いわきFC 練習場を天然芝に張り替え 「ケガのリスクが減る」

サッカーJ2・いわきFCは、選手の足への負担をやわらげるとともに、J1ライセンスの基準に合わせるため、練習場を天然芝に張り替えた。

選手たちは「人工芝よりやわらかい」と、とても喜んでいる。

監督も「天然芝なのでケガのリスクが減る」と喜んでいる。

https://tver.jp/episodes/ep59u3wdl0

人工芝は、天然芝と比べ、ケガをしやすいことは、これまで多くの研究が証明している。

人工芝業界が関わった研究では異なる結果も出ているようだが、業界が関わっていない研究では、人工芝は靱帯損傷など大きなケガが多い。

「Comparison of injuries sustained on artificial turf and grass by male and female elite football players」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20456680/

また、人工芝でのプレイは、天然芝に比べて1プレイあたり下肢の怪我が16%増加したという研究もある。

「Higher Rates of Lower Extremity Injury on Synthetic Turf Compared With Natural Turf Among National Football League Athletes: Epidemiologic Confirmation of a Biomechanical Hypothesis」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30452873

若い選手の場合は、疲労骨折も多いようだ。

例えば、過去14年間に、大学男子サッカーチームに所属した選手のべ444名を対象に、Jones骨折発生率について調査したところ、使用年数が経過した人工芝グラウンドのJones骨折発生率が有意に高かった。(出典:藤高他「大学男子サッカー選手のJones骨折発生に影響を及ぼす環境要素の検討」『日本整形外科スポーツ医学会雑誌』2020年)

人工芝はケガをしやすいことを、サッカーや野球などのプロ選手の多くが知っている。

にも関わらず、各地のスポーツ協会や少年チームなどの多くは、「若者の未来のために」と自治体に人工芝グラウンドを要求する。

自治体もそれに応え、人工芝導入を検討する。

自治体職員にとっては、隣の市が人工芝になっているなら、自分のところもしないと恥だとでも思うのだろうか?全国の多くの自治体が、人工芝を敷きたがる理由がさっぱりわからない。

プラスチックの弊害がますます明るみになり、「脱プラ」が叫ばれている今、人工芝を導入することの方がよほど恥ずかしいことだ。

人工芝のマイクロプラスチックは目に見えるサイズのものもあるが、多くはとても小さく目に見えない。

そのため、大気汚染の原因にもなっている。

人工芝上で過ごすことで、マイクロプラスチックを多く吸い込むことになる可能性があるということだ。

同じ種類、同じサイズのマイクロプラスチックでも、紫外線で劣化したものの方が有害性が高い、という研究報告もある。

保育園や幼稚園の園庭でも人工芝が増えているが、人工芝上で遊んだり、スポーツをしたりする子どもたちの将来の健康がとても心配だ。


ニューヨーク州、PFAS汚染で3Mなど5社を提訴

ニューヨーク州が、有害だと知りながら水汚染の原因を作ったとして、スリーエム(3M)など5社を提訴した。

https://www.asahi.com/articles/ASV796SM2V79UHBI02HM.html

提訴された化学企業は3Mのほか、デュポン、ケマーズ、コルテバ、EIDP。

ニューヨーク州司法長官は、これらの企業が「PFASが有害だと知りながら販売してきた」として、責任を問う。企業に州全域の浄化活動への資金を拠出させ、PFASのリスクを適切に知らせるための命令を、裁判所に出すよう求めているという。

相模原市も道保川で水質浄化実験をやっているようだが、浄化活動は税金でするのではなく、3Mに資金を求めるべきだ。また、3M社敷地内の汚染土壌の撤去あるいは浄化も早急に求めるべきだ。

米EPA、PFAS規制案を一部見直し。4物質の基準を撤廃か

米国環境保護庁(EPA)は今月、飲料水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)に関する最終規制について見直しを発表した(JETRO, 2026.5.29)。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/05/59713a1bad01c396.html

PFOAとPFOSに対しては、最大許容濃度をそれぞれ4ng/L(4ppt)とする基準値自体は維持するが、順守義務の開始時期を当初の2029年から2031年まで2年間延期するそうだ。

また、他の4物質(PFHxS、PFNA、HFPO-DA、およびこれら3つのPFASとPFBSのハザードインデックス混合物)については基準を撤廃するとのこと。

PFHxSやPFNAなどはストックホルム条約で規制が決まっている種類のPFASだ。基準を撤廃してどうするつもりだろう?

