リトアニア、デポジット制度導入で街がきれいに。住民も大満足

2016年に飲料容器のデポジット制度を導入したリトアニアで、導入2年後にはペットボトルのリサイクル率が74 %に達した。

システムはとてもシンプルで、デポジット(保証金)が上乗せされた飲料を購入した場合、消費後、店舗に設置された自動回収機に空き容器を投入するだけ。消費者には、現金か店で利用できるバウチャーが支払われる(0.1ユーロ/個)。

デポジット制度の対象容器は、缶・びん・ペットボトル。それらの回収率は91.9%に達した。

街が清潔できれいになったことから、消費者の満足度もきわめて高いとのこと。

<参考>

GOOD NEWS NETWORK(2020.3.7)In Just 2 Years, Lithuania Steals The Crown For Best European Recycler By Using an Innovative Return Program

In Just 2 Years, Lithuania Steals The Crown For Best European Recycler By Using an Innovative Return Program

ローソン、冷凍食品のプラスチックトレイを紙製に

ローソンは24日から、一部店舗の一部冷凍食品トレイを紙製に切り替えるとのこと。

紙製とはいえ、内側にプラスチックがラミネートされているようだが、これにより、プラスチック使用量を商品1つあたり23.4g削減できるそうだ。

ついでに、販売しているポリスチレン製(発泡スチロール製)納豆パックも紙製に切り替えてくれればよいが・・・、これだけでもまずは一歩前進か。

それにしても、なぜ納豆パックの紙製は、紙コップ型のものしか見ないのだろう?発泡スチロール製食品容器は、海外では禁止の方向。日本も規制した方がよいと思うのだが・・。

<参考>

日本経済新聞(2020.3.10)「ローソン、冷凍食品に紙トレー プラ容器削減へ 」↓

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56589880Z00C20A3TJ1000/

スタバ、新型コロナ対策でマグカップ使用を中止 使い捨てに

スターバックスコーヒーが、新型コロナウイルス対策のため、マグカップ、ステンレスフォーク・ナイフの使用を一時休止し、紙カップ、プラスチックフォーク・ナイフの使い捨てに切り替えた。

そればかりか、顧客が持参したタンブラーでのドリンク提供も一時休止。つまり、これまでボトルを持参すると20円割引きしてくれていたが、それもなくなるということか。

新型コロナを理由に、これまでの環境対策から一時撤退したスタバの経営判断に疑問を感じる。

店内使用の食器類を使い捨てに切り替えることで、感染リスクが本当に下がるのか。スタバはその手のデータを持っているのだろうか?

また、タンブラー持参は自己責任でやっているのだから、それまで中止するというのも理解できない。

少なくとも筆者は、自分の持参したカップやタンブラーの方が、使い捨て食器類よりはるかに安心して使える。

おそらく、感染者かもしれないタンブラー持参者の容器を従業員が触れることで(あるいはその逆で)、感染が拡大する可能性を考えているのだろうが・・考えすぎではないだろうか。

スタバがこの方針を撤回するまで、利用をしばらく控えようかと考えている。

<参考>

流通ニュース(2020.3.2)「スターバックス/新型コロナウイルス影響でカップ類を使い捨てに変更」↓

https://www.ryutsuu.biz/strategy/m030226.html

日本経済新聞(2020.3.2)「スタバ、原則使い捨て容器に 新型コロナ拡大防止で」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56261040S0A300C2TJ1000/

 

ユニクロ、レジ袋有料化を延期

ファーストリテイリングは、ユニクロとGUで4月から予定していたレジ袋有料化を延期する。

これまでのレジ袋を紙袋に切り替え、有料(1枚10円)にする予定だったが、紙袋の切替が遅れているため、有料化も延期するとのこと。

切り替えが遅れている理由は、コロナウイルスの影響で消費が落ち込み、これまでのレジ袋が予定よりも余っているためかも?とも思うが、理由は不明だ。

消費が落ち込んでいるこの時期に、余計なことはしたくないのかもしれない。

古紙余剰問題解決のためにも、早急に再生紙製紙袋への切替えを進めて欲しいものだ。

<参考>

日本経済新聞(2020.3.9)「ファストリ、レジ袋の有料化を延期 紙製への切り替えに遅れ」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL09HSF_Z00C20A3000000/

進むフランスのごみ防止法、ペットボトルも半減目標

今年1月、フランスではごみを防止する画期的な法案が議会を通過した。

2025年までにすべてのプラスチックをリサイクル可能にし、今後10年で使い捨てプラスチックのボトル(ペットボトルなど)の使用を50%削減するという。

また、ファーストフードのレストランやテイクアウト用の容器にプラスチックを使うことを、遅くとも2023年までに中止する。

さまざまな製品で、生産者責任(汚染者負担)も強化されつつある。例えば、たばこの製造業者は、来年からたばこの吸い殻の処分費用を支払う必要があるそうだ。

既にスーパーでの売れ残り食品の廃棄も禁じられている。

一方日本は、使い捨てが規制されず、無駄が多い。

それどころか、日本の廃棄物処理法は時代にそぐわなくなっているにも関わらず、漫然と継続され、いまだに多くの製品が税金で回収されている。

(追記)

