9千人の香害アンケート、回答者の8割が香りで頭痛や吐き気

日本消費者連盟など「香害をなくす連絡会」が行った「香害」についてのアンケート結果がまとまり、昨日(2020.7.1)記者発表された
約9000人が回答したとのこと。うち8割が、香りのせいで頭痛や吐き気など具合が悪くなったことがあるとのことだ。
このうち約2割の人たちが、職場へ行けなくなり退職に追い込まれたり、学校へ行けなくなったりしている。
一番発症する製品は柔軟剤、2番目が香り付き合成洗剤だ。
およそ9割の人がマイクロカプセルの使用中止を求め、8割の人が香り付き製品の販売・開発中止を求めている。
ここまで被害者が多いと、柔軟剤などの香り付き製品は暴力で、強い香りは「香害」ではなく、公害だ。

<録画(2020.7.1)UPLAN 【記者会見】「香害」アンケート集約結果発表~9000人の声を届けます~>
https://www.youtube.com/watch?v=9GMjraPLVgw

<上記の添付資料>
https://nishoren.net/flash/13304

プラスチックも原因?このままでは5人中4人の男性が不妊に

プラスチックの添加剤を調べていて、少子化についての記事を見つけた。
少子化の原因の1つに、プラスチックの添加剤としても使われるフタル酸エステルなどの化学物質が絡んでいるのではないかとのこと。
1973年から2011年の間の精子減少率が年1.9%だった。現在20%の若いカップルが不妊治療をしないと出産しない。
このままではわずか37年で、カップルの15%か20%は不妊治療なくしては出産まで漕ぎつけられないそうだ。

プラスチック添加剤が繁殖力のダメージに繋がるならば、食品や飲料包装にプラスチックを利用するのはやはりマズイのではないか。
もちろん繁殖力の低下には、プラスチックだけでなく、農薬なども影響しているそうだから、農薬を使っている野菜や果物にも気をつける必要がある。
しかし、日本の農薬規制は近年どんどん緩和されており、今では単位面積当たりの使用量が世界一ともいわれるほど農薬を使っている。
しかもコロナ禍で、食品や飲料はますますプラスチックに依存している。
記事によると、中国やインドの出生率の予想外に低下しているとのこと。
早急に、脱プラと脱農薬(少なくとも問題になっている有機リン系やネオニコ系などだけでも使用を中止する)などにより化学物質の使用を徹底的に減らさない限り、人類は絶滅するしかないのだろうか。
とりわけ、脱プラや減農薬に消極的な日本に住んでいると、真っ先に絶滅危惧種になりそうだ。

<参考>
GMO(2020.2.6)CHEMICAL TOXICITY AND THE BABY BUST;
https://www.gmo.com/asia/research-library/chemical-toxicity-and-the-baby-bust/

風の強い日に異臭 近所の人が洗剤を変えた?

最近、少し風が強いと近所から強い異臭が漂ってくるようになった。
香り付きの合成洗剤か柔軟剤かわからないが、マイクロカプセルに香料が入った高残香性タイプのものだということはおそらく間違いない。
匂いだけでなく、プラスチック製のマイクロカプセルも一緒に飛来してきているのだろう。想像しただけで気分が悪い。
なぜこんなハタ迷惑なものが商品として認可されているのか、と不思議で仕方がない。
使用者はおそらく匂いになれてしまい、あまり感じないだろうが、高残香性タイプの洗剤や柔軟剤は本当に近所迷惑だ。
暑くなってきたが、うっかり窓も開けられない。

コロナ自粛の影響で、大気中のマイクロプラスチックが激減

昨年、福岡工業大学の屋上で、大気中のマイクロプラスチックを検出した研究者らによると、今年1月までは大気1リットルにつき10万から20万個のマイクロプラスチックが含まれていたが、2月には数万個に減ったとのこと。
また、大分県や宮城県で発生した樹氷の成分中の窒素酸化物と硫黄酸化物も激減し、大気が劇的に改善したそうだ。
新型コロナウイルスの感染対策のため、中国で工場や交通が止まったことが影響したという。
マイクロプラスチックは、上空を地球規模で移動していることを考えると、中国の工場だけが原因とも思えないが、2月に減ったということはやはり中国の影響が大きいのだろうか。

<参考>
西日本新聞(2020.5.20)「中国の都市封鎖で九州の大気が劇的改善 ピーク時の10分の1に」
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/609079/

ついに日本の水道水からもマイクロプラスチックを検出!

