ラウンドアップでガン発症 モンサントに約320億円の支払いを命じる判決

学校の校庭整備の仕事でラウンドアップを使い続け、ガンを発症した原告が、モンサントに勝訴した。

アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの陪審は、モンサントに損害賠償金2億8900万ドル(約320億円)の支払いを命じた。

モンサントは他に1000人以上の患者から同様の訴えを起こされているとのこと。

<出所>

CNN(2018.8.12)「「モンサントの除草剤でがん発症」、末期患者に賠償320億円 米裁判所」↓

https://www.cnn.co.jp/usa/35123905.html

有機農業ニュースクリップ(2018.8.11)「ラウンドアップでがんに モンサントへ3億ドルの賠償命令」↓

http://organic-newsclip.info/log/2018/18080959-1.html

レーザープリンターからPM2.5などの微粒子発生

我が家ではレーザープリンターを使っているが、レーザープリンターはいろいろ問題があるようだ。

レーザープリンタから放出される微細粉塵(UFP = Ultra-fine particulate)は、レーザープリンタの定着プロセス(高熱でトナーを紙に焼き付けるプロセス)でトナーが高熱によって蒸発して、その直後に温度が下がって、凝結するために発生するそうだ。

「フライブルク大学の研究で、これらの粒子がヒト肺細胞を著しく損傷する可能性が示された。また、強い不快感や咳、涙目、疲労感、鼻血、喘息などのアレルギー反応が報告されている」とのこと。

調べたところ、日本でも研究されている。

例えば、並木他(2006)↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/21/1/21_1_59/_pdf/-char/ja
例えば、鍵(2014)↓
https://ci.nii.ac.jp/els/contents110009837242.pdf?id=ART0010348734

健康被害については諸説あるようだが、電力消費量の点でもレーザープリンターは分が悪い。エプソンによると、高速インクジェットはレーザープリンターに比べ、生産力は2倍なのに、消費電力は1/8とのこと。

ドイツではBye, bye Laserというキャンペーンもあるそうだ。

<参考>

EPSON「インクジェットで環境対策」↓

https://www.epson.jp/products/bizprinter/inkjet_eco/

「レーザープリンターから重金属を含む粒子が排出され健康被害の可能性 ドイツ」↓

http://www.qlifepro.com/news/20130301/ejected-particles-containing-heavy-metals-from-laser-printers-possible-health-damage-germany.html

「タバコと同じくらい有害–レーザープリンタに健康上のリスク」↓

https://japan.cnet.com/article/20353976/

 

 

 

タイやベトナムもプラごみ輸入規制に乗り出す

中国が廃プラや未選別古紙の輸入を禁止したことに伴い、輸入量が急増していたタイやベトナム。

タイは「廃プラや電子機器関連などの資源ごみを違法に輸入する業者が増加。焼却処分する際の悪臭や不法な埋め立てなどが社会問題となり、警察当局が輸入業者などへの取り締まりを強化している。港湾では大量の廃棄物や資源ごみを積んだコンテナが多数発見されている。現地メディアは「不法に輸入した業者は法的な措置を受け、積み荷は(輸出国に)送り返す」との政府関係者のコメントを伝え、政府が資源ごみの輸入を規制する方針」とのことである。

ベトナムも「政府は6月、資源ごみの輸入などを一時的に制限する措置を講じており、今後本格的に適用されるとの見方もある」とのこと。

当然だが、資源という名のごみは、どこの国でも要らない。自国処理が原則だ。

日本も、廃プラ輸出先を探すよりも、使い捨てプラスチックを規制する方向で進むべきだろう。

<出所>

日経新聞(2018.6.5)「世界のリサイクル網転機 アジアで資源ごみ輸入規制」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32634150V00C18A7MM0000/

<関連記事>

中国のごみ輸入規制は日本へのモーニングコール

「民意を反映しない」エネルギー基本計画 各地で反発

7月3日、エネルギー基本計画が閣議決定された。「エネルギーを巡る国内外の情勢変化を踏まえ、2030年、更に2050年を見据えた新たなエネルギー政策の方向性を示すもの」とのことである。

原発について「依存度の可能な限りの低減」と謳いながらも、2030年には発電割合を震災前とほぼ変わらない22〜20%(震災前は25%)にすることを目指し、原発を稼働させようという内容に、各地で反発が相次いでいる。

例えば、柏崎刈羽原発を擁する新潟では、この数字は柏崎刈羽原発の再稼働なしには達成できず、同原発の再稼働を前提に考えていることが明らかであるとして、県民の民意を無視するものだとして反発している。

先般の新潟県知事選で選ばれた花角知事は、選挙戦で原発再稼働についての意見を鮮明にせず、再稼働に反対する他候補と似たような意見に終始し、再稼働に反対していた元知事の応援も得たため、再稼働に反対する住民の票まで流れたといわれている。

