東京国際フォーラム広場で「東京水」が給水できる

東京都水道局が販売しているペットボトル「東京水」。東京都は、何のために水道キャンペーンをしているのか?と首をかしげていた。

しかし今年3月、都水道局は東京国際フォーラム地上広場の水飲み場に、ボトルディスペンサー式水飲栓を設置したそうだ。

ロンドン市やパリ市の脱ペットボトルを謳った給水器に比べ、まだ数は少ないようだが、これからオリンピックにかけて増えるだろうと期待している。

https://www.t-i-forum.co.jp/news/detail.php?id=2c4925b9-fb3d-4997-840c-355324bb542b

 

神奈川県、プラごみゼロ宣言でプラスチック入り名刺を作った?

「かながわプラごみゼロ宣言」から約3ヶ月経過した。そろそろ何か変わるかな?と思っていたが・・・

日経ESG(2018.12. p.15)を読んでいて驚いた。黒岩知事が対談で「まずは石灰石を使う新素材で私や職員の名刺を作った」と答えている。

石灰石で名刺?おそらくLIMEXペーパーのことだろう。これは、石灰石とポリオレフィンを混ぜ合わせたストーンペーパーの一種。

プラごみとは無縁のフツウの紙の名刺を、なぜわざわざプラスチックを使ったもので作り直したのか。

これでは不要になった名刺を古紙回収にだすこともできないし、もし散乱した場合は石灰石部分は問題ないかもしれないが、ポリオレフィン部分はマイクロプラスチックになってしまう。

再生紙で名刺を作った、というならばよく理解できるが、この変更は理解不能だ。

プラごみゼロ宣言で「プラスチック製ストローやレジ袋を廃止」するというので期待していたが、いまだ県内各自治体やスーパーへ「レジ袋廃止」協力を呼びかけた気配もない。

「リサイクルされない使い捨てプラスチックごみをゼロにすることを2030年までに目指す」としているが、むしろ名刺や宣言ステッカーの制作で、リサイクルできないプラごみを増やしているのではないか。

せっかくプラごみゼロ宣言をしたのだから、プラごみ削減に効果のある取組を期待したい。

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武蔵野市クリーンセンターのgomi_pit BAR

昨夜、武蔵野市のクリーンセンターを見学し「ごみピット」を見ながらバーを楽しんだ。「gomi_pit BAR」は、見学後にごみピットを見ながらお酒とショーを楽しめる一種のエコツアーだ。

2017年度グッドデザイン賞を受賞しただけあり、クリーンセンターはなかなかお洒落な建物。
クリーンセンター自体は、一般的なストーカー炉だが、最新なので小さいにも関わらず20.5%の高効率発電。
しかもコジェネ(ガスコージェネレーション)だから、災害時にも活躍できるとのこと。

窒素酸化物などの排出量はリアルタイムで表示される(国の基準よりも厳しく管理されているそう)。

市役所や体育館など周辺施設に電気や蒸気を提供しているが、災害時になると焼却炉は一旦停止。安全確認後、再稼働させる際のスタート発電としてコジェネを利用し、避難者のいる市役所や体育館に電気を提供できるのだとか・・
見学したクリーンセンターは完成していたが、付帯設備(旧クリーンセンター跡地利用)は2年後の完成だそうだ。
すべて完成すると、市役所の隣りが一大ごみ処理アミューズメント施設?(環境啓発施設もできる)になるようだ。
昨日は市内在住の見学者は少なく、他地域からの見学者が多かった。全国各地から応募があったとのことで、参加者は抽選で決められた(私は一度落選したが前日に辞退者がでて復活当選した)。全国的に話題になった企画のようだ。
ワンドリンクサービスで、他のドリンクやおつまみは実費。ドリンクもおつまみも「地産地消」と「廃棄物」を意識したもの。

筆者の飲んだカクテルは残りモノの大根の皮と梅酒の梅を利用して作ったもので、まろやかな大根おろしの味がして、とても美味しかった。他に「廃キノコとハチミツのカクテル」(正式名称は少し違うかも?)やクラフトビール(これは廃棄物利用ではなく地産地消)などもあり、どれも惹かれたが飲んでいない)。

バーの様子はチラシにあった通りで、ごみピットをガラス越しに眺めながらお酒とショーが楽しめる。

資料によると、平日の昼間ならば個人は自由に工場見学ができるようで、受付スタッフと貸出用タブレット、それからPepper君が見学をサポートしてくれる(団体は要予約)。

