人工芝化する校庭の増加理由は、不完全な「学校保健安全法」のせいか

以前は大学などのサッカー部が使うサッカー場を人工芝にする傾向があった。特に強豪校といわれる学校は、人工芝が好きだった。最近では、サッカー部を強くしたい高校のサッカー場も人工芝になってきた、と思ったら、小中学校の校庭まで人工芝にする学校が増えているようだ。

理由は、近隣への砂塵対策などだと聞くが、人工芝化された校庭をもつ学校に通う児童は気の毒だ。

人工芝には内分泌かく乱作用のある化学物質が含まれている。芝葉の部分にはノニルフェノールやUV-328など、ゴムチップにはフタル酸エステルをはじめ、気になる物質がてんこ盛りに含まれる。PFASも含まれている可能性が高い(PFASは芝葉部分に多い傾向)。

人工芝から発生するマイクロプラスチックが大気へ放出されると、そのマイクロプラスチックに付着したこれら化学物質も一緒に放出されることになる。それを吸い込むのは、通っている児童・生徒だけではないが、やはり毎日学校にいる子が多く吸い込みそうだ。

もちろん、すぐに毒性が現れるような物質ではないので、気にしない親も多いだろうが、私ならば我が子を通わせるのは躊躇する。こんな幼い子どもたちまで、なぜプラスチック付けにして育てようとするのか、理解できない。

韓国では日本よりも早く、校庭の人工芝化が始まった。しかし、2008年に環境団体が校庭の人工芝から基準を超える鉛を見つけた。その後、2014年に国の外郭団体が全国調査を行ったところ、約17%の学校の校庭の人工芝から基準値を超えた重金属やベンゾピレンなどの発がん性物質などが見つかった。そのため、基準を超えた人工芝校庭は土の校庭などに戻された(天然芝校庭になった学校もある)。それ以降、多くの自治体が2年ないし3年ごとに校庭の有害物質調査を行い、結果を公表している。

日本ではなぜこのような調査が行われていないのか?と不思議に思い、「学校保全安全法」を調べてみた。この法律には、感染症や事故、衛生問題などは想定されているが、校庭に存在するかもしれない有害物質については考慮されていないようだ。

確かに、昔は校庭の危険性などは、せいぜい砂場の砂の衛生問題(たとえば、砂場にペットが排泄するなど)程度しか考えられていなかっただろう。

しかし、今の校庭は心配な人工物だらけだ。人工芝にゴムチップ舗装、陸上競技用のウレタントラックなど。日本にそれらに含まれる(あるいはそれらから揮発する)有害化学物質の基準値はあるのだろうか?

「学校環境衛生管理マニュアル」(文科省)などを見ても、校庭についてはほとんど触れられていない。「屋上や校庭の側溝等の雨水排水溝について検査を行う」程度だ。

人工芝やゴムチップなどは、施工時は基準値内でも周辺から多環芳香族炭化水素(PAHs)などを吸着し、有害性を増すことが知られている。日本の校庭や公園は、敷設の際に調べられた形跡はないし、敷設後も調べられることはないと思われる。

メーカーから安全性に関する書類を提出させるのかもしれないが、敷設時はもちろん、数年ごとに有害物質調査をする必要がある。

韓国では人工芝だけでなく、校庭の陸上トラックも調べたところ、問題のある物質がいくつもの校庭から見つかった。ウレタン舗装時に早く乾燥させるために使われた薬剤に問題があったようだ。

今のままの学校の安全基準で、子どもたちを守ることは到底できそうにない。至急、校庭の有害物質を調査し、さらに教室内の電磁波なども測定すべきだ。

PFAS論文差し替えと森友学園文書改ざんの共通点

食品安全委員会のPFASワーキンググループは、PFASの規制値を緩く設定するため、論文の7割を水面下で差し替えていたという。

257本中の7割だから、相当な数だ。それについて、高木仁三郎市民科学基金などによる「PFASプロジェクト」が3月3日、記者会見を行った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/93440f26e9052f7d5a570475dd6dd42fa7cdd7dd

これまでもバレなかっただけで、このようなことはあったのだろうと思うが、これから先はますます増えそうだ。まさに貧すれば鈍すで、命よりもカネが大事な人は多い。企業に忖度し、論文を差し替える委員たちは、今後ますます増えそうだ。

