サッカーW杯で天然芝、NFL選手らも天然芝を望み「#WorthTheCost」と声を上げる

サッカーのFIFAワールドカップで使用されたスタジアムの天然芝は、大会終了後、アメフトに使うためまた人工芝へと張り替えられた。

天然芝に比べ、人工芝はケガのリスクが高い。そのため、これまで多くのNFL関係者が天然芝を望んできたが、NFLの選手の望みはかなえられなかった。

天然芝を望むNFLの選手たちは、SNSで「#WorthTheCost(我々にはその費用に見合う価値がある)」と声を上げている。

プロサッカーは近年、選手の意向に沿い、公式試合は天然芝で行われる。多くの有名選手が、人工芝グラウンドの出場をイヤがるからだ。

NFL選手も92%は天然芝を望んでいるというデータがある。しかし、アメフトは相変わらず人工芝で試合をさせられる。スタジアムを多目的利用するためだ。天然芝では多目的利用に耐えられない。

NFLには、選手の健康よりコスト重視の経営陣が人工芝を支持しているようだ。

https://forbesjapan.com/articles/detail/101230

https://news.yahoo.co.jp/articles/b8e425ce2fd2d2678080d2145106f0f68f5aa532?page=1

日本の自治体や学校では、漫然と人工芝を採用することが増えているようだが、何を考えているのだろう?

いわきFC 練習場を天然芝に張り替え 「ケガのリスクが減る」

サッカーJ2・いわきFCは、選手の足への負担をやわらげるとともに、J1ライセンスの基準に合わせるため、練習場を天然芝に張り替えた。

選手たちは「人工芝よりやわらかい」と、とても喜んでいる。

監督も「天然芝なのでケガのリスクが減る」と喜んでいる。

https://tver.jp/episodes/ep59u3wdl0

人工芝は、天然芝と比べ、ケガをしやすいことは、これまで多くの研究が証明している。

人工芝業界が関わった研究では異なる結果も出ているようだが、業界が関わっていない研究では、人工芝は靱帯損傷など大きなケガが多い。

「Comparison of injuries sustained on artificial turf and grass by male and female elite football players」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20456680/

また、人工芝でのプレイは、天然芝に比べて1プレイあたり下肢の怪我が16%増加したという研究もある。

「Higher Rates of Lower Extremity Injury on Synthetic Turf Compared With Natural Turf Among National Football League Athletes: Epidemiologic Confirmation of a Biomechanical Hypothesis」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30452873

若い選手の場合は、疲労骨折も多いようだ。

例えば、過去14年間に、大学男子サッカーチームに所属した選手のべ444名を対象に、Jones骨折発生率について調査したところ、使用年数が経過した人工芝グラウンドのJones骨折発生率が有意に高かった。(出典:藤高他「大学男子サッカー選手のJones骨折発生に影響を及ぼす環境要素の検討」『日本整形外科スポーツ医学会雑誌』2020年)

人工芝はケガをしやすいことを、サッカーや野球などのプロ選手の多くが知っている。

にも関わらず、各地のスポーツ協会や少年チームなどの多くは、「若者の未来のために」と自治体に人工芝グラウンドを要求する。

自治体もそれに応え、人工芝導入を検討する。

自治体職員にとっては、隣の市が人工芝になっているなら、自分のところもしないと恥だとでも思うのだろうか?全国の多くの自治体が、人工芝を敷きたがる理由がさっぱりわからない。

プラスチックの弊害がますます明るみになり、「脱プラ」が叫ばれている今、人工芝を導入することの方がよほど恥ずかしいことだ。

人工芝のマイクロプラスチックは目に見えるサイズのものもあるが、多くはとても小さく目に見えない。

そのため、大気汚染の原因にもなっている。

人工芝上で過ごすことで、マイクロプラスチックを多く吸い込むことになる可能性があるということだ。

同じ種類、同じサイズのマイクロプラスチックでも、紫外線で劣化したものの方が有害性が高い、という研究報告もある。

保育園や幼稚園の園庭でも人工芝が増えているが、人工芝上で遊んだり、スポーツをしたりする子どもたちの将来の健康がとても心配だ。


SC相模原、練習場を天然芝に

SC相模原は、ホームタウン内に天然芝の練習用グラウンドを整備するそうだ。早ければ、秋頃には利用を開始する意向。

これまでは複数の人工芝グラウンドを借りていたとのことだが、「クッション性が高い天然芝に比べ、人工芝は身体への負担が大きく怪我のリスクもあるとされるため、天然芝の練習場整備はトレーニング強度や選手獲得の面で大きな課題となっていた」という。

