「東京都資源循環・廃棄物処理計画」策定

東京都が「東京都資源循環・廃棄物処理計画」を策定した。

特に斬新な計画などは見当たらないが、目新しいものとしては「感染症対策の徹底等による事業継続性の確保、システムとしてのレジリエンス強化」がある。具体的には、保健所の拡充などだろうか。コロナウイルス感染症や次の感染症に対応するシステムを強化することは喫緊の課題だ。

廃棄物の削減目標なども設定されているが、リデュースよりリサイクル重視の姿勢が垣間見える。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/24/documents/11_01.pdf

【資源ロスの削減】
1一般廃棄物排出量: 2025年度 440万トン 2030年度 410万トン
2プラスチック焼却削減量:2030年度 40%(2017年度比)
3食品ロス削減量 :2030年度 38万トン
【循環的利用の推進と最終処分量の削減】
4一般廃棄物再生利用率:2025年度 31% 2030年度 37%             5最終処分量:2025年度 82万トン 2030年度 77万トン

<出典>

東京都(2021.9.24)「新たな「東京都資源循環・廃棄物処理計画」の策定について」↓

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/24/11.html

エネルギー基本計画のパブコメ、締め切り迫る

エネルギー基本計画(案)に対するパブリックコメントの締め切りが迫っているので、急いで提出した。

締め切りは10月4日。

2030年までに目指されている電源構成を見ると、原子力が激増している。今は6%しか使われていないのだから、すぐに止めても誰も困らないはず。それなのに、なぜ増やそうとするのか。

あれだけの事故を起こしても、為政者は原発を動かそうとする。原発で儲かるのは、ほんの一握りの人達だけで、日本の99%以上の人たちは困るだけなのに・・。不思議で仕方ない。

また、これだけ異常気象がひどいのに、まだ石炭火力をほとんど減らそうとしないのもおかしい。

パブコメは下記のサイトから提出するのが便利だ。

「エネルギー基本計画(案)に対する意見の募集について」↓

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620221018&Mode=0

経済産業省 エネルギー基本計画(案)の概要↓

https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/data/02.pdf

食品ロス対策と家計節約になるクラダシ、でも・・

数年前からKURADASHIを利用している。当初は商品が少なかったが、最近はかなり増えてきた。コロナで行き場を失った食品もあったり、国産農林水産物応援で送料無料のものがあったり・・でつい買ってしまう。

これって、フードロスではなくクラダシ用に作った商品では?と思われるものもたまにあるし、やむを得ないことだが量が多すぎる商品も多い。いつ発送するかが明記されていないものもある(「10日以内に発送」などと書かれている)。包装材の材質が記載されていない点もマイナスポイントで、使い勝手はまだイマイチだ。

しかし、少額だが普段しない寄付ができることや、値引率が高いものは家計の節約にもなるので、それなりに気に入っている。

昨日は9日、毎月9日はクラダシの日ということで対象商品は9%引きだ。冷凍のワッフルが美味しそうだったので、注文しようと張り切って注文しかけたところ、配達日を見てビックリ。

9月24日期限の商品であるにも関わらず、「9月21日発送」とのこと。ということは、到着日は早くても22日。24個ものワッフルを2日で食べきれるはずもなく、いくら冷凍品とはいえ、期限の切れたものをそう何日も冷凍庫に入れておきたくはない。ワッフルはあきらめた。

おそらく売れ残っただろうと思う。捨てられずにどこかへ寄付されていればよいのだけれど・・。

転売対策なのかもしれないが、もう少し早く発送してくれれば・・と思う。

転売対策とフードロス対策は、相容れないようだ。

フランスには「食品廃棄禁止法」があると聞く。一定面積以上のスーパーでは、フードバンクに寄付したり、動物の飼料に活用するなどして、廃棄を避けなければならない。

メーカーや問屋にも適用されるのかは知らないが、日本にも食品廃棄禁止法ができればよいなぁと思う。

KURADASHI ↓

https://www.kuradashi.jp

レアメタルやダイヤモンドが生態系を滅ぼす

温暖化対策で電気自動車などの普及が進んでいる。リチウムイオン電池に使われるリチウムやコバルトの採取が各地で生態系を破壊している、という報告がある。

先日、FoEがおこなったセミナーによると、それら鉱山やアグリビジネスのせいで、2019年だけで200人以上の人々が殺されたそうだ。開発に反対した先住民や現地の住民達だ。

最近では、工業用ダイヤモンドを採掘しているアンゴラの工場から垂れ流された有害物質によって、コンゴの川が赤く変色。カバや魚の死骸が流れているという。

https://www.afpbb.com/articles/-/3361696

アフリカのダイヤというと、かつての映画「ブラッド・ダイヤモンド」や「コンゴ」を思い出すが、ダイヤモンドの被害は採掘現場だけでなく、工場から排出される化学物質により、カバまで殺されるようだ。

以前参加した大阪の市民団体・ウータンの学習会では、講師が「電気自動車が普及すると、コンゴの森がなくなる」と話していた。

レアメタル採掘により、生態系は破壊される。しかし、温暖化は待ったなしで迫っている。

解決策は、斎藤幸平氏のいう「脱成長」しかないのだろうか?

