コカコーラ、4年連続トップの汚染企業

breakfreefromplasticの2021年レポートによると、2021年のプラスチック汚染企業は、「コカ・コーラカンパニー、ペプシコ、ユニリーバ、ネスレ、プロクターアンドギャンブル、モンデリーズインターナショナル、フィリップモリスインターナショナル、ダノン、マース、コルゲートパルモリーブ」とのこと。

コカコーラは、「販売量と同等量を回収」などという「2030年ビジョン」を大々的に掲げていながら、今年も汚染トップ。これで4年連続だ。

しかし、「ESGブランド調査」によると、コカコーラは5位。この手の調査結果は、環境団体の認識とはかけ離れているようだ。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00159/100600034/

イメージ戦略はうまいが、拡大生産者責任(EPR)は果たすつもりがないのだろうか。サスティナビリティをうたいながら、200mL前後の超ミニボトルを量産し、回収責任を果たさない・・。グリーンウォッシュを疑いたくなる。

そういえば、コカコーラはかつて日本で「空き缶公害」が問題になった際、汚染トップ企業だとして当時の若者たちが問題にした会社だ。当時の新聞によると、若者達は拾ったコカコーラの空き缶をトラックにいっぱい積み込んで、本社前に乗り付け、コカコーラに空き缶の買い取り要求をしたという。

その当時から会社の体質は何も変わっていないということか。回収責任をきっちり果たしてほしい。

<出典>

https://www.breakfreefromplastic.org/wp-content/uploads/2021/10/BRAND-AUDIT-REPORT-2021.pdf

鳩サブレー、紙製容器に

鳩サブレーのパッケージ(仕切りトレーや緩衝材)が紙に変わった。脱プラスチックを目指し、豊島屋と日本製紙とが、2年かけて開発したとのこと。

「使い捨てプラスチックの使用量を年間およそ100トン削減できる見込み」だそうだ。

10月から順次販売。使い捨てではあるけれど、漫然とプラスチックを使っているよりはマシだ。

今度買ってみたい。

<出典>

FNNプライムオンライン(2021.10.30)「鳩サブレー」のパッケージが紙に 使い捨てプラスチック 年間100t削減」↓

https://www.fnn.jp/articles/-/261770

もうバドワイザーは飲まない リユース樽を使い捨てプラスチック樽へ変更

もうバドワイザーは絶対に飲まない。

アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパンは、リユースされていた「バドワイザー」Pure Draught(ピュアドラフト)のスチール樽を、わざわざ使い捨てのプラスチック樽に変更した。

返却しないでよいため、返却に伴うCO2を出さずに済むとのこと。しかし、この容量ならば飲食店向けだろうから、飲食店に新しいビールを配達する際に引き取っていたのでは?

典型的なグリーンウォッシュ。言い訳にしか聞こえない。返却の際の輸送に伴うCO2は気になるが、空いた容器を処分する際のCO2や新原料から樽を作る際のCO2は気にならないようだ。エコロジカルフットプリントで計算せずに、カーボンフットプリントで都合のよいところだけ計算するから、このような結論になるのだろう。

「年内はスチール樽からの切り替えに重点を置き、来年以降、本格展開を予定」とのこと。

このご時世、わざわざ使い捨てプラに切り替えるのは、余程SDGsに逆らいたいのか。

「リサイクルできる」というが、主材料として使っているPET樹脂以外に、ガスバリア性を高めるため何か他の樹脂を使っているのでは?「PET/プラとして処分することが可能」とのことだが、この色つきボトルがいわゆる「PET」として他のペットボトルと一緒にリサイクル工場へ行くとは思えない。

プラスチック資源循環促進法では、事業者の自主回収も促されている。ワンウェイ容器であっても、このようなものは事業者が引き取るべきだ。そうであれば、返却に伴うCO2は、リユース容器と大して変わらない。

<出典>

Web東奥(2021.9.30)↓

https://www.toonippo.co.jp/articles/-/692156

食品産業新聞社(2021.10.27)「「バドワイザー」新プラスチック樽「ピュアドラフト」開発、企画背景や今後の展開を聞く」↓

https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2021/10/2021-1027-1448-14.html

「レジ袋有料化廃止」は桜田議員の選挙対策?

