英国のスコッチウィスキーメーカーがリユースびんに

イギリスのスコッチウィスキーのメーカーNc’neanが、ビンのリユースを始めた。

ウェブ上でウィスキーを注文すると、返品ラベルを納品書に同封して発送し、購入者はそれを使って無料で空き瓶を返送できるようにしたとのこと。

これにより、1本返品されるごとに推定280gの炭素が節約される。

https://www.just-drinks.com/news/scotch-whisky-firm-ncnean-distillery-launches-bottle-return-scheme/

イギリスのデポジット制度は、どんどん開始時期が延期され、今のところ2027年10月から。ガラスびんは対象外だ。

代わりにガラスびんは、拡大生産者責任が義務づけられる。同社の取組はそれを睨んだものかもしれない。

同社は、イギリスではじめてネットゼロ認証を受けたウイスキー蒸留所だそうだ。合成洗剤を使わず、代わりに酵素を使うなどのこともおこなっている。

日本ではリユースはやっていないだろうが、ウィスキーは日本でも販売しているようだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000098971.html

フランス、ガラス容器のデポジット制度を一部地域で試験導入

フランスの脱プラ政策は世界トップだ。オリンピックでのペットボトル販売を禁止した。代わりに無料給水ポイントを14箇所に設置した。

コカコーラなどのスポンサーも協力したそうだ。「大会期間中は再利用可能なボトルと200以上のソーダファウンテン(清涼飲料水を供給する機械)を提供」とのこと。https://www.parasapo.tokyo/topics/107947

さすがだ。東京オリンピックでは、ペットボトルはコカコーラなどの大手スポンサーへの忖度から、禁止できなかった。

パリ市長と小池都知事の環境意識の差が現れている。

そのフランスで、ガラス容器のデポジット・リユース制度の試験導入が、2025年5月から開始される。

汚染者負担の原則に基づき、メーカーが資金提供した団体が、「食品小売の様々な規模の1200店舗を通じて、デポジット料と引き換えにガラス容器を回収し、洗浄の上でメーカーに供給する」とのこと。期間は18ヵ月だが、お金をかきて大規模に行うので、おそらく延長されるだろう。

デポジット額は20-30ユーロセントになる予定。

ガラスびんだけではないようだが、どんな容器になるか楽しみだ。

トリニダード・トバゴ国でデポジット制度の計画を立ち上げ

トリニダード・トバゴ政府は7月26日、飲料容器のデポジット制度を開始するため、国家飲料容器預金返還システム(BCDRS)の実施に関するフレームワークを発表した。

対象は、密閉された5リットル以下の飲料容器(ペットボトルや缶、びん、カートンなど)で、紙コップや既にリユースされている飲料容器は含まない。

容器の返却先になる事業者には手数料を支払う。

https://tt.loopnews.com/content/govt-launches-plan-beverage-containers-deposit-return-system?eType=EmailBlastContent&eId=6bd6bb32-619b-47a6-9b76-a6a0edfc5f97

目的は、埋立地で終わる資源物をリサイクルに転換することだ。

ルーマニアのデポジット制度、順調に進行

昨年11月30日に開始されたルーマニアのデポジット制度は、順調に進んでいるらしい。

今年1月だけで200万個以上の容器が回収されたとのこと。

https://www.romania-insider.com/deposit-return-system-romania-packages-january-2024?eType=EmailBlastContent&eId=5c983eb0-10c0-47a5-a076-cb8cde976f9f

デポジット制度の対象は0.1から3リットルまでのびん、缶、プラスチックだ。

デポジット額は0.50RON(日本円で16円から17円程度)。

消費者が小売店に容器を返却すると、手動の場合は現金で、自動回収機の場合は店のバウチャーか、銀行振込で返金をうけることができる。

ルーマニアのデポジット制度に関する法律は2018年に可決された。

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オーストリア、2025年1月からデポジット制度開始 Sensoneo社の技術を選択

