成田市議会「見た目を揃えるため」マイボトルを禁止、ペットボトルと紙コップに統一

千葉県の成田市議会では、議会の委員会室に持ち込める飲料容器はペットボトルのみとし、マイボトルの持ち込みを禁止にしたそうだ。

きっかけは、市民からの苦情だったという。

以下、転載(AERA, 2019.9.30)↓

「市民から『議員がペットボトルで直接飲み物を飲むのは見栄えがよくない』との苦情があり、委員会室ではペットボトルから紙コップに注いでから飲むことだけが認められました。その時にマイボトルの話も出たのですが、『マイボトルでも直接口に付けて飲むタイプとコップに注ぐタイプがある』ということになり、最終的には議員団が用意したペットボトルの飲み物だけを許可し、紙コップに注ぐことで統一することになりました」

つまり、ペットボトルと紙コップをセットで使用することになり、それ以外はダメとのこと。

しかも、会津議員のブログによると、

「マイボトルは目立つからダメ。見た目を揃えるためにもペットボトルでなければならない。」

ということが、マイボトル排除の理由だったという。

冗談だろうか?もし、本当だとしたら、倒錯しているとしかいいようがない。

市民からの苦情は、ペットボトルに口をつけて飲むことであって、水筒で水を飲むことではなかった。にも関わらず、見た目を揃えるためにペットボトルと紙コップで統一する??意味がわからない。

近年、ごみ問題や温暖化問題を喫緊の課題と捉え、プラごみゼロ宣言を出す自治体が相次いでいる。ペットボトルの提供を中止する自治体も少なくない。

しかし、成田市議会が禁止したのは、ペットボトルではなくマイボトル・・・

ペットボトルも紙コップも、削減すべき使い捨て製品の筆頭だ。ルールを決めた人たちは、何か重大な勘違いをしている。

成田市にはごみやCO2削減を担当する課はないのだろうかと思い、市のホームページを見てみたところ、一般的な環境基本条例はある。

https://www.city.narita.chiba.jp/content/000010031.pdf

問題は、議員の多くがこの条例の意味を理解していないことのようだ。

<参考>

AERA(2019.9.30)「マイボトル禁止でペットボトルOKの成田市議会に批判噴出 懇談会ではコンパニオン派遣も」↓

https://dot.asahi.com/dot/2019093000049.html?page=1

会津素子成田市議会議員ブログ↓

https://ameblo.jp/koshary/entry-12530367421.html

固定価格買取制度の基準見直しを

FIT(固定価格買取制度)に温室効果ガス(GHG)の基準を入れるかどうかの議論が、佳境に入っている。

経産省は、相変わらずGHG基準を入れるつもりはないそうだ。

このままではパーム油や輸入木材などがどんどん燃やされて、再生可能エネルギーとして売られることになる。

私たちが電気代に上乗せして支払う再エネ賦課金は、決してバカにならない金額。それが、インドネシアやマレーシアのパーム油生産のための森林伐採や、泥炭湿地帯の破壊に使われるということだ。

インドネシアの森林火災による煙害は、今年も激しい。乳児らの死者も出ている。パーム油を買い続ける日本にも責任があるのではないか。

輸入木材にしても、伐採地によっては地球温暖化を加速させる。

パーム油や輸入木材を燃やして発電することが、なぜFITで認められるのか、理解に苦しむ。

<煙害についての参考>

朝日新聞デジタル(2019.9.23)「インドネシアで煙害深刻、乳児ら死亡 周辺国も巻き添え」

https://digital.asahi.com/articles/ASM9P2RP1M9PUHBI00L.html

 

ニュージーランド、デポジット制度導入か

ニュージーランドのユージニー・セージ環境副大臣が、飲料容器のデポジット制度を導入すると発表した。

制度設計については、2020年8月までに政府に提示され、2022年までには実施される見込み。

対象は、プラスチック、アルミ、ガラスを使った飲料容器で、デポジット(保証金)金額は5から20セントの予定。

ニュージーランドでは、長らく産業界がデポジット制度導入に強く反対していた。

オーストラリアの影響か、ようやく導入が決まったようだ。

欧州連合内では、海洋プラスチックごみ対策の一環で、最近デポジット制度の導入、あるいは検討する国が相次いでいるが、ニュージーランドではムリだろうと思っていた。

しかし、ニュージーランドでも導入が決まったということは、日本もあきらめるのはまだ早いかもしれない、と勇気づけられる。

<参考>

stuff(2019.9.25)Government announces beverage container return scheme;

https://www.stuff.co.nz/environment/116070622/government-announces-beverage-container-return-scheme

