環境NGOなど環境意識の高い135団体が、12月8日、3人の大臣に人工芝に反対する公開書簡を送った。
書簡の内容は、2030年までに人工芝の生産や流通の原則禁止を求める、など。
当団体も賛同団体に名を連ねた。
そもそも「脱プラ」「減プラ」が叫ばれている時代に、なぜ健康にも環境にも悪いプラスチック製芝を敷く必要があるのか。まったく理解できない。
https://www.ows-npo.org/blog/topics/entry-1975.html

旧「環境にやさしい暮らしを考える」のブログです。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
環境NGOなど環境意識の高い135団体が、12月8日、3人の大臣に人工芝に反対する公開書簡を送った。
書簡の内容は、2030年までに人工芝の生産や流通の原則禁止を求める、など。
当団体も賛同団体に名を連ねた。
そもそも「脱プラ」「減プラ」が叫ばれている時代に、なぜ健康にも環境にも悪いプラスチック製芝を敷く必要があるのか。まったく理解できない。
https://www.ows-npo.org/blog/topics/entry-1975.html
米アリゾナ大学などの研究チームは、PFASで水源などが汚染された米東部ニューハンプシャー州の地域の汚染地域では、生後1年以内に死亡する乳児の割合が汚染地域上流に住む人の約3倍だったと発表した。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1732522
早産や低体重児も多かったそうだ。
2010年から2019年に、同州で生まれた約 11,000 人の出生記録をもとに調べたという。
その結果、下流域の水(勾配下の井戸水)を飲んだ母親から生まれた乳児では、生後1年以内の死亡率が約 3 倍(具体的に 191% 増) という大幅な上昇。さらに、早産の確率が 20%、低出生体重の確率も43%増加した。また、極端な低体重・極端な早産の割合も高かったそうだ(出典:英ガーディアン)。
英ガーディアン↓
また、この研究は、汚染された水を飲むことによる社会的費用と前払いの清掃費用を比較検討し、PFASの水質汚染に対処する方がはるかに安価であることも示した。
元の論文はこれ↓
https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.2509801122?download=true
日本の汚染地域で、誰か調査をしているだろうか?
それとも日本は調査もせずに、欧米よりも何十倍も高い基準値を決め、「安全だ」と言い続けながら、海外の半導体工場を誘致し続けるのだろうか。
この研究は、今すぐにPFAS汚染を取り除き、規制を強化する方が、この先払うことになる社会的費用(健康被害による医療費や生涯所得減少などの費用)よりも安くつくことを示した貴重な研究だ。
日本政府にもこの研究を読み解いてほしい。
ブラジルの有名なサッカークラブ・フラメンゴが、ブラジルサッカー連盟(CBF)に対し、「人工芝の即時禁止を強く求める」公式要請を送った。
さらに、「ブラジルサッカーにおける芝生品質評価・監視プログラム」についての詳細な提案を発表。その目的は、ピッチの基準を向上させることで、ブラジルのゲームを世界のトップレベルに引き上げるものだという。
やはり、プロ選手の多くは天然芝を好んでいる。なのに、なぜ日本のサッカー強豪校は、グラウンドを天然芝にせず、人工芝にしたがるのだろうか?
