時代に逆行?キューピードレッシング

キュービーはドレッシングの容器を、150ミリリットル入りのガラスびんボトルから180ミリリットル入りのプラスチックボトルに変更するとのこと。

脱プラスチックを目指し、各国が包装材への規制を強める中、日本のメーカー各社は脱プラスチックを目指しているようには見えない。

国の海洋プラスチックごみへの対応の鈍さが、民間企業にも伝染しているように見える。

マクドナルドなども海外ではストローをプラスチック製から紙製に切り替えているが、日本では切り替えるという話は聞かない。

日本の消費者は環境に疎いから、何をしても大丈夫!と企業から思われているのではなかろうか。

<出所>

日本経済新聞(2018.7.4)「キユーピー、ドレッシング容器刷新 使い切り想定」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3256567003072018XQH000/

 

 

オーストラリア 上院で5年以内に使い捨てプラ廃止を検討

オーストラリアでは、クイーンズランド州や一部大手スーパー(コールス)などで、7月1日からレジ袋が廃止された。

一部混乱も起きたようだが、大半の州や店舗では既に廃止されているので、順調に使い捨てプラスチック規制が進んでいるといえる。

上院では、2023年までに、レジ袋や食品パッケージ、コーヒーカップなどの使い捨てプラスチック製品の廃止を検討しているとのことである。

<上院についての出所>

日刊ベリタ(2018.7.1)「オーストラリア上院、5年以内のレジ袋などの廃止を検討」↓

http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201807011636470

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オーストラリアでもレジ袋禁止広がる

シアトル プラ製ストロー、ナイフ、フォーク等の提供禁止

アメリカ・ワシントン州シアトル市では、市内すべての飲食店において、プラスチック製ストローの提供を禁止する措置に昨日(2018.7.1)から踏み切った。

違反した飲食店には約2万7000円の罰金を科すとのこと。

スターバックスやマクドナルドなどは、紙製ストローなどに切り替えた。

(追記 2018.7.4)

シアトル市では、プラスチック製ストローの他、使い捨てナイフやフォーク、マドラー(カクテル用ピック)なども7月1日より禁止された。

今回の措置は、2008年に決められた環境対策の一環である。

<出所>

NHK(2018.7.2)「プラスチック製ストロー禁止 米シアトル」↓

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180702/k10011504081000.html

Seattle public utilities;

https://www.seattle.gov/Util/cs/groups/public/@spu/@foodyard/documents/webcontent/1_072578.pdf

 

日本 来年のG20でG7目標を上乗せか

2019年6月28日・29日に大阪で開催されるG20サミット首脳会議で、日本は先般拒否したG7の「海洋プラスチック憲章」の目標を上回る目標を発表するようだ。

以下、時事通信 官庁速報(2018年6月27日)より

「サミットで日本は、国内の企業や消費者の理解を得る必要があるとして、合意を見送った。しかし、目標自体は十分に達成できる可能性があることから、さらに上積みした目標を盛り込んだプラスチック資源循環戦略を19年6月までに取りまとめ、同月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議でアピールすることにした。

しかし、日本が署名しなかった海洋プラスチック憲章は、プラスチックのリサイクル率目標だけではない。日本が達成できそうな目標は「2030年までに、プラスチック用品を全て、再利用可能あるいはリサイクル可能、またはどうしても再利用やリサイクル不可能な場合は、熱源利用する」ということや「2030年までに、可能な製品について、プラスチック用品の再生素材利用率を50%以上にする」、あるいは投資を加速させることについてなどの項目である。

これらの項目については、言葉の解釈の仕方でいくらでも言い逃れ(達成)できる。例えば、日本が2030年までにペットボトルを50%再生材で作ることはそれほど難しくない。技術的には現在でも十分可能なはずだ。

投資額を多少増加させることについても難しくないはずだ。これまで日本が行ってきた投資は、抜本的にプラスチックごみを減らそうというものではない。例えばセブン・イレブン店頭にペットボトルの自動回収機を設置することに環境省は補助金を出したが、これなどはどうみても、使い捨てを助長する投資だ。ペットボトルの消費拡大にはつながるが、ポイ捨てを減らすことには働かないだろう。セブン・イレブンまでペットボトルを持参し、0.2円分のポイントを得ようとする人はもともとポイ捨てするような人ではなく、自治体回収やスーパーの回収ボックスにペットボトルを排出していた人たちだ。

これまでおこなってきたこのような投資先を見直した上で、金額を多少上乗せすることは、それ程難しくない。

問題は、「不必要な使い捨てプラスチック用品を著しく削減する」ことである。これを、日本は本当にするのだろうか?