選手の健康のためにも、また地域住民のためにも、天然芝グラウンドの整備は朗報だ。

<出典>

https://www.townnews.co.jp/0301/2026/02/05/823381.html

135団体が人工芝規制求め、経産・環境・文科大臣に公開書簡提出

環境NGOなど環境意識の高い135団体が、12月8日、3人の大臣に人工芝に反対する公開書簡を送った。

書簡の内容は、2030年までに人工芝の生産や流通の原則禁止を求める、など。

当団体も賛同団体に名を連ねた。

そもそも「脱プラ」「減プラ」が叫ばれている時代に、なぜ健康にも環境にも悪いプラスチック製芝を敷く必要があるのか。まったく理解できない。

https://www.ows-npo.org/blog/topics/entry-1975.html

https://www.jean.jp

ブラジルチーム、CBFに人工芝の即時禁止を強く求める

ブラジルの有名なサッカークラブ・フラメンゴが、ブラジルサッカー連盟(CBF)に対し、「人工芝の即時禁止を強く求める」公式要請を送った。

さらに、「ブラジルサッカーにおける芝生品質評価・監視プログラム」についての詳細な提案を発表。その目的は、ピッチの基準を向上させることで、ブラジルのゲームを世界のトップレベルに引き上げるものだという。

https://www.footboom1.com/jp/news/football/1763130788-flamengo-pushes-cbf-to-ban-synthetic-pitches-now

やはり、プロ選手の多くは天然芝を好んでいる。なのに、なぜ日本のサッカー強豪校は、グラウンドを天然芝にせず、人工芝にしたがるのだろうか?

天然芝に比べ、養生期間の不要な人工芝の方が練習時間を長く取れることは確かだ。しかし、そんな目先のことに惑わされ、怪我をしたら大変だ。人工芝は天然芝より怪我をしやすいことは、既に多くのプロ選手たちが実感している。

また、プロになった場合、どちらのフィールドに慣れているかは、とても大事なはず。県立浦和高校もグラウンドの人工芝化を求め、寄付を募っているが、やめた方がよい。

そもそも、なぜこのようなエリート進学校が、環境にも健康にも悪い人工芝を欲しがるのか、まったく理解できない。

神宮外苑再開発の公聴会深夜まで終わらず、都は強制的に打ち切り 小池都政は大丈夫?

昨日(10/23)、東京都庁で神宮外苑再開発の新秩父宮ラグビー場について意見を述べる公聴会が開かれた。募集期間がたった5日と短い上、公述人への「公述に関するご連絡」は開催の3日前。そのため、傍聴席はいっぱいだが、公述人の席はガラガラ。

予定された37人の公述人のうち過半は予定を空けることができず、公述に訪れることができなかったのだ。

これを問題視した公述人の一人が、なぜこのようなスケジュールになったのかと尋ね、2回目の開催を要求。そのまま公述席に座り続けた。会場の人たちも全員その公述人の意見に賛意を示したが、都は回答を拒否。「公聴会は議論する場ではありません。席にお戻り下さい」を繰り返した。

その後、その公述人を都は警備の人を呼び強制的に排除しようとしたが、犯罪者でもない人をさすがに強制的には排除できず、威圧するだけにとどまった。

そのため、公述席がもう1つ用意されたが、続いて公述する予定だった東京大学名誉教授の石川幹子先生をはじめとする残った公述人たちの大半は、都が回答するまでは自分の順番ではないとして都の要請を断った。

