インド工科大学の研究で以前、毎日温かいコーヒーを3杯飲む人は、毎日75,000個のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいることになる、という研究結果が発表された(Journal of Hazardous Materials)。確か、100ccで25,000個のマイクロプラスチックがでるという結果だった。
今度は、スウェーデンのヨーテボリ大学の研究で、紙コップとプラスチック製コップの有害性比較だ。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0269749123008382
紙コップとプラ製コップを水と泥に浸し、その水と泥を入れた水槽にユスリカの幼虫を放した。
結果は、ユスリカの幼虫に「著しい成長阻害が観測された」とのこと。
日本語の記事↓
https://www.gizmodo.jp/2023/09/negative-effects-of-paper-cups.html
紙コップにはポリ乳酸(生分解性プラの仲間で、産業用堆肥化装置でのみ分解する)がラミネートされていたから、プラ製コップと同様、マイクロプラスチックが大量に放出されたと考えられる。
そのため、ユスリカの幼虫の成長、発達などに影響がでたようだ。
影響は7日後から現れ、滲出時間の増加に伴い影響が大きくなったという。
それにしても、ポリ乳酸は、近年伊藤園のおーいお茶のティバッグなどで使われているが、日本ではそれほど一般的に出回っているわけではない。紙コップのラミネートに使われているものは少なく、ポリエチレンのラミネートのほうがフツーな気がする。
欧州では紙コップといえばもうポリ乳酸のラミネートが主流なのだろうか?
2021年にインド工科大学で行われた紙コップ実験で使われた紙コップは、ポリエチレンでのラミネートだったが・・。
それと、もう1つ気になるのは、以前(2019年)行われたアメリカのティーバッグの実験では、ティーバッグに熱いお湯(95℃)を注いだら大量のマイクロプラスチックがでた、そのマイクロプラスチックで生物(ミジンコ)にも悪影響がでた、というものだった。
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.est.9b02540
今度の実験は多分お湯ではなく、水を使ったはず。ということは、冷たい水でさえも、紙コップやプラカップは必ずしも安全ではないということだろうか?
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