フランスの法案について、「オヴニー・パリの新聞」にも記載されていた。

「プラスチック使用などを制限する無駄撲滅法案が国会で最終成立した。同法案は2025年のプラスチックのリサイクル100%、2030年までに使い捨てペットボトルの使用を半分にする目標に掲げる。」

とのことだ。

無駄撲滅法案、最終成立

<参考>

The Guardian(2020.1.30) Landmark French law will stop unsold goods being thrown away;

https://www.theguardian.com/world/2020/jan/30/france-passes-landmark-law-to-stop-unsold-goods-being-thrown-away

 

コカ・コーラ、ごみ集積所や回収箱からごみ漏れ出しを確認

先般、日本コカ・コーラと日本財団が海洋ごみの流出経路を調べたところ、東京都と神奈川県を流れる境川流域のごみの約1割が、集積所などから漏れ出したごみだったとのこと。

また、自販機横の回収ボックスからの漏れもあることが確認された。

つまり、回収方法さえ改善すれば、簡単に回避できる海ごみがあるということだ。

日本はいつまでこのような無駄なことをしているつもりか、とつくづく思う。

海外でよく見かけるようなごみを入れるコンテナを各世帯に1個ずつ渡し、そこにごみを入れ、指定日に自宅前に置いておく方式に変更するならば、風やカラスが集積所を荒らし、ごみを散らかすこともない。

ごみの回収に今のようなパッカー車は使えなくなるが、今の方式は作業員が回転板にまかれる事故が散見するし、コンテナを機械的に持ち上げごみを投入する方式の方が、収集作業はラクだろう。

この方式が難しい地域は、ごみ集積所をしっかりしたものに整備するのがよい。できれば屋根付きが望ましい。

また、自販機横の回収ボックスは早急になくすべきだ。ごみはごみを呼び、回収ボックスはどうしたってごみの発生源になる。

デポジット方式での飲料容器回収ならば、回収ボックスなど不要だ。

せっかく大金かけて調査したならば、結果を有効に反映させた回収方法を日本コカ・コーラには考えてもらいたい。

<参考>

朝日新聞デジタル(2020.2.21)「「陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査」調査結果を報告」↓

https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_10101122/

ブリュッセル vs 亀岡市、レジ袋新方針を比較(訂正)

ベルギーのブリュッセル首都地域では、レジ袋の提供は原則禁止されていた。例外として、家庭で堆肥化できるレジ袋は有償提供が認められていた。

しかし、ブリュッセルは今月(2020年3月)から家庭での堆肥化可能レジ袋も提供禁止になると聞く。

一方、京都府亀岡市は、今もめているレジ袋禁止条例が通ったとしても生分解性の袋は有償提供が認められる(*すべての生分解性プラ袋ではない。訂正を下に加筆)。

つまり、ブリュッセルの新方針ほど厳しくない条例だが、それさえもコンビニ3社により暗礁に乗り上げようとしているということ(関連記事参照)。

ブリュッセルだけでなく、レジ袋提供禁止は世界の流れ。中国もまもなく禁止だ。なぜ日本の事業者は、これほどレジ袋禁止に抵抗するのだろうか。

レジ袋をやめて、もし再生紙の紙袋を有償提供するならば、今大きな問題になっている古紙余剰問題解決にも一役買える。準備にもそれほど時間はかからない。

セブン・イレブンなどは、紙袋提供の実験も既にしていたはず。ファミリーマートにしても、バイオベースのプラスチック製レジ袋の有料配布を決めたのだから、それを亀岡市のみ紙袋に切り替えれば済むだけの話だ。

コンビニ3社は買い物袋の方針を、再生紙製袋の有償提供に舵を切れば、古紙余剰解決のヒーローになれる。

<*訂正>

亀岡市のレジ袋禁止条例が認められた場合、認められる生分解性プラスチックの袋は「市長が特に必要と認める袋 」とのことで、生分解性プラスチック全般ということではない。

プラスチック系でいうと具体的には、今のところPHBH製のもののみが有償で提供可能、となるそう。他には、例えば、寒天製のものなどを指しているそうだ。

条例(案)第2条(5)

生分解性の袋
土壌環境及び水環境のいずれでも自然界に存在する微生物の働きにより最終的に二酸化炭素と水に分解される性質を有するバイオマスプラスチックの袋及び紙製の袋並びに新技術により製造される袋であって市長が特に必要と認める袋をいう。
https://www.city.kameoka.kyoto.jp/kankyousoumu/documents/soan.pdf

<関連記事>

亀岡市のレジ袋禁止条例、コンビニ大手3社が待った!