FoEではセミナーの動画を公開している↓

台風のときこそ本領発揮、世界初の新型風力発電

強風で故障し、止まったままの風車をよく見かける。

しかし、この「垂直軸型マグナス式風力発電機」は、台風の時こそ本領を発揮するそうだ。

大きな羽根をぶんぶん回すわけではないので、渡り鳥の迷惑にもならないかも?

石垣島での実証実験を経て、先日、フィリピン共和国バタネス州にフィリピン初号機が設置されたそう。

再生可能エネルギーは、今のところどれも今一つだ。メガソーラーは山や農地を削るし、パーム油のバイオマス発電は問題外。木材を燃やすバイオマス発電も「森林破壊」「放射能汚染された森の除染目的」などといわれ、問題山積だ。

風力発電もこれまでいろいろ問題が指摘されていたが、このタイプのものが本当にうまく発電できるならば、台風の多い日本にはピッタリ。

期待したい。

<参考>

台風でも発電可能な「垂直軸型マグナス式風力発電機」↓

http://copjapan.env.go.jp/cop/cop24/pavilion/04/

TABI LABO(2021.9.2)「日本発!台風さえもエネルギーに変える「マグナス式風車」って知ってる?」↓

https://tabi-labo.com/301377/wt-challenergy-in-philippine-release?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=newsletter_20210905

みどりの食料戦略は「みどり」ではない、サミット追加募集のお知らせ

もうひとつの市民食料サミット ~農水省が提唱する「みどりの食料システム 戦略」は「みどり」ではない~

会場50人・オンライン募集人数100人だったところ、オンラインを500人にまで拡大し、追加募集している。

以下、転載

「有機農業面積を 2050 年までに全農地の 25%に拡大する」「化学農薬使用量を 30%減らす」など、 野心的な目標がちりばめられた農水省発「みどりの食料システム戦略」。今年9月に開催される国連の「食料システムサミット」に向けて策定されたとも言われていますが、そのサミットは利益優先主義の多国籍企業によって支配されていると、世界の多くの NGO が批判しています。
そこで私たちは、国連食料システムサミットに対抗して、各国の NGOと連帯した「もう一つの市民食料サミット」を開催します。世界規模で進んでいる企業による食料支配の現状を知り、日本の「みどりの食料システム戦略」の真の狙いは何かをあぶり出すとともに、私たちが求める農業や食べものについて考えます。


【日 時】 2021 年 9 月 18 日(土)13:30~16:30
【会 場】 東京都文京区シルバーセンター・シルバーホール(文京シビックセンター4
階)アクセス:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」直結  https://www.city.bunk
yo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
*オンライン参加も可能です。
【定 員】 会場 50 人・オンライン 100 人 (いずれも要予約)
【参加費】  無料
【申込み】  9 月 16 日締め切り 日本消費者連盟ホームページの専用フォームからお申込みください。
  →https://forms.gle/SuxCw47hZ1WQenEe7

詳細は下記をご参照ください↓

http://www.labornetjp.org/EventItem/1629805222402staff01

フランス、気候変動対策・レジリエンス強化法案を可決 量り売りも強化 

フランスで7月20日、「気候変動対策・レジリエンス強化法案」が採択されたようだ。

同法案は2月10日に閣議決定されたもの。抽選で選ばれた150人の市民から成る「気候変動市民評議会」がまとめた環境政策提言の一部を採用したことで有名だ。

主な対策として、15個掲げられている。

例えば、断熱性の低い住宅の貸し出し禁止、農地などから大型ショッピングセンターへ転換禁止、州は学校の食堂では週に1回ベジタリアンメニューを提供する、などだ。

ごみ関連のものとしては、2030年までに400平方メートル以上のスーパーでは店舗面積の20%以上で量り売りなど包装のない商品を販売しなければならない。

また、紙の大量消費対策として、チラシを制限するための実験を36ヶ月間おこなう。レターボックスに広告OKの表示をした世帯以外にはチラシを入れない。

他にも温暖化対策に資する具体的な施策が並んでいる。

<出典>

https://www.ecologie.gouv.fr/loi-climat-resilience

日本はなぜ環境後進国になったのか

最近よく、日本は先進国ではなくなった、という言葉を聞く。確かに2000年以降、日本はもう先進国ではないなぁと思うことが増えた。近頃は特に「後進国」に見える。医療もデジタル関連も、コロナ禍のおかげで日本がいかに遅れているかがよくわかった。また、動物福祉や人権意識の低さも五輪のおかげで露呈した。