天然芝に比べ、養生期間の不要な人工芝の方が練習時間を長く取れることは確かだ。しかし、そんな目先のことに惑わされ、怪我をしたら大変だ。人工芝は天然芝より怪我をしやすいことは、既に多くのプロ選手たちが実感している。
また、プロになった場合、どちらのフィールドに慣れているかは、とても大事なはず。県立浦和高校もグラウンドの人工芝化を求め、寄付を募っているが、やめた方がよい。
そもそも、なぜこのようなエリート進学校が、環境にも健康にも悪い人工芝を欲しがるのか、まったく理解できない。
2024年末には条約案がまとまる予定だった国際プラスチック条約だが、今年8月にスイス・ジュネーブで行われたINC5-2でもまだ各国の合意は得られなかった。
このまま消えてしまうのか、と心配していたが、ようやく2026年2月7日にINC5-3が開催されることになった。
https://sdg.iisd.org/events/plastic-pollution-inc-53/
しかし、1日だけで、役員の選出に焦点を当て、実質的な交渉は行わないという。場所はまたジュネーブだ。
ここまで来たら拙速に決めずに、米国のトランプ大統領がやめるまで待ってからINC6を開催するのがよいのではないか。トランプ後のほうが、意欲的な条約案がまとまりそうだ。
昨日(10/23)、東京都庁で神宮外苑再開発の新秩父宮ラグビー場について意見を述べる公聴会が開かれた。募集期間がたった5日と短い上、公述人への「公述に関するご連絡」は開催の3日前。そのため、傍聴席はいっぱいだが、公述人の席はガラガラ。
予定された37人の公述人のうち過半は予定を空けることができず、公述に訪れることができなかったのだ。
これを問題視した公述人の一人が、なぜこのようなスケジュールになったのかと尋ね、2回目の開催を要求。そのまま公述席に座り続けた。会場の人たちも全員その公述人の意見に賛意を示したが、都は回答を拒否。「公聴会は議論する場ではありません。席にお戻り下さい」を繰り返した。
その後、その公述人を都は警備の人を呼び強制的に排除しようとしたが、犯罪者でもない人をさすがに強制的には排除できず、威圧するだけにとどまった。
そのため、公述席がもう1つ用意されたが、続いて公述する予定だった東京大学名誉教授の石川幹子先生をはじめとする残った公述人たちの大半は、都が回答するまでは自分の順番ではないとして都の要請を断った。
しかし、公述の機会は無駄にしたくないと、公述するため帰宅せず、残り続けていた。
2時から始まった公聴会は、都が回答を拒否したまま深夜過ぎまで膠着状態が続いた。
筆者は終電が気になり途中退席したが、深夜24時を過ぎてもまだ30人ほどが残っていたと聞く。
都は19時頃からかたくなに終了宣言「公聴会は終了しました。どうぞお帰り下さい」を繰り返していたが、それ以外の言葉を発することは権限外だったのか、ついに「後日、公聴会を再開します」の声を聞くことはなかった。
前に並んでいた二人の課長(うち一人が「主催者」)のうち、一人は頻繁に部屋を出て、戻るとメモを「主催者」に渡していた。その度に「ようやく上の許可が下りて再開することになったか」と期待したが、ついにそんなことは起きなかった。
あの頻繁なメモは一体何だったのだろうか?「もっとネバれ」とでも書いてあったのだろうか。
それにしても、都のかたくなな姿勢には驚いた。公聴会を再度おこなうことがそれほど難しいのだろうか。工期が遅れると困る、と考えたのかもしれないが、こんな無茶苦茶な計画を強行しながら、都民の声を聞く機会をないがしろにする姿勢に、「これが小池都政の実態か」と思い知らされた。
神宮外苑の古い多くの樹木をなぎ倒し、商業施設や高層ビルを建てるという再開発計画はそもそも問題外で正気の沙汰とは思えない。しかも、歴史ある秩父宮ラグビー場は、場所を変更した上で屋根付き(ドーム)にし、人工芝にする。ラグビー場をイベントもできる娯楽施設に変えようというとんでもない計画だ。
あれで公聴会は終わったことにされてしまうのだろうか。
トイレタリージャパンインク株式会社(本社:東京都港区新橋、代表取締役:尹榮錫)が、「柔軟剤ブランド「香りサフロン AURA」から日本市場向けに新たな香り「ピュアブリーズ」「スプリングプロローグ」を発売」したそうだ。
「香り好き」の日本向け商品らしいが、安全性は大丈夫だろうか?
「韓国では発売されていない特別な商品」とのこと。
もしかして、環境や健康に関心の高い韓国では見向きもされない匂いのきつい商品が、「生分解性」の美名の下、日本市場に投入されるのだろうか?心配だ。
そもそも自国で売らないような商品は、日本でも売らないでほしい。
生分解性のカプセルが必ずしも安全とは限らない。てか、危険な可能性が高い。
「洗濯のたびに、香水をまとうような贅沢な香り体験」など要らないから、香り抜き、カプセル抜きの商品を売ってほしい。そもそも柔軟剤は必要だろうか。
これでまた空気が悪くなる。
<出典>
フランスでは2026年1月1日から、有機フッ素化合物(PFAS)を含む化粧品や衣類などの製造、輸出入、市場投入を禁止する。2月28日に公布された「PFASに関するリスクから国民を保護することを目的とする法律」によるものだ。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/03/3a703ccc382b5d4f.html
日本にもこの法律がほしいが、日本に住んでいる限り、自衛するしか身を守る術はない。
一方、EUでは10月3日、泡消火剤へのPFAS使用を制限することを決めた。今月末までに発効する。
2030年からは使用も制限される。しかし、すべてのPFASではないようだが、PFHxAとその関連物質は禁止されるようだ。
一体何を考えているのだろう?
