志木市落ち葉銀行 今年も開設

埼玉県志木市では、昨年「落ち葉銀行」を開設した。今年も拡大して実施しているそうだ。

家庭からでる落ち葉や剪定枝を45リットルのゴミ袋に入れ市役所に持参、あるいは戸別回収を頼むと、1袋につき「通帳」にスタンプが2個押される。

スタンプ2個は、ゴーヤの苗1本か堆肥1キロ、あるいはトイレットペーパー3個か水500mLのいずれか1つと交換できる。

対象は市内の市民グループや個人で、期間は来年の3月31日まで。回収した落ち葉は堆肥にするとのこと。

可燃ごみとして回収に出しがちな落ち葉を、「銀行」を開設することで、資源物として市民が分別するようになる。焼却ごみの減る良い取り組みだと思う。

<出所>

志木市環境推進課「市からのお知らせ」

http://www.city.shiki.lg.jp/index.cfm/51,86350,c,html/86350/20181024-165420.pdf

志木市ウェブサイト

http://www.city.shiki.lg.jp/index.cfm/37,75218,149,589,html

 

藤前干潟にペットボトルが大量漂着、18万本回収するもまだ残る

以前から藤前干潟には、ペットボトルや発泡スチロールなどのごみが、庄内川や新川などから流れ込むことが知られていた。

今年9月の台風の影響で、大量のペットボトルが藤前干潟に漂着している。

10月以降市民有志などがペットボトルを18万本回収したが、まだ撤去は完了していないため、15日も拾うとのこと。小型ペットボトルが解禁された1996年当時のものも拾われている。

(補筆)15日には1万2000本のペットボトルが拾われたそうだ。問題を知った業界団体・PETボトル協議会も参加した。同団体の事務局長は「衝撃的な量。リサイクルが進んでいるとはいえ、ポイ捨てを防ぐ啓発が重要と実感した」とコメント。しかし、ポイ捨て防止の啓発はこれまでも既に十分なされている。これはモラルの問題ではなく、自治体と消費者に依存しすぎた回収制度の欠陥だ。生産者責任によるデポジット制度が必要だろう。

<参考>

中日新聞(2018.12.13)「朽ちず残る96年製ペットボトル 名古屋・藤前干潟の大量プラごみ問題」

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2018121302000073.html

中日新聞(2018.12.16)「ペットボトル1万2000本回収 藤前干潟周辺、製造者側も参加」

http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=607866&comment_sub_id=0&category_id=113&from=news&category_list=113

木材からプラスチックを作る取り組み広がる

オーストラリアの繊維メーカー「レンチング」は、木材から生分解性のある不織布を製造する技術を構築したそうだ。

日本では、清水建設が間伐材からプラスチックの添加剤を抽出する研究施設を島根県に新設する。

また、王子ホールディングスは、木材から糖類のグルコースをつくる技術を開発。生分解性プラスチックであるポリ乳酸に加工することができるそうだ。量産体制をつくり、自社でのプラスチック開発も視野に入れるとのこと。

バイオベースのプラスチックや生分解性プラスチックがすべて良いわけではないが、海洋プラスチック汚染を解決するためにはこのようなイノベーションは必要だろう。

しかし、これまでのような大量生産大量廃棄(あるいは大量リサイクル)では環境汚染も環境破壊も止まらない。

このような技術を利用して、使い捨てのものではなく、必要性の高い、環境負荷の少ないものを生み出してくれることを期待している。

<参考>

サステナブル・ブランド・ジャパン(2018.9.27)「オーストリア レンチング、木材パルプ原料で持続可能な不織布

http://www.sustainablebrands.jp/news/os/detail/1190961_1531.html

日本経済新聞(2018.12.15)「木材由来プラ 広がる 清水建設、島根に研究施設 」

https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ba=1&ng=DGKKZO38984780U8A211C1TJ2000&scode=6902

 

 

