乳児用粉ミルクに含まれるマイクロプラ比較:箱入りより缶入りの方が少ない

以前、プラスチック製の哺乳瓶から大量のマイクロプラスチックが放出していることがわかり、話題になった。

プラ製哺乳瓶にお湯を注ぐのがいけなかったらしい。

今度の研究は、粉ミルクそのもののマイクロプラスチック量も調べている。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0269749123002270

さらに、箱入りの粉ミルクと缶入りの粉ミルクを比べたところ、箱入り粉ミルクは8±2〜17±1/100gとのこと。一方、缶入り粉ミルクは4±3/100gとのこと。つまり、缶入りは100グラム中、1個から7個程度ということ。この程度ならば、今の時代(母乳や牛乳からもマイクロプラスチックが検出されている時代)では許容範囲かもしれない。

箱入りの方が多かった理由は包装材にあったようだ。プラスチックとアルミのラミネートで、そこからマイクロプラスチックが放出したと考えられるそうだ。

哺乳瓶からの放出とは違い、ガラスに変えればよいという話ではないから、粉ミルクを使用される方は、少なくともマイクロプラスチックの見地からは、箱入りより缶入りを求めた方がよさそうだ。

それにしても、赤ちゃんにまでマイクロプラスチックを食べさせないといけないとは・・。大人の責任は重い。

プラ製容器をレンチンすると大量のマイクロプラが発生 離乳食容器からも

プラスチック容器に入れたまま食品を電子レンジにかけると、容器から化学物質が溶出し、食べた妊婦に死産などの被害を与える可能性のあることは既に報告されている。

今度は、プラスチック製食品容器に水や食品を入れ電子レンジにかけると、大量のマイクロプラスチックが放出されたということだ。

研究チームは、アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認しているポリプロピレン製の離乳食容器やポリエチレン製の食品容器に、水またはさまざまな食品をシミュレートする3%の酢酸水を入れて、1000Wの電子レンジで3分間加熱したとのこと。加熱後、容器に入った液体にどれほどのプラスチック粒子が放出されたかを分析したところ、大量のマイクロプラスチックが液体に放出されていたという。

「実験結果を分析した研究チームは、わずか1cm2のプラスチックから422万個のマイクロプラスチック(粒子の直径が1μm~5mm)と21億1000万個ものナノプラスチック(粒子の直径が1μm未満)が液体に放出されると推定しました」。

https://gigazine.net/news/20230809-microwaving-released-billions-nanoplastics/

このことはすなわち、プラスチック製容器に入れたまま食品や水を電子レンジにかけると、危険な化学物質がくっついたマイクロプラスチックが食品などにくっついて、人間の体内に入り込み、影響を与えるということを意味している。

妊婦や赤ちゃんはもちろん子どもや大人も、プラスチック容器に入れたまま食品を電子レンジにかけることは、くれぐれも避けたい。

えびせんから大量のマイクロプラ。原因は不明

韓国のえびせん「セウカン」とカニ風味スナック「コッケラン」から、多量のマイクロプラスチックが検出されたそうだ。

混入原因はわかっていないが、「セウカン」から1グラム当たり13個のマイクロプラスチックが検出されたとのことなので、それほど多量というわけでもないような?

一般的なサイズ(1袋90グラム入り)のセウカンであれば、1袋に1170個のマイクロプラスチックが入っていることになるという。

おそらく日本の駄菓子からもこの程度のマイクロプラスチックは検出される気はするが、原因は海産物だろうか?それとも工場の空気がマイクロプラスチックで汚染されていたせいか。

もし後者だとしたら、その原因は何だろう?リサイクル工場などもある工場団地のようなところならば、製造工程に高性能の空気清浄機が必要かもしれない。

キューピーが容器に再生プラ使用、でも消費者の望みはリユースびんでは?

