全国151地点のPFAS汚染マップ、うち7地点が相模原市

『女性自身』(2023年12月12日号)の「発がん汚染水 全国151カ所で猛毒が!」を読んで驚いた。

151カ所のうち、7カ所が相模原市内なのだ。しかも、市内で最高濃度をたたき出した中央区南橋本の地下水汚染濃度はなんと1500ng/L。

これは全国でも高い方から数えて10番以内となるほどの濃度で、話題になっている東京・多摩地域よりもはるかに高濃度だ。この汚染マップは環境省の一覧や報道などから「本誌作成」とのこと。

この濃度はあくまでもPFOSとPFOAだけを足したものなので、まもなく化審法で規制されるペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)を入れたら、もっと高濃度になる。

PFHxSは、2022年6月のストックホルム条約会議で付属書A(製造や使用を原則禁止)への追加が決まり、国内でも既に製造はされていないようだ。

https://www.asahi.com/articles/ASRCX3TYPRCXULBH003.html#:~:text=環境省は28日,も原則禁止になる%E3%80%82

PFHxSの海外からの輸入は、来年6月から原則禁止になるそうだが、なにぶん「永遠の化学物質」なので、この先長期にわたり環境を汚染することは間違いない。

さまざまなものからPFHxSが既に検出されているが、国や自治体が主に測るのはPFOSとPFOAのみ。PFHxSも測ったら一体どんな数値になるのか、考えただけでも背筋が寒くなる。

「都市森林」をめざし、木を植え続けるパリ市

フランス・パリ市のイダルゴ市長は2020年、大規模に緑化するため17万本の木を植えることを公約に再選された。

2023年の夏までに6万3500本の木を植え、この冬には4万5000本の木を植えるそうだ。既に目標の3分の2(64%)に近づいているという。

https://www.euronews.com/green/2023/12/09/paris-starts-work-to-transform-busy-roundabout-into-citys-first-urban-forest

フランスの環境団体は、「森は木のプランテーションではなく、生態系。(都市森林は)森とはいわない」などと批判しているらしいが、日本から見たらうらやましい話だ。

東京は木を切り続けている。神宮の森さえも、大規模に切り倒そうとするほどだ。

研究によると、「都市部の樹木は、地域の状況に応じて2°Cから10°Cの間で温度を下げることができる」とのこと。

それならば、ヒートアイランドを緩和するためにも、東京はもっと木を大事にするべきだろう。生物多様性の劣化や温暖化の対策になることも間違いない。

増える柔軟剤ユーザー、VOCは大丈夫?

柔軟剤等の香りに起因する健康被害の訴えが増加している。

それにも関わらず、日本石鹸洗剤工業会が行っている「洗濯実態調査2020」によると、柔軟剤を洗濯の度に使用する人は74.6%、時々使用する人を合わせると93.6%もいたそうだ。2015年の調査では洗濯の度に使用が76.7%、時々使用を合わせると90.3%だった。

つまり、柔軟剤を毎回使う人は少し減ったが、柔軟剤ユーザーは3.3%も増えたということだ。しかも、2倍以上の量で使う人は、相変わらず2割近くもいる。

https://jsda.org/w/01_katud/sentaku_chosa2020-2.html

2倍以上の量で柔軟剤を使う人は既に嗅覚が鈍っているので、まるで「シャブ漬け」状態のようになっているのではないか。鼻がバカになっているから匂わない、もっともっとと欲しくなる・・この調査結果を眺めていて、失礼ながらそんな連想をしてしまった。

ハウスダストからも柔軟剤の香料と同じ成分が検出されていることから、柔軟剤ユーザーの家では衣類や洗濯機からだけではなく、室内のハウスダストからも一日中匂っていることだろう。鼻がきかなくなるのは当然だ。

この手の製品を使い続けられる人は、匂いの検知閾値や認知閾値が相当高い人だと思うが、化学物質に敏感な隣人や職場の同僚はたまらない。自分では柔軟剤など香り製品を使っていないにも関わらず、使用する人の香り成分が自分の衣類に付着してしまう。自宅で服を着替えると、その衣類に付いた香り成分が脱落しハウスダストに混入する。その結果、その人の家の中も他人が使っていた香り成分で汚染されるのだ。

メーカーは、長く香らせるための対応として、吸着性や徐放性を向上させる香料前駆体を活用しているという報告まである(重久ら, 2019)。

汚染をまき散らす犯罪的な製品が、なぜいつまでも野放しにされ、より強力になっていくのかが理解できない。揮発性有機化合物(VOC)の点でも、健康にとって有害だ。

浦野ら(2022)の「家庭用柔軟剤等の使用に伴う揮発成分挙動に関する研究」によると、「製品の使用を停止した後、数回の洗濯で揮発濃度が大きく低下すること」が示され、「適当な頻度での使用停止が臭気室の変化や揮発量の増加抑制に効果的である可能性」が示されたという。

「服を何度洗っても匂いが落ちない」と評判の柔軟剤だが、少なくとも揮発量は減るようだ。柔軟剤の袋には、「危険なので、必ず使用量を守ってください。頻繁な使用は危険です。間隔をあけて使ってください」などの警告表示が必要だ。

