衣類のリサイクル進む、北九州市に工場も

毎日新聞(2019.4.2)によると、世界の繊維生産量は9500万トンで、このうち約65%がポリエステルなどのプラスチック繊維とのこと。

これらをリサイクルする動きが進んでいるという。確かに、最近時々古着を回収している店を見かける。

日本でもベンチャー企業の日本環境設計が、北九州市に古着再生工場を建設し、回収した古着からポリエステル繊維を再生しているそうだ。

日本環境設計といえば、ペットリファインテクノロジー(株)の全株式を東洋製罐から買い取った会社。

ということは、ペットリバースのペットボトルケミカルリサイクル技術を継承しているだろうから、技術力は確かだろう。

https://mainichi.jp/articles/20190402/ddm/013/040/012000c

毎日.大阪2019.4.2

ニューヨーク市、来年からプラ製レジ袋禁止、紙袋は課税、渋滞税も導入か

米ニューヨーク市で、2020年からプラスチック製レジ袋を禁止し、代わりの紙袋には課税する「紙袋税」の導入を可能にする条項などが承認された。
紙袋税の金額は、Ⅰ枚当たり0.05ドル(約6円)。

また、中心部の交通渋滞緩和を目的に、「渋滞税」も導入される見通しとのこと。
渋滞税は2021年から徴収開始となる予定。

ニューヨーク市では、発泡スチロール製のテイクアウト用容器やトレイ、皿、カップ、緩衝材などが、今年から禁止となっている。
環境対応が進みつつある。

<紙袋税と渋滞税の出所>
日経新聞(2019.4.3)「NYで「渋滞税」導入へ 全米初、21年めどに実施」
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO4321391002042019FF8000?s=1

お母さんクジラのお腹からプラごみ、胎児も死亡

先週、イタリアの海岸に打ち上げられたクジラのお腹から22キロものプラスチックごみが見つかった。
子宮からは死んだ胎児も見つかったという。
見つかったプラごみは、ごみ袋や漁網、釣り糸、チューブ、洗濯用洗剤の袋など。

<出所>
CNN.co.jp(2019.4.2)「クジラの死骸から22キロのプラスチック、胎児も死ぬ イタリア」
https://www.cnn.co.jp/world/35135095.html

省庁、不徹底ながらもプラスチック削減をスタート

プラスチックごみ削減のため、国の省庁内の食堂や売店では、レジ袋など使い捨てプラスチックを原則使用禁止とした。
しかし、必要な客にはレジ袋を無償提供したり、弁当のプラスチック製容器はそのままだったり・・など、十分な対応とはいえないようだ。
おそらく、ペットボトルもそのまま売店で販売し続けているのではないか。

<参考>
毎日新聞(2019.4.1)「食堂や売店での使い捨てプラ禁止、省庁でスタート」
https://mainichi.jp/articles/20190401/k00/00m/040/193000c

<関連記事>

ようやく省庁が脱使い捨てプラ、病院や学校は?

三重大で木製ストロー開発、コーヒーカスなどでも製作可能

プラスチック製に代わるストローが次々と開発されている。
金属製、紙製、生分解プラスチック製・・などと続き、最近は木製も開発された。
三重大学で開発された木製ストロー(ウッドストロー)は、「木粉や紙粉などのセルロース繊維に、天然素材である「セルロース誘導体」と水を混ぜて粘土状にし、枠に入れて圧力を加える方法」とのことで、自由に成形できるため、ストロー以外のものでも簡単にできるそう。
石油系の樹脂や接着剤を使わず、100%天然素材という点が画期的だ。
木粉以外でも紙粉やコーヒーかすなどの廃棄物系でもできる点も良い。
SB(2019.3.29)「「ウッドストロー」開発者に聞く:プラ素材代替へ――野中 寛 三重大学教授」↓
http://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1191996_1534.html

また、既に販売され、ホテルで試験導入された木製ストローもある。
スギを薄くスライスして巻いたものだそうで、接着剤については不明だが、高級感がある。
昔、どこでも使っていた「経木」を思い出す。
(株)クレコ・ラボ「木のストロー」↓
https://creco-lab.co.jp/product/straw.html#what
朝日新聞デジタル(2018.12.12)「木製ストロー、ホテルで試験導入 価格はプラの10倍」↓
https://digital.asahi.com/articles/ASLDC3J8PLDCULFA006.html

個人的にはストローは不要だが、健康上の理由などから必要な人もいることを思うと、こういう製品開発は必要だろう。
しかし、脱プラが「商機」に結びつくのはよいが、やはり「まずは減らす」ことを第一に、代替品の導入を検討してほしい。

