ついに豪ビクトリア州で、デポジット制度導入か

オーストラリアでデポジット制度導入あるいは導入予定のない州は、ビクトリア州とタスマニア州の2州のみだった。

しかし、ビクトリア州で、ついに制度導入を決定したようだ。今のところ、2023年のスタートを目指すらしい。

コカ・コーラ・アマティルも制度を支持している。コカ・コーラといえば、昔からデポジット制度を潰すため訴訟を起こしていた企業。それが2017年頃を境にデポジット制度支持に回っている。

但し、それは日本以外の話で、日本コカ・コーラはいまだにデポジットのデの字も言う様子がない。

日本では、容器包装リサイクル法という半端な拡大生産者責任で済んでいるため、寝た子を起こさないようにしているのだろう。

黙っていても税金で大量に回収してくれるから黙っていよう・・と。しかも、環境団体は給水器を設置するだけで満足しているように見える。水のペットボトルなど、ペットボトル飲料全体の2割に過ぎないにも関わらず・・。

世界はそれでは済まない。デポジット制度などで自ら回収費用を払う姿勢を見せなければ、ペットボトルなど市場から追い出されてしまう。日本を除く世界の飲料メーカーは、何とかしようと躍起になっている。

オーストラリアでは、西オーストラリア州が2020年6月2日から制度を開始する予定。

残りはタスマニア州のみだ。

<参考>

https://www.news.com.au/finance/money/victoria-to-get-container-deposit-scheme/news-story/4de8f84de405153eb2ae818da365eca6

https://www.foodanddrinkbusiness.com.au/news/amatil-supports-victorian-cds

 

 

「くるりポイ」なぜ批判?スーパーはノートレイ商品を

トレイをスーパーに捨てて帰る人の行為がテレビなどで話題になっているようだ。

これは確か、昔、環境団体の地球村が「要らない」という意思表示のため、推奨していた行為だったはず・・と思い、検索してみたが、既に地球村はこれを推奨するのをやめているようだ。

しかし、要らないという意思表示は大事だ。残念なのは、それがスーパー側に伝わっておらず、身勝手なオバサンの行為、としか受け止められていないこと。

ノートレイ商品を買いたくとも、ないため買えないことがよくある。

海外では発泡スチロールの食品容器は禁止の方向で進んでいる。理由は、リサイクルしにくいということが主だが、ポリスチレン(発泡スチロール)容器の健康影響への懸念もあるようだ。

例えば、ニューヨーク市でも使い捨ての発泡スチロール容器は昨年1月から禁止だ。どうしても他に代替品がない場合にのみ使用が認められている。

オメガ3オイルをポリスチレン容器に入れると、容器が溶ける。ということは、オメガ3を含む食品(例えば、青魚)の惣菜入れとしてはふさわしくないのではないか。

また、納豆のパックを開ける度、ポリスチレンが飛び散るような気がしてならない。おそらく微粒子が納豆にも付着しているのではないか。

日本では、トレイを洗ってスーパーの回収ボックスに入れることが推奨されている。しかし、リサイクルされればよいというものではないし、発泡スチロール製弁当容器などは販売店での回収はなされていない。おそらく可燃ごみに出す人が多いと思われる。

発泡スチロール容器はあまりにも過剰に使用されている。海岸にも多くの発泡スチロールごみが散乱している。

「くるりポイ」をする人は、トレイなど要らないからスーパーのごみ箱に捨てるのだ。

捨てられるのがイヤならば、スーパーはノートレイ商品を用意すべきではないか。

 

 

これって必要?②薬局の包装材

総合病院の眼科へ始めて行った。

目薬を処方されたので、院外薬局へ行ったところ、渡されたのがこの3枚の袋類。

たった1本のプラスチックボトル入り目薬を、これだけの包装材で、あれよあれよという間に手際よく包んで渡してくれた。まるでマトリョーシカ。

真ん中の透明袋は、中に仕切りがあり、二重になっている。一方のスペースには目薬が、もう一方には2行ほどの注意書きの紙が入っていた。

断れなかった自分が、つくづく情けない。

早くレジ袋を有料化してほしい。そうすれば、必要性を聞いてからレジ袋に入れようとするだろうし、ついでに他の袋類も断れるのだが・・。

レジ袋有料化で省令改正、ガイドラインも発表

7月1日からのレジ袋有料化をにらみ、容器包装リサイクル法に関係する省令が改正され、ガイドラインも発表された。

昨年のパブリックコメントされた内容とほとんど変わっていない。つくづくパブコメは意味があるのだろうか?と疑問に思う。

一方、環境省と厚労省が入る合同庁舎では、小泉環境相の発案で、レジ袋がすべての売店で2019年12月6日から廃止された。

櫂より始めよ、で当然だ。こんなに当たり前なことを、なぜ今までの大臣はやらなかったのかと思う。

防衛省庁舎や自衛隊施設でも、レジ袋を1月から廃止するそうだ。

ついでに、庁舎内の売店のコンビニ弁当や、注文方式で販売している弁当の容器も、リユースに変更するよう業者に働きかけたらよいのではと思う。レジ袋よりもプラスチック削減効果があるのではないか。