オーストリアは来年1月から飲料容器のデポジット制度を開始する。

対象は、0.1から3Lのペットボトルと金属缶で、デポジット額は0.25ユーロ(0.27米ドル)とのこと。

デポジット制度の複雑なITシステムは、やはりSensoneo社を選択した。同社の技術は現在、欧州のデポジット制度の要となっているようだ。

「オーストリアは、Sensoneoのソフトウェアソリューションを選択した6番目の国で、同社は、スロバキア、マルタ、アイルランド、ハンガリーのデポジット制度のシステムに加え、ルーマニアの世界最大の集中デポジットシステムを含む、ヨーロッパのデポジットシステム6つの公開入札をすべて獲得したと伝えられている」とのこと。

https://www.packaginginsights.com/news/austria-chooses-sensoneo-tech-for-national-drs-launch-in-2025.html?utm_source=Newsletter&utm_medium=email&utm_content=25+Jan+%7C+FEVE+talks+essential+PPWR+changes+%7C+Packmatic+secures+€15M+in+funding+%7C+Austria+chooses+Sensoneo+for+2025+DRS+launch&utm_campaign=2024-01-23+PI+Daily&eType=EmailBlastContent&eId=fcf337f9-7334-4876-920a-faaad2dad365

同社はスロバキアの会社で、2017年に創業。70ヶ国で事業を展開し、スマート廃棄物管理ソリューションを提供しているそうだ。

https://ameblo.jp/s2021751/entry-12801371634.html

昔はデポジット制度の運営は面倒でお金もかかったが、今はIT技術の進歩でだいぶラクにできるようになった。

上記パッケージングサイトによると、オーストリアの飲料容器回収率は現在70%。来年デポジット制度が開始されれば80%になると予想されている。2027年には90%になり、EU目標を達成できる。ペットボトル回収率のEU目標は、2025年までに77%、2029年までに90%だ。

日本もいつまでも「ペットボトル回収率は既に90%以上」などと、過大な予測をしていないで、早くデポジット制度で「真水」の90%回収を達成して欲しいものだ。

どうしてもデポジット制度を導入したくないのであれば、フランスのようにペットボトル使用を半分に減らす半減目標を立てるべきだが、日本は経済界に配慮し、どちらも選ぼうとしない。

シエラクラブ、米メリーランド州でデポジット制度に関する法案を起草

メリーランド・シエラクラブが、デポジット制度法案を起草しているそうだ。法案はまもなく提出されるとのこと。

https://bnnbreaking.com/world/us/maryland-activists-propose-bottle-deposit-system-to-enhance-recycling/?eType=EmailBlastContent&eId=6cae144f-60cf-4ef9-a917-f14397808cc6

シエラクラブは、全米50州に支部を置く環境保護団体だ。

https://kotobank.jp/word/シエラ・クラブ-169266

頑張れ、シエラクラブ!日本の環境団体も、ここまで力があれば良いのだけれど・・。

アイルランド、2月1日からデポジット制度開始

アイルランドでは、予定通り2月1日から飲料容器のデポジット制度が開始される。対象となる飲料容器の種類は、プラスチックとアルミ、スチールの3種類だ。ガラスは除外された。

サイズは150mLから3リットルまで。150mL以上500mL以下のデポジット額(保証金額)は15セントユーロ、500mLを超える容器は25セントユーロになる。

デポジット付き容器にはロゴが印字されている。印字のない容器は、返金を受けることができない。牛乳などの容器はデポジット制度の対象外だ。

容器の返却場所は、販売店やスーパーなど。自動回収機に破損していない空き容器を入れると、レジで換金できるバウチャーが発行される仕組みだ。自動回収機でなく、店頭に持ち込んだ場合でも、容器が破損していないことを確認後返金されるという。

ガラス容器に関しては従来通りのルートで回収されるそうだ。

EU指令後、EU域内ではデポジット制度を導入する国が相次いでいる。

参考↓

ハンガリー、飲料容器のデポジット制度開始 欧州で15ヶ国目

ハンガリーは今年の1月1日から飲料容器のデポジット制度を開始した。ヨーロッパでのデポジット制度採用国は、15ヶ国目だという。

https://www.packaginginsights.com/news/new-year-new-drs-hungary-begins-recycling-single-use-drink-containers-with-tomra-and-envipco-machinery.html?utm_source=Newsletter&utm_medium=email&utm_content=4+Jan+%7C+Hungary+launches+national+DRS+with+Tomra+and+Envipco+%7C+Dubai+outlaws+single-use+plastic+bags+%7C+Researchers+convert+cardboard+into+high-strength+cushioning+foam&utm_campaign=2024-01-04-+PI+Daily&eType=EmailBlastContent&eId=35a2351a-187c-42df-8c15-4ec08012158a