BLOGOS(2018.7.4)「新潟県民の民意を無視するエネルギー基本計画改定」↓

http://blogos.com/article/308910/

また、朝日新聞には「活断層が原子炉建屋に走る原発もあり、目標達成は「もはや絵空事」(橘川武郎・東京理科大教授)」との有識者の指摘が紹介されている。

朝日新聞(2018.7.4)「原発推進維持、再エネ主力電源化も エネルギー基本計画」↓

https://www.asahi.com/articles/ASL735FD6L73ULFA026.html

福井県内の立地自治体では首長の評価が分かれた。

毎日新聞(2018.7.4)「閣議決定 原発方針、評価分かれる 立地自治体首長 安全策や建て替えで /福井」↓

https://mainichi.jp/articles/20180704/ddl/k18/010/275000c

原子力資料情報室は、「7月3日、第5次エネルギー基本計画が閣議決定された。パブリックコメントが終了してわずか2週間足らずでのことだ。世界のエネルギー情勢の変革も、圧倒的多数が望む脱原発をもまったく反映することない、極めて問題の多い計画である。このような案を策定した経済産業省並びに閣議決定を行った政府に強く抗議する。」として、声明を発表した。

【原子力資料情報室声明】第5次エネルギー基本計画閣議決定、経済産業省は現実を直視すべきだ↓

【原子力資料情報室声明】第5次エネルギー基本計画閣議決定、経済産業省は現実を直視すべきだ

確かにパブリックコメントでは、脱原発を望む声が多かったと聞く。地震が相次ぎ、いつまた巨大地震が起きるかわからない日本で、しかも地盤が悪いと指摘される原発も複数ある。

柏崎刈羽原発などは、新潟県で起きた大地震に耐えたといわれているが、その震動で金属疲労を起こしていて危険だと指摘する専門家も多い。

エネルギービジョンの目標年まで、日本はもつのだろうか?

ハワイ サンゴ礁に有害な日焼け止めを禁止

ハワイで、サンゴを保護するため、サンゴ礁に有害な成分の入った日焼け止めを禁止することが決まった。

昨日(2018.7.3)、5月に可決された法案に州知事が署名したとのこと。施行は2011年1月1日から。

販売禁止となるのは、紫外線吸収剤「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」が含まれる日焼け止めで、日本でも販売量の多いタイプのものだ。

ちなみに、我が家で使っている大手メーカーの日焼け止めの成分を見たところ、両者とも含まれていない・・と思って安心したのも束の間。

オクチノキサートとはメトキシケイヒ酸エチルヘキシルのことだそうで、それならばしっかりと含まれていた。

サンゴ礁に悪いものは、ヒトの健康にも悪いかもしれない。これを機に、変更しようと思う。

<出所>

CNN(2018.7.4)「ハワイの日焼け止め規制法が成立、サンゴ礁に有害な成分を禁止」↓

https://www.cnn.co.jp/usa/35121917.html

IN YOU(2018.6.2)「ハワイで有害な日焼け止めの販売禁止という衝撃的ニュース。サンゴ礁を日焼け止めが破壊!?日本で売られている日焼け止めクリームはどうなの?」↓

ハワイで有害な日焼け止めの販売禁止という衝撃的ニュース。サンゴ礁を日焼け止めが破壊!?日本で売られている日焼け止めクリームはどうなの? 

 

 

香り成分が大気汚染の原因に 健康に影響か

科学系の米ニュースサイト『サイエンス・デイリー』*(2018.2.15)に報告された論文によると、石油系化学薬品を含む香水やシャンプー、整髪剤、ペンキ、殺虫剤などは揮発性有機化合物(VOC)を排出し、VOCは大気中の他の粒子と反応し、オゾンと微小粒子状物質(PM2.5)になる。

オゾンは喘息や肺損傷を引き起こし、PM2.5は心臓発作や脳卒中、肺ガンを引き起こす可能性があるとのこと。

車のVOC排出量は近年著しく減少したが、代わりに増加しているのがこれら家庭で使われる製品由来のVOCによる大気汚染。

最近、宅配便配達の方の衣類から漂う柔軟剤の強い香りに閉口していたが、過剰な香りはやはり身体に悪いようだ。

香害は大気汚染であり、化学物質過敏症増加の一因であることが、この論文で示されたと考えている。

*修正:学術誌SCIENCEと書いていたが、調べたところ「科学系の米ニュースサイト『サイエンス・デイリー』」の間違いのようなので修正した。

「よい香りが大気汚染を引き起こすという最新レポート [The New York Times]」↓

https://www.mylohas.net/2018/06/169085nyt_deodorant.html

<関連記事>

シャンプーや消臭剤は車の排ガス同様、身体に悪い?

