京都市でもプラごみ増加

ごみ減量に意欲的に取り組んでいる京都市でも、家庭から出されるプラスチックごみが増えている。

昨年のプラスチック製容器包装が前年比で5.2%の増加、「缶・びん・ペットボトル」が同6.4%の増加だ。新型コロナ感染症流行によるものと思われるが、なぜ自宅にいる機会が増えたのに、缶・びん・ペットボトルの消費量が増えるのかよくわからない。来年には落ち着いて、また減少するだろうか?

京都市のごみ量の推移↓

https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000158/158436/R2_gomiryosuii.pdf

マイクロプラスチックよりもウィルスの方が怖い、ということで、昨年からなんでもかんでもプラスチックで包装されている。そのため、全国の自治体で、プラスチックごみ量が増加している。

しかし、マイクロプラスチックを高濃度に吸い込むと、新型コロナは重症化しやすい可能性がある。アメリカのハーバード大学の研究で、PM2.5の濃度の高い地域では、コロナで死亡する人が多いことがわかったのだ。

また、「乳児の体内にもマイクロプラスチックが蓄積されている」という報道もあるが、これほどプラスチックに囲まれた生活を送っていると、人間が体内に取り込むマイクロプラスチック量も最近は増えているだろう。

長期的な健康のためには、新型コロナ対策はプラスチックに頼るべきではないことは確かだ。もちろん、消毒液の噴霧はもっとアブナイ。ではどうするのがよいか、悩ましい。

渋谷区の共同生ごみコンポスト「コムハム」

渋谷区の学校で、生ごみを水と二酸化炭素に処理する「コムハム」という微生物技術を使ったコンポストを設置したところ、4月~7月の間に約300キロの生ごみを校内で処理できたそうだ。

「コムハム」は食べ残しや生ごみを約1日~3日で98%二酸化炭素と水に気化するという高速処理で、堆肥を作らないそうだ。堆肥がほしい人は、作る事もできるという。

普通のコンポストは、生ごみが消えるまでもっと何日もかかるので、もしカボチャの種やアボガドの皮なども早く消えるとしたら、かなりすごい。

虫はわかないのだろうか?

我が家の生ごみ処理器(キエーロ)は手入れが悪い上、なんでもかんでも入れていたため、虫がわいてしまった。今は、コーヒーかすのような分解しやすいものだけは入れるが、難しそうなものはしばらく入れていない。

先日、虫を寄せ付けないようにするため、土の上に薄めた酢をまいてみた。効果はまだよくわからないが、そろそろ野菜くずの投入も再開しようかと思っている。

<参考>

恵比寿新聞(2021.9.14)「渋谷区で生ごみを処理するシェアリングコンポストを街中に設置し街の人が運用する実証事業がスタート。対象は恵比寿ブロック(氷川地区)!」↓

大阪、容器持参できる店MAPを開設

大阪府が面白い取り組みをしている。

食料品や飲み物、洗剤等の日用品をマイ容器やマイボトル持参で購入できる店の検索サイト「Osakaほかさんマップ」を開設するそうだ。

府内の店が約500軒も掲載されているらしい。

公開は10月1日から。下記↓

http://www.osaka-hokasan.jp

詳細は↓

https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42380

グリーンピースの「グッバイ・ウェイスト」とはまだ連携していないようだが、各地でこの手のマップが増えれば、一本化した方が便利そうだ。

グッバイ・ウェイスト↓

https://goodbyewaste.jp

容器持参は、プラスチックごみの減量に直結するので、全国に広がってほしい。

「東京都資源循環・廃棄物処理計画」策定

東京都が「東京都資源循環・廃棄物処理計画」を策定した。

特に斬新な計画などは見当たらないが、目新しいものとしては「感染症対策の徹底等による事業継続性の確保、システムとしてのレジリエンス強化」がある。具体的には、保健所の拡充などだろうか。コロナウイルス感染症や次の感染症に対応するシステムを強化することは喫緊の課題だ。

廃棄物の削減目標なども設定されているが、リデュースよりリサイクル重視の姿勢が垣間見える。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/24/documents/11_01.pdf