奪われし未来の著者らが来日、環境ホルモン国際セミナー

11月24日に、中央大学で「有害化学物質から子どもを守る国際市民セミナ−」があるそうだ。

『奪われし未来』の共著者ジョン・ピーターソン・マイヤーズ氏も講演する。

主催は、NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議。

環境ホルモンは、日本では最近あまり聞かなくなったが、世界では研究が進んでいる。

最新情報を聞いてみたい。

詳細は↓

http://kokumin-kaigi.org/?p=3081

 

プチ「脱プラ」宣言⑫トイレットペーパー「うれしいトレペ」

毎日使うトイレットペーパーには、誰しもこだわりがあるだろう。

シングル派、ダブル派、再生紙派、純パルプ派、芯あり派、芯なし派・・など。

他にも、付け替えが面倒なので長尺がよいとか、または購入時の1個当たりの単価重視で長さや質にはこだわらない・・などもありそうだ。

100m巻き、個包装なし、シングル、100個入りの「うれしいトレペ」を買った。雑がみ(雑古紙)からできた無漂白トイレットペーパーだ。

プラスチックのパッケージがないので、12ロール入りなどを買うより気分がいい(ただし、段ボールを止めてある2本のPPバンドのみプラスチック)。

使用後にリサイクルもできないトイレットペーパーは、捨てられてしまう雑古紙で十分、しかも色が悪くてもよい、との思いで、このトレペが開発された約20年前から、ずっと愛用している。

1ケース買うと数年はもつので、棚のデッドスペースにギュッと圧縮して詰め込む。潰して棚に入れると、通常より約2倍収納でき、ホルダーに取りつける時に手で押せば元の形に戻る。

これで何があっても(例えば、災害や、かつてのオイルショックのようなことがあっても)、トイレットペーパーだけには困らない。

経済産業省でも、トイレットペーパーの備蓄を推奨している↓

経済産業省ウェブサイト(2019.8.30)「トイレットペーパーを備蓄しましょう!」

https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190830006/20190830006.html

写真(チラシ)は、芯なしトレペ100m巻きと65m巻きの50個入りと100個入りの送料込みの価格表。個包装付きのタイプは、これに1個当たり1円がプラスになる。

80個入りも用意されている。

詳しくは(チラシ)↓

うれしいトレペ.両面

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑪ごみ収集者を悩ます「爆弾」、ビーズクッション

 

クラレの生分解性プラ、エコ商品かも?

クラレは生分解性プラスチック事業の売上高を2026年に19年の5倍に引き上げる計画。

クラレの生分解性プラスチック「プランティック」は植物由来。今はまだ他の樹脂と組み合わせた積層フィルムだが、今後は、紙に単層のプランティックを貼り合わせた包装材料の販売拡大を急ぐとのこと。

紙に単層の生分解性プラを貼り合わせたものならば、堆肥化にも向きそうだ。

堆肥化が進まない日本では売れないかもしれないが、堆肥化の進む欧米などには売れそう。

原料の調達先が環境配慮型の生産体制かどうか、また使用する添加剤は問題のないものか、などにもよるが、「エコ商品」といえるかもしれない。

<参考>

日本経済新聞(2019.9.18)「生分解性プラ売上高 26年に5倍 クラレ、海外販売に力」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49922630Y9A910C1TJ3000/

横浜市、カジノ予算通過 子育て世帯が逃げ出す施策を選んだ理由は?

横浜市が、カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐり、市議会は、誘致関連費用2億6千万円を盛り込んだ補正予算案を可決した。自民党系会派と公明党が賛成したという。

横浜市がIR誘致を決定した理由として、横浜が外国人宿泊者数の伸び率が他都市より低い傾向にあり、観光客の約9割が日帰りであることなどがあげられている。つまり財政事情だ。

しかし、そんな自治体などザラにある。何を高望みしているのか、とあきれるが、本当の理由は別にあるのかもしれない。

例えば、カジノ会社から日本への口利きを頼まれたトランプ大統領が、安倍首相に要請した、という話もある↓

https://38news.jp/economy/14535

国内では、安倍首相⇒菅義偉官房長官⇒林市長、という指示系統だろうか?

