2018年2月16日に配信された英国のTHE TIMESによると、シャンプーやオーブンクリーナー、消臭剤、その他の家庭用品は、自動車同様、大気汚染の重要な発生源になっていることが、サイエンスジャーナルに報告された新しい研究により判明したとのこと。
ロサンゼルスで大気汚染を研究している科学者は、揮発性有機化合物(VOCs)として知られている粒子の半分が、塗料や殺虫剤、漂白剤、香水を含む家庭用品由来のものであったと報告した。
これらの化合物はPM2.5として知られている粒子になり、呼吸に問題をもたらし、毎年英国では29,000人の早期死亡に影響している可能性があるそうだ。
この研究は、ロサンゼルス以外の都市にも当てはまるのではないか、とのことである。
コロラド大学ボルダー校のJoost de Gouwは、都市の大気汚染と闘うために、この予想外の発生源に取り組まなければならない、と語っている。
THE TIMES: Shampoo ‘as bad a health risk as car fumes’;
https://www.thetimes.co.uk/edition/news/shampoo-as-bad-a-health-risk-as-car-fumes-hxzbqlbjf
以前、NATIONAL GEOGRAPHIC(2010.4.30)に、シャンプーにより下水処理施設で発がん性物質が育成されているという記事があった。こちらは、上記で問題になっている揮発性物質とは異なる成分が問題であるようだ。
シャンプーをはじめとする家庭用製品が浄水処理過程で使用される消毒剤と反応して、ニトロアミンという発がん性物質を作るということである。
いずれの研究も、石油由来の物質が使用された合成シャンプーや洗浄剤などを問題にしているので、やはり昔からの無添加無香料の石鹸を、身体用にも掃除用にも使うのが良さそうだ。
まして、洗濯したあと衣類に香りが残る柔軟剤や合成洗剤などは、公害を巻き散らかしているといえよう。
NATIONAL GEOGRAPHIC(2010.4.30)「下水処理で発癌性物質が育成?」
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2642/?ST=news