しかし、公述の機会は無駄にしたくないと、公述するため帰宅せず、残り続けていた。

2時から始まった公聴会は、都が回答を拒否したまま深夜過ぎまで膠着状態が続いた。

筆者は終電が気になり途中退席したが、深夜24時を過ぎてもまだ30人ほどが残っていたと聞く。

都は19時頃からかたくなに終了宣言「公聴会は終了しました。どうぞお帰り下さい」を繰り返していたが、それ以外の言葉を発することは権限外だったのか、ついに「後日、公聴会を再開します」の声を聞くことはなかった。

前に並んでいた二人の課長(うち一人が「主催者」)のうち、一人は頻繁に部屋を出て、戻るとメモを「主催者」に渡していた。その度に「ようやく上の許可が下りて再開することになったか」と期待したが、ついにそんなことは起きなかった。

あの頻繁なメモは一体何だったのだろうか?「もっとネバれ」とでも書いてあったのだろうか。

それにしても、都のかたくなな姿勢には驚いた。公聴会を再度おこなうことがそれほど難しいのだろうか。工期が遅れると困る、と考えたのかもしれないが、こんな無茶苦茶な計画を強行しながら、都民の声を聞く機会をないがしろにする姿勢に、「これが小池都政の実態か」と思い知らされた。

神宮外苑の古い多くの樹木をなぎ倒し、商業施設や高層ビルを建てるという再開発計画はそもそも問題外で正気の沙汰とは思えない。しかも、歴史ある秩父宮ラグビー場は、場所を変更した上で屋根付き(ドーム)にし、人工芝にする。ラグビー場をイベントもできる娯楽施設に変えようというとんでもない計画だ。

あれで公聴会は終わったことにされてしまうのだろうか。

脱プラを進めるべき時代に、プラ製「芝生広場」が人気?日本人の肺からマイクロプラ

一体何を考えているのだろう?

先般のプラスチックの国際条約会議(INC-5.2)は、結論が出ないまま流会になり、直後は残念そうな論調のニュースが多かった。にも関わらず、各地の人工芝「芝生広場」を礼賛するニュースがちまたに溢れているのは、人工芝がプラスチックだと知らない人が多いせいだろうか?

東京都の都民広場の人工芝は多少批判があったようだが、他の地域ではあまり批判を聞かない。すんなり採用され、好意的な論調のニュースが流れている。

例えば、横浜の広場↓

https://topics.smt.docomo.ne.jp/amp/article/www_watch/trend/www_watch-2052466

環境配慮型人工芝を採用したというから、調べてみた。しかし、どこに「環境配慮」がなされたのか、さっぱりわからなかった。メーカーは「エシカル」と宣伝しているようだ。

また、長野県松本市でも花時計広場に人工芝を採用したそう↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/c96c52df9c6cd4f3ae9aa464a396f40a057d90d7

市民や観光客の憩いの場になっているとのことだが、本当だろうか。

栃木県那須塩原駅前も人工芝を設置する↓

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/shimotsuke/region/shimotsuke-20251004171431

私ならば、マイクロプラスチックが飛び交っていそうな人工芝広場には、極力近づきたくない。吸い込んでしまいそうだから。

設置者は「観光客のため」「住民の憩いの空間」などとのんきに構えているが、事態は既に緊迫している。

各国の大気中のマイクロプラスチックは、憂慮すべきレベルにまで達したそうだ。

https://www.businesswire.com/news/home/20250929293829/ja

これまで各国の人々の脳や内臓からマイクロプラスチックが見つかっていたが、ついに日本人の肺からも、マイクロプラスチックが見つかった。しかも、調べた人全員から。

肺の病気を診断するために生理食塩水を気管支から注入して回収したそうだ。14人でおこなったところ、すべての人からマイクロプラスチックが見つかったという。

長崎大学病院の医師によると、粒子濃度が高いほど血液中の炎症反応が強くなるそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cf52047f20bb9c759a2413d1174b466a895429b5?page=1