国連や、G7の海洋プラスチック憲章が、日本のような国(回収率はそこそこ高いが、使い捨てプラスチック製品を多用している国)に本当に求めていることは、リサイクル率を上げることよりも、大幅に使い捨て製品を減らすことではなかろうか。

そうでなければ、今と変わらない「大量生産・大量消費・大量リサイクル」になってしまう。使ったものを100%回収することは、今の日本の回収システムでは不可能で、その結果が今の川ごみや海ごみの現状だ。

リサイクル率を上げることも大事だが、それよりもまず、使い捨てのプラスチック製品を大幅に削減できるような方策(例えば、使い捨てプラスチックコップや使い捨て食器の段階的禁止や課税、レジ袋の禁止、ペットボトルを規制できない場合はデポジット制度により100%の回収を目指す、など)を考えるべきである。

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「プラスチック資源循環戦略」策定へ

 

インド 使い捨てプラ禁止違反でマックやスタバに罰金

インド第2の州マハラシュトラ州(人口1億人以上)で、使い捨てプラスチックの使用を禁止する州法が施行され、マクドナルドやスターバックスなどの大手チェーンが相次いで罰金を命じられた。

州法は2018年3月に発表され、同年6月23日施行された。インドの29州のうち少なくとも25州で使い捨てプラスチック禁止が制定されている。厳格に執行されている州ばかりとは限らないが、マハラシュトラ州では即座に取り締まりに乗り出したという。

マクドナルドは、これまでのプラスチック製品を木製容器やコーンスターチ製のストロー、紙コップに切り替えたものの、デリバリー用の飲料容器のフタについては代替品を見つけられなかったと説明している。スターバックスはコメントしていない。

罰金は、初回5000ルピー(約8000円)、2回目以降は2万5000ルピー(約4万円)、悪質な場合は禁固刑もありうるとのこと。医薬品や牛乳などは例外。

<出所>

CNN(2018.6.26)「インドの州がプラスチック禁止、スタバやマックに罰金」↓

https://www.cnn.co.jp/business/35121438.html

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インド 2022年までに使い捨てプラスチックを全排除

グアムでレジ袋禁止決定 2021年1月から

グアムで6月5日、レジ袋禁止が法制化された。

開始は、2021年1月1日から。

パラオやフィジー、マーシャル諸島、ヤップ等も既に同様の禁止を決めているとのこと。

<出所>

THE GUAM DAILY POST(2018.6.18)Recycling advocates: Plastic bag ban marks progress;

https://www.postguam.com/news/local/recycling-advocates-plastic-bag-ban-marks-progress/article_a5cb2280-6eb6-11e8-9e80-77fbfd20e9bd.html

日本のムール貝からもマイクロプラスチックを検出

先日(2018.6.14)、イギリスで検査したすべてのムール貝からマイクロプラスチックが検出されたとのニュースがあった。英ハル大学とブルネル大学ロンドンの共同研究チームが、学術雑誌「エンバイロメンタル・ポリューション」でそれについて発表したのだ。

2015年には、アメリカとインドネシアの研究チームが両国の市場に売られていた魚の4分の1から、貝の3分の1からマイクロプラスチックを検出している。

日本の二枚貝からもマイクロプラスチックが出るだろうね、と話し合っていたところ、やはり日本のムール貝からもマイクロプラスチックが検出されたそうだ。

東京農工大学の高田教授のグループが、2015年から2017年に東京都と川崎市の東京湾でムラサキイガイ(ムール貝)など、座間味島ではイソハマグリの体内を調べ、マイクロプラスチックを確認した。

NEWSWEEK(2018.6.14)「魚や貝を通じてプラスチックを食べている」という研究結果が明らかに↓

https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/06/post-10378.php

共同通信(2018.6.18)「貝に微小プラスチック粒子が蓄積」↓

https://jp.reuters.com/article/idJP2018061801001419

 

「プラスチック資源循環戦略」策定へ

政府は19日に閣議決定した「循環型社会形成推進基本計画」を機に、海洋ごみ対策を強化するため、使い捨て製品の削減などを柱とする「プラスチック資源循環戦略」を新たに策定するとのこと。

来年6月に大阪で開催する主要20カ国・地域(G20)首脳会議までに戦略をまとめるそうだ。中川環境大臣は、「海洋プラスチック対策でリーダーシップを発揮したい」と述べているそうだが、G7で落第(署名拒否)した日本に、リーダーシップが発揮できるのだろうか。

G20の中には、G7の国々も含まれている。他にオーストラリアや韓国、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンなどだが、このうち日本よりまだ対策が遅れていると考えられる国はわずかしかない。

