日清食品ホールディングスが、即席麺の袋やカップに使うプラスチックを生分解性に切り替える考えを明らかにした。価格が高いなどの課題が解決され次第、置き換えに取組み、2〜3年後をメドに考えたい、とのこと。
よいことかもしれないが、しかし、どのようなタイプの生分解性プラスチックに切り替えるつもりかが不明だ。日清食品のホームページにも新聞各紙にも具体的なことは書かれていない。まだ未定で、環境省が打ち出した生分解性バイオプラへの補助金によりその生産コストが下がることを期待しての判断であろうか?
今、必要とされる生分解性プラスチックは、海中や海底でも分解するバイオマス由来のもので、好気性微生物の豊富な工業用(産業用)堆肥化施設などで分解が始まるような従来型のものではない。
しかも、単に海で分解されるだけではダメで、有害な添加剤などが含まれていないものでなければならない。そうでなければ、たとえプラスチック部分が分解されたとしても、海水に添加剤が残ってしまう。
例えば、これまで生分解性プラスチックのエースだったポリ乳酸などは、海中ではほとんど分解しない。しかし、今必要とされている生分解性プラスチックは、もっと確実かつスピーディに海中で(できれば海底でも)分解され、しかも添加剤などの安全性が担保されたものである。
日清食品の続報に期待している。
<参考>
毎日新聞(2018.8.24)「日清食品 カップ麺容器のプラスチックを生分解性に」↓
https://mainichi.jp/articles/20180825/k00/00m/020/091000c
時事通信(2018.8.24)「即席麺容器に生分解プラ使用へ 化学プラ全廃目指す 日清食品HD」↓
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082401046&g=eco