タスマニア州も2022年までにデポジット制度を導入

オーストラリアで、デポジット制度の導入をまだ計画していないのはタスマニア州だけ、と思っていたが、タスマニア州でも計画していた。
ニュースを見落としていたが、昨年(2019年)環境大臣が、2022年までにデポジット制度を実施すると発表した。
これでオーストラリアは、全土で2023年頃までには制度が導入されそうだ。
タスマニア州では、15年前からデポジット制度の調査をしていたとのこと。これまでは産業界などの反対で導入できなかったが、ようやく環境団体や研究者、地方自治体等の長年のロビー活動が実り、実現の運びとなった。

日本はまだデポジット制度が議論の俎上にも上らない。
日本の環境政策の遅れは、既に周回遅れを通り越してしまった。

<参考>
Tasmanian Government(2019.6.6)Container Refund Scheme for Tasmania;
http://www.premier.tas.gov.au/releases/container_refund_scheme_for_tasmania

EXAMINER(2019.6.6)Tasmanian government commits to introducing container refund scheme;
https://www.examiner.com.au/story/6204168/tasmania-to-implement-container-refund-scheme-by-2022/

テイクアウトで増えるプラごみに対抗、亀岡市のプラごみ削減の取組

レジ袋禁止条例を可決した亀岡市が、また新しい取り組みを始めた。
新型コロナ影響で増加するテイクアウト用のプラごみに対抗するため、テイクアウト用の容器やマイバッグ持参者には、来月末まで10円のクーポンをくれるそうだ。
そのため、弁当箱やタッパーウェアを持って、料理をテイクアウトする人が増えている。
これをきっかけに、日本全体で、テイクアウトする際には容器持参が当たり前の生活スタイルになることを期待したい。
下記で、取り組みを紹介するNHKの番組が見られる↓
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20200519/2010006760.html?fbclid=IwAR3sbotUf-CHfQhi1GqqsZkW4eVfjSbwnAvJEEoi1y2-Vbij0RnSPFJKKgo

アメリカではレジ袋禁止を一時ストップし、マイバッグの持ち込みを禁止するところもあると聞くが(マイバッグにウイルスが付着していることを懸念して)、日本はそうならなくて本当に良かった。

コロナ自粛の影響で、大気中のマイクロプラスチックが激減

昨年、福岡工業大学の屋上で、大気中のマイクロプラスチックを検出した研究者らによると、今年1月までは大気1リットルにつき10万から20万個のマイクロプラスチックが含まれていたが、2月には数万個に減ったとのこと。
また、大分県や宮城県で発生した樹氷の成分中の窒素酸化物と硫黄酸化物も激減し、大気が劇的に改善したそうだ。
新型コロナウイルスの感染対策のため、中国で工場や交通が止まったことが影響したという。
マイクロプラスチックは、上空を地球規模で移動していることを考えると、中国の工場だけが原因とも思えないが、2月に減ったということはやはり中国の影響が大きいのだろうか。

<参考>
西日本新聞(2020.5.20)「中国の都市封鎖で九州の大気が劇的改善 ピーク時の10分の1に」
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/609079/

ついに日本の水道水からもマイクロプラスチックを検出!

やはり日本の水道水からもマイクロプラスチックが検出された。
これまで海外の水道水からは、マイクロプラスチックが検出されていた。
最初は2017年のオーブ・メディアから依頼された米ミネソタ大学と米ニューヨーク州立大学の研究チームによる調査で、世界13ヵ国(欧州7ヵ国とインド、インドネシア、アメリカなど)の水道水の83%からマイクロプラスチックが見つかったというものだった。
これが、過大だ、コンタミ(実験室での汚染)だ、と批判され、評判は良くなかったものの、その後各国での調査が相次いだ。
日本では、厚労省が2018年度の委託調査で、水道水のマイクロプラスチック検出方法や各国の状況についての報告書をコンサルに発注してまとめさせた。
それを読むと、各国でのマイクロプラスチックの検出方法がバラバラで、検出できるマイクロプラスチックの最低サイズもバラバラ。当然、結果にも大きなバラツキがあった。
日本の水道水のマイクロプラスチックについては不明なままだったが、関係者の間ではその存在は周知の事実のようだった。
今回ようやく、千葉工業大学の亀田先生たちが、北海道と沖縄の水道水中のマイクロプラスチックについて結果を発表した。
これらの地域では海外の水道水に比べ、マイクロプラスチック量は少ないようだが、他地域ではまだわからない。
今後、他地域でも調査し、自治体は対策を進めて欲しいものだ。