アメリカはストックホルム条約に批准してはいないが、こんなものを野放図にばら撒かれてはかなわない。

豪政府、PFAS汚染で3M社に2300億円請求

オーストラリア政府はPFASを含む泡消火剤による環境汚染を巡り、スリーエム(3M)を相手取り、20億豪ドル(約2300億円)以上の損害賠償を求める訴訟を豪連邦裁判所に提起したそうだ。

3M社は環境への影響を把握していたにもかかわらず、虚偽の説明をしたとしている。

オーストラリア政府が起こした民事訴訟としては過去最大規模の金額とのこと。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2026052800786&g=int

日本政府は、3Mやダイキン、三井・ケマーズなどを提訴しないのだろうか?

少なくも相模原市は、3Mに原状回復を求めるべきだ。

現在、市ではなく、市民が現状回復を求めオンライン署名をおこなっている。相模原市内の3M社敷地内において、泡消火剤の性能試験を繰り返し行ったため、土壌が汚染され、そのため地下水が汚染されてしまったためだ。

スリーエムジャパン社長宛の署名「3Mに相模原事業所PFAS汚染の原位置土壌浄化を求める」↓

https://c.org/zFgxSGvknk

また、市民団体による紙ベースの署名活動も行われている。

研究:衣類に使われているPFASや難燃剤は、皮膚から取り込まれる

最近読んだニュースに、「英国バーミンガム大学が人間皮膚モデルを使用した研究によると、マイクロプラスチックの中の化学物質の約8%は汗に濡れた皮膚を通じて体内に吸収されることができる」と書かれていた。

https://www.mk.co.kr/jp/world/12050225

元になった論文を探したところ、2024年に発表されたこの研究のようだ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412024002216?via%3Dihub

汗をかくとポリエチレンやポリプロピレンのマイクロプラスチックから溶け出した難燃剤が、皮膚を通して体内に吸収されるとのこと。約8%というのは最大値だ。

しかし、この論文でわかるのはポリエチレンやポリプロピレンからの化学物質溶出であり、ポリエステルやナイロンなどの繊維製品からではない。だが、ポリプロピレンはマスクやオムツ、スポーツウェアなどにはよく使われている。

さらに探すと、こういう論文も見つかった。中国・南海大学の論文だ。

https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2025.180426

PFASやOPE(有機リンエステル)が、子ども用や家庭用の繊維製品に広く使われていて、一部の子ども用衣類はPFOSがEUの基準値(1 μg/m2)を超えていたそうだ。

OPEは難燃剤や可塑剤として使われる環境ホルモン(内分泌かく乱)作用が指摘されている化学物質だ。カーテンなどには難燃剤として使用されていたとしても、なぜ子ども用衣類に含まれていたかはこの論文を読んでもわからない。キャラクターなどのプリントに必要だったのだろうか。

洗濯によってOPEは除去されたが、繊維製品からのPFOAは、放出が促進されたとのこと。

洗濯するほどOPEは減少し、PFASは検出量が増える傾向にあったということは、洗濯は解決策にならないということだ。

しかも、調べた製品の87.9%からPFASが検出され、OPEはほぼ全サンプルから検出された。

皮膚曝露実験では、特に汗をかくと、汗は化学吸収を著しく増加させ、PFASでは最大3252倍、OPEでは835倍に増加した。つまり汗をかくことで、PFASやOPEは皮膚から吸収される可能性が高まるということか。

撥水加工衣類はPFAS・OPE濃度が通常より約3倍高く、機能性の高い衣類ほど、どちらも多い傾向があった。

衣類を選ぶ際は、できるだけシンプルで化学処理されていない綿100%などを選ぶのがよさそうだ。

ナフサ不足なのに、なぜ「脱プラ」しない?

