「海洋生分解性プラを採用すればエコだ」と勘違いしている人が多いのではないか。
カネカの海洋生分解性プラPHBHは、日本で一番評判がよいかもしれない。しかし、その原料はパーム油だ。
食品からパーム油を排除するのは難しいが、パーム油はインドネシアやマレーシアの森林破壊を引き起こし、森林火災の原因にもなっている。先住民族や現地住民への人権侵害も問題だ。CO2の膨大な排出の一因でもある。
たとえ認証されたものでも使わないに越したことはない。
そうであれば、ストローやスプーン、レジ袋などのような使い捨てのものに採用するなどは、あってはならないのではないか。このようなものは、特に必要がないケースが多い。ほしい人はお金を払って買えばよい。
セブン・イレブンが以前、カネカのPHBHをストローに採用した。
https://www.kaneka.co.jp/topics/information/in20191031/
こんなものを採用するのはセブンだけだろうと思っていたところ、最近ファミリーマートまでがスプーンに採用したそうだ。
https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2021/nr2106221.html
レジ袋に採用したところもある。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/10634/
これらのような不必要なものに、パーム油を使わないでほしい。
海洋生分解性プラスチックはもっと有用なものに使うべきではないか。
海洋生分解性プラというと、海に落ちればすぐに分解してなくなくように聞こえるが、そんなことはありえない。認証の基準である海水温が30度もある海など日本近海には真夏の一時を除けばほぼ存在しないし、仮に熱帯地域の暖かい海に落ちたとしても、海底に沈んでしまえば、海水温は低く酸素量も少ないから分解しない。
分解が止まった海洋生分解性プラは、普通のプラスチックと同様、生物にとって害悪だ。
今後コンビニなどが、プラスチック製のフォークやスプーン、ストローをどのように減らすつもりかは知らないが、有料制を導入し、大幅に減らしてほしいと思う。