クジラ、40キロのプラごみを食べ死亡 

一瞬、4kgの見間違いではないかと目を疑った。
しかし、間違いではなかった・・
フィリピンで、住民が弱っているクジラを見つけた。
通報したがクジラは死亡。解剖したところ、40kgものプラスチックごみを飲み込んでいたという。
クジラは、「死ぬ前に血を吐き続けていたとみられる」(HUFFPOST)とのこと。
死因はプラスチックの誤食により、栄養不足で衰弱したとみられ、体内から出てきたプラスチックごみは、
「大型の米袋16個、バナナ農園で使用するようなバッグ4個、ショッピング袋やスナック菓子の袋類というプラゴミに加えてナイロン製のロープなど」で、
「死亡したクジラはまだ若いアカボウクジラで全長約4.6メートル、体重は約500キログラム」(Newsweek)

クジラは、フィリピン製のごみだけ食べていたわけではないだろうし、たまたまフィリピンで見つかったのだろうが、米袋やバナナ農園の袋は東南アジア由来である可能性が高い。
日本も大きなことはいえないが、フィリピンやベトナムはプラスチック対策が遅れている。
早急に対策を進めるべきだ。

もちろん東南アジアだけでなく、日本や中国、韓国も、まだまだ取組は十分とはいえない。
まもなく正式に発表される日本のプラスチック資源循環戦略は、あまりにも不十分だと言わざるを得ない。

<出所>
Newsweek(2018.3.20)「またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/03/post-11862.php

HUFFPOST(2018.3.20)「フィリピンに打ち上げられたクジラの死骸 40kg分のプラスチックを飲み込んでいた」https://www.huffingtonpost.jp/entry/whale-plastic-environment_jp_5c91a5d5e4b0f7ed945d7470

オリパラ会場の一部、プラ容器禁止に

2020年の東京五輪・パラリンピック期間中、パブリックビューイング(PV)を行う「ライブサイト」内で提供される飲食物の容器について、プラスチック製の使用禁止を検討する、と都知事が12日、都議会予算特別委員会で答弁した。

選手村などで使われる食器類についても、使い捨てプラスチックから再生可能な素材への切り替えを大会組織委員会に求める、とのこと。

さらに、小池知事は、都庁舎内で使用量の削減目標を設定、実施状況を公表するとともに、都内企業にも同様の取り組みを求めていく考えを示した。

オリパラ会場で使い捨て容器を提供するのは、都知事として恥ずかしいだろう。
ぜひ進めて欲しいと思う。
また、都庁舎内での使用量の削減目標に、レジ袋やストローは当然入れるだろうが、ペットボトルや使い捨て弁当容器の使用量・販売量の削減目標値も、ぜひ加えて欲しい。

<出所>
時事通信(2019.3.12)「PV会場、プラ容器禁止へ=選手村でも切り替え-小池都知事」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031201138&g=soc

国連環境総会 閣僚宣言案が早くも後退!レジ袋廃止も消える?!

ナイロビで、第4回国連環境総会(UNEA4)が11日に開幕した。
期間は15日まで。
関連イベントには、東京都や大阪市も参加しているようだ。
今回の目玉(プラスチック問題に限れば)は、日本やノルウェーが提案している「国連環境計画(UNEP)内に新たな作業部会を設けること」や「レジ袋などの使い捨てプラ廃止」が閣僚宣言文に盛り込まれるか、などだろう。
前者については毎日新聞が詳しい。

毎日新聞(2019.3.12)「プラスチック危機 日本、プラごみ削減へ「作業部会」提案 国連環境総会」
https://mainichi.jp/articles/20190312/k00/00m/040/273000c

政府はプラスチックごみによる海洋汚染対策強化のため、国連に作業部会を設置する決議案を、ケニア・ナイロビで11日から開催中の第4回国連環境総会(UNEA4)に提出した。最終日の15日の採択を目指し、各国間で文言の最終調整をしている。決議をてこに、日本は議長国を務める6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議でプラごみ対策を主導したい考えだ。
 決議案は日本とノルウェー、スリランカが共同提案。作業部会では、プラごみや細かく砕けた「マイクロプラスチック」の各国排出量を正確に計測するなどデータや知識の信頼性を高めるとともに、プラごみ回収や途上国へのリサイクル技術支援のあり方を議論するよう提案。次回総会での提言発表を目指す。

この作業部会については、アメリカが反対しているようだ。
レジ袋廃止については、アメリカだけでなくおそらく日本も反対するだろうと思っていたところ、案の定、日米が反対したようだ。
共同通信(2019.3.12)に

ナイロビで開催中の第4回国連環境総会(UNEA4)で協議している閣僚宣言案の修正版が12日、判明した。原案にあった、2025年に使い捨てプラスチックを廃絶するとの文言が消え「30年までに大幅に減らす」と表現が大きく後退した。

交渉関係者によると、欧州連合(EU)などは「廃絶」の表現を支持したが、米国などが反対し日本も支持しなかった。環境保護団体などからは「野心的な目標が失われた」と批判が出ている。

とある。
つまり、レジ袋も廃止ではなく、大幅に減らす、ということだろう。
国際社会の脱プラの波は、アメリカと日本が「防波堤」になっているようだ。

この会議に参加するため、ナイロビ行き飛行機に搭乗した国連職員が20人以上、墜落事故の犠牲になったとのこと。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