高市政権は「中東依存から脱却する」として、メキシコなどとも電話会談をした。

https://www.sankei.com/article/20260421-5FJIUN7EMZMJJMILL7YCH6GSUA/

中東依存については以前から問題視されていたが、日本の石油化学産業はこれまで中東からの原油に頼り切っていた。そのため、今は特にナフサ不足が問題になっているようだ。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2659196?display=1

ナフサと聞くと、以前どこぞの学者の「ナフサは石油の余り物。プラスチックはその有効利用だ」という主張がよみがえる。それならば、ナフサ不足で100円ショップのプラスチック製品の棚が空いてもよいはずだが、100円ショップには安価なプラ製品がひしめいている。

当然、「脱プラ」機運も盛り上がらない。包装材の印刷をモノクロにしたり、などは進んでいるようだが、脱プラは進まない。その理由を考えてみた。

1.不足しているのは、ナフサから作られる加工品だが、「脱プラ」で減らせるタイプのプラ製品ではない。

2.日本で現在、ナフサで作っているのはシンナーなどの有機溶剤や塗料、タイヤの合成ゴム、ウレタン断熱材、そして日本車向けの超高性能なポリプロピレン(PP)やポリスチレン。

3.安価なポリエチレン(PE)製品や、一般グレードのPPなどのプラ製品は、中国などで天然ガスから大量に作って日本に輸出してくるので、十分足りている。

4.脱プラで減らせるのは一般向けのPEやPP製品なので、現在不足しているナフサ加工品(高級樹脂や溶剤)の危機とはあまり関係ない。

5.日本でナフサから作っていた高機能(透明度や密閉性の高い)な食品包装は不足しているため、食品業界はピンチ。なので、これを機にもう少し過剰包装を見直しても良いと思うが、食品業界にとっては消費者の反応が怖い。そのため、業界がすることはせいぜいペットボトルのラベルをなくすことや、包装のサイズを小さくすること、印刷を簡易にすることなど。

要するに、ナフサ不足は脱プラに繋がらず、輸入プラスチック製品だらけの100円ショップもナフサ不足の影響をほとんど受けないということだろう。

せめて、人工芝価格が高騰し、人工芝計画が見直されることを願っている。

明石市民のPFAS血中濃度、水源による差が2.5倍

明石川流域でPFASが高濃度で検出された問題で、京都大学の小泉昭夫名誉教授が26日、兵庫県明石市で報告会を開いた。

流域の水を水道水に使う市東部の住民のPFAS血中濃度が、使っていない市西部の住民より高く、統計的に有意な差が確認されたと報告したそうだ。

明石川の水を水道水に使う市東部の46人と、使っていない市西部の7人の血液検査結果から、7種類のPFASの血中濃度を比べたところ、市西部の住民は血液1ミリリットルあたり平均10.6ナノグラムだったが、市東部住民は25.3ナノグラムだったという。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/nation/ASV4V3QGBV4VPIHB005M

差はなんと2.5倍!

東部住民は平均血中濃度は、アメリカの基準に照らし合わせると、「高リスク」で、精密な健康検査が必要なレベルだ。

人工芝グラウンド、子どもたちの育成にとってありがたい?

足立区立高野小の跡地に、区内初の全面人工芝グラウンドの多目的スポーツ拠点「高野スポーツパーク」が26日、オープンしたそうだ。

https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20260426-GYTNT00124/

脱プラが叫ばれ、PFASも懸念されるなか、なぜ人工芝グラウンドにしたのか?と思い、記事を読んでいたら、区サッカー協会の理事長のコメントがあった。

「試合や練習会場は、これまで荒川の河川敷が主で、人工芝グラウンドは長年の悲願だった。子どもたちの育成にとってありがたい」とのこと。

人工芝から発生するマイクロプラスチックやナノプラスチックは、明らかに健康に有害だ。健康に悪い施設が完成して、本当に有り難がっているのは子どもではなく、子どもをプロにしたがっている大人だけではなかろうか。

13億7000万円もかけて、健康にも地球環境にも悪いものを増やした足立区、本当に残念だ。

米コーネル大学の人工芝訴訟、争点はPFAS

人工芝を巡り、環境団体「ゼロ・ウェイスト・イサカ」がコーネル大学とニューヨーク市を訴えていると聞き、調べてみた。

MIT Technology Review(2026.4.27)“「一番ましな悪い選択肢」人工芝の安全性をめぐる 論争はまだ終わらない”によると、

「コーネル大学が新しいフィールドホッケー場に人工芝を敷設したのに対し、環境活動家たちが訴訟を起こし、科学者たちはPFASやマイクロプラスチックへの懸念を訴えた。しかし大学側の判断は変わらなかった。これと同じ対立が今、全米各地で繰り広げられている」