他方では、これまで隠されていた森友学園の文書が開示されることになった。今後1ヶ月をメドに開示するとのこと。

改ざんを苦にして自殺した赤城さんの妻・雅子さんが裁判で頑張ってくれたおかげだ。

https://mainichi.jp/articles/20250304/k00/00m/010/156000c

隠蔽に改ざん・・この2つの事件は、都合の悪いことを隠すため、忖度を迫る圧力がいかに強いかを示していて、気味が悪い。

日本の「劣化」を証明しているが、裁判で勝ったことは救いだ。

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相模原市、鹿沼公園・複合施設整備基本計画のパブコメ開始

「次世代に引き継ぐ淵野辺駅南口周辺のまちづくりプラン~鹿沼公園・複合施設整備基本計画~(案)についてのパブリックコメント」が開始された。〆切は3月21日だ。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/shisei_sanka/pubcome/1032248.html

PFIをやめ、DBO方式にするそうだ。

「スケジュールは25~26年度に設計、27年度から工事に着手する。29年度に複合施設、30年度に全面供用を開始し、既存施設を解体する」とのこと。

https://www.kentsu.co.jp/webnews/view.asp?cd=250221400009&area=2&yyyy=0&pub=1

市民としては、鹿沼公園は気に入っているし、中央図書館にも特に不満はないからそのままで構わない。公園の木は伐らずにそのまま残してほしい。春は桜を楽しめるし、秋はどんぐり拾いの子どもたちがいる。デイラボッチの碑も面白い。なぜ「再開発」したいのかわからないから、できるだけ現状維持で残してほしい。どこにでもあるようなキレイな都市公園はゴメンだ。

とはいえ、市は、周辺に点在している公民館などの公共施設を一カ所にまとめ、複合施設とすることで、運営費が安くつくと見込んでいるのだろうか?

再開発の理由はわからないが、新しい施設を何年契約のDBOにするのか次第で、不満があった場合にどう対処するかが変わる。民間にできるだけ任せて面倒なことから逃れたい市の気持ちはわかるけれど、あまり長い契約にしてほしくない。

マイクロプラスチック汚染と消費行動

メリーランド大学の最近の研究によると、大気汚染と消費行動は関連性があるそうだ。買い物による満足感で、空気の質の悪さによって引き起こされる不快感を払拭しようとするため、金遣いが荒くなるらしい。

https://today.umd.edu/study-consumer-spending-rises-with-air-pollution

ということはマイクロプラスチック汚染のひどい日は、無駄遣いが増える可能性が高い。消費者にとっては踏んだり蹴ったりの日だが、石油や天然ガスを「掘って掘って掘りまくれ」というトランプや、イーロン・マスクのような資本家にとっては、儲かる日なのだろうか。

神宮外苑、28日(月)から樹木伐採を強行か

国内外でこれほど多くの人が伐採に反対しているにも関わらず、新宿区は昨日、事業者による3回目の樹木伐採申請を許可した。

伐採は明後日28日(月)から開始される見込みだ。

伐採に反対するため、今日14時から全国ネット「コモンズの緑を守る全国ネット」が主催し、「みんなの緑を大切にパレード」で神宮外苑から日比谷公園までパレードをするそうだ。

https://commonsnet.jp/?p=34

https://commonsnet.jp/?p=50

「風致地区指定を区民にも区議会にも話すことなく、こっそりと変更する」などということが、あっさり許される日本は、本当に民主主義国家なのだろうか。

「アベノマスク」価格や数量は口頭で、メールは全員自発的に消去

なぜ「アベノマスク」が全戸配布されたのか。しかも、税金が400億円以上も使われ、大量の在庫が残った。挙げ句に、使う人はほぼいなかった。

まるで小児用サイズの布マスクで、カビなど不良品も多く、問題の多いマスクだった。

この訴訟で明らかになったのは、国の役人と業者のやりとりが何も残っていないほど、ズサンだったこと。

裁判長も「全て口頭で?」と聞き返したほどだったそう。

https://www.asahi.com/articles/ASSBH33WJSBHPTIL00WM.html?linkType=article&id=ASSBH33WJSBHPTIL00WM&ref=mor_mail_free_topix3_6_20241016