辺野古工事中止を求める署名10万筆超える

12月17日、下記のメールが幾人かの人を経て回ってきた。早速署名したところ、既に8万人以上が署名していた。

「ストップ辺野古工事」◆国際署名のご案内
今朝(17日)の東京新聞一面に、すでに6万筆と掲載されています。
重複している事とは思いますが転送します。

1月7日までに請願が10万筆集まると、ホワイトハウスは嘆願を検討、60日以内に何らかのアクションを起こさなければならないそうです。
①下記アドレスにFirstName(名)、LastName(姓)、メールアドレスを入力して「SignNow」ボタンをクリック。
https://petitions.whitehouse.gov/petition/stop-landfill-henoko-oura-bay-until-referendum-can-be-held-okinawa
②メールアドレスに届いた確認メールのリンク(Confirm your signature by clicking here)をクリックすれば完了。

参考記事:https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/358617

昨日(18日)3時過ぎ、目標の10万人に達したそうだ。開始から10日間で、ホワイトハウスへの辺野古署名が10万筆を超えた。

これでホワイトハウスは嘆願を検討し、何らかの返答をするそうだ。

<参考>

東京新聞(2018.12.19)「辺野古停止署名、10万筆に ローラさんも呼び掛け 米政府、回答へ」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201812/CK2018121902000131.html

毎日新聞(2018.12.18)「辺野古埋め立て停止 ホワイトハウスへの嘆願署名10万超す」

https://mainichi.jp/articles/20181218/k00/00m/040/143000c

朝日新聞(2018.12.18)「トランプ氏へ「辺野古工事とめて」 署名10万筆超える」

https://digital.asahi.com/articles/ASLDL5V6JLDLTPOB006.html

 

ドイツのマイクロプラスチックの出所トップ10

11月号の月刊廃棄物(p.83)によると、ドイツのマイクロプラスチック出所源トップ10が、フラウンホーファー環境・安全・エネルギー技術研究所から発表されている(バイエルン放送局ニュース)。

それによると、1位がタイヤ摩損粉1228.5(うち自動車がダントツで998.0、トラック89.0など)、2位が廃棄物管理302.8(うちコンポスト169、瓦礫粉砕27.6、プラスチックリサイクル101)、3位がアスファルト・ビチューメン228.0、4位がペレット遺失182.0、5位がスポーツ・遊戯施設からの遺失131.8(うち人工芝96.6)、6位が建設現場からの放・拡散117.1、7位が靴底の摩損粉109.0、8位がプラスチック包装の摩損粉99.1、9位が道路上の標識マーク91、10位が洗濯時の衣類の繊維76.8、とのこと。*数字の単位はおそらくg/yearか

化粧品類に含まれる意図的に添加されたマイクロビーズは19gで17位とのこと。

検索したところ、このことはいろいろなサイトに出ていた。例えば(ドイツ語)↓

http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/mikroplastik-der-groesste-verursacher-sind-autoreifen-a-1226400.html

https://www.br.de/themen/wissen/inhalt/mehr-mikroplastik-durch-reifenabrieb-als-durch-kosmetik-100.html

いずれも、靴からの排出量の多さに驚いているようだ。靴メーカーには早急に摩耗しにくい材質の靴底を研究してほしい。(草履や下駄、昔ながらの地下足袋ならば、少なくともマイクロプラスチックの心配は要らないだろうが、まさか毎日履くわけにもいかない・・)

また、欧州化学品庁(ECHA)は、意図的に化粧品や肥料のコーティングとして添加されたマイクロプラスチックは、海洋よりも陸上や淡水域に蓄積しやすいと発表した。

ECHAは2019年初めに、欧州委に対してマイクロプラスチックの使用制限に関する提案を行う予定とのこと。

<出所>

JETRO(2018.11.27)「ECHA、マイクロプラスチックの使用制限に向けた評価を発表」↓

https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/11/05aeb9138955de20.html