インドは世界中で最も高いプラスチック削減目標を掲げ既に対策に取り組んでいるし、インドネシアも日本より意欲が高そうだ。韓国は早くから使い捨て製品削減に取り組み、意欲も法律もEUと遜色ない。レジ袋に関しては、中国は既に有料化し、南アフリカでは製造も輸入も禁止されている。

マイクロビーズにしても、少なくともリンスオフ化粧品(水で洗い流すタイプの洗顔料など)に関しては既に法律で禁止した国が多く、日本のような「事業者の努力義務」のような甘い国は少ない。

残念ながら、G20にも「日本がリーダーシップを発揮」できる場面はない。ヘタをすると、また落ちこぼれて署名拒否、あるいは協定のレベルを下げるようなことを言い出すのではないかと心配している。

毎日新聞(2018.6.19)「海洋ごみ対策「プラ資源循環戦略」策定へ」↓

https://mainichi.jp/articles/20180620/k00/00m/040/015000c

 

第四次循環型社会形成推進基本計画の答申 マイクロプラスチック盛り込まれる

中央環境審議会循環型社会部会で、第四次循環型社会形成推進基本計画の答申案がまとめられた。

この答申を踏まえ、6月中に第四次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されるとのこと。

マイクロプラスチックについては、p.21から以下のように触れられている。

「海洋ごみは海洋生物や漁業、観光等に影響を与え、近年ではマイクロプラスチックによる生態系への影響が懸念されており、国際的にも関心が高まっている。我が国では、海岸漂着物等の海洋ごみの回収・処理や発生抑制などの対策が行われているが、海洋ごみ問題の解決には至っておらず、マイクロプラスチックの分布や生態系への影響に関する知見も十分ではない」

記載されていることに間違いはないかもしれないが、正確には下記のように書くべきだろう。

「海洋ごみは海洋生物や漁業、観光等に影響を与え、近年ではマイクロプラスチックによる生態系への影響が懸念されており、国際的にも関心が高まり、厳しい対策をとる国・地域が増えている。それらに比べ、我が国では、海岸漂着物等の海洋ごみの回収・処理や発生抑制などの対策が遅れているため、海洋ごみ問題の解決には至っておらず、マイクロプラスチックの分布や生態系への影響に関する知見も十分ではない」

また、p.22には将来像の具体例として下記のように記載されている。

「具体的には、マイクロプラスチックを含む海洋ごみについては、予防的見地に立って対処することを基本とし、国、地方公共団体、有識者、国民、企業、民間団体等の多様な主体の参画や連携のもと、発生抑制や回収処理、海洋中の分布や生態系への影響等の実態把握が推進されている。また、国内外共通の課題であるとの認識のもと、アジア地域を中心とした国際連携が進められている。」

これも十分とはいえない。下記のように書いた方がよいと思われる。

「具体的には、マイクロプラスチックを含む海洋ごみについては、予防的見地に立って対処することを基本とし、国、地方公共団体、有識者、国民、企業、民間団体等の多様な主体の参画や連携のもと、禁止や課金強化などによる使い捨て製品の発生抑制や生産者責任による回収処理、海洋中の分布や生態系への影響等の実態把握の推進、および次世代への影響を回避するためのあらゆる努力が推進されている。また、国内外共通の課題であるとの認識のもと、アジア地域やEUなどとの国際連携が進められている。」

以上、答申案中の斜体太字部分は筆者による。

答申案のマイクロプラスチックに対する危機感の薄さが気になったため、若干修正してみた。

環境省(2018.6.14)第四次循環型社会形成推進基本計画の策定に関する中央環境審議会の答申について↓
http://www.env.go.jp/press/105589.html

マクドナルド 英国とアイルランドで紙製ストロー 9月から 日本は?

マクドナルドは、イギリスとアイルランドのすべての店舗で、今年9月からストローを紙製に変更すると発表した。

ストローに対して対策を求める声が顧客からあがったため、とのこと。

海洋プラスチックごみ汚染に敏感な国民性に配慮した措置だ。

日本のマクドナルドは、いつになったら脱プラスチックを進めてくれるのだろうか?これから夏になると冷たい飲料の消費が増える。ストローもプラスチック製コップも増えそうだ。

マクドナルドを利用する際はぜひお店に「プラスチックへの配慮」をお願いしてほしい。

<出所>朝日新聞デジタル(2018.6.15)「米マクドナルド、英国とアイルランドで紙ストロー導入へ=BBC」↓

http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN1JB13S.html

<関連情報>

マクドナルドの容器包装に関する環境方針