<出所>
共同通信(2019.3.12)「使い捨てプラ、閣僚宣言案が後退」
https://jp.reuters.com/article/idJP2019031201002204

共同通信(yahooヘッドライン)2019.3.12「使い捨てプラ、閣僚宣言案が後退 国連環境総会、米が反対」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-00000157-kyodonews-soci

共同通信(2019.3.13)「米反対、プラごみ決議骨抜き懸念」
https://jp.reuters.com/article/idJP2019031301001761

日本経済新聞(2019.3.12)「国連職員20人超が犠牲に エチオピア航空機墜落事故」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42333570S9A310C1000000/

拝啓JR東日本様 新素材もよいけれど、回収はしっかりね!

JR東日本が紙やプラスチックの使用量を減らすため、石灰石とプラスチックを混合した素材で、傘やポスターを作ることにしたとのこと。
それならば、必ず回収まで責任もってやってほしい。
ポスターは持ち歩かないものなので、回収は簡単にできるから、これまでのポスターのような古紙リサイクルルートではなく、当然石灰石のリサイクルルート?を使って回収・リサイクルするのだろうと推察する。
問題はビニール傘の代わりに作る石灰石とプラスチックを混ぜたLIMEX傘である。
傘はシェアリングサービスで、壊れてもリサイクルしてまた傘に戻すとのこと。
借りた人が、間違って自治体のプラスチックごみに出さないように、しっかりと確実に回収してほしい。
新素材はよいが、従来のリサイクルルートを壊すことのないよう、ポスターも傘も、紙やプラスチックとひと目で区別できるようにして、最後まで責任をもつべき。
日本は、生産者責任がきわめて曖昧な国なので、新素材を利用する際はくれぐれも注意し、既存のリサイクルルートに迷惑がかからないように配慮してほしいと願っている。

それにしても、最近あちこちでこの手のニュースを聞くが、石灰石のリサイクルルートは一体どこにできのだろうか?
また、これら石灰石はどこの山で採掘されたものかも気になる。
埼玉県の武甲山?それとも??
どこの山も、あまり削って欲しくない・・・
「脱プラ」は必要だが、代替品の開発より削減に力を入れないと、新たな環境問題が勃発しかねない。
「プラスチック公害」が、「代替プラ」公害に代わっては意味がない。
しかも、この新素材にはプラスチックも使われている。石灰石だけでできているわけではない。
JR東日本がこの素材を採用することで、本当にプラスチック使用量が減るのだろうか?

<出所>
日本経済新聞(2019.3.4)「脱プラ素材、鉄道駅に広がる JR東などがTBMに出資 」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42001020U9A300C1TJ2000/
PR TIMES(2018.11.6)「TBMが「JR東日本スタートアッププログラム2018」の「アクセラレーションコース」に採択」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000016815.html

カリフォルニア州立大学、水ペットボトルなど使い捨てプラスチックを廃止 2023年までに

カリフォルニア州立大学の23のキャンパスで、ストローや水入りプラスチックボトル、レジ袋など、すべての使い捨てプラスチックの使用と販売を廃止するとのこと。
代わりに再利用できるものや堆肥化可能なもの、またはリサイクル可能な製品を優先的に使用する。
2019年からプラスチック製ストローとレジ袋は廃止、2021年1月までに発泡スチロール製の食品容器を廃止。さらに2023年1月までに使い捨ての水入りペットボトルの販売と配布を中止する予定。
これらの方針は、カリフォルニア州の法律にあわせたものだとのこと。

カリフォルニア州といえば、アメリカで最も環境意識の高い州だ。
レジ袋を規制している自治体数が、全米で一番多い(JETRO資料によると、カリフォルニア州が140自治体でトップ、2番目はマサチューセッツ州が69自治体)。
昨年9月にはレストランでのプラスチック製ストローの提供を禁止する法案が成立した(2019年1月施行)。
ビスフェノールAなどの環境ホルモンにも厳しく、容器やフタから溶出するものは製品に警告ラベル「この製品により、先天性欠損症やその他の生殖障害を引き起こすことが知られる化学物質にあなたがさらされる可能性があります」などの表示をすることが義務付けられている。
規制のゆるい日本で暮らすには、どの製品に何が含まれているかを自分で調べ、自衛する必要がある。
しかし、カリフォルニア州のような州では、買い物時に表示などに気をつけるだけでよく、心穏やかに暮らせそうだ。

<カリフォルニア州立大学についての出所>
news wise(2019.2.7) CSU Says Goodbye to Single-Use Plastics;
https://www.newswise.com/articles/csu-says-goodbye-to-single-use-plastics?fbclid=IwAR3S1Xbu7mk4-sqFJsqhLi5EkD2b–4MfbAamEW4WElVVh40KnXTPULKsUg