横浜ならば地理的条件もよく、カジノ会社も大喜びで、安倍首相の顔も立つ。

真相は藪の中だが、はっきりしていることは、カジノができれば子育て世代は横浜市から離れた所へ引っ越すだろうということ。

カジノのある街で子どもを育てたいと思う人はいない。

なぜ、住民が減るような決断をわざわざ横浜市がするのか、理解に苦しむ。

先日行われた「横浜にカジノはいらない 女性たちよ手をつなごう」の集会では、韓国やマカオのカジノの街の悲惨な状況が、ビデオ上映されたという。

韓国の「江原(カンウォン)ランド」では、やはり治安の悪化や風紀の乱れから若い世帯が引っ越し、子どもたちの姿が消えたそうだ。

横浜だけでなく、日本にカジノはいらない。

<参考>

朝日新聞デジタル(2019.9.20)「横浜市議会、IR誘致予算を可決 反対市民が市役所包囲」

https://digital.asahi.com/articles/ASM9N469MM9NULOB01F.html

「横浜にカジノはいらない 女性たちよ手をつなごう」集会報告(田端薫)

「横浜市、カジノを含むIR誘致。山下ふ頭を想定」

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1202892.html

ハワイ、発泡スチロール製容器の禁止/使用状況

アメリカでは、発泡スチロール製容器を禁止する自治体が増えている。

例えば、ハワイ島では今年7月1日からテイクアウト用の発泡スチロール容器がすべて(皿、コップ、ボウルなど)禁止された。

マウイ島では2018年末から禁止されている。ホノルルのあるオアフ島でも禁止が検討されているようだが、まだ禁止されたとは聞かない。

そのため、使用がまだ続いているのだろうと思っていたが、最近ホノルルへ行った人の話では、ガーリックシュリンプ丼のどんぶりが発泡スチロール製から紙製に変わっていたとのこと。

タレの容器は相変わらずプラスチック製だったそうだが、全体的にみて、確実に変わってきたようだ。

例えば、ジュースの容器はBPI(生分解性プラスチック)マーク入りが増え、ストローは紙製や金属製だったという。

アメリカでは、連邦政府は脱プラに消極的だが、州・自治体レベルは頑張っているようだ。

<参考>

日刊サン(2018.3.18)「発泡スチロール容器禁止法案に進展」

https://www.nikkansan.net/news/発泡スチロール容器禁止法案に進展/

日刊ローカルニュース(2019.7.2)「ハワイ島で発泡スチロール容器禁止案がスタート」

https://www.aloha-street.com/local_news/2019/07/02/326105/

 

なぜ今さら下水道で紙おむつ処理?(その5)ついに実証実験開始

ついに紙おむつを下水道に流す実証実験が開始される。今月中にも行う予定とのこと。

汚物と紙おむつを分離するというが、紙おむつを細かく粉砕・洗浄してから分けるとのことなので、紙おむつの材料も汚物と一緒に下水道に一部流れこむと考えられる。

そうすると、プラスチック部分も多少一緒に流れこむだろうから、下水処理施設で捕捉しきれないマイクロプラスチックが川へ放流される可能性は高い。

マイクロプラスチックを100%捕捉できる下水処理施設など、世界中どこにもないことを考えると、紙おむつを下水道に流すなどという計画は、最初から無謀ではないか。

原発も同様だが、最近の日本の施策は、世界と逆行している。

以下、NHKニュース(2019.9.18)より転載

使用済みの紙おむつを装置に入れて細かく粉砕したあと薬剤で洗浄し汚物の混じった水と粉砕された紙おむつとに分離する仕組みです。

汚物の混じった水は下水道に流し、粉砕された紙おむつは、燃えるごみなどとして処分されます。

<関連記事>

なぜ今さら、下水道で紙おむつ処理?(その4)

<参考>

NHK(2019.9.18)「使用済み紙おむつ 下水道に流して処分 実証実験へ」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190918/k10012088181000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

熊本市、有料レジ袋の代わりに市指定ごみ袋を販売

以前から有料化協定により、レジ袋を有料化している熊本市で、新たな試みが始まった。

1枚3円の有料レジ袋の代わりに、市指定ごみ袋を1枚12円でバラ売りする、というものだ(10枚120円のごみ袋)。

韓国でも以前からやられている方式で、たまたまマイバッグを忘れた人や、急に思い立って店に立ち寄った人に好評な方法だ。

市は3カ月ほど実施し、対象店舗の拡大や指定ゴミ袋の大きさなどを検討する方針とのこと。

<参考>

TKU(2019.9.20)「プラスチックごみ削減へ 指定ごみ袋をレジ袋代わりに販売 実証実験」

https://www.tku.co.jp/news/プラスチックごみ削減へ%E3%80%80指定ごみ袋をレジ袋代/