国連、レジ袋やストロー、食器等の全廃を閣僚宣言案に盛り込む

2030年までに使い捨てプラスチック(容器包装等)を累積で25%削減することを目玉に、日本は目下プラスチック資源循環戦略案についてのパブリックコメントをおこなっている。

この案の具体策については、レジ袋有料化の義務化以外はまだほとんど決まっていない。

しかし、このほど明らかになった第4回国連環境総会の閣僚宣言案は、「2025年までにプラスチック製のレジ袋やストロー、食器の使用をやめた上、最終的には使い捨てプラスチックの全廃を目指す戦略を各国がつくる」というものだ。

使い捨てプラスチックの25%削減などという緩い計画によって、来年日本で開催されるG20サミットでリーダーシップを発揮する、という日本の甘い目論見は、これで完全に打ち砕かれた。

日本はこの国連環境総会の宣言案に署名できるだろうか?

G7の海洋プラスチック憲章のときのように、日米署名拒否という事態が、また再現されるかもしれない。

<参考>

東京新聞(2018.12.15)「25年までにレジ袋全廃をと国連 日本、難しい対応迫られる」↓

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018121501001431.html

共同通信(2018.12.15)「25年までにレジ袋全廃をと国連 日本、難しい対応迫られる」↓

https://this.kiji.is/446458212529898593

<参考記事>

プラスチック戦略のパブコメ、提出のため素案を読んでみた

国連が使い捨てプラ容器使用の完全廃止目指す、世界127ヵ国でがプラスチックを規制、トルコでもレジ袋有料化決定

 

東京国際フォーラム広場で「東京水」が給水できる

東京都水道局が販売しているペットボトル「東京水」。東京都は、何のために水道キャンペーンをしているのか?と首をかしげていた。

しかし今年3月、都水道局は東京国際フォーラム地上広場の水飲み場に、ボトルディスペンサー式水飲栓を設置したそうだ。

ロンドン市やパリ市の脱ペットボトルを謳った給水器に比べ、まだ数は少ないようだが、これからオリンピックにかけて増えるだろうと期待している。

https://www.t-i-forum.co.jp/news/detail.php?id=2c4925b9-fb3d-4997-840c-355324bb542b

 

神奈川県、プラごみゼロ宣言でプラスチック入り名刺を作った?

「かながわプラごみゼロ宣言」から約3ヶ月経過した。そろそろ何か変わるかな?と思っていたが・・・

日経ESG(2018.12. p.15)を読んでいて驚いた。黒岩知事が対談で「まずは石灰石を使う新素材で私や職員の名刺を作った」と答えている。

石灰石で名刺?おそらくLIMEXペーパーのことだろう。これは、石灰石とポリオレフィンを混ぜ合わせたストーンペーパーの一種。

プラごみとは無縁のフツウの紙の名刺を、なぜわざわざプラスチックを使ったもので作り直したのか。

これでは不要になった名刺を古紙回収にだすこともできないし、もし散乱した場合は石灰石部分は問題ないかもしれないが、ポリオレフィン部分はマイクロプラスチックになってしまう。

再生紙で名刺を作った、というならばよく理解できるが、この変更は理解不能だ。

プラごみゼロ宣言で「プラスチック製ストローやレジ袋を廃止」するというので期待していたが、いまだ県内各自治体やスーパーへ「レジ袋廃止」協力を呼びかけた気配もない。

「リサイクルされない使い捨てプラスチックごみをゼロにすることを2030年までに目指す」としているが、むしろ名刺や宣言ステッカーの制作で、リサイクルできないプラごみを増やしているのではないか。

せっかくプラごみゼロ宣言をしたのだから、プラごみ削減に効果のある取組を期待したい。

<関連記事>

神奈川県がレジ袋やストロー廃止を自治体・企業に呼びかけ

 

武蔵野市クリーンセンターのgomi_pit BAR

昨夜、武蔵野市のクリーンセンターを見学し「ごみピット」を見ながらバーを楽しんだ。「gomi_pit BAR」は、見学後にごみピットを見ながらお酒とショーを楽しめる一種のエコツアーだ。