焼却炉は「迷惑施設」だが、排ガスの有害物質基準値を厳しくし、近隣に電気や蒸気を提供し、災害時にも役立つならば、家の近所にあってもよいと思えるかもしれない。

ゼロ・ウェイストを目指し、焼却炉をなくしたいが、現状で焼却をゼロにできない地域は多い。それならば、武蔵野市のようなクリーンセンターの「見せる化」は、他地域の良い参考になりそうだ。

とはいえ、日本には焼却炉が多すぎる。焼却炉もごみももっと真剣に減らすべきであることはいうまでもない。

武蔵野市のチラシ↓

http://www.city.musashino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/021/040/gomi_pitbar_tirashi.pdf

<写真>武蔵野市クリーンセンター ごみピット

香りブームに異議あり

日本の香りブームは「香害」を生んだ。

職場で朝から香水を付けている人は少ないが、制汗剤や洗剤、柔軟剤、芳香剤などで香水同然の匂いを発散させている人は多い。

ケイト・グレンヴィル著『香りブームに異議あり』(2018年、緑風出版)を読んだ。香りの被害者(フレグランス製品で頭痛が起きる)である小説家が、医学論文や専門家の助言をもとに書いたものなので、読みやすく、内容は信頼できる。

この本によると、香り成分は化学物質過敏症やアレルギーの人々を苦しめるだけでなく、すぐに症状のでない人たちにも影響があるようだ。

特に胎児や子どもたちに危険が大きいという。

内分泌撹乱作用や発がん性のある香料もあるので、注意が必要だ。

「無香料という選択も、一種のリスク・マネージメントと考えることができます」という文章(p.175)に説得力があった。

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亀岡市「プラスチックごみゼロ宣言」レジ袋使用禁止を条例化 日本初

京都府亀岡市と市議会が、13日「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」をしたとのこと。

2020年までに市内小売店でのレジ袋使用を禁止する条例を施行する方針。

神奈川県による「かながわプラごみゼロ宣言」や鎌倉市のそれは、努力目標で条例化はしていない。亀岡市が条例化すると、日本の自治体で始めてのレジ袋禁止条例となる。

レジ袋廃止のほか、市のイベントでのリユース食器の利用などで、2030年までに使い捨てプラスチックごみゼロのまちを目指すそうだ。

<出所>

毎日新聞(2018.12.14)「レジ袋禁止 亀岡市罰則検討 20年度までに条例施行 宣言賛否」

http://mainichi.jp/articles/20181214/ddn/041/040/029000c

毎日新聞(2018.12.13)「京都・亀岡市が「プラごみゼロ」宣言 自治体初、20年度までにレジ袋廃止」

https://mainichi.jp/articles/20181213/k00/00m/040/057000c?fm=mnm

プラスチック製レジ袋の使用禁止などを目指し、京都府亀岡市と市議会が13日、「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」をした。2020年度までに市内の小売店でのレジ袋の使用を禁止する条例を施行する方針。レジ袋を巡っては政府も小売店に有料化を義務づける方針を固めているが、市は廃止に向けてさらに踏み込む。現在、国内の自治体に同様の条例はないという。

宣言には、レジ袋を禁止してエコバッグ持参率100%を目指す取り組みのほか、家庭から出るプラスチックごみの回収率100%達成も明示。市のイベントでリユース(再利用)食器を使用するなどし、「30年までに使い捨てプラスチックごみゼロのまちを目指す」としている。今後協議する使用禁止条例では、罰則を設けることも検討している。

市内にはスーパーやコンビニエンスストア、個人商店など計約760軒(14年度)の小売店があり、市はフランチャイズの店なども含め、すべてでレジ袋を禁止する構え。まず19年度中に全店舗のレジ袋を一律に有料化する予定で、既に協力呼びかけを始めている。

桂川孝裕市長(55)は「(レジ袋禁止で)全国に一石を投じたい」とあいさつ。宣言について市に助言してきた原田禎夫・大阪商業大准教授(43)=公共経済学=は「海洋ごみは海外からの漂着のみならず、国内の内陸部からの流出も多い。宣言で亀岡市が先進都市となり、他地域にも広げるきっかけとなる」と意義を述べた。

亀岡市は京都市の西隣に位置するベッドタウンで人口は約8万9000人。市はプラスチックごみの海洋汚染が近年、社会問題になっていることを受け、12年に内陸部の自治体では初めて「海ごみサミット」を開催した。【国本ようこ】

