飲料自販機に回収ボックスがない!

最近、自動販売機横にあるはずの回収ボックスが減っている。

気になって調べたところ、商店街では約半分の自販機に回収ボックスがない。

住宅街や大きな通りに面したところでは3割はなく、平均すると、約4割の自販機に回収ボックスがないようだ。

数年前に「ポイ捨て禁止条例」が緩和された相模原市の傾向だろうと思っていたところ、先日出かけた藤沢市でも回収ボックスのない自販機が目に付いた。

他地域の人も同じような感想を持っていたところを見ると、どうも全国的な傾向のようだ。

条例で、回収ボックスの設置を義務づけ、自販機設置を自治体に届け出る義務のある自治体でない限り、「異物混入」や「置くスペースがない」ことなどを理由に、回収ボックスは避けられているようだ。

しかし、回収ボックスを置かないならば、「飲料自販機を置く権利はない」ことを設置者は認識すべきだろう。

ごみの垂れ流しはやめてほしい。ペットボトルはもちろんのこと、飲料缶にもプラスチック(塗料)が使われている。

缶もマイクロプラスチック汚染の原因物質だ。

神宮外苑再開発について、都知事が答弁。意味不明

東京新聞(2022.3.9)によると、小池都知事は9日、神宮外苑の再開発について議会で質問された際に、「新たな神宮外苑として、次の世代につなげていくことは創建の趣旨にかなう」と答えたとのこと。

小池知事は

「民間事業者は先人の思いや歴史にも思いをはせながら、1本1本の樹木を大切に扱い、樹木の状態などの詳細な調査を行って極力保存または移植をし、事業を進めることとしている」

と述べたそうだが、1000本もの樹木を気遣う気が本当にあるのか疑問だ。

もし、本当にその気があるならば、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えるような大がかりなことはしないはず。入れ替えなければ、伐採せずに済む樹木は相当あるはずだ。

また、高層ビルの建設も中止するはず。

こんなことが、「次世代につなげていくこと」に本当になるのだろうか。都内は、他に旨みのある開発地がなくなったから、こんな歴史的な風致地区にまで手を伸ばしたのではないか。

<出典>

東京新聞(2022.3.9)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/164694

『ダムと民の五十年抗争』と奈良県水道事業広域化

遅ればせながら、浅野詠子著『ダムと民の五十年抗争』(風媒社, 2017年)を読んだ。

ダム建設にまつわる住民同士の対立は、原発建設と同じだ。

巨大ダムの治水効果は限定的で、しかもかえって危険なことさえあるようだ。

半世紀にも及んだ大滝ダムの総事業費は3640億円。かなりの部分が国の負担だが、奈良県の負担分も相当な額だ。

計画段階では過剰な水需要が試算されていたらしいが、実際の水需要はとても少ない。

なぜ事業費が異常に膨れ上がったのか。調べようにも、保存年限は10年ほどのものが多く、既にダム完成前に相当の文書が廃棄されていたという。

以前から、日本の公文書管理はひどいと思っていたが、公文書を残したくない人たちがわざと保存年限などを短くして、できるだけ開示させないように仕組んでいるのではないか、と邪推したくなる。

目先の利益のためには、自然や文化を破壊しても構わないとする風潮に、神宮外苑の再開発事業にも似たものを感じる。

奈良県知事が進める奈良県の水道事業の広域化計画は、この大滝ダムの水をもっと県民に飲ませるためのものだと指摘する声があるそうだ。確かに、ダムの水を県民にもっと活用させ、県の財政に少しでも貢献させようという県の思惑が見え隠れしているように感じる。

神宮外苑の樹木約千本を伐採?!小池都知事の低いエコ度

小池都知事は元環境大臣だから、少しは環境に配慮する人だと思っていたが、まったく違ったようだ。

都会のオアシスである神宮外苑の木を1000本近く伐採し、商業施設を含む高層ビルをゾロゾロと建てるという。

東京都都市計画審議会で賛成多数で承認されたそうだが、このようなトンデモ案に一体どういう人たちが審議会で賛成したのか?