中国が「竹による脱プラ」を発表

中国政府は国際団体と一緒に「竹素材による脱プラスチック」グローバル行動計画を発表したそうだ。

「プラスチックによる汚染やその生産に伴う汚染物質放出を削減するために代替品として竹製品の利用率を高める姿勢を打ち出した」とのこと。

https://news.biglobe.ne.jp/international/1210/rec_231210_0664080751.html

確かに日本でも、竹は昔からザルやスノコ、カゴなどに愛用されていた。

竹ザルやスノコは今では見かけることも減ったが、小さいスノコはまだおソバ屋さんのソバの下に敷かれている。買い物時に使われていた竹かごはレジ袋に置き換わり、最近よく使われるようになったエコバッグは、プラスチック製か綿などの布製だ。竹の出番はすっかり減った。

しかし、日本でも竹がまた復権し、例えば市販弁当が竹の経木に包まれて販売されたら、美味しそうだ。

プラスチックだけではなかった死産の原因 ネオニコ系農薬も原因か 

名古屋市立大学で昨年、週1回以上市販の弁当や冷凍食品を食べる妊婦は、ほとんど食べない妊婦に比べ、死産率が2倍以上高まるという発表があった。エコチル調査をもとにした調査結果なので、きわめて信憑性が高い。

原因は不明ながらも、弁当容器や冷凍食品をプラスチック容器ごと電子レンジにかけることで、プラスチックに使われている添加剤(ビスフェノール類やフタル酸エステル類などの環境ホルモン)が溶出するためではないかと疑われた。

除草剤も死産率を高めるようだ。秋田県は日本で一番自然死産率が高い。秋田市の水道水を調べるとネオニコチノイド系農薬が高濃度で検出されたという。

水道水からはジノテフランが3060ng/L(2023年8月16日)、スルホキサフロルが510ng/L(同日)検出された。この数値は前者がEUの水道水基準値の約30倍以上、後者が5倍以上とのこと。

しかし、日本の水道水中のジノテフラン基準値(目標値)は60万jg/L(0.6mg/L)だから、日本のバカ高い基準値はクリアしているらしい。EUの水道水基準値は、単一農薬で100ng/L、総農薬で500ng/L。しかも、EUはジノテフランの使用を認めていない。スルホキサフロルも昨年、禁止された。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202205272256105

EUはネオニコ系農薬の全面排除に向かっている。一方、日本は農薬会社への配慮から、禁止しないどころか規制を緩和している。少子化を騒ぎながら、赤ん坊でさえ切り捨てているようだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0378fb4a8233b876ecebdb1e5de91de78748a25c

東京大学の山室先生のブログにあった講演録画を見て死産との関連を知り、愕然としている。

カリフォルニア州の自治体、人工芝の禁止が可能に

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は今年10月、州として人工芝を禁止することは拒否したが、州内の自治体が人工芝を禁止できるようにした。

そのため、サンマテオ郡のミルブレーやロサンゼルス郡のサンマリノなどのカリフォルニアの都市では、すでに人工芝を禁止するよう動き始めているそうだ。

近隣の庭に敷かれている人工芝や、人工芝に充填されているゴムチップから流出するPFASや鉛、ビスフェノールAなど有害物質を心配する住民らが、人工芝に反対している。

https://laist.com/brief/news/climate-environment/once-hailed-as-a-drought-fix-california-moves-to-restrict-synthetic-turf-over-health-concerns

https://calmatters.org/environment/2023/10/california-synthetic-turf-pfas/

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積水化学、「可燃ごみ→エタノール→プラスチック→可燃ごみ」の無限ループ?を開発中 26年以降実現

積水化学工業が開発中の事業に注目が集まっている。

「可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する新技術(BRエタノール技術)により、可燃性ごみ→エタノール→プラスティック製品→可燃性ごみという、これまでになかった資源循環の実現が可能に」なるとのこと。

https://forbesjapan.com/articles/detail/67315

本当にこんなうまい話があるのだろうか。

可燃ごみをガス化し微生物の力でエタノールにするというが、微生物が嫌いなガスは発生しないのだろうか?また、このリサイクル工程でどの程度目減りするのだろう?

26年以降の本格稼働を目指しているそうだ。

この技術だけではマイクロプラスチック問題は解決しないが、とても画期的なリサイクルだ。

EU、売れ残りの服や靴の廃棄を禁止 規制適用は大手2年後、中小6年後

欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会と、加盟国の代表でつくる欧州理事会が、アパレル事業者に売れ残った服や靴などの衣料品廃棄を禁じる法案に大筋で合意した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05DFY0V01C23A2000000/?n_cid=NMAIL007_20231206_A

「今後、正式な承認手続きに入り、2年後から施行する。流行品を低価格で大量消費する「ファストファッション」による衣料品の廃棄拡大に歯止めをかける」とのこと。

環境を顧みず、低価格で衣料品を提供し、大量消費・大量廃棄を促すファストファッションを規制する画期的な法案で、商品の環境配慮設計を義務づける「エコデザイン規制」の改正案だ。

エコデザイン規制とは、繊維製品や家電などを対象に、製品の耐久性や修理可能性などの情報を消費者に提供する義務を販売業者に課すなどして、循環経済を実現するための規制だ。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/a08c5c6a05bd0c33.html

欧州委員会は昨年、繊維戦略を発表した際、ファストファッションを「時代遅れ」と批判している。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/a5dc1b749bd99990.html

なぜペットボトルからフタル酸エステルが検出されるのか。キャップやラベルからの移行かも(追記)

「ペットボトルには、可塑剤としてフタル酸エステルは使われていない」ということをよく聞かされる。

しかし、それならばなぜペットボトルに入れた水などからフタル酸エステル類が検出されるのだろうか?

