、カリフォルニア州では、人工芝などのプラスチック製品は、意図的に添加されたものでなくとも規制が働くようだ。

炭素などどこにでもある原子なので、フッ素を使っている限りPFASが不純物としてできてしまいそうだから、意図的であろうとなかろうと、カリフォルニア州のように一定の濃度を超えた製品は規制すべきだと思う。

最近、いろいろなもの(人工芝、コンタクトレンズ、ペットボトル、トイレットペーパー、紙製ストローやプラ製ストロー、雨水など)からPFASが検出されている。トイレットペーパーは、製紙メーカーは「入れていない」といっているそうだから、意図的ではないらしいが、抄紙機がスムーズに機能を果たすために使う薬剤由来だろうか。

いずれにせよ、日本でも早急にプラスチック製品や紙製品のPFASを規制してほしいものだ。

<関連記事>

山形発:自分で組み立てる紙スプーン「あむ」

使用中に型崩れしない紙製スプーンが登場した。山形市の金属加工会社の新商品だそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/98acd1289082199491d7d9063c06990438ab0a39

自分で組み立てるため、平らなまま保管できるのがよい。保管場所を取らないので、災害時の備蓄用にも便利そうだ。

でも、水分を含まないなら、何か使っていそうな気がするが・・。

プラスチックでラミネートされていたり、撥水加工されていたりしないならば、とても良い製品だと思うが、どうなのだろうか?

「環境にやさしい紙」を使ったと書かれているが、どんな風に環境にやさしいのか説明がないのでわからない。

世界中のトイレットペーパーからPFAS!米研究

世界各地のトイレットペーパーを調べたところ、すべてのトイレットペーパーからPFASが検出されたそうだ。

https://www.theguardian.com/environment/2023/mar/13/toxic-forever-chemicals-pfas-toilet-paper

フロリダ大学の研究者らは、北米、西ヨーロッパ、アフリカ、中米、南米の21の主要なトイレットペーパーブランドを集め、調べたところ見つかった。

紙パルプが機械に付着するのを防ぐため、製造プロセスでPFASを使用していることを示唆しているそうだ。

つまり、PFASは製造工程で潤滑剤として使用され、その一部がトイレットペーパーに残っているということらしい。

意図的に添加されたわけではないから、PFAS濃度は低いそうだが、トイレットペーパーは多くの国で毎日大量に使用される。下水処理施設から川に流される水や、下水汚泥も汚染されていないか心配になる。おそらく汚染は避けられない。

この研究では6種類のPFAS化合物を検出した。このうち、6:2 diPAPが最高レベルだった。

この化合物はまだしっかりと研究されていないそうだが、精巣機能障害に関連するといわれている。お尻を拭く度にPFASが肌や粘膜に触れるとしたら、恐ろしい。

バージンパルプのトイレットペーパーからだけではなく、再生紙も似たようなものだったという。

また、この研究は、6:2 diPAPが環境中で非常に有毒な化合物であるPFOAに変わる可能性があることを発見したそうだ。つまり、6:2 diPAPはPFOAの前駆体ということか。

多くの製紙メーカーは気付かずにPFASを使っているようだ。「これを使うと装置を早くスムーズに動かせるよ」と言われ、機械メーカーから機械とセットで買っているのかもしれない。

人工芝のようなプラスチック製品も同様だが、紙製品も大量生産するためには、機械にパルプがくっつきにくくなるPFASのような潤滑剤が必要だということだ。

それにしても、PFASは泡消火剤や繊維、プラスチック製品、化粧品、容器などに使われるものだと思っていたが、まさかトイレットペーパーからも検出されるとは。これがもし、英紙ガーディアンの記事でなければ信じないところだ。

町田・八王子が紙おむつリサイクルの実証実験に協力

東京都は、使用済み紙おむつのリサイクル推進に向けた実証事業を公募した。その結果、4社(凸版印刷株式会社、白井グループ株式会社、住友重機械エンバイロメント株式会社、トータルケア・システム株式会社)共同による「家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業」が採択された。

八王子市と町田市で、一般家庭から使用済み紙おむつを分別回収し、紙おむつに使用されているパルプとプラスチックを再生原料にリサイクルするシステムの事業性を検証したらしい。

また、紙おむつの効果的な収集方法や、AIシミュレーションによる効率的な収集運搬、リサイクル資源の有効活用などについて検証が行われたとのこと。

もし、多摩地域に紙おむつのリサイクル工場ができたら、相模原市で発生した紙おむつも引き受けてくれるかも?と思うと、何となくうれしい。

しかし、リサイクル工場からマイクロプラスチックが発生するのは避けられそうにない。

八王子市↓

https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/gomi/001/001/p029927.html