日本の香りブームは「香害」を生んだ。
職場で朝から香水を付けている人は少ないが、制汗剤や洗剤、柔軟剤、芳香剤などで香水同然の匂いを発散させている人は多い。
ケイト・グレンヴィル著『香りブームに異議あり』(2018年、緑風出版)を読んだ。香りの被害者(フレグランス製品で頭痛が起きる)である小説家が、医学論文や専門家の助言をもとに書いたものなので、読みやすく、内容は信頼できる。
この本によると、香り成分は化学物質過敏症やアレルギーの人々を苦しめるだけでなく、すぐに症状のでない人たちにも影響があるようだ。
特に胎児や子どもたちに危険が大きいという。
内分泌撹乱作用や発がん性のある香料もあるので、注意が必要だ。
「無香料という選択も、一種のリスク・マネージメントと考えることができます」という文章(p.175)に説得力があった。
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