<参考>

亀岡市「条例(素案)の概要」↓

https://www.city.kameoka.kyoto.jp/kankyousoumu/rejibukuro.html

亀岡市のレジ袋禁止条例、コンビニ大手3社が待った!

京都府亀岡市で、スーパーやコンビニなど小売店でのレジ袋配布を禁止する条例案が、2月21日、議会に提出された。

市民の7割が、条例案に賛成しているという。

しかし26日、セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマートの3社20店舗の店主らが、「要望書」を市長に提出した。要望書には、最低1年の周知期間が必要ということと、市の対策不足が指摘されているとのこと。

亀岡市は、今年8月の施行を目指しているが、暗礁に乗り上げそうだ。

環境対策が遅れている日本で、初めてのレジ袋禁止条例。ぜひ成功してほしい。

<参考>

京都新聞(2020.3.1)「レジ袋禁止、コンビニ「客とトラブル不可避」全国初条例、8月施行に店主ら不安の声」↓

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/172951

学乳の紙パック、生産者責任はないのか(追記)

東京都学乳協議会の対応を巡り、各地でいろいろ問題が起きている。

問題の発端は、東京都学乳協議会(雪印メグミルク(株)、興真乳業(株)、(株)明治、東京グリコ乳業(株)、森永乳業(株))が、牛乳パック回収を断ったことが原因のようだ。

断った理由は、いろいろあるだろう。飲み残しや、ストローがさしたままになっているゴミのような牛乳パックを、牛乳を配達したトラックの帰り便に積み込みたくない、あるいは積み込むことは食品衛生法上問題がある、など。

それならば、びん牛乳にすればよいと思うが、びん牛乳を供給することは面倒らしく、それもできないと断っているようだ。そのため、世田谷区のびん牛乳も紙パックに替わる。

拡大生産者責任(処理段階までが生産者責任)の考えがないから、このようなことを平気で主張するのだろう。

いっそのこと、学校給食で牛乳を提供するのはやめればよいと思うが・・・いかがだろうか。

以下、追記

少し調べたところ、2018年6月の食品衛生法改正で衛生管理が強化されたことがきっかけのようだ。「食の国際的衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理が義務化された」(神戸新聞2019.10.28)とのこと。

そのため、各地の牛乳業界が回収中止を決定。以来、それまで業界に回収してもらっていた各地の学校は対応に苦慮している。

しかし、なぜ廃棄かリサイクルか、の二択なのだろう?

帰り便での回収は、工夫次第でいくらでもできるはず。ローソンは、帰り便で生ごみまで回収できるように実験している。また、自販機横の回収ボックスも、帰り便利用で回収しているように見える。スーパーで回収しているトレイも、トレイを納入したついでに回収しているのでは?

何日も放置していたものならばともかく、一日しか経っていない牛乳パックは、回収できないほど不衛生なものなのだろうか?

<参考>

神戸新聞(2019.10.28)「給食の牛乳パック、廃棄か再利用か 衛生管理強化で回収中止」

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201910/0012827553.shtml

立川市「令和2年度からの学校給食用牛乳パックの取扱いについて」↓

https://www.city.tachikawa.lg.jp/kyoikusomu/kosodate/kyoiku/iinkai/iinkai/kaisaijokyo/documents/1_3r2nenndokaranogakkoukyuusyokuyougyuunyuupakku.pdf

毎日新聞(2019.3.2)「給食牛乳パック 持ち帰りリサイクルは違法? 市教委指示、一転断念 東京・清瀬」↓

https://mainichi.jp/articles/20200302/k00/00m/040/314000c

世田谷区のびん牛乳について↓

実は簡単な話ではありません!瓶から紙パックへ。世田谷区立小中学校の学校給食で提供される牛乳の容器が変わります。

ドラッグストア大手もレジ袋有料化、コンビニも?

マツキヨHD、ウエルシアHD、スギHD、ココカラファインがプラ製レジ袋の無料配布をやめ、4月から有料化するとのこと。

ドラッグストアは薄利多売だから、富山県でスーパーなどが有料化した際も有料化に前向きだった。4月からの一斉有料化は当然の措置だろう。

ツルハHDは7月から有料化するそう。

コンビニでは、ミニストップが最初から有料化に前向きで、ファミリーマートも有料化を決定。

残る大手は、セブン・イレブンとローソン。一応その2社も7月から有料化する方向で準備中とのこと。本当だろうか?

<参考>

朝日新聞(2020.2.29)「レジ袋有料化、4月に前倒し イオンやマツキヨなど続々」↓

https://digital.asahi.com/articles/ASN2X7H96N2XULFA01Q.html