国連が使い捨てプラ容器使用の完全廃止目指す、世界127ヵ国でがプラスチックを規制、トルコでもレジ袋有料化決定

国連総会の議長は、国連が近い将来、使い捨てのプラスチック容器の使用を完全に止める目論みであることを明らかにした。

既に国連内では、使い捨てプラスチック容器の使用完全廃止キャンペーンに取り組んでいるそうだ。

また、127の国連加盟国が、数年以内に使い捨てプラスチックに対し、廃止などの規制をかける。

先日トルコもレジ袋有料化を決定したようだ。トルコでは年間1人あたり440枚のレジ袋が使われている。いつから有料化を開始するか、期限はまだ決まっていないが、0.05$程度になる予定。

<出所>

Sputnik(2018.12.5)「国連 使い捨てプラスチック容器の使用の完全廃止を目指す」↓
https://jp.sputniknews.com/life/201812095682660/

Sputnik(2018.12.9)「127カ国で数年以内に使い捨てプラ廃止へ」↓

https://jp.sputniknews.com/life/201812095682660/

INDEPENDENT(2018.)Turkey to launch groundbreaking restrictions on plastic bags in fight against pollution;

https://www.independent.co.uk/news/world/europe/turkey-plastic-bags-ban-law-supermarkets-apk-pollution-waste-government-a8676221.html

 

 

 

海洋プラスチック憲章への支持を呼びかける署名、締切間近!

2018年6月、カナダで開催されたG7で、日本とアメリカは「海洋プラスチック憲章」への署名を拒否した。

安倍首相は、この憲章を上回るプラスチック資源循環目標を2019年に日本で開催されるG20で表明すると約束したが、果たして現在パブリックコメント中の案がG7の憲章を上回っているか、甚だ疑問だ。

もし、本当に憲章を上回っているという自信があるのならば、まずは憲章への支持を表明すべきではないか。

一般社団法人JEANでは、日本が憲章に支持表明することを求める署名を来週にも国へ提出するべく、最後の署名呼びかけをおこなっている。署名は12月16日まで。

署名サイト↓

https://www.change.org/p/日本も-海洋プラスチック憲章-に一日も早く署名を

(一社)JEANウェブサイト↓

http://www.jean.jp

現在、憲章への支持の表明は、G7で署名した5か国とEUに続き、9月にジャマイカ、ケニア、マーシャル諸島共和国、ノルウェー、その後もメキシコ、オランダ、セネガル、ナウル共和国、パラオ共和国、カーボヴェルデ共和国で、16ヶ国。
他に20の企業や団体も支持を明らかにしています。プラスチックごみが今や海底まで達し、海洋中でスモッグに例えられるほど劣化してマイクロ化してきた年月を考えたら、近年、俎上に載せられやすい現在の途上国の問題よりも、日本をはじめとした先進国が、半世紀前から
続けてきた使い捨てプラスチック生活が、海洋汚染をうみだしてきた責任を、まず自覚しなければならないでしょう。
しかも、日本は1人当たりの使い捨てプラスチックごみ排出量で世界第2位です。政府はG20で途上国を巻き込む必要を述べていますが、その前にまずはG7先進国の責任として憲章に署名したうえで、G20で各国に呼び掛けるのが国際社会の一員としての行動ではないでしょうか。

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JEANが「プラスチック憲章」への署名を呼びかけ

相次ぐ発火や水銀漏出事故、有害ごみの自治体回収は税金の無駄

自治体のごみ処理施設での有害ごみによる事故が多発しているという。

製品が複雑化し、消費者も処理方法がわからないものが多い。筆者もそうだが、分別方法がよくわからないごみは、つい「不燃ごみ」などに入れてしまう人は多いだろう。

そのため、全国的に見ても環境意識の高い東京都多摩地域のごみ処理施設でさえも、リチウムイオン電池による発火事故や、水銀式の血圧計や体温計による水銀漏出事故が相次いでいる。

全国の焼却炉で、水銀を含む製品を燃やすことなどは、おそらく日常茶飯事だろう。焼却炉から排出される水銀濃度の高い排ガスなども、そもそも水銀を検査している地域が少ないのだから、判明するケースは氷山の一角だ。

このような有害製品による事故を、税金を使って解決しようとしていては、税金などいくらあっても足りない。

自治体にも消費者にも、製品についての詳細な知識や情報は与えられていないのだから、全員が有害物質に対して適切に対応することなど困難だ。

筆者の住む自治体でも、乾電池(マンガン・アルカリ・オキシライド乾電池・コイン電池など)は自治体の回収へ、充電式電池は「リサイクル協力店」へ、ボタン電池は「回収協力店」へ、とのことだが、実際自分の捨てたい製品の中にどのタイプの電池が入っているのか、製品を開けてみてもわからないことが多い。コイン電池とボタン電池の違いもよくわからないし、リサイクル協力店と回収協力店の違いもわからない。販売店で回収していないケースも少なくない。

水銀含有製品にしても、果たしてどれが該当するのか?