「文化遺産保護の提言などを行う「日本イコモス国内委員会」は7日、東京都へ見直しを提言した」とのことで、少しホッとしたけれど、これですんなり止まるとは思えない。

ドイツでは、ある一定以上のサイズ(樹齢?)の自宅の庭木を伐る時でさえも許可が要るほど、古い木は大切にされていると聞く。神宮外苑の樹木のような木を伐採するような野蛮な計画は、ドイツではあり得ないだろう。

「892本を伐採する代わりに、エリア全域に新たに979本を植樹する」(NHK)とのことだが、樹齢100歳の木と苗木とではCO2備蓄量や生物多様性は全く変わる。代わりにはならない。

なぜ日本は開発優先なのか??とても残念で情けない。

こんなに商業施設があふれ、空きビルもある東京に、なぜまだ必要なのだろうか。

<参考>

https://www.tokyo-np.co.jp/article/158883

https://www.tokyo-np.co.jp/article/159304

https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220215a.html

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301246/2

ホントに安心?焼却施設のDBO(公設民営)方式

最近、さまざまな施設がDBO方式になってきた。

DはDesign(デザイン)、BはBuild(建設)、OはOperate(運営維持管理)の略だ。

要は、資金調達を公共が行い、他はすべて民間に委託する。つまり、カネの面倒は見るから、あとはヨロシク!というもの。

もしかしたら、火葬場やリサイクル施設ならば、DBO方式でもあまり問題はないかもしれない。しかし、焼却施設はどうだろうか?

自治体の流行のようで、こちらもあちらもDBO方式・・・。このままでは自治体にごみのことがわかる職員はいなくなる。そうなれば、受託した民間企業に何もかもお任せだ。

しかも長期契約だろうから、途中から「ゼロ・ウェイスト」を目指したい、などということになったとしても、受け入れてもらえない可能性が高い。

ごみの減量化意識は受託した民間企業には働きそうにない。むしろ、もっと発電したいからもっとごみを増やそう、というインセンティブが受託企業に働くかもしれない。

長期契約ではごみ量の推定もままらなないが、かといって、短期契約では民間にも自治体にもリスクが大き過ぎる。

DBO方式は、ごみについてあまり知識も興味もない市長にとっては魅力的な選択肢だろう。新自由主義の流れの中で、民営化を批判する人は減っているから、全国的に増える理由はよくわかる。おまけに、専門家に任せておけば大丈夫!という安心感もある。

しかし、もし自治体がごみ処理方法を途中で変更したくなったとしても、簡単にはできなくなることもしっかり認識してほしい。

衝撃的な「衣類の末路」、チリの砂漠に衣類ごみの山

NHK番組「「知られざる衣服の末路」ニュース 地球まるわかり 」の終わりの方だけ偶然目にして、気になっていた。昨日、まだNHKプラスで放送されていることを知り、急いで視聴した。

南米チリのアタカマ砂漠に大量の衣類の山が出来ている。理由は、チリの自由貿易港で、衣料品の関税が免除されていることにある。関税が免除されるため、世界各国から売れ残りの衣類や古着が集まるそうだ。

その量は年間約6万トン。それを求めて各地からバイヤーが集まり、売買されるが、売れるのは約4割。6割(約3万9000トン/年)は砂漠に捨てられる。

かさを減らすため燃やされることもあるそうだが、プラスチックを燃やしたときの臭いが発生するという。大半が合成繊維だろうから、当然だ。

この捨てられた衣類の山のせいで、土壌汚染や火災などが起きている。近くには住宅もあるため、近隣住民に被害を与えている。

このような「衣類の末路」となっている国はチリ以外にもあるそう。廃棄衣料とはいえ、先進国の流行のファッションが新品(あるいは古着も)で入ってくることで、自国の繊維産業は壊滅的な打撃を受ける。自国の産業保護のため、タンザニアやウガンダなどで作る「東アフリカ共同体」は2016年、自国の産業保護のため海外から来る衣類を禁止しようとしたが、アメリカが自国のごみが送れなくなるとアメリカ国内の環境が悪くなるので困ると強く反対した。そのため、禁止もできなったそうだ。

2014年だけで、世界で1000億着以上の衣類が作られた。これは2000年のおよそ2倍の量だったという。先進国のファストファッションは、途上国の産業を壊滅させ、しかも大量のプラごみを押しつける結果になっている。

衣料を廃棄したり途上国へ行かないようにしたりするための、何らかのシステムが必要なようだ。

もう一度番組を見たいと思い、今日またNHKプラスで見ようとしたところ、昨日の夕方までの期限だったようで、既に見られなくなっていた。再放送があればぜひまた見たいと思う。