【資源ロスの削減】
1一般廃棄物排出量: 2025年度 440万トン 2030年度 410万トン
2プラスチック焼却削減量:2030年度 40%(2017年度比)
3食品ロス削減量 :2030年度 38万トン
【循環的利用の推進と最終処分量の削減】
4一般廃棄物再生利用率:2025年度 31% 2030年度 37%             5最終処分量:2025年度 82万トン 2030年度 77万トン

<出典>

東京都(2021.9.24)「新たな「東京都資源循環・廃棄物処理計画」の策定について」↓

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/24/11.html

テイクアウトでリユースできる「サークルカップ」

多くのカフェで、使い捨てカップをプラスチック製から紙製に変えたが、それでも使い捨ては使い捨てだ。また、使用後のカップをリサイクルするケースもあるようだが、それでもやはりリユースカップのほうが環境負荷は低い。

「CIRCLE CUP」というリユースカップが、都内4店舗で使われている。今後はもっと増えそうだ。

このカップは、合同会社ブルドーザーというところが提供し、竹を主原料にしているとのこと。

デポジット額は300円と少し高めに設定されている。100円程度では捨てられてしまい、戻らない可能性があるからだ。確かに!

店頭で300円+ドリンク代を払い、8日以内にカップを戻せば300円返金される。

採用する店がもっと増えてほしいと思う。

<参考>

「テイクアウトでもカップは“使い捨てない”時代に…廃材から生まれた「CIRCLE CUP」のメリットを聞いた」(2021.9.20)↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/3a2f69c77660b27d151b8f2afe096f4634ae51f1?page=1

CIRCLE CUPウェブサイト↓

https://www.circle-cup.com/product/

映画『MINAMATA』から「香害」を考える

映画『MINAMATA』が話題だ。水俣病に注目が集まるのはうれしいが、これを機に他の公害病も思い出してほしい。水俣病、第2水俣病(新潟水俣病)、イタイイタイ病、四日市ぜんそく・・いずれも悲惨で、解決まで長い年月がかかった。まだ認定されない被害者も多いと聞く。カネミ油症事件も、公害と同じようなものだ。孫の代まで被害は続いている。

イタイイタイ病は今年、1971年の勝訴から50年ということで、地元紙(例えば、北日本新聞2021.9.26)では大きく取り上げられているが、毎日新聞を除く全国紙ではあまり取り上げられていないようだ。

1971年といえば、環境庁ができた年。この年を境に、公害は解決に向け、大きく前進したように見える。

環境庁はその後、環境省となり、仕事内容は公害についてよりも、他のことの方がはるかに多くなった。廃棄物事業も厚生省から環境省に移った。それはよいが、環境を守ることと、健康を守ることは「ベツモノ」になったようで、環境省は公害で苦しんでいる人を見ても、もはや他人事のように見えるのではないか。

「香害」は合成香料による大気汚染公害だが、環境省はいまだに真剣に香害対策取り組んでいるようには見えない。環境庁はもともと、公害対策のために生まれた省庁なのだから、もっと真剣に香り付き製品(柔軟剤など)の規制に向けて動くべきだ。

少なくとも、マイクロカプセルを使用した日用品は早急に禁止すべきだろう。

エネルギー基本計画のパブコメ、締め切り迫る

エネルギー基本計画(案)に対するパブリックコメントの締め切りが迫っているので、急いで提出した。

締め切りは10月4日。

2030年までに目指されている電源構成を見ると、原子力が激増している。今は6%しか使われていないのだから、すぐに止めても誰も困らないはず。それなのに、なぜ増やそうとするのか。

あれだけの事故を起こしても、為政者は原発を動かそうとする。原発で儲かるのは、ほんの一握りの人達だけで、日本の99%以上の人たちは困るだけなのに・・。不思議で仕方ない。