<参考>
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(上)」↓
http://www.alterna.co.jp/30911
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(下)」↓
http://www.alterna.co.jp/30915

PARC、森林映画制作のためクラウドファンディング募集開始

NPO法人アジア太平洋資料センターが、森林問題の映画を2本制作するそうです。
そのため、クラウドファンディングの募集を開始しました。

以下に転載します。
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NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)では、日本とアジアの森林の
現実を描く映像作品2本を制作中です。
制作費の一部についてクラウドファンディングでの支援を募っています。

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日本とアジアの森林を持続可能に
―2つの映像作品の制作プロジェクト
https://motion-gallery.net/projects/parc2020

『壊れゆく森から、持続する森へ』 (仮)
『ボルネオ事件―熱帯林を破壊するダークマネー』(仮)

募集期間:2020年6月5日まで
目標金額:150万円
完成予定:6月下旬
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★作品情報★

1、オリジナルDVD『壊れゆく森から、持続する森へ』

国土の約7割を森林が占める「森林大国」日本。
ところが、日本の森林は大きな課題を抱えています。
中山間地域では林業の衰退に伴い、林業従事者が減少し、森林の荒廃が
進んでいます。また戦後に植えられた造林木の林齢が50年を超えたことで、
政府は「伐採時期を迎えた」として大規模化・集約化を促進。
多くの森で大規模な主伐(皆伐)が行われ、見た目も無残な姿に変わった
山も少なくありません。

このように「持続可能でない」現在の林業を根本から転換しようとする
新たな取り組みが、 「自伐型林業(じばつがたりんぎょう)」です。
日本では戦後の林業政策のもと、山林「所有者」と「施業者」との分離
が進められた結果、地域が森林・林業から遠ざかってきました。
これに対し、適正な規模の森林の経営や山仕事を、山林所有者や地域
住民が行う「自立・自営」の林業を目指すのが、自伐型林業です。

PARCオリジナルDVD作品 『壊れゆく森から、持続する森へ』は、
日本の森林の現状とその背景にある日本の森林政策・地域の実態を、
各地の取材や専門家の分析によって紹介します。

協力: 特定非営利活動法人
持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協
(略称:自伐型林業推進協会)
監修:上垣喜寛(自伐型林業推進協会 事務局長)
ディレクター:香月正夫(セミコ)

2、翻訳ドキュメンタリー『ボルネオ事件―熱帯林を破壊するダークマネー』

マレーシア・ボルネオ島サラワク州で繰り広げられている熱帯林の破壊。
そこには「世界最大の金融スキャンダル」(英・ガーディアン紙)と
呼ばれた巨額の汚職が絡んでいました。世界のメガバンクを巻き込む
巨大な腐敗政治のネットワークに挑んだ活動家たちを描くドキュメンタリー
映画『ボルネオ事件―熱帯林を破壊するダークマネー』の日本語版を制作します。

ボルネオ島サラワク州は、世界で最も速く森林が失われている場所の
一つです。
その伐採された木材の最大の輸出先となっていたのが、日本です。
日本語版の制作によって、私たちのお金とアジアの森林破壊のつながり
を問います。

【あらすじ】
マレーシア・ボルネオ島の熱帯雨林の消失には巨額の贈収賄がかかわっていた。
その事実関係とお金の流れを突き止めるために環境活動家や先住民族の闘士ら
は命懸けの調査と告発を行い、ついに33年間続いた独裁政権を打倒する。

原題:The Borneo Case 制作:Amp Film (スウェーデン/2017年)
監督:エリック・パウザー/ディラン・ウィリアムズ
日本語字幕・吹替/カラー/78分

★ご支援額と特典★
一口3,000円からご支援いただけます。
ご支援いただいた方には、完成記念上映会へのご招待、完成DVDの謹呈
など、支援額に応じた特典をご用意しております。
詳細は、MotionGallery上でご確認ください。
https://motion-gallery.net/projects/parc2020

★PARC DVDとは★
PARCでは、身近な題材を切り口に、私たちの暮らしと世界の環境問題
や人権問題とのつながりを問い直す映像作品を、これまでに50本以上
制作してきました。
作品は、全国で大学の授業や市民の自主上映会に活用されています。
以下より、これまでに出されたタイトルの一覧をご覧いただけます。
http://www.parc-jp.org/video/index.html