<追記>

日経新聞(2022.2.15)「アパレルの脱炭素へ「在庫税」を 河合拓コンサルティング代表 河合拓」によると、日本のアパレル産業は構造的な課題を抱えていて、

「1990年に約15兆円あった衣料品市場は新型コロナウイルス禍の20年は約7兆5千億円と半減した。一方で衣服の供給量は年20億点から年40億点近くとなりほぼ倍増。容量の限られるバケツ(市場)に水(衣服)を入れ続けている状態で、結果として余剰在庫も増え続けているとのこと。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220215&c=DM1&ng=DGKKZO8010685014022022KE8000

日本の2014年の衣服供給量はわからないが、現在40億着近いならば、世界の1000億着のうち、日本の衣服の占める割合は結構高そうだ。

ニューヨーク市の学校給食、週1でビーガン食に

日本経済新聞(2022.2.7)によると、「ニューヨーク市は4日、公立学校で動物性の食材を使わないビーガン食を毎週金曜日に提供する取り組みを始めた」とのこと。

フランスでもベジタリアン給食を提供する自治体が増えている。確か韓国でも(?)と聞いた記憶がある。

最近、ビーガン食やベジタリアン食を提供する学校給食が世界的に増加しているようだ。

日本も、せめてベジタリアン食を選べるようになれば、喜ぶ子どもも多く、地球環境にも良さそうだ。

<出典>

日本経済新聞(2022.2.7)「完全菜食の給食、NY市が公立学校で導入」↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220207&c=DE1&ng=DGKKZO7992047007022022EAF000

中日新聞(2021.7.7)「「美食の国」フランスで広がるベジタリアン食」↓

https://www.chunichi.co.jp/article/286426

なぜ今さら下水道で紙おむつ処理?(その6)再び実証実験

昨年暮れ、国交省の目的不明の事業である下水道に使用済みの紙おむつを流す実証実験が、再び行われた。

行われたのは愛知県豊田市の特別養護老人ホーム三九(さんきゅう)園だ。

国交省が検討している方法は3通り。

Aタイプ(固形物分離タイプ):紙おむつを洗って汚物を分離させ、汚物と洗浄水は下水道へ流し、紙おむつは回収して処理

Bタイプ(破砕・回収タイプ):紙おむつを破砕し、脱水した固形物を回収。残りは下水道へ流す。

Cタイプ(破砕・受入れタイプ):紙おむつを破砕し、すべて下水道へ流す。

今回の実験はBタイプで、「水と塩化カルシウム溶液を混ぜて攪拌(かくはん)する。化学的に水分を分離させて下水に流し、紙おむつ成分は燃えるごみとして処理」するとのこと。(朝日新聞2021.12.10)

しかし、紙おむつはパルプとプラスチック、そしてプラスチックの仲間の高分子吸収体からできている。マイクロプラスチックの専門家によると、すべてのタイプで、下水道にマイクロプラスチックが流れ込むそうだ。

この野蛮な事業、2022年度にはガイドラインができる。実用化が近いようだ。

マイクロプラスチックがこれだけ大きな問題になっている時代に、なぜこのような事業を進んでいるのかわからない。しかし、下水道に流れ込んだマイクロプラスチックの97〜98%は下水処理施設の下水汚泥にたまり、残りは川へ流れていき、やがて海へ行く。魚も食べるはずだ。

それも嫌だが、下水汚泥にたまった膨大な量のマイクロプラスチックが、もし焼却処理されずに、堆肥や肥料にリサイクルされ、どこかの緑地や農地にまかれでもしたらもっと大変だ。緑地や農地から発生したマイクロプラスチックが空中に浮遊し、その一部を人間も吸い込むことになる。

こんな野蛮な事業をなぜ進めるのだろうか。

朝日新聞は、「介護者の負担軽減」などという2019年1月に国交省の担当者が苦し紛れに話したいいわけを、あたかも事業目的であるように載せている。しかし、少なくともAタイプは介護者の負担軽減にはならない。Bタイプもそれほど軽減するとは考えにくい。そもそも国交省が介護者の負担軽減のために事業を行うなどということはないはずだ。

https://www.asahi.com/articles/ASPD975T3PD1OBJB007.html

当初、事業目的として国交省がいっていたのは、「人口減で下水道に余力ができるから活用する」ということだった。

しかし、国交省のウェブサイト「なぜ今、広域化・共同化が必要なのか?」を読むと、「下水道施設の老朽化、技術職員の減少や使用料収入の減少といった様々な課題を抱える」と書かれている。