「レジ袋有料化は廃止されるの?」と最近よく聞かれる。その都度「まさか!あり得ません」と答えるが、なぜこんな風評が広まったのかと、気になって少し調べてみた。

発端は、桜田義孝衆議院議員のツイッターらしい。桜田氏が5日、ツイッターを更新し、レジ袋有料化問題について「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。・・・レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿したのだそうだ。

これが、「レジ袋有料化が廃止される」などと誤解されるような話にまで発展したらしい。

桜田議員といえば以前、復興五輪についての不適切発言で辞任した議員だ。今度の衆院選で、千葉8区は野党が候補を一本化し、包囲網を敷いた。

https://www.asahi.com/articles/ASPBF652BPBDUDCB003.html

それで焦って、レジ袋有料化に反対する人達の票を取り込むべく、ツイッターに「環境大臣とお友達だよ」アピールをしたのだろうか?

もしそうであれば、これほど広まるとは思わなかったにせよ、あまりにも幼稚でお騒がせな「選挙対策」だ。国会議員の発言とは思えない。

「ガチャ」好き日本、プラごみには無頓着。ご当地ガチャも登場

ガチャポンなどのカプセルトイが人気だ。しかし、カプセルはもちろん、中のオモチャもほぼ100%プラスチック製。

いずれこのようなものは「脱プラ」の流れで自粛されるに違いないと思っていた。無添くら寿司の「ビッくらポン」のカプセルも昨年6月、一部の店舗で試験的に紙製カプセルに切り替えると発表していた。

https://www.ssnp.co.jp/news/foodservice/2020/06/2020-0615-1602-15.html

マクドナルドのハッピーセットでさえ、2025年までには世界中の店舗でプラスチック以外のものに切り替えると発表している。イギリスでは既に、マクドナルドもバーガーキングもプラ製以外のものに切り替えたと聞く。日本もいずれ、カプセルも中身も、プラスチック以外になるに違いないと信じていた。

ところが先日、NHKで「街ガチャ」を船橋でスタートしたと好意的に紹介していた。中身は、「地元愛」にあふれたアクリル製キーホルダーらしい。カプセルは「環境に配慮」して、生分解性プラスチックとのこと。おそらくポリ乳酸だろうか?

ポリ乳酸は、産業用の堆肥化施設でなければ分解しない。環境中に捨てられたら、何年経とうが分解しない。環境に配慮するならば、紙製(再生紙)にすべきだし、中身もアクリルではなく、プラスチック以外のものを採用すべきだ。

ガチャガチャというプラスチックの音と、どれが当たるかわからない、というゲーム感覚で楽しめることが、カプセルトイのミソなのかもしれないが、いいかげんプラスチック以外の遊び道具を見つけてほしいと思う。

<参考>

船橋経済新聞(2021.9.23)「「街ガチャ in 船橋」第1弾 地域の魅力がカプセルトイに、市内21カ所で」↓

https://funabashi.keizai.biz/headline/2869/

「食の安全を守る人々」上映会と講演会のお知らせ

いま話題の映画「食の安全を守る人々」の上映会と講演会がある。オンラインで視聴することもできるし、直接会場参加も可能だ。オンライン参加の場合と会場参加の場合は申し込みが別なので、注意が必要。

主催者によると、「今回初の公表となるネオニコチノイド系農薬の人体残留検査の結果、そして今年度から始まる農薬再評価でネオニコやグリホサートの規制がどうなるか、など盛りだくさんの内容」とのこと。楽しみだ。

以下、転載↓

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 ◆「食の安全を守る人々」上映会&講演会◆
子ども達の未来のため農薬削減に向けていま何ができるか
~ネオニコ系農薬の体内暴露の実態と農薬再評価から考える~