キューピーが、「テイスティドレッシング」など計12品で100%再生プラスチックを使った容器にすると発表したそうだ。8月上旬から出荷を始める。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC046MK0U3A700C2000000/

プラスチック新法に込められた国の方針通りの製品作りで、リッパだ。再生プラスチックは、確かに使うべきだと私も思う。

おそらく、廃ペットボトルを食品グレードにリサイクルした再生樹脂を使用しているのだろう。

しかし、再生プラスチックを使ったドレッシング容器など、消費者は本当に望んでいるのだろうか。

少なくとも私はイヤだ。そもそもドレッシングやマヨネーズのような油分や酸味のある食材をプラスチック容器に入れるなど気持ちが悪い。

プラスチックの添加剤が、容器から食材に溶け出しそうだ。

再生樹脂であろうとバージン樹脂であろうと、日本のペットボトルからもフタル酸エステル類が検出されている。これらは食材を汚染しそうだ。

製造工程を知らないので想像するだけだが、製造方法によっては充填時に容器からマイクロプラスチックも大量発生しそうだ。

そんな想像をしながらドレッシングを使うより、ガラス容器ならば安心できるのでありがたい。

ドレッシングやマヨネーズ容器は、ガラスびんにしてほしい。できればリユースびんにしてもらえるとなお良い。その場合は、回収は販売店で。

キューピーでも味の素でもそれ以外のメーカーでも、どこでも構わない。ガラス製のリユース容器に変更してくれたメーカーの製品を買いたい。

卵の中のマイクロプラスチックは案外多い。原因は?

昨年末に発表された卵にマイクロプラスチック研究の論文を見て驚いた。

「平均含有量は11.67±3.98粒子/卵」ということなので、卵1個当たり7個から16個くらいということのようだ。

結構多い。

しかも、球状が多かったそうなのでマイクロビーズのようだが、どうしてマイクロビーズが入るのだろう?

見つかったのは、50から100マイクロメートルのポリエチレンが多かった。

ニワトリのエサにわざと混ぜるようなサイズではない気がする。もし、偽の満腹感を与えるために混ぜるとしてら、もっと大きいサイズのプラスチックを混ぜそうだ。

卵黄の方が卵白よりもマイクロプラスチックの数が多く、調理後も大きな変化はなかったそうだ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0308814622017332?via%3Dihub

汚染水放水に備え韓国の塩価格高騰。対馬を核のゴミ捨て場にする?!

韓国で塩の価格が高騰しているそうだ。

東京電力福島第1原発の処理水の放出開始前に、塩を買っておこうという人が多いため個人客の注文数が急増。その影響で品薄になり、20%も値段が上がったとのこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/256891

なるほど。魚の買いだめはさすがにできないし、塩はまだあるので、せめて乾燥わかめなどは我が家でも買っておうか、などとつい思ってしまった。

汚染水の放出は避けられない選択ではないはずだ。日本政府は、あまりにも安易に考えすぎているのではないか。

核のゴミ捨て場もなく、汚染水もこのような状態なのに、日本は原発推進に舵を切った。

今度は対馬を核のゴミ捨て場にしようと狙っているようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/252197

原発のリスクに目を背け、推進の旗を掲げたまま、あちこちを放射性物質で汚すのは本当にやめてほしい。

岸田さんとそのお仲間の方々は、子孫に美田を残す代わりに、放射能とプラごみで汚れた地球を残すつもりなのだろうか。

クローズアップ現代のPFAS特集 

4月10日のNHK・クローズアップ現代でPFASを特集した。

見てなかったので、見逃し配信で見たところ、よくまとまっていてなかなか良かった。

NHKでもPFASを報道するようになったのだなぁと隔世の感がある。責任企業の1つであるダイキンの名前も出していた。もう多くの人が知っていることだから、今さら隠しても仕方ないという判断だったと推測する。