人口減で収入が減れば、老朽化した下水道を更新しにくいはず。余力ができるから活用するどころの話ではないだろう。

本当にわけのわからない事業の検討会が、「非公開」のまま進められている。

国土交通省「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」↓

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000540.html

<関連記事>

https://env-eco.net/?s=下水道

低い日本の環境意識、マイボトル持参率も12ヶ国中ビリ

電通と電通総研が2021年7月、12カ国を対象に「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」を共同実施した。

12ヶ国とは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、フィリピン、タイ、インド、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアだ。

日本の環境意識が他国より低いことに驚いた。まず、マイボトル持参率がビリ。おそらく給水器などのインフラ整備が貧弱なのに、コンビニや自動販売機ばかりが多いせいだろう。

また、レストランで残った食べ物も持ち帰ることもビリ。食品ロスが多いわけだ。衛生を理由に持ち帰りを断る店もまだあるようなので、外食の時は、マイ容器を持参するのがよさそう。

さらに、衣料品やおもちゃを店頭の回収ボックスに持っていくのもビリだ。これは回収している店舗の少なさが理由だろう。

さらに、不要品や本を中古買い取りしてもらうのもビリ・・。リサイクルショップが多いのに、なぜだろうか?ヤフオクで売る人も多いはずだが・・。思った値段では売れないことが原因か。確かに衣類をリサイクルショップへ持って行っても、本をブックオフへ持って行っても、買い取ってはくれるが、ダンボールを数箱積み上げても、やっと数百円・・。これでは持って行く交通費も出ないが、リサイクルショップにしてみたら、買う人が少なければ、高価買い取りなどできなくて当然だ。

驚いたのが、フィリピンのエコバッグ使用者が、12ヶ国中トップだったこと。

フィリピンは自国から流れ出すプラスチックごみもそこそこ多いが、地理的に他国から流れ着くものも多い。

そのため、お腹に大量のプラごみを詰まらせたクジラが漂着したり、有名な観光地だったボラカイ島が環境汚染のために閉鎖されたりした。ボラカイ島の美しい砂浜は、世界一とまでうたわれていた。そのせいで、海洋プラスチック汚染問題への関心が高いのだろうか。

しかし、フィリピンで関心が持たれている社会課題は、1位貧困・飢餓、2位公衆衛生、3位医療制度・設備。海洋プラスチックごみはランク外だ。

ちなみに、日本での関心事の1位は自然災害、2位が少子化、3位が大気汚染。

海洋プラスチック汚染が関心のトップである国は、ドイツとイギリスだ。

トップではないが、日本が上位にランクしている項目は、エコバッグ使用と詰め替え商品を買うことだ。エコバッグはともかく、シャンプーなどの詰め替えパウチが本当にエコなのか、悩ましいところ。容リ法で回収されたプラ製容器包装がプラスチック再生工場へ行ったとしても、複合素材である詰め替えパウチまでマテリアルリサイクルしている工場は、おそらくないはずだ。

<意識調査の出典>

Marke Zine(2021.9.9)「約10年で「サステナビリティ」へのイメージ具体化/「2030年」から不安を連想する日本【電通調査】」↓

https://markezine.jp/article/detail/37254

渋谷区の共同生ごみコンポスト「コムハム」

渋谷区の学校で、生ごみを水と二酸化炭素に処理する「コムハム」という微生物技術を使ったコンポストを設置したところ、4月~7月の間に約300キロの生ごみを校内で処理できたそうだ。

「コムハム」は食べ残しや生ごみを約1日~3日で98%二酸化炭素と水に気化するという高速処理で、堆肥を作らないそうだ。堆肥がほしい人は、作る事もできるという。

普通のコンポストは、生ごみが消えるまでもっと何日もかかるので、もしカボチャの種やアボガドの皮なども早く消えるとしたら、かなりすごい。

虫はわかないのだろうか?

我が家の生ごみ処理器(キエーロ)は手入れが悪い上、なんでもかんでも入れていたため、虫がわいてしまった。今は、コーヒーかすのような分解しやすいものだけは入れるが、難しそうなものはしばらく入れていない。

先日、虫を寄せ付けないようにするため、土の上に薄めた酢をまいてみた。効果はまだよくわからないが、そろそろ野菜くずの投入も再開しようかと思っている。

<参考>

恵比寿新聞(2021.9.14)「渋谷区で生ごみを処理するシェアリングコンポストを街中に設置し街の人が運用する実証事業がスタート。対象は恵比寿ブロック(氷川地区)!」↓