先月公布された新法、プラスチック資源循環促進法でも、先進国には当然あるはずの「拡大生産者責任」(EPR)がない。「広義ではある」と関係者の皆さんはおっしゃっているが、どう見ても通常の意味(広義ではなく)ではEPRの考えをベースにした政策はない。広義ではある?・・あまりにも広すぎて見えない。

容器包装リサイクル法ではEPRは50%といわれたが、今回の新法ではゼロに見える(少なくとも狭義では)。理由は、政府が経済界に配慮したからだろうが、一体どこの会社がそんなに働きかけたのだろうか?と思っていたところ、あるベンチャーが「経団連に入った」と得意そうに報告している文章が目に入った。

経団連はベンチャーにも門戸を開くようになったらしい。しかし、会費もバカにならないだろうに、経団連に入るメリットがそんなにあるのか?と思って、経団連のウェブサイトを見てみた。

https://www.keidanren.or.jp/nyukai.html

「会員のメリット」の項の1番目にこの文言がある↓

「1 貴社のご意見を経団連の提言に反映させて、政府等へ働きかけ、政策を実現することで、ビジネスの現場に即した環境を整備することができます。」

要するに、経団連に入会すれば、自社の利益になる要望を政策に反映させることができるということのようだ。まさに「物言う経団連」、要するに政府に圧力をかける団体ということか。

日本が、少なくとも「環境後進国」になったわけが、少しわかった気がする。

後進国になったニッポン

バブル時代、日本は先進国だ、と胸を張っていた。私も誇らしく思っていた。

だんだん雲行きが怪しくなってきた、と思ったけれど、でもまだトップランナーグループにはいるはずだ、と信じたかった。

しかし、近年の環境政策は後れる一方で、少なくとも環境行政は途上国なみだ、と思っていたところ、先日、とんでもなく時代遅れの「プラスチック促進法案」が衆院を通過した。

生産者責任などなんのその、製品プラスチックの再商品化費用さえも、事業者に請求できないらしい。それどころか、事業者のだす廃プラも、法律上自治体がリサイクルできるようにするようだ。こんなことがまかり通れば、資源ごみだけでなく、他の産廃まで自治体が処理するハメになりかねない。

おそらくこのまま参院も通過し、成立するのだろう。日本の政策は、産業界の意向で決まるのか?

コロナ対策も後れている。コロナ対策では、日本はもう先進国のフリさえできないでいる。

気候変動対策も同様だ。プラスチック対策と気候変動対策は重なる部分が多いにもかかわらず、かみ合っているようには見えない。

後進国でもいいけれど、せめて環境政策くらいは先頭集団について行ってほしいものだと思う。次世代のためにも。

また新たな認定制度?エコマークはなぜ普及しないのか

日経新聞(2021.3.9)によると、また新たな認定制度ができるらしい。

プラスチック使用量が少ない製品やリサイクルしやすい設計の製品などが対象とのこと。また新たな偽装エコ商品が生まれそうで心配だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG08AR50Y1A300C2000000/

国が新たに環境に配慮した商品設計の指針を作り、プラスチック使用量が少ない製品やリサイクルしやすい設計の製品などを認定する。認定した商品にロゴマークを付けて消費者が選びやすくする。(日経新聞2021.3.9)

なぜ、今ある認証制度を更新し、より使いやすいもの、もっとよいものに変えていかないのだろうか。これではマークの乱立で、ますますわけがわからなくなる。

最近エコマーク付き商品を見かけなくなった。

ドイツでは、小学生の親はブルーエンジェル付きの商品を選ぶと聞く。ブルーエンジェルは世界初のドイツの環境ラベルだ。エコマークとブルーエンジェルは相互認証協定も締結している。

ドイツの官公庁はもちろん、地方自治体もブルーエンジェル付きの商品を購入するが、一般消費者にもブルーエンジェルは浸透しているらしい。

日本の官公庁はグリーン購入法に適合している製品を購入するが、「努力義務」の地方自治体は必ずしもグリーン購入法に適合する商品を選んでいるわけではない。地方自治体でさえそうなのだから、一般消費者がグリーン購入法適合品やエコマーク付き商品を選ぶはずもない。

日本の小学生の親で、ベルマークを気にする人はまだたまに見かけるが、エコマークを気にしている人は見たことがない。

そもそもグリーン購入適合品とエコマークの区別もよくわからない。ほとんどが一致しているというが、一致していないものもある。さらにグリーン購入ネットワークの位置づけもよくわからない。

グリーン購入法が制定された際、なぜエコマークとグリーン購入を統一しなかったのだろうか。統一していれば、どちらももっと普及したはずで、さらに今また新たな認定制度を作ったとしても、普及するとは思えない。

次々と新しいマークやラベルを作られても、消費者は混乱するばかりだ。早急に統一し、幅広い製品を対象に、考えられるすべての基準を満たすものにだけエコマーク(あるいは統一された新たな環境ラベル)をつけてほしい。