人の健康や生態系への悪影響が報告されているグリホサートやネオニコチノイド系農薬は、世界各国で規制や禁止に舵を切る国が増えています。一方、日本は単位面積あたりの農薬使用量が世界トップクラス、農薬の残留基準値も緩い、いわゆる「農薬大国」です。私たちデトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)の調査では、毛髪からグリホサートをはじめとする農薬が検出されたり、乳幼児用のお菓子からグリホサートが検出されたりしており、食べものを通して農薬を身体に取り込んでいることが明らかになっています。そのような中、改正農薬取締法の下、今年からグリホサートやネオニコ系農薬が優先的に再評価されることになりました。
まず、農薬やゲノム編集、種子の問題に取り組んだ話題のドキュメンタリー「食の安全を守る人々」を上映します。その後、DPJがグリホサートに続いて始めるネオニコ系農薬の尿検査で見えてきた予想以上の体内暴露実態、さらに農薬再評価で現状を変えられるかについて話をします。そして、どうしたら農薬使用を減らせるか、全国で進んでいるオーガニック給食の運動についても考えます。会場とオンラインの同時開催です。ぜひご参加ください。

【日 時】2021年10月17日(日)
<上映>
①オンライン参加⇒9:00~13:00、15:30~22:00 (Vimeoで配信)
 ※ご都合のよい時間にご視聴ください。
②会場参加⇒10:00~11:50(開場は9:30より)、11:50~12:10(会場のみ)山田
正彦プロデューサーのアフタートーク
<講演>
①②とも13:30~15:30(オンラインはZoomで生中継)

【会 場】日本社会連帯機構・会議室(東京都豊島区東池袋1-44-3 池袋ISPタマビル8階)

【参加方法】オンライン(zoom)と会場参加
【参加費】1,500円
【定員】オンライン500人、会場40人

【申込先】
※オンライン参加と会場参加は申込先が別ですのでお気を付けください。
①オンライン参加申込先:https://dpj-1.peatix.com
②会場参加申込先:https://dpj-2.peatix.com

9月9日以前にお申し込みで「①オンライン申込み」が「②会場申込み」にリンクされていたため、①オンライン参加を申し込まれたにもかかわらず②会場参加にお申し込みとなっている場合がございます。お心当たりのある方はお手数ですが、detoxprojectjapan2019@gmail.com までご連絡ください。

<講演会プログラム>
13:30~13:35 開会あいさつ
13:35~14:05 報告「事前調査で見えてきた日本人の尿に含まれるネオニコチノイド系農薬の状況」
         八田純人さん(農民連食品分析センター所長)
14:05~14:30 講演「農薬再評価でグリホサートやネオニコチノイドは規制できるか」
         木村―黒田純子さん(環境脳神経科学情報センター副代表)
14:30~14:35 休憩
14:35~15:25 トークセッション「どうしたら農薬を減らせるか」
         天笠啓祐さん(DPJ共同代表)、印鑰智哉さん(同)、八田純人さん、木村ー黒田純子さん
15:25~15:30 閉会あいさつ
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主催は、デトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)です。

DPJの詳細は以下をご覧ください↓
https://detoxprojectjapan.jimdofree.com/dpj%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

マクドナルドの脱プラ、英姉妹の署名がきっかけ?

イギリスのマクドナルドが、子ども向けメニューにプラスチック以外のおもちゃ提供を決めたのは、おそらく世界で一番早かった。日本のマクドナルドはようやく今年9月に、2025年までには・・と発表した。日本を含む世界のマクドナルドで実施する。

なぜイギリスのマクドナルドが、世界に先駆けて決めたのだろうか、と少し不思議に思っていた。イギリスはプラスチック問題への意識が高いからだろうと単純に考えていたが、実は幼い姉妹が署名を集め、それをマクドナルドに届けていたことが理由のようだ。

たまたまchange.orgのサイトを見ていたら、8歳と10歳の姉妹が集まった約50万筆の署名を入れた箱をもって、マクドナルドの前に立っている写真が載っていた(2年前の写真?)。

スウェーデンのグレタさんの行動力も素晴らしいけれど、この姉妹の署名も世界中のマクドナルドを動かしたわけだ。署名の威力はすごい!