結果として、自治体の回収にすべて出す人がいるせいで、火災や水銀漏出事故が起きたとしても、消費者の責任といえるだろうか。

なぜ日本は、有害物質の回収を、生産者責任で対応しようとしないのか。

電池を含むすべての有害物質は、販売時に回収方法を明示し、生産者が責任をもって回収すべきではないか。海外メーカーの製品は輸入事業者が責任をもつべきだろう。

今後、海外製品がますます出回るだろうことを考えると、今の日本の回収制度では有害物質がますます適正に処理されにくいのではないか。

自治体がいくら頑張って回収しても、日本の河川にはマイクロプラスチックが多い。有害物質も多いのでは?と心配になる。

廃掃法と各種リサイクル法は、既に時代遅れになっているのではないか。抜本的に見直す時期が来ているのではないかと考えている。

<事故についての出所>

日本経済新聞(2018.12.12)「リチウムイオン電池や水銀式血圧計、有害ごみ回収徹底  多摩の自治体、事故多発 武蔵野市はボックス設置拡大」↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20181212&c=DM1&ng=DGKKZO3880622011122018L83000

 

 

プラスチック戦略のパブコメ、提出のため素案を読んでみた

環境省がプラスチック戦略のパブリックコメントを募集している。どういう意見を送るか考えるため、まず今回の戦略の目玉を整理した。

p.8からp.9にかけて記載されている以下の5つが目玉だと考えられるが、うち1番目が最も重要だろう。

1.消費者はじめ国民各界各層の理解と連携協働の促進により、代替品が環境に与 える影響を考慮しつつ、2030年までに、ワンウェイのプラスチック(容器 包装等)を累積で25%排出抑制するよう目指します。

→参考資料p.54のフローを見ると、2013年の容器包装は426万トンである。25%減の基準年は不明だが、約100万トンの容器包装を減らすということだ。家族経営型の小規模店には手を付けず、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、ホームセンター、クリーニング店等のレジ袋を有料化した場合、少なくとも10万トンは減るだろう。また、プラスチック製ストローやカップを廃止し、プラスチック製トレーや使い捨ての弁当容器なども紙製やできればリユースできるものに切り替えることによっても、使い捨てプラスチックは大幅に削減できる。既に、カップ麺のカップやペットボトルを生分解性プラやバイオマスベースに切り替えを進めると表明しているメーカーもある。これらのことを考え合わせると、それほどムリせずとも100万トン以上は削減できるのではないか。

→使い捨てプラスチックについて、韓国は2027年までにゼロに、台湾は2030年までに全面禁止、マレーシアも2030年までにゼロ、インドは2022年までにすべて排除、などとそれぞれ発表している。もちろん「使い捨てプラスチック」と表現するプラスチック製品は各国で異なるだろう。しかし、それらを勘案しても日本の25%減はまだ甘いといえる。この目標値で、来年日本で開催されるG20でリーダーシップを発揮できるようには思えない。

→バイオマスベースのプラスチックが即よいとばかりはいえないし、紙製だからといって安心できるわけではない。しかし、日本の技術力があれば、今のプラスチックに代わるものが生み出せるだろう。イノベーションに期待するためにも、もう一歩、意欲的な目標値が望ましい。

2.2025年までに、プラスチック製容器包装・製品のデザインを、容器包装・製品の機能を確保することとの両立を図りつつ、技術的に分別容易かつリユース 可能又はリサイクル可能なものとすることを目指します(それが難しい場合に も、熱回収可能性を確実に担保することを目指します)。

→熱回収を除いた真水(まみず)の目標値(回収率とリサイクル率)を設定すべき。これでは何をもって達成度をはかるのかわからない。

3.2030年までにプラスチック製容器包装の6割をリサイクル又はリユースし、 かつ、2035年までにすべての使用済プラスチックを熱回収も含め100%有効利用するよう、国民各界各層との連携協働により実現を目指します。