とのこと。

現地のニュースによると、争点は主にPFASで、大学側が調べた40種類のPFASはいわゆる低分子のPFASで、検出されなかったらしいが、環境団体が調べたのは総フッ素。これがPPMレベルで検出された。

欧米の研究では以前から、人工芝にはPFOSやPFOAなど低分子のPFASが低濃度で、そしてフッ素樹脂やフッ素ゴムなど高分子のPFASが高濃度に含まれていることが指摘されている。低分子のPFASが低濃度なのに、総フッ素濃度が極めて高いということは、高分子のPFASが入っていると考えられるためだ。

高分子PFASについて、推進側は気にも留めないが、住民側にとっては低分子でも高分子でもPFASはPFASだ。いくら高分子のPFASは、体に入っても素通りして排泄されるから安全だといわれていても、納得できるはずがない。実際に、肺や精液、尿などの中からフッ素樹脂であるPTFE(いわゆるテフロン)が結構見つかっているのだから。

しかも、高濃度の総フッ素は廃棄時も問題だ。燃やせば、フッ化水素ガスを発生させる。しかも、よくわからない類いのPFASも合成され、焼却炉から発生するに違いない。

なぜ、大学のスポーツチームのために、周辺住民が危険な目に遭うのか、納得できないに違いない。

プロスポーツ界では現在、選手の健康を守るため、脱人工芝化が進んでいる。人工芝はケガをしやすいためだ。大学もそろそろ脱人工芝を模索したら良いと思うが、コーネル大学でさえ周囲の反対を押し切って強行しているくらいだから、日本の大学が脱人工芝に踏み切る日はまだ遠そうだ。

訴訟は一審が大学・市側の勝訴で、環境団体が控訴した。

米国では確か、総フッ素濃度もPFAS規制に含めた州があったはずだ。ニューヨーク市の人工芝規制も総フッ素濃度での規制あればよかったのに、と残念だ。この調子では、低分子のPFAS製品は減っても、代わりにフッ素樹脂やフッ素ゴムがどんどん増えてしまう。

しかも、EPA法で定められた40種類のPFASを調べたとはいえ、あらかじめ調べるとわかっている40種類を入れずに、他のPFASを使えば「PFASフリー」を唱えるられる仕組みもおかしい。PFASは16000種類ほどあるというから、総フッ素濃度での基準も設けるべきだ。

韓国のPFAS汚染の講演会、3/25に開催

子どもケミネットとダイオキシン環境ホルモン対策国民会議の共催で、韓国のPFAS汚染の講演会が開催されるそうです。

以下に案内を転載します。

【開催概要】 
講演タイトル:「韓国のPFAS汚染 消防士の血中濃度検査結果と市民運動の対応」
講師:韓国労働環境健康研究所所長 ウォン・キム博士(Dr. Won Kim)

日時:2026年3月25日(水)午前10:00~正午(日本時間)
開催方法:オンライン
参加費:無料
逐次通訳付き

お申込方法: 
以下のURLよりご登録下さい。
https://x.gd/OpBi7

内容(チラシを転載)

PFAS汚染に関する国際セミナー2025年度の3回目は、韓国のPFAS汚染の状況とその取
り組みについてです。
講師は、韓国の労働環境健康研究所(韓国で唯一の民間の労働安全衛生分野の研究
所)・所長のウォン・キム博士です。韓国政府のバイオモニタリングの結果、韓国人がプラス
チックに使用されるPFASを含む多種類の内分泌かく乱物質(環境ホルモン)に汚染され、そ
の濃度は他国に比べて高い」ことが明らかになり、汚染による健康障害が懸念されていま
す。
キム博士は「プラスチックは地球を汚染し、プラスチック中の有害物質は環境と人類の健
康を脅かす」として、私たちもその影響から抜け出すことができないと指摘しています。キム
博士の研究所では、韓国政府からの依頼で、消防士の血中のPFAS濃度を測定し、勤務年
数と血中濃度の推移について調査しています。今回その調査の内容と、韓国のPFAS汚染
やPFASに対する市民運動について、報告してもらいます。
どうぞご参加ください。