世界中でプラスチックが問題になっている時代に、特に必要性が高いとも思えない「広場」をわざわざ人工芝にする理由がわからない。

人工芝は、マイクロプラスチックやPFAS、それ以外の多くの化学物質の温床だ。

ロドリゲス、人工芝のリスク回避のため欠場か

コロンビア代表のハメス・ロドリゲスの欠場が波紋を広げているそうだ。

現地では、ティフアナの本拠地エスタディオ・カリエンテの人工芝でプレーするリスクを恐れて遠征を避けたと報じられ、物議を醸しているとのこと。

ケガをしやすい人工芝の上でプレーしたいと思うプロ選手など、おそらくいない。何が何でも練習時間を確保し、1試合でも多く闘いたい高校生の部活とは違うのだ。

リスクを回避し、より大事な試合に備えることは、立派な戦略だと思うが、現地ではそう受け止められていないようだ。

「クラブへの献身が足りない」などと怒るファンもいるらしい。理不尽な話だ。

<出典>

https://web.gekisaka.jp/news/world/detail/?437281-437281-fl

<関連記事>

名古屋市、砂入り人工芝からハードコートへ転換 PFASフリー人工芝ってあるの?

1年後のアジア・アジアパラ大会(愛知・名古屋大会)でテニスの競技会場となる名古屋市の東山公園テニスセンターでは、砂入り人工芝コートをハードコートに改修している。

大会の規格に沿ったものにする必要があり、人工芝は規格に合わないためだ。

https://www.chunichi.co.jp/article/1135697

以前から、元テニス選手の伊達公子さんも、砂入り人工芝コートだらけの日本の現状を憂い、世界基準のハードコートに改修するよう求めている。人工芝コートが、若手選手の世界進出の妨げになっているそう。

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01106/

人工芝にはPFASやフタル酸エステルなどが含まれている。

米コネチカット州では2021年、ウッドビレッジの公立高校(Amity Regional High School)に「PFASフリー」として売られていた人工芝を敷いた。だが、近隣の側溝の水を検査したところ、敷設前よりもPFOAやPFOSの濃度が上昇したという(マサチューセッツ大学ローウェルセンター, 2024年8月)。

人工芝のような繊細なプラスチック製品を作るにはPFASが必要だ。今のグレードを保ちながら、PFASを使わずに人工芝を製造したら、今の何倍もの製造コストが必要になる。米ノートルダム大学のピースリー教授も「PFAS抜きで人工芝のような製品を作るのは難しい」といっている。おそらく、現在使われているすべての人工芝からPFASが検出されるはず。

相模原市の鹿沼公園のテニスコートも再開発に合わせ改修される。その際は、ぜひハードコートにしてほしいものだ。公園が、PFASとマイクロプラスチックの発生源になってはかなわない。

カリフォルニア州上院、家庭用品からPFASを排除する法案を可決 テフロン加工フライパンも禁止対象

米カリフォルニア州は環境先進地域だが、なぜかPFASに関しては出遅れていた。ようやく上院議会で、家庭用品や調理器具に含まれるPFAS禁止が可決された。

知事の署名後、法案は成立し、2028年以降段階的に禁止される。

「調理器具は2030年から、清掃用品は2031年から、その他の製品は2028年から、PFASが意図的に添加された製品の販売・配布を禁止する」とのことなので、PTFE(いわゆるテフロン)加工のフライパンも2030年1月1日以降、カリフォルニア州で販売・流通できなくなるようだ。(カリフォルニア州で販売されている日本製炊飯器も内釜がPTFE加工である限り、対象となるようだ。日本メーカーはPTFEの代わりに何を使うのか、楽しみだ)

以前、せっかく可決された人工芝に関する法案に知事が署名しなかったが、今度はそういうことはないだろうと期待している。

<出典>JETROビジネス短信(2025.9.17)

https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/09/d0794894cc2efa64.html?previewDate=null&revision=0&viewForce=1&tmpCssPreview=0%2F%2Fbiznews%2F%2F%2Fbiznews%2F%2F%2F%2Fbiznews%2F%2F%2F%2F