最近は東京新聞などもPFAS汚染問題を頑張って追いかけているが、これまでPFASをまともに扱っていたのはTansaと週刊金曜日くらいたったという声がある。確かに、Tansaの「公害PFOA」はどれもとてもよい記事で、参考になる。

https://tansajp.org/investigativejournal_category/pfoa/

NHKのクロ現では、「関連性を示す十分なエビデンスがある」疾病について言及していたのはとても良かった。「限定的または示唆的なエビデンスがある」方については言及がなかったような気がするが、NHK「PFAS基本を解説(4.10)」には記載されている↓

—–(転載)—–

「関連性を示す十分なエビデンスがある」としたのは

▼動脈硬化などの原因となる脂質異常症

▼腎臓がん

▼抗体反応の低下(ワクチン接種による抗体ができにくい)

▼乳児・胎児 の成長・発達への影響 

です。

「限定的または示唆的なエビデンスがある」としたのが

▼乳がん

▼肝機能障害

▼妊娠高血圧症

▼精巣がん

▼甲状腺疾患または機能障害

▼潰瘍性大腸炎

です。

血液中のPFASの濃度と健康リスクとの関連についてもまとめています。

1ミリリットルあたり20ナノグラムを超える状態が続くと健康へのリスクが高く、2ナノグラム未満だとリスクは低いとしています。(PFOSとPFOAを含む7種類のPFASの合計)

また、子どもや妊婦はその間の値であっても健康影響の可能性があるとしています

——(転載はここまで)——

ただし、この記事の最後のコメントは残念だった。

「たとえばPFASにはプラスチックのような『フッ素樹脂』も含まれていますが、PFOSやPFOAとは異なり水溶性ではないため、体には取り込まれないと考えられています。フッ素樹脂はリチウムイオン電池や燃料電池、通信用の光ファイバーなどにも使われていて、カーボンニュートラルや高度情報通信社会に不可欠な用途も多数あります。すべてを規制するのではなく、有害性があるものに限定した慎重な規制が求められます」とのこと。

プラスチックのようなフッ素樹脂とは、フライパンなどのコーティングに使われているものだろう。危険なPFOAが使えなくなった今は、PTFEなどのPFASが使われている。これについては、コーティングにキズが着いただけでも大量のPFASが流れだし、体内に入る可能性が既に論文で指摘されている。

https://gigazine.net/news/20221224-teflon-pan-plastic-particles/

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S004896972205392X?via%3Dihub

体内に入ったPFASは、空気動力学径で4マイクロメートル以下であれば、肺胞までたどり着くことが既に判明している。

人間の肺や胎盤、血液、母乳などからマイクロプラスチックが検出されているのだから、マイクロプラスチックとなったフッ素樹脂が体に入った後は、内臓などに居残り溜まり続けるだろうことは想像に難くない。

また、最近のカナダの研究で、食品容器に使われたPFASが常温でも揮発することが明らかになった。まずは、必要不可欠でないところや食品に触れるところ、揮発しやすいところからPFASフリーを進め、数年以内にはすべてのPFASを禁止してほしい。

韓国、リユース容器と使い捨て容器のマイクロプラ数を比較

世界で「リユース」が少しずつ増えている。

ドイツでは今年1月1日からテイクアウトなどの際、顧客に対して再利用可能な容器で提供する選択肢を設けることが義務づけられた。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/7c0958d47a1d1439.html

日本でも、メグルーやアルパッケなどリユース容器を使う飲食店が少しずつ増えているようだ。

とはいえ、プラスチックは劣化するとマイクロプラスチックが出やすいことが指摘されている。そのため、プラ製リユース容器は環境的にはリユースがよくても、マイクロプラの見地からはプラ容器のリユースが本当によいのか?という疑問も少しあった。


しかし、韓国消費者院がテイクアウトなどで使われる使い捨て容器とリユース容器のマイクロプラスチック検出数を比較したところ、使い捨て容器の方がリユース容器より2.9から4.5倍多かったそうだ。