2017年度グッドデザイン賞を受賞しただけあり、クリーンセンターはなかなかお洒落な建物。
クリーンセンター自体は、一般的なストーカー炉だが、最新なので小さいにも関わらず20.5%の高効率発電。
しかもコジェネ(ガスコージェネレーション)だから、災害時にも活躍できるとのこと。

窒素酸化物などの排出量はリアルタイムで表示される(国の基準よりも厳しく管理されているそう)。

市役所や体育館など周辺施設に電気や蒸気を提供しているが、災害時になると焼却炉は一旦停止。安全確認後、再稼働させる際のスタート発電としてコジェネを利用し、避難者のいる市役所や体育館に電気を提供できるのだとか・・
見学したクリーンセンターは完成していたが、付帯設備(旧クリーンセンター跡地利用)は2年後の完成だそうだ。
すべて完成すると、市役所の隣りが一大ごみ処理アミューズメント施設?(環境啓発施設もできる)になるようだ。
昨日は市内在住の見学者は少なく、他地域からの見学者が多かった。全国各地から応募があったとのことで、参加者は抽選で決められた(私は一度落選したが前日に辞退者がでて復活当選した)。全国的に話題になった企画のようだ。
ワンドリンクサービスで、他のドリンクやおつまみは実費。ドリンクもおつまみも「地産地消」と「廃棄物」を意識したもの。

筆者の飲んだカクテルは残りモノの大根の皮と梅酒の梅を利用して作ったもので、まろやかな大根おろしの味がして、とても美味しかった。他に「廃キノコとハチミツのカクテル」(正式名称は少し違うかも?)やクラフトビール(これは廃棄物利用ではなく地産地消)などもあり、どれも惹かれたが飲んでいない)。

バーの様子はチラシにあった通りで、ごみピットをガラス越しに眺めながらお酒とショーが楽しめる。

資料によると、平日の昼間ならば個人は自由に工場見学ができるようで、受付スタッフと貸出用タブレット、それからPepper君が見学をサポートしてくれる(団体は要予約)。

焼却炉は「迷惑施設」だが、排ガスの有害物質基準値を厳しくし、近隣に電気や蒸気を提供し、災害時にも役立つならば、家の近所にあってもよいと思えるかもしれない。

ゼロ・ウェイストを目指し、焼却炉をなくしたいが、現状で焼却をゼロにできない地域は多い。それならば、武蔵野市のようなクリーンセンターの「見せる化」は、他地域の良い参考になりそうだ。

とはいえ、日本には焼却炉が多すぎる。焼却炉もごみももっと真剣に減らすべきであることはいうまでもない。

武蔵野市のチラシ↓

http://www.city.musashino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/021/040/gomi_pitbar_tirashi.pdf

<写真>武蔵野市クリーンセンター ごみピット

香りブームに異議あり

日本の香りブームは「香害」を生んだ。

職場で朝から香水を付けている人は少ないが、制汗剤や洗剤、柔軟剤、芳香剤などで香水同然の匂いを発散させている人は多い。

ケイト・グレンヴィル著『香りブームに異議あり』(2018年、緑風出版)を読んだ。香りの被害者(フレグランス製品で頭痛が起きる)である小説家が、医学論文や専門家の助言をもとに書いたものなので、読みやすく、内容は信頼できる。

この本によると、香り成分は化学物質過敏症やアレルギーの人々を苦しめるだけでなく、すぐに症状のでない人たちにも影響があるようだ。

特に胎児や子どもたちに危険が大きいという。

内分泌撹乱作用や発がん性のある香料もあるので、注意が必要だ。

「無香料という選択も、一種のリスク・マネージメントと考えることができます」という文章(p.175)に説得力があった。

<関連記事>

香り成分が大気汚染の原因に 健康に影響か