「Save the environment – Stop giving plastic toys with fast food kids meals」↓

https://www.change.org/p/burger-king-mcd-s-save-the-environment-stop-giving-plastic-toys-with-fast-food-kids-meals

<関連記事>

米カリフォルニア沖、パイプラインから原油流出

カリフォルニア沖で石油採掘施設のパイプラインが破損し、これまでで約57万リットルもの原油が流出した。

航行中の船のいかりがあたったようだとのこと。

動画に、浜辺で清掃作業員が原油の塊を除去している様子などが映っている。海鳥にも被害がでて、何羽か救助したそうだ↓

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67255

プラスチック資源循環促進法の施行令案、パブコメ募集開始

環境省がプラスチック資源循環促進法の施行令案に関するパブリックコメントを昨日(10月8日)から募集している。

「令和3年8月の中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会及び産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会プラスチック資源循環戦略ワーキンググループの合同会議にて、同法の施行に伴う施行令案等について審議されました。
 本施行令案等について広く国民の皆様からの御意見をいただきたく、以下の要領で意見を募集します。忌憚のない御意見をくださいますようお願い申し上げます(なお、本施行令案等については、パブリックコメントでいただいた御意見に加え、関係省庁との調整等による修正があり得ます。)。」

とのことだが、8月の議事録は会議2回分ともまだ公開されていない。

https://www.env.go.jp/council/03recycle/yoshi03-14.html

これで意見をいえといわれても、ほとんどの人が困るのではないか。

募集しているのは、

(1)「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示について
(2)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案(仮称)
(3)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の施行期日を定める政令案(仮称)
(4)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行規則案(仮称)
(5)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に基づく指定調査機関等に関する省令案(仮称)
(6)特定プラスチック使用製品提供事業者の使用の合理化による排出の抑制に関する判断基準省令案(仮称)
(7)プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断基準省令案(仮称)
(8)プラスチック資源の分別収集物の基準及び委託の基準に関する省令案(仮称)
(9)プラスチックに係る資源循環の促進等を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針案(仮称)
(10)プラスチック使用製品設計指針案(仮称)

についての意見。締め切りは11月7日。

詳細は↓

「「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案」等に関する意見募集について」↓

https://www.env.go.jp/press/110005.html

ラウンドアップ裁判、初めて原告側の敗訴 ハチミツからグリホサート

アメリカのラウンドアップ裁判、これまでずっと被害者側が勝ってきたのに、今回初めてバイエル(モンサント)側が勝ってしまったようだ。まだ事情はよくわからないが、残念だ。告発した母親は、毎週庭にラウンドアップをまいていたらしい。その結果、10歳の息子がバーキットリンパ腫を発症したため、訴えた。

母親も脳に転移した子宮頸がんに苦しんでいるが、それは訴訟の対象ではないとのこと。

https://www.chemanager-online.com/en/news/bayer-wins-its-first-roundup-case

また、週刊新潮によると、日本で販売されているハチミツから残留基準値を超えるグリホサートが検出された。しかし、調べられた6種類とも0.02から0.03ppm程度のようなので、むしろ小麦やソバに混入しているグリホサートの方が心配になる。

なんといっても、小麦などの残留基準値は、2017年末から30ppmに緩和されている。

デイリー新潮(2021.10.6)「【独自】トップシェア「サクラ印ハチミツ」に基準値超えの発がん性疑惑農薬 役員らは隠蔽」↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e142cc5ca5cffb8dd8ba792f330d420866df33a

ラウンドアップの収穫前散布によって、穀物にはグリホサートが結構な濃度で残ってしまう。それでパンを作ったりうどんを作ったりする方が、少ししか食べないハチミツよりもよほど心配だ。

また、ドラッグストアやホームセンターにはグリホサート入りの除草剤が、ラウンドアップ以外にもところ狭しと並んでいる。これらが一体どこにまかれるのか、と考えただけでもゾッとする。子ども達の通学路や公園でなければまだよいのだが・・・。

このような化学物質の安易な使用が、子どもの身体や精神にどのような影響を与えるのか、心配だ。