タンカー事故(その1) 3月には油が関東沖まで到達?!

2018年1月6日に中国沖で発生したイラン企業所有の石油タンカー事故の影響が懸念される。

報道によると、タンカーは香港籍の貨物船と衝突し漂流した後、同月14日、奄美大島の西約300キロの日本の排他的経済水域内で大炎上し、沈没した。軽質原油10万トン超を積むタンカーの沈没は前例がなく、過去数十年間で「最悪」であるとする報道も散見する。

最近の日本の報道はオリンピック一色で、タンカー事故の続報は少なく現時点で油がどこまで拡散しているのか不明だが、1月10日時点で既に鹿児島県内10島と沖縄本島への漂着が確認されている。

グリーンピースによると、爆発と沈没は「重要な魚の産卵場で発生」した。また、別の保全団体の声明によると、この場所は多くの海洋哺乳類の移動経路にあたるという。

英国の国立海洋研究所は、3月には重油は関東沖に達するという拡散予測を公表している。

日本近海の魚介類をはじめとする海洋生態系はこれからどうなるのか。とても気になるが、影響に関する続報はまだない。(追記:続報は下記)

 

タンカー事故(その2)「海産物汚染の恐れ 漁業活動は継続」

タンカー事故(その2) 海産物汚染の怖れ 漁業活動は継続

毎日新聞(2018.2.10)↓

https://mainichi.jp/articles/20180210/ddm/041/040/132000c

朝日デジタル(2018.2.1)↓

https://digital.asahi.com/articles/ASL215G6SL21TLTB010.html

朝日デジタル(2018.2.11)

https://digital.asahi.com/articles/ASL2B5D0XL2BTLTB008.html

EXPRESS: Iran oil tanker causes worst spill in DECADES after ship carrying 1 MILLION barres sinks;

https://www.express.co.uk/news/world/905066/iran-oil-tanker-slick-spill-explosion-sinking-east-china-sea-sanchi-environmental-disaster

 

シャンプーや消臭剤は車の排ガス同様、身体に悪い?

2018年2月16日に配信された英国のTHE TIMESによると、シャンプーやオーブンクリーナー、消臭剤、その他の家庭用品は、自動車同様、大気汚染の重要な発生源になっていることが、サイエンスジャーナルに報告された新しい研究により判明したとのこと。

ロサンゼルスで大気汚染を研究している科学者は、揮発性有機化合物(VOCs)として知られている粒子の半分が、塗料や殺虫剤、漂白剤、香水を含む家庭用品由来のものであったと報告した。

これらの化合物はPM2.5として知られている粒子になり、呼吸に問題をもたらし、毎年英国では29,000人の早期死亡に影響している可能性があるそうだ。

この研究は、ロサンゼルス以外の都市にも当てはまるのではないか、とのことである。

コロラド大学ボルダー校のJoost de Gouwは、都市の大気汚染と闘うために、この予想外の発生源に取り組まなければならない、と語っている。

THE TIMES: Shampoo ‘as bad a health risk as car fumes’;

https://www.thetimes.co.uk/edition/news/shampoo-as-bad-a-health-risk-as-car-fumes-hxzbqlbjf

以前、NATIONAL GEOGRAPHIC(2010.4.30)に、シャンプーにより下水処理施設で発がん性物質が育成されているという記事があった。こちらは、上記で問題になっている揮発性物質とは異なる成分が問題であるようだ。

シャンプーをはじめとする家庭用製品が浄水処理過程で使用される消毒剤と反応して、ニトロアミンという発がん性物質を作るということである。

いずれの研究も、石油由来の物質が使用された合成シャンプーや洗浄剤などを問題にしているので、やはり昔からの無添加無香料の石鹸を、身体用にも掃除用にも使うのが良さそうだ。

まして、洗濯したあと衣類に香りが残る柔軟剤や合成洗剤などは、公害を巻き散らかしているといえよう。

NATIONAL GEOGRAPHIC(2010.4.30)「下水処理で発癌性物質が育成?」

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2642/?ST=news