やはり日本の水道水からもマイクロプラスチックが検出された。
これまで海外の水道水からは、マイクロプラスチックが検出されていた。
最初は2017年のオーブ・メディアから依頼された米ミネソタ大学と米ニューヨーク州立大学の研究チームによる調査で、世界13ヵ国(欧州7ヵ国とインド、インドネシア、アメリカなど)の水道水の83%からマイクロプラスチックが見つかったというものだった。
これが、過大だ、コンタミ(実験室での汚染)だ、と批判され、評判は良くなかったものの、その後各国での調査が相次いだ。
日本では、厚労省が2018年度の委託調査で、水道水のマイクロプラスチック検出方法や各国の状況についての報告書をコンサルに発注してまとめさせた。
それを読むと、各国でのマイクロプラスチックの検出方法がバラバラで、検出できるマイクロプラスチックの最低サイズもバラバラ。当然、結果にも大きなバラツキがあった。
日本の水道水のマイクロプラスチックについては不明なままだったが、関係者の間ではその存在は周知の事実のようだった。
今回ようやく、千葉工業大学の亀田先生たちが、北海道と沖縄の水道水中のマイクロプラスチックについて結果を発表した。
これらの地域では海外の水道水に比べ、マイクロプラスチック量は少ないようだが、他地域ではまだわからない。
今後、他地域でも調査し、自治体は対策を進めて欲しいものだ。

<参考>
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(上)」↓
http://www.alterna.co.jp/30911
オルタナ「水道水からも検出:マイクロプラスチックを考える(下)」↓
http://www.alterna.co.jp/30915

泡消火剤流出で、川の水から指標の6倍以上の発がん性物質が検出

普天間飛行場からの泡消火剤流出により、発がん性物質PFOSなどが、住宅地にまで飛散した。

付近の河川など5地点の水を採取し、分析したところ、多量の有機フッ素化合物が検出された。

宜野湾市の宇地泊川で採取した水からは、地下水汚染を判断する米国の暫定指標値PFOS・PFOA合計40ナノグラム(1リットル当たり)の6倍に当たる247・2ナノグラムが検出されたとのこと。

<参考>

琉球新報(2020.4.24)「普天間流出の泡消火剤に多量有害物 宇地泊川で米指標の6倍超 本紙・京大調査」↓

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1112140.html

塩素系漂白剤で肺胞に炎症、過度なコロナ対策で

やはり塩素系漂白剤は怖い。

中国で新型コロナ対策として部屋に次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)をまいていた人が、アレルギー性肺胞炎になった。

次亜塩素酸ナトリウムは通常100倍に希釈すべきところを、少し水で薄めただけで撒いたため、肺胞に炎症が起きたそうだ。

日本でも塩素系漂白剤で布製マスクを洗うことなどが推奨されているが、感染者が使用したマスクでない限り、塩素系漂白剤を使うのは避けた方が無難だ。

以前読んだ雑誌にも、ペット(猫)のいる部屋で、塩素系漂白剤で消毒した加湿器を使用したところ、ペットが死亡したという記事が出ていた。もちろん、消毒後に水でよく洗ってから使用したのだろうが、それでもネコにはきつかったようだ。

<参照>

FNN(2020.4.21)「「肺に白い影」医師も驚愕…原因はまさかの“過剰コロナ対策”」↓

https://www.fnn.jp/articles/-/34597?fbclid=IwAR09XHDlwpE9H8DNZbTfdAquK2pjEgCzX0OjNiRZliYBkF_hmd1jB62RhR0

香害:香料成分をライオンが開示 花王はまだか

深刻になる一方の香害被害。

その主原因はマイクロカプセルだと思われるが、中身の香料成分も気になるところだった。

海外では0.01%以上の香料成分を開示するメーカーが多かったが、日本では、SCジョンソン以外は、開示に応じていなかった。

この3月、ようやく日本石鹸洗剤工業会が柔軟剤や洗濯用洗剤などに含まれる香料成分に関しての指針を発表。0.01%以上の香料成分の開示を求めた。

先ほど検索をかけてみたところ、ライオンが開示していた!