先般のプラスチックの国際条約会議(INC-5.2)は、結論が出ないまま流会になり、直後は残念そうな論調のニュースが多かった。にも関わらず、各地の人工芝「芝生広場」を礼賛するニュースがちまたに溢れているのは、人工芝がプラスチックだと知らない人が多いせいだろうか?
東京都の都民広場の人工芝は多少批判があったようだが、他の地域ではあまり批判を聞かない。すんなり採用され、好意的な論調のニュースが流れている。
例えば、横浜の広場↓
https://topics.smt.docomo.ne.jp/amp/article/www_watch/trend/www_watch-2052466
環境配慮型人工芝を採用したというから、調べてみた。しかし、どこに「環境配慮」がなされたのか、さっぱりわからなかった。メーカーは「エシカル」と宣伝しているようだ。
また、長野県松本市でも花時計広場に人工芝を採用したそう↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/c96c52df9c6cd4f3ae9aa464a396f40a057d90d7
市民や観光客の憩いの場になっているとのことだが、本当だろうか。
栃木県那須塩原駅前も人工芝を設置する↓
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/shimotsuke/region/shimotsuke-20251004171431
私ならば、マイクロプラスチックが飛び交っていそうな人工芝広場には、極力近づきたくない。吸い込んでしまいそうだから。
設置者は「観光客のため」「住民の憩いの空間」などとのんきに構えているが、事態は既に緊迫している。
各国の大気中のマイクロプラスチックは、憂慮すべきレベルにまで達したそうだ。
https://www.businesswire.com/news/home/20250929293829/ja
これまで各国の人々の脳や内臓からマイクロプラスチックが見つかっていたが、ついに日本人の肺からも、マイクロプラスチックが見つかった。しかも、調べた人全員から。
肺の病気を診断するために生理食塩水を気管支から注入して回収したそうだ。14人でおこなったところ、すべての人からマイクロプラスチックが見つかったという。
長崎大学病院の医師によると、粒子濃度が高いほど血液中の炎症反応が強くなるそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf52047f20bb9c759a2413d1174b466a895429b5?page=1
世界中でプラスチックが問題になっている時代に、特に必要性が高いとも思えない「広場」をわざわざ人工芝にする理由がわからない。
人工芝は、マイクロプラスチックやPFAS、それ以外の多くの化学物質の温床だ。
神戸市西区の簡易水道から基準超えのPFASが見つかった。国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)の約1・4倍にあたる69ナノグラムとのこと。
そのため、「市の教育委員会は、8月下旬から給水エリアにある小学校の給食室や手洗い場などに浄水器を取付けるなどして濃度を低くし、現在この小学校ではPFASの数値が、基準値以下になっている」そうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6b947ac3dba2a80b00b193266406e8deccf1530
市は、小学校の水道だけでも市の水道に変更することを検討しているそうだが、速やかに簡易水道を停止し、地域全体で市の水道に切り替えるべきではないか。おそらく、そうできない理由が何かあるのだろうが、万難を排して早急に切り替えを進めるべきだ。
簡易水道地域の住民は、今のところ浄水器を付けるしか手はないかもしれない。しかし、浄水器は高く付く割に効果は限定的だ。この濃度では年1回のフィルター交換では、安心できない人も多いだろう。
地域住民の血液検査と健康調査を早急に実施し、原因究明にも取り組むべきだ。浄水器で基準値内におさまったからといっても全く安心できない。日本の基準値は欧米に比べ、非常識なほど低い。
ついに地域住民がダイキンに対し、健康調査や汚染対策などを求め、公害調停を申請する方針を固めたそうだ。申請人は数百人規模の見通し。
調停では「(1)PFAS汚染などに関する調査資料開示(2)住民の健康調査(3)工場周辺の土壌・地下水と地盤沈下に関する環境調査―などを求める。さらに、住民との連絡協議会を設置し汚染対策と補償を要望する方針」とのこと。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3aaefb799de8709ffbcefb45af631487f341fdfe
公害調停は当事者同士の間に調停委員会が入り合意を目指すが、合意に達しないときは、訴訟になるケースも多い。
よほどダイキンが歩み寄らない限りは、訴訟に発展するのではないかと思うが、企業城下町の摂津市では被害を訴えられない住民も多そうだ。