また、これだけ異常気象がひどいのに、まだ石炭火力をほとんど減らそうとしないのもおかしい。

パブコメは下記のサイトから提出するのが便利だ。

「エネルギー基本計画(案)に対する意見の募集について」↓

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620221018&Mode=0

経済産業省 エネルギー基本計画(案)の概要↓

https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/data/02.pdf

マイクロプラスチックにならない生分解性プラ、生産開始

分解の際に蝋に変化するため、マイクロプラスチックにならない生分解性のプラスチックをイギリスの研究者が開発したそうだ。ポリマテリア社が大量生産を開始した。

一般的な生分解性プラスチックは、分解段階でマイクロプラスチック化する。例えば、早稲田大学の大河内教授は、富士山頂で生分解性プラを見つけたと報告している。

しかし、開発された生分解性プラは、分解時に蝋化することでマイクロプラスチックにはならないらしい。

作られた薄い梱包材は、226日で分解するとのこと。

原料が何かは書かれていないので、持続可能なものなのかはわからないが、マイクロプラスチックにならないプラスチックというのはすごい。台湾のセブンイレブンのサプライヤーとも取引が成立したという。

https://jp.sputniknews.com/science/202109248713948/

梱包材といえば、古紙とポリプロピレンを混ぜ合わせた「ワンダーエコ」という梱包材を最近時々見かける。紙が使われていても、プラスチックと混ぜ合わせているから、古紙としてはもうリサイクルできない。

この手の製品が最近増えてきた。発泡スチロールの梱包材よりはマシだろうが、古紙としてリサイクルできないのは困る。既存のリサイクルルートに乗らないものは、結局は燃やされてしまうことになる。

マクドナルドのハッピーセットのおもちゃ、ようやく持続可能な素材に

米マクドナルドが、ハッピーセットなどの子ども向けメニューに付くおもちゃの素材を、2025年末までに持続可能なものに切り替えると発表した。

https://www.asahi.com/articles/ASP9Q2SGZP9QULFA005.html

既に英国やフランスなどでは進められていたが、日本のマクドナルドがこれまで行っていたのは、「おもちゃ回収」だった。おもちゃを回収し、店内で使用されるトレイなどにリサイクルするという、環境のためというよりは営業色の強いキャンペーンだった。

https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2021/0308a/

これでようやく日本のマクドナルドも、2025年末までには持続可能な素材に変更するようだ。とはいえ、「植物由来の素材やリサイクル素材」とのことなのであまり期待は出来ない。紙製のものならばまだよいが、一部にバイオマスを使ったバイオマスプラスチックや、再生樹脂で作られたプラスチックのおもちゃならば、持続可能な素材とは言い難い。

それにしても、なぜ食べものに景品を付けるのだろう?おもちゃの景品を付けないと子どもにも親にも喜ばれないような食べ物など、売らないでほしい。それよりは「無添加」など原料の安全性をうたったり、キッズスペースをもっと充実させたりする方が親も喜ぶのでは?

キッズスペースといえば、「スマイルズ」の取り組みは面白い。

「ファミレスがキッズと一緒に公園づくり、型破りなDNAが未来をひらく──スマイルズ」↓

https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/column/00016/081100005/?P=1

ニュージーランドで使い捨てペットボトル禁止の署名

別の記事を探すため検索していたら、たまたまニュージーランドで開始されている「ペットボトル禁止署名」を見つけた。

ニュージーランドでは、年間10億本以上のペットボトルが捨てられると推定されているとのこと。これらのプラスチックは、マレーシアに輸出されたり、埋立地に埋められたりし、人間の健康を害したり、アホウドリなどの生物に害を及ぼしたり、あるいは、有害なマイクロプラスチックになり、食べ物に入ってしまう。

そのため、使い捨てのペットボトル禁止の署名がしているそうだ。

対象は、0.1から3リットルまでの使い捨てペットボトルに入れられた「すぐに飲める」ことをウリにしている飲料(ミネラルウォーターやソフトドリンク、スポーツドリンク、ジュース、牛乳など)だ。

日本でも始まったら、私もぜひ署名したい。

署名しているサイト↓

https://petition.act.greenpeace.org.nz/plastics-banbottles?source=actioncallout