エコロジカル・フットプリントの考案者 来日・講演

エコロジカル・フットプリントといってもピンと来ない方でも、地球〇個分の暮らし、というとピンと来る人は多いと思う。

エコロジカル・フットプリントとは、人間の活動が環境に与える負荷を、面積として示した指標で、人間がどれほど自然環境に依存しているかがわかる。

たとえば、世界中の人がみな日本人と同じ暮らしをしたならば、地球は約3個必要だ。地球は1つしかないから、日本人は他国の慎ましい暮らしをしている人や子孫に資源を借りながら暮らしているということを意味する。

私たちの浪費的な暮らしがいかに持続可能でないかがわかる。

そのエコロジカル・フットプリントの考案者・共同開発者であるウィリアム・リース氏が国連大学で講演する。

場所:国連大学5F・エリザベス・ローズ国際会議場
主 催 :公益財団法⼈ 地球環境戦略研究機関(IGES)
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
協 力: 環境研究総合推進費・戦略的研究開発領域課題(S-16)
「アジア地域における持続可能な消費・生産パターン定着のための政策デザインと評価」
使用言語:日本語・英語(同時通訳付き)
定 員:約80名(先着順)
参加費:無料

詳しくはhttps://www.iges.or.jp/jp/scp/20180706.html

「日本のエコロジカル・フットプリント2017」↓

https://www.wwf.or.jp/activities/lib/lpr/20180825_lpr_2017jpn.pdf

香害 -化学物質過敏症-

香害という言葉を時々聞くようになった。

私は化学物質過敏症ではないが、以前から香水やタバコの匂いが苦手なため、最近、宅配便の配達員の衣類の香りが気になる。

柔軟剤の香りだろうが、不自然な甘い匂いで、これでもか!というほどキツイ。香水ならばやんわり注意もできる。が、柔軟剤や合成洗剤の匂いを注意するのは何となく気が引ける。

そのため、お礼もそこそこにあたふたとドアを閉めることになる。

いつから、香りがエチケットなどといわれるようになったのか?柔軟剤や制汗スプレーの匂いより汗臭いほうがまだマシだ。

永吉ら(2013)が新潟県上越市で行ったアンケート調査では、中学生の15.7%が化学物質過敏症の可能性があるという。年齢があがるほどその割合が増え、しかも前回の調査よりも増えている。

この結果は、今後ますます化学物質過敏症で苦しむ人の増える可能性を示している。何とか手を打てないものか。

家や学校で、柔軟剤や合成洗剤、消臭剤、芳香剤、シャンプー、防虫剤など、不必要な化学物質にさらされている子どもたちが気の毒でならない。

人工的な香りはエチケットというよりは、おそらく化学兵器に近い。

<参考>

永吉ら(2013)「児童・生徒(6〜15才)の化学物質過敏症様症状に関するアンケート再調査」

https://niconurs.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=21&item_no=1&page_id=13&block_id=21

 

 

除染土を農地へ再利用?!

東京電力福島第1原発事故により放射能で汚染された土を除染し、それを農地に再利用する方針を環境省は決めている。食用の作物ではなく、花などの園芸作物を植えるそうだ。

除染土は最終的には50センチ以上の別の土で覆うそうだが、その上で長時間働く人への影響はないのだろうか?

また、地下水が汚染されないかということも気になる。地下水が汚染されれば、食用作物が植えられている別の畑にも影響するかもしれないし、飲み水にも影響する可能性がある。

共同通信(2018.6.1)「除染土、農地造成に再利用」↓

https://this.kiji.is/375224835955557473

ドキュメンタリー「プラスチック・チャイナ」

ドキュメンタリー映画「プラスチック・チャイナ」を見た。
プラスチック工場で働く一家。その一家の11歳の長女が、プラスチックの選別を手伝いながら、毎日弟や妹の面倒を見ている。お金がないため、学校にも行かれない。
故郷へ帰りたくても、乗車券を買うお金が足りずに、帰省もできない。
雇用主である工場オーナーも働きづめだ。
プラスチック汚染の影響か、工場主の身体に数箇所の腫瘍ができているが、病院には行かない。
もし、病気だということがわかると、困るからだという。
川にはたくさんの魚が死んでいる。それも食料になっている。
この映画からわかることは、海外から届く資源ごみは決して中国を豊かにしなかったということ、そして病気と環境汚染をもたらしたということだ。

日経ビジネス(2018.5.18)によると、これまで中国頼みだった日本のシュレッダーダストは、中国が輸入規制をしたため行き場を失い、このままでは単純焼却か埋立しかない、という。

焼却や埋立でもよいから、国内処理すべきだろう。車や家電メーカーは、生産者責任として最後まで責任もって国内処理すべきだ。

日本は、中国に代わる国として、ベトナムやタイなどへの資源ごみ輸出を検討しているようだが、国内処理もできないような資源ごみは汚染を生み、汚染は貧困しか生まないことをこの映画は教えてくれる。

この映画はBSでも放送されたようだ。

BS世界のドキュメンタリー↓

http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/index.html?pid=180412

日経ビジネス(2018.5.18)「中国頼みだったスクラップ処理が危機に」↓

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16eco/042500006/051700009/?P=1