<参考>

経済産業省(2019.12.27)「来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします」↓

https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191227003/20191227003.html

東京新聞(2019.12.6)「環境省の売店、レジ袋を廃止 防衛省も1月から」↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201912/CK2019120602000281.html

 

米バークレー市、2020年1月から使い捨てカップ有料化

バークレー市議会は2019年1月、条例で市内のレストランからごみを減らすことを採択、2020年1月から使い捨てカップ1個につき25セントの手数料を取る。

手数料の用途については飲食店に任せるとのこと。

2020年半ばまでには、持ち帰り用は堆肥化可能な容器のみとし、店内での提供はリユースできるもののみとする。

日本のコーヒーショップでは、店内で飲む場合でさえも、いまだに使い捨てカップで提供する店がある。また、コンビニでは、マイボトルを持っていても使い捨てカップ使用を強制する店がある。

しかし世界では、たとえ紙コップでも、使い捨てに厳しい目が向けられている。

<参考>

YAHOO!ニュース(2019.12.26)「紙容器を廃止する米のカフェ 客はドリンクジャーを持参」↓

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191226-00010000-aptsushinv-n_ame

ブルーボトルコーヒー、2020年末までに全米でごみゼロへ 日本の店は?

カリフォルニア生まれのコーヒーショップのブルーボトルは、全米で2020年末までに廃棄物ゼロを目指している。

手始めとして、カリフォルニア州サンフランシスコの2店舗で、使い捨てカップを廃止する方針を打ち出した。

コーヒーをテイクアウトしたい客は、マイカップを持参するか、それともデポジット(保証金)を支払い店で提供する再利用できるカップにコーヒーをいれてもらうことになる。

デポジット金額は、3〜5ドルとのこと。カップを返却すればデポジットは戻ってくる。

また、プラスチック袋入りのコーヒー豆は販売を取りやめ、コーヒー豆を購入したい人には容器を持参してもらう。

ブルーボトルコーヒーは「使い捨てカップをなくすことができることをお客様と世界に示したい」とのこと。

日本にもブルーボトルのコーヒーチェーンは何店舗かあるが、どうするのだろう?期待している。

<参考>

Los Angeles Times(2019.12.24)San Francisco cafes are banishing disposable coffee cups;

https://www.latimes.com/world-nation/story/2019-12-24/san-francisco-cafes-are-banishing-disposable-coffee-cups

 

 

プチ「脱プラ」宣言⑬紅茶は「脱マイクロプラ」で

ティーバッグから100億個以上のマイクロプラスチックが出る、という報道をみて以来、紅茶はリーフティーで飲みたい、と思う。

しかし、最近いただく紅茶は、たいていがティーバッグだ。

いかにもナイロン製に見えるティーバッグはもちろんのこと、不織布製のティバッグも大半が合成樹脂だ。一見紙製に見えるティーバッグにもオレフィン系などの合成樹脂が塗布されているものが多い。

とすると、ほとんどのティーバッグからマイクロプラスチックが出そうだ。そう思うと、最近は自分で購入したリーフティを飲みがちだった。

しかし、せっかくいただ美味しい紅茶を古くしてしまうのはモッタイナイ。ティバッグの上部をハサミでカットし、中身をティーポットに入れ、茶こしで淹れてみた。

茶こしの目よりも細かい茶葉を想像していたが、余裕で茶こしで漉せた。(しかも美味しい!)

ついでに、以前購入したティーバッグ入りのルイボスティーも、中身だけをティーポットに入れ、湯を注いでみた。ルイボスティーは沈むようで、茶こしを使わなくても十分飲める。

これは「脱プラ」とはいえないが、マイクロプラスチックを摂取しないのための自衛手段だ。脱マイクロプラか?