EUの「使い捨てプラスチック指令」によるものだ。

デポジット額はHUF50(米ドルで約0.14ドル)。対象は、0.1から3リットルまでの缶・ガラス・プラスチック製の全ての飲料容器(牛乳と乳製品を除く)だ。スーパーなどに自動回収機が設置された他、人の手によっても返却できる。

ニューヨーク州がペプシコを提訴、コカコーラは?

米・ニューヨーク州が州裁判所にペプシコを訴えた。

理由は、「州西部を流れるバファロー川が、ペプシコの商品に使われているプラスチックのボトルやキャップ、包装紙によって汚れ、飲料水が汚染され、生態系を傷つけていると指摘。同社はプラ容器などが健康や環境に与える潜在的なリスクに関して、消費者に警告を怠った」ためとのこと。

https://mainichi.jp/articles/20231116/k00/00m/030/026000c

ニューヨーク州のバファロー川流域は、ペプシコの商品がよく売れているようだ。

世界的に見れば、コカコーラがトップのプラスチック汚染企業だ。脱プラスチックネットワークBreak Free from Plastic主導の「プラスチック汚染企業調査」によると、コカコーラが5年連続トップの汚染企業だ。ペプシコのプラごみは2番目に多いが、コカコーラとの差は歴然としている。

プラスチック生産量や世界的なプラごみ散乱量がトップのコカコーラよりも、ニューヨーク州ではペプシコが最大の汚染企業だったわけだが、その理由として考えられることは、ニューヨーク州では以前から飲料容器を対象にデポジット制度が採用されていることだ。

ニューヨーク州のデポジット制度は金額が低く(わずか5セント)、しかも対象容器の種類も少ないため、最近はそれほど効果を発揮していないように見えるが、それでもペットボトルやアルミ缶はそれなりに回収されている。

そのため、飲料容器の量よりもスナック菓子の袋などの包装材が、ニューヨーク州の調査では多くカウントされたのではなかろうか。

コカコーラが何位だったのかはわからないが、どうせならばニューヨーク州にはペプシコだけでなく、トップ3までの企業をすべて提訴してほしかった。しかし、「見せしめ」の効果は大きいと思われる。

いずれにせよ、ニューヨーク州は早急にデポジット制度を見直し、対象を拡大すべきだ。おそらく1983年の施行以来、見直されていないのではないか。今どき、5セントでは効果が薄すぎる。回収拠点やボトルキャップの扱いについても再考すべきだ。

韓国、ストローや紙コップなどの使い捨て用品禁止を撤回か

飲食店内での使い捨てストローや紙コップの禁止を発表していた韓国が、また禁止までの啓発期間を延長した。また、コンビニのレジ袋禁止も同様に、禁止が延長された。いつまで延長するかは発表されていない。

KOREA WAVEによると「今月7日の発表によると、中小企業主の負担緩和を理由に、規制のかわりに勧告・支援する方向に路線を転換。ビニール袋に対して取り締まりを通じた過料ではなく代替品の使用定着を促進するとしている。事実上、使い捨て品規制から後退するものだ」とのこと。

「環境省は、生分解性袋や買い物かごなど代替品を使う傾向が定着したため、現場の肯定的な変化を考慮し、生活文化として定着させることを支援すると説明」しているという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f835e14326e2a27d9204035fe4771160739e10cd

「韓国コンビニ産業協会によると、大手コンビニが今年上半期に使用した袋は生分解性が70%を占めた」そうだ。

今年6月から施行する予定だった紙コップやプラスチックコップをテイクアウトする際の保証金制(デポジット制)は、既に2025年まで延期されている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f01ac325315ce2a01cfcf235500982c937b61d6

韓国の政策は決まるのも早いが、変更も多い。