→熱回収を含めず2030年までに60%のプラスチック製容器包装をマテリアルリサイクル(材料リサイクル)、あるいはリユースするということだろうか。EUが2030年までに再資源化率100%を目指していること、そして多くのグローバル企業が2025年までに100%リユース、リサイクル、あるいは生分解可能にすることを表明していることを考えると、2030年までに6割という数字は低すぎるのではないか。

→また、2035年までの目標値が熱回収も含め100%というならば、熱回収抜きの目標値も決めておくべきだ。そうでなければ、ラクな熱回収に頼りきってしまう。熱回収では資源は循環しない。

4.適用可能性を勘案した上で、政府、地方自治体はじめ国民各界各層の理解と連携協働の促進により、2030年までに、プラスチックの再生利用を倍増するよう目指します。

→なぜ地方自治体などまで動員するのか?再生利用の倍増などは、生産者責任によって達成できるはずだ。達成できなかった時の保険として、「地方自治体や国民各階各層の理解と連携協働の促進」などという言葉をコテコテに盛ったように見える。

→ここはスッキリと「2030年までに、生産者責任により、プラスチックの再生利用の倍増を目指します」だろう。これを達成するためには、容器包装以外の製品プラスチック(バケツやハンガー、ストロー、衣装ケースなどのプラ製品)のリサイクル法か、あるいはプラスチックに特化したリサイクル法(容器包装や家電、自動車などに利用されるすべてのプラスチックを対象とする法律)を作る必要がある。

5.導入可能性を高めつつ、国民各界各層の理解と連携協働の促進により、2030 年までに、バイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入するよう目 指します。

→バイオマスプラスチックの導入を推進するならば、バイオベースの生分解性プラスチックも推進するということか。そうであれば、現在のプラスチックリサイクルとは別に、生分解性プラスチック用のリサイクルルートの確立が必須だ。現在のプラスチックリサイクルルートに、もし生分解性プラスチックが混入すると、マテリアルリサイクル(材料リサイクル)が著しく阻害されるためである。

→リサイクルルートは自治体に頼ることなく、生産者責任において作るのが望ましい。自治体にはどれが生分解性プラスチックか、そうでないかの区別ができないし、自治体抜きで進めるほうがスムーズだ。今一度、容器包装リサイクル法をはじめとする各種リサイクル法を見直すべきだ。

以上、思ったことを記載してみた。

これらに加えて、デポジット制度の導入ペットボトルのキャップをボトル本体と外れないようにデザイン変更することなどについての意見も加えたい。

日米が署名を拒否した海洋プラスチック憲章を上回るはずの環境省の素案だが、比較してみると、言葉尻を巧みに合わせてはいるものの、決して上回っていないことがわかる。海洋プラスチック憲章に数値があまり盛り込まれていない理由は、日本やアメリカが署名しやすくするためであったと考えられる。

海洋プラスチック憲章を上回る目標を設定し、来年日本で開催されるG20サミットでリーダーシップを発揮するというのならば、EUのプラスチック戦略(2030年までにすべてのプラ容器包装のリユースやリサイクルを可能とする、など)を上回る必要がある。

パブコメ締切は12月28日だ。

環境省「プラスチック資源循環戦略(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について」↓

https://www.env.go.jp/press/106186.html

https://www.env.go.jp/press/files/jp/110266.pdf

北米スターバックス、紙コップから紙コップへリサイクル

日本ではごく一部のサービスエリアや自動販売機などの紙コップはリサイクルされているが、トイレットペーパーにリサイクルされることが多い。

しかし、日本の大半の紙コップは、リサイクルルートには乗らず、他のごみと一緒に焼却されている。

北米のスターバックスでは、店内で使用された紙コップをまた紙コップにリサイクルし、スターバックスで使用する試みをスタートさせた。

既に2500万個の紙コップを新しい紙コップにリサイクルしたという。

紙コップに使用される繊維は、一般の紙よりも上質で、発生量さえ把握できていればリサイクルは難しくないとのこと。

紙コップは内側をポリエチレンでラミネートするため、本体部分が古紙でも安心だ。まして店内で回収された古紙ならば、安心して使用できる。

プラスチック製カップからリユースできる陶磁器製カップに切り替えるのが理想だろうが、使い捨ての紙コップを使わざるをえないケースも多い。

日本でもぜひ「コップ to コップ」の紙コップリサイクルの取組を進めて欲しい。

<スターバックスについての出所>

FAST COMPANY(2018.11.26)Starbucks recycled 25 million old paper coffee cups into new cups;

https://www.fastcompany.com/90270871/starbucks-recycled-25-million-old-paper-coffee-cups-into-new-cups