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑫トイレットペーパー「うれしいトレペ」

誰がクジラを殺した?クジラの胃から100キロのプラごみ

英国スコットランドの海岸で11月に見つかったクジラの死骸を解剖したところ、お腹からロープやペットボトル、コップ、手袋など100キロものプラスチックごみが見つかったという。

100キロものプラスチックごみを飲み込んでいたのは、まだ10歳の若いクジラで、ハクジラの一種のマッコウクジラだ。ヒゲクジラは、ヒゲ板でエサをこしとるため、これ程のプラスチックを飲み込むことはないそうだ。

私たちがプラスチックを使い続け、海底に大量のプラスチックが沈んでいる限り、クジラの悲劇は終わらない。

海洋生分解性プラスチックも、海ですぐに分解するわけではないから、このような悲劇を終わらせる役には立たない。

社会システムが適切に整備されていれば、散乱ごみはそんなにひどいことにはならないはずだ。クジラを殺したのは、ごみを捨てた人だけの責任ではない。

プラスチックは大変便利で、現時点ではある程度は必要だと思われるが、パンドラの箱を開けてしまったような気がする。

早急かつ抜本的なプラスチックの大幅削減政策と、漁具や容器にはデポジット制度を中心とする徹底した回収・再利用政策が必要ではないか。

<参考>

SPUTNIK(2019.12.3)「スコットランドでマッコウクジラの胃の中から100キロのゴミ発見」↓

https://jp.sputniknews.com/incidents/201912036885623/

ナショナルジオグラフィック(2019.12.11)「クジラの胃に100kgのごみ、なぜプラごみ食べる?」↓

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/120900714/

 

 

韓国、テイクアウト用使い捨てカップを有料化 台湾でも規制強化

既にカフェなどでの店内飲食で、使い捨てカップ提供が禁止されている韓国では、今度はテイクアウト用カップにも規制をかける。

2021年からテイクアウト用の使い捨てカップには「カップ代」が必要になるのだ。

さらに、2022年からはプラスチック製のストローやマドラーも禁止。紙や木製ならば使用可能だ。

2021年からデリバリーの際についてくる使い捨てスプーンや箸は、客が要求した場合に限り有償で提供される。

生鮮食品を入れる発泡スチロール箱は、2022年までに定期的に同じ場所に配達する場合は、再利用できる箱に変更とのこと。

また、おまけ商品の販売は2020年から禁止されるなどにより、使い捨て用品の削減効果は、2022年には40%、2030年には60%以上削減される見込み。

韓国の脱使い捨て政策は、ますます進んでいく。

また、台湾でも、多くの自治体のフードコートなどで、来年から使い捨て食器の提供が禁止されるそうだ。

<関連記事>

台湾も使い捨てプラスチック製品を2030年までに全面禁止

<参考>

「使い捨てプラスチック製品、使用禁止を拡大(ニュースde韓国語#091)」↓

https://www.newsdekorean.com/posts/7354708/

「台湾の各自治体、百貨店・量販店での使い捨て食器の使用を順次禁止へ」↓

https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=151&post=167602&unitname=ニュース-政治&postname=

イオン、来年秋からリユース容器で販売開始。LOOPにも参画

2020年5月からといわれていたLOOP(ループ)の実証開始が、2020年秋以降にずれ込むようだ。

ループとは、消費者がデポジット(保証金)を払いリユース容器入りの製品を購入し、容器を返却するとデポジットが戻る仕組み。テラ・サイクルが運営し、既にニューヨークやパリで開始されている。

日本では東京都が助成したにも関わらず、参加企業が5社しか集まらないとのことだったので、日本では失敗か、と思っていた。しかし、エコプロダクツでの発表によると、ようやく13社集まったとのこと。

現在、まだ交渉中の企業もあるそうで、今後もっと増える予定。

これまでの5社(P&G、サントリー、グリコ、ロッテなど)に加え、イオンや資生堂、キリンなども参加を表明した。

さらに、イオンは来年秋から、先行して東京都内の店舗でリユース容器に入れた商品の先行販売と容器回収を開始するそうだ。2021年には順次、東京以外の地域でも開始するとのこと。

イオンでは、2020年秋から、東京都の「イオン」「イオンスタイル」で、リユース(再使用)容器を利用した商品の先行販売と使用後の容器回収を開始する。2021年には順次、本州・四国の約400店舗への拡大を目指す。

フランスではカルフールが中心となって、LOOPでリユースを頑張っている。なぜ、イオンがLOOPに参加しようとしないのか、とずっといぶかっていたが、ようやくイオンもリユースに取り組む。

イオンは自宅から少し離れているため、これまで1〜2ヶ月に1度程度しか行かなかったが、リユース容器入り商品で販売開始したならば、もっと利用しようと思う。

<参考>

商人舎流通スーパーニュース(2019.12.6)「イオンnews|リユース容器使用の買物システム「loop」2020年秋開始」↓

イオンnews|リユース容器使用の買物システム「loop」2020年秋開始

資生堂ウェブサイト「資生堂、東京都が採択したショッピングプラットフォーム“Loop”に参加」↓

https://www.shiseidogroup.jp/news/detail.html?n=00000000002813&rt_pr=trf11