400億円もあれば、もっとよいコロナ対策ができたはず。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/076e832664eba658984cf5bc74f9115eb907511c

まるで火事場泥棒のような話だ。火事場でドサクサに紛れて得られた宝物を、寄ってたかって関係者一同で分けあったということか。

8月1日は世界のアースオーバーシュートデー

アースオーバーシュートデーとは、「1年間に地球が供給する生物資源と人間が消費する使用量を比べて期日に換算したもの、言わば「年間資源使い切りデー」」(エコロジカル・フットプリント・ジャパン)のこと。

2024年の日本のアースオーバーシュートデーは5月16日だった。そして、2024年の世界のアースオーバーシュートデーは8月1日。

ちなみに、昨年のそれは8月2日だったから1日早まった。ということは、昨年よりも資源の浪費が激しかったということか。

ロシアによるウクライナ侵攻は2022年からだから、早まった原因の1つはイスラエルのガザ侵攻だろうか?

戦争は最大の環境破壊であるのは当然だが、先進国が過剰な資源浪費を今すぐやめなければ、人間は地球に住めなくなるのは確かなことだ。

オリンピックも万博も見直すべきだ。とりわけ大阪万博は、やる意味がまったくわからない。神宮外苑再開発もあまりに過剰で、暴挙としかいいようがない。

こんなムダなことをしているから、日本は半年も経たずに(世界平均より2ヶ月半も早く)地球の資源を使い切ってしまうのだろう。

残念な都知事選の結果と神宮外苑再開発問題

都知事選は、神宮外苑再開発はほとんど争点にならなかったようだ。

都知事選に先立ち、三井不動産はこんなニュースをアップしていた。

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0705/

再開発の言い訳だが、都庁元幹部が14人も天下っているならば、この記事も天下った元幹部が書いたのか。

再開発を進めることで、元幹部や都知事が得るメリットは大きいのだろうと思うが、私たちが失うものはお金にはかえられないものだ。

再開発の賛否を問う住民投票を日本全体でやってほしい。

日本の今年のオーバーシュートデーはまもなく。地球1個分の暮らしにはほど遠い

エコロジカル・フットプリント(以下、エコフット)は、人間が消費する量(需要)と地球が生産する量(供給)を比べる指標だ。

人間が地球の供給量を上回らず、地球1個分で暮らしている限りは、気候変動や森林破壊、プラスチック汚染などは起きなかったはず。しかし、今は地球の生態系サービスの量以上に人間は資源を使い、CO2を放出している。

そのせいで、いろいろひずみが生じ、環境問題も起きてしまった。

人間の活動が、生態系の再生能力を超える日がオーバーシュートデーだ。その日以降の暮らしは赤字の状態と同じで、私たちは子孫に借金をしながら暮らしていると考えられる。

昨年、世界のアースオーバーシュートデーは8月2日だった。

今年のオーバーシュートデーはまだ不明だが、日本のオーバーシュートデーは5月16日とのこと。まもなくだ。

新年からまだ半年も経っていないのに、私たちはエコフットの小さい国や子孫にツケを回しながら、赤字状態で暮らすことになる。

https://overshoot.footprintnetwork.org/newsroom/country-overshoot-days/

電池の捨て場所がない!不十分な拡大生産者責任

電池を使い捨てするのはもったいない、と充電式小型電池(ニッケル水素電池)を使用していた。

まだ出始めの頃に買ったものがもうほとんど役立たなくなったので、処分しようと処分先を探した。大手電気屋などの回収店は、近隣には見当たらない。仕方なく、相模原市が回収を始めたところへ持って行こうとしたところ、電気屋よりももっと遠方にしかなかった。

なぜ電池1つ捨てるのに、バスや電車を乗り継がなければならないのか??

すべての販売店に回収義務がないのはおかしい。また、通販で販売していたものは、着払いでリサイクル先に送り返せるようにすべきではないか。

リチウムイオン電池によるごみ収集車や清掃施設、リサイクル施設の火災が増えている。

リチウムイオン電池の回収場所もニッケル水素電池と同様、極端に少ないから、わかっていてもごみと混ぜて捨ててしまう人が多いのだろう。

日本の拡大生産者責任は一体なぜこんなに不十分なのか、とつくづく思う。