例えば、「アクロン フローラルブーケの香り 香料成分」↓

https://www.lion.co.jp/ja/products/pdf/PerfumeIngredients/289.pdf

「ライオン洗たく石けん 香料成分」↓

https://www.lion.co.jp/ja/products/pdf/PerfumeIngredients/288.pdf

花王やP&G、ユニリーバはヒットしないところを見ると、まだ開示に応じていないらしい。

P&Gやユニリーバは、北米などでは開示しているはず。日本人はおとなしいから開示しなくてもうるさくない、とでも思っているのだろうか?

あまりに開示が遅いと、余程ひどい香料を使っているのか、今頃慌てて変更しているのか、と疑いたくなる。

香料には毒性の強いものも多いから、企業秘密では済まされない。

消費者には選ぶ権利がある。成分開示は最低限のメーカーの義務だろう。

<参考>

日本石鹸洗剤工業会(2020.3.2)開示の指針↓

https://jsda.org/w/01_katud/jsda/JSDA_seibun_kaiji_20200302.pdf

 

 

 

ピリカ最新データ公表、日本の川のマイクロプラスチック量はメコン川の下流並みのひどさ

川や湾岸のマイクロプラスチックを調査しピリカの最新データが公開された。

https://opendata.plastic.research.pirika.org/

ピリカの先日の報告会の動画も公開されている。

https://youtu.be/ytIz0mhkFlk

動画はなかなか面白かった。
日本の川のマイクロプラスチック浮遊量は、メコン川の下流に匹敵する多さだそうだ。

メコン川は、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの順に流れているそうで、マイクロプラスチックの浮遊量もその順で増えている。しかし、日本の川の浮遊量は、下流であるカンボジアやベトナムに匹敵する量とのこと。

理由として、日本のプラスチック使用量が多いことや、昔から使っていたため既に劣化しているプラスチックが多いことなどが考えられるそうだ。

メコン川というと、大きなプラスチックごみがたくさん浮いているイメージがあるが、5ミリから0.3ミリ以上のマイクロプラスチック量は、少なくともタイやラオスでは日本よりずっと少ないようだ。

以前、磯部先生らの研究で、日本近海のマイクロプラスチック量は平均的な海と比べ27倍も多いという報告があった。今回のピリカの報告で、その原因が他のアジア諸国ではなく、日本にあるということがわかる結果だ。

また、日本の川に人口芝が多いということは以前の調査でも報告されていたが、今回も多かったそう。

人口芝を敷いている施設の管理者は自治体が多いので、住民が声を届けないと自治体も対策しにくい。声をあげることが大事だと言っているのも印象的だ。

やはり声をあげないと、何も変わらない。声をあげなければ、とあらためて思った。

香りのサービスは必要か、香害に配慮を

JR東日本は、高輪ゲートウェイ駅をコンセプトとした香りのオリジナルグッズを発売する。この発売に際し、「駅構内の一部エリアに芳香エリアを設ける」そうだ。

スギの木から抽出したエッセンシャルオイルをベースにしているとのことで、さぞ良い香りだろうと想像する。

しかし、昨今、様々な理由から化学物質過敏症患者が増加している。誰もが、いつ発症してもおかしくない。

好みで入浴剤などに利用するのはよいだろうが、駅構内のような公共スペースに香りをふりまくのはいかがなものか。

柔軟剤などによる「香害」被害が増えている現状を、JR東日本にはもう少し理解してほしい。

<参考>

TRAICY(2020.3.15)「JR東日本、「高輪ゲートウェイ駅の香り」のエッセンシャルオイルと入浴剤を発売」↓

https://www.traicy.com/posts/20200315146582/