それについて、先日行われた環境ホルモン講演会に参加し、講師に聞いてみた。講師曰く「フタル酸エステルは移りやすい性質を持っているので、保管時に他の製品(例えば、消しゴムなど)からフタル酸エステルが移ったのではないか」とおっしゃった。

しかし、ある程度は他の製品から移行したものであるにせよ、これまで多くの論文がペットボトルのフタル酸エステルについて指摘・研究している。それら論文の著者が皆オマヌケで、保管場所など気にせず、保管により汚染されたペットボトルばかりを調べていたとはちょっと考えられない。

ペットボトルに入れられていた水などからフタル酸エステル類を検出する研究は、1つや2つではないのだ。

気になって、10本ほどの関連論文を調べたが、ペットボトルにフタル酸エステルがなぜどのように使われているかはわからなかった。しかし、ペットボトルを高温・長期間で保存するほどフタル酸エステル類はペットボトルから中身へ移行することは確かなようだ。

これについては複数の論文で言及されている。例えば↓

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2854718/

また、空になったペットボトルを個人で再利用するのもよくない。再利用により、フタル酸エステル類の一種であるDEHPが「驚くべき早さで移行」するそうだ。

https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/32642892

1つ確かなことは、たとえフタル酸エステルが直接ボトル成形時に使われていなかったとしても、ペットボトルのキャップやラベル(インクや接着剤)に使われているため、そこから移行することだ。

この論文にもフタル酸エステルやビスフェノールAは、キャップやラベルから移行すると書かれている。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304389422001984

一部機械翻訳↓

「カラフルなラベルが付いたPETボトルや、使用されるキャップ(Cincotta et al., 2018)など、ブランディング目的と市場性のための包装慣行は、これらの物質の移行源である可能性があります」。

また、英紙ガーディアン(2022.3.18)によると、「広く使用されている種類のリサイクルペットボトルは、新しく製造されたボトルよりも潜在的に有害な化学物質を中身にもたらす、と研究者は警告している」そうだ。「ペットボトルから飲み物に浸出する150の化学物質を発見し、そのうち18の化学物質は規制を超えるレベルで発見された」。

https://www.theguardian.com/environment/2022/mar/18/recycled-plastic-bottles-leach-more-chemicals-into-drinks-review-finds

ちなみに、ペットボトルの中身からよく検出されているビスフェノールAは、ペットボトルのキャップが汚染源であることは確かなようだ。先述の論文でも指摘されていたが、Bach et al. (2012)も、「PETボトル入り飲料水の容器のキャップがBPAの供給源である可能性」を指摘している。

災害時の備蓄用としてペットボトルを使うのは仕方ないかもしれないが、普段の飲用にはやはり浄水器を通した水道水を飲むのが良さそうだ。

ちなみに我が家の備蓄用の水は、紙パック入りだ。飲む時は少々面倒かもしれないが、それは1リットル以上のペットボトルでも同じこと。なんとかなるだろうと思う。もちろん、紙パックのポリエチレンラミネートを100%信用しているわけではない。しかし、ビン入りを保管した場合のリスク(地震で割れてしまう可能性など)を考えると、他によい選択肢が思い浮かばない。

岐阜・各務原市のPFAS汚染、79人が米指針値超え 原因は航空自衛隊か

今朝の東京新聞(2023.12.5)によると、各務原(かかみがはら)市と岐阜市の住民131人のPFAS血中濃度を調べたところ、うち79人の血中濃度がアメリカの指針値を超えていた。

原因は航空自衛隊岐阜基地で使われている泡消火剤のようだ。三井水源地付近3カ所と航空自衛隊基地の東側2カ所で、国の暫定目標値を上回るPFASが検出されたという。

泡消火剤には危険だとして既に禁止されたPFOSが含まれている。その代替品として横田基地で使われていた消火剤にもやはりPFOSとPFOAが含まれていたことが、漏出事故により既に発覚している。

日本の航空自衛隊もこれまでは米軍基地と同じ消火剤を使っていたのだろうが、もしかしていまだにPFOS入り泡消火剤を使い続けているのだろうか。

そうであれば、岡山のPFAS汚染源も航空自衛隊だろうか?使用済み活性炭の入ったフレコンバッグを長期にわたりダム近くに置いていたため水が汚染されたといわれているが、活性炭の汚染源があるはずだ。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/ohk/region/ohk-18988

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/289798