米カリフォルニア州で「ジップロック」に対し集団訴訟

カリフォルニア州でジップロックのS.C. Johnsonが提訴された(2025.4.25)。

理由は、同社の「電子レンジ対応」や「冷凍保存可能」として販売されている袋と容器は、これらの電化製品で安全に使用できるかのような誤解を消費者に与えているというもの。

訴状によると、電子レンジや冷凍庫での使用が安全と宣伝されているジップロック製品は、加熱または冷凍時にマイクロプラスチックを放出し、宣伝されている用途に「根本的に適さない」。マイクロプラスチックの摂取は、「消化管、免疫系、生殖器系への潜在的な健康リスクをもたらす可能性がある」(USA TODAY, 2025.5.12)というものだ。

米ネブラスカ大学の研究チームが2023年、Environmental Science & Technologyに発表したこの研究↓が根拠となっているようだ。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.3c01942

ポリプロピレン製の離乳食容器とポリエチレン製パウチを電子レンジに3分間(1000ワット)かけたところ、わずか1平方㎝のプラスチックから422万個のマイクロプラスチックと21億1千万個のナノプラスチック粒子の放出を確認したという研究だ。

さらに、マイクロ・ナノプラスチックをヒト胚性腎細胞にさらし(1000μg/mL濃度)、細胞毒性を評価した。その結果、細胞は48時間後に76.70%が、72時間後には77.18%が死滅した。

最近の研究でも、マイクロプラスチック摂取は健康に悪影響をおよぼす証拠となる研究が続々発表されている。そのため、訴訟に踏み切ったのだろう。

日本でもこの手の訴訟が起きれば、少しはマイクロプラスチックに関心をもつようになるだろうか。