AFP通信(2023.3.7)↓

https://www.afpbb.com/articles/-/3454349

上の記事は、韓国消費者院が2月28日に発表した内容を短くまとめたもの。

韓国消費者院報道資料(韓国語)↓

https://www.kca.go.kr/home/sub.do?menukey=4002&mode=view&no=1003469087

使い捨て容器の中で、最もマイクロプラスチックが出たのはPETだったとのこと(47.5%)。PET製容器は見た目はいいが、案外脆(モロ)いようだ。日本でもたくさん使われている。

次に多かったのがポリプロピレンで27.9%。その次がポリエチレンで10.2%だ。

ポリエチレンは紙コップのラミネートから出たものだそうだ。報道資料が韓国語なのでよくわからないが、紙コップでコーヒーを飲むと、年間で2800個以上のマイクロプラスチックを取ることになると書かれている(一人年間消費量377杯を代入した場合)。

2021年のインド工科大学院の研究で、紙コップで毎日3杯の温かいお茶やコーヒーを飲む人は、1日に平均7万5000個のMPを摂取することになると科学誌に発表された。これに比べると、韓国の紙コップからの検出数はかなり少ないようだ。

理由はまだよくわからないが、紙コップの中身の温度や、検出するマイクロプラスチックのサイズや検出方法などが原因だと思われる。

いずれにせよ、環境面だけでなく、マイクロプラスチックの見地でも、リユース容器の方がよいことがわかったので安心した。

ウナギの培養肉はマイクロプラより怖くない?

シンガポールの「ウマミ・ミーツ」という会社が、ウナギなど希少で養殖が難しい魚の培養肉を開発しているとのこと。

https://news.yahoo.co.jp/articles/136ceb523a4713a3768ffd50fbe9ec241c818f9e

「ウナギとサラサハタでは細胞の成長促進の最適化に成功しており、現在は培養肉の生産工程を開発中だ。併せて栄養価、食感の向上も進めている」という。

さらに、「ウナギについては、日本から取り寄せられた「アンギラジャポニカ」種、いわゆるニホンウナギの培養肉の開発に取り組んでいる」とのこと。

希少種の本物は食べたくないとは思うが、培養肉は本当に安全なのだろうか?「水銀汚染やマイクロプラスチック汚染(海洋生物が微粒のプラスチックを飲み込むことで発生する汚染)の心配がない当社の商品を選んでもらえる」と自負しているそうだが、健康志向の消費者が培養肉を選ぶとは思えない。

遺伝子を組み換えた食べ物も怖いし、ゲノム編集食品も怖い。培養肉も怖い。最近、駅弁屋で急いで買ったサンドイッチの中に、成型肉を使ったトンカツが入っていて、それも気持ちが悪かった。

食べる物は昔ながらのフツーのもので、できればオーガニックがうれしい。

妊婦の食事内容と生まれた子どもの発達、山梨大学

山梨大学の研究発表によると、妊娠前と妊娠初期にタンパク質をあまりとらない妊婦から生まれた子どもは、発達に遅れが見られたそうだ。

タンパク質摂取量が少ない妊婦から生まれた子どもが3歳になった時のコミュニケーション能力と微細運動能力と問題解決能力の発達に、遅れが見られる傾向にあった。

「コミュニケーション」は話す、聞くなどのことで、「微細運動」は指先で物をつかむなどのこと、「問題解決」は手順を考えて行動するなどのことを指すそう。

さらに、タンパク質の摂取量が少ない妊婦は朝食をとらない傾向があり、また炭水化物摂取割合が高い傾向があったそうだ。「野菜類、魚介類、肉類などの食品群で摂取量が 少ない一方、穀類、菓子類、し好飲料類(ソフトドリンクなど)の摂取量が多い傾向が見られ」たとのこと。

要するに、妊婦は朝食をしっかりとって、お菓子やソフトドリンクはほどほどに、ということだろう。

当然といえば当然のことだけれど、エコチル調査によってしっかり証明されてよかった。

<出所>

山梨大学ウェブサイト

プレスリリース(2023.1.16)

「妊娠中の母親のたんぱく質摂取と3歳時の発達との関連について」
子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)における研究成果