アベノミクスならぬ「アベノマスク」と呼ばれているそうだ。各世帯に2枚ずつ配布予定の布製マスクのこと。
布製マスクは、危険性と効果を十分わかった上で、正しい使い方をするならば使ってもよいと思うが、過信したら大変なことになる。
子どもなどには逆効果で、かえって感染を広げることになるのではないか、と心配だ。
WHOも布マスクは「どんな状況でも勧めない」といっているそうだ(朝日新聞, 2020.4.2)。
感染症対策に、ガーゼマスクは役立たないことは100年前に日本でも指摘されていた。
『流行性感冒』には、
・粗製並製の「ガーゼ」のマスクは防御効果なし。
・談話の際に菌は四尺先まで飛んでいる。患者周囲の危険界は四尺。
・咳嗽(咳、くしゃみ)では十尺先まで飛ぶ。咳嗽患者周囲の危険界は最短十尺。
・マスクを使用することで、他の伝染経路(手の汚れ、不衛生な食物)をなおざりにする傾向がある。
などと書かれ、さらに「ガーゼへの吹き付け実験結果も出ている。ガーゼ2枚だけだと、菌が2680個残った。8枚でも850個。ガーゼ2枚に脱脂綿一枚だと191個に減った」などの文章もあるという(デイリーBOOKウォッチ, 2020.4.1より)。
安倍首相は、官僚の「布マスクで不安がパッと消えます」などという甘言に乗せられたという話(朝日新聞)もあるが、布マスクで不安が消える人などおそらく1人もいない。布マスクの効果が限定的なことは多くの人が知っている。
100億円以上使ってこんな無駄なバラマキをするくらいならば、もっとコロナ検査数を増やしてほしい。特に医療機関内に入ることなく検査を受けられるドライブスルー方式や、車を利用できない人のための窓口検査などの検査体制作りが、最重要課題ではないだろうか。
こういう検査方式ならば、検査する人もいちいち防護袋脱ぎ着することもなく、手袋だけをその都度使い捨てるだけなので、安全で効率がいい。
クラスター対策班の活躍が報道されているが、追いついているようには見えない。新型コロナかどうかわからない患者が病院へ行き、病院をクラスターにしているし、感染源の不明な患者も増えている。4日間熱が続かなければ検査は受けられないため、微熱があっても外出し、ウイルスをばらまいている。
病院へ行く必要があっても、感染が怖くて行くのを見合わせている人もいる。そういう人たちが手遅れになることがないように、早急に病院を早く「安全地帯」にしてほしい。
今の日本政府の新型コロナ対応は、耳障りのよい意見にだけ耳を貸し、右往左往しているように見える。
<参考>
デイリーBOOKウォッチ(2020.4.1)「「ガーゼマスク」は役立たない――100年前に指摘されていた!」↓
https://books.j-cast.com/2020/04/01011273.html
朝日新聞(2020.4.2)「布マスクは有効? WHOは「どんな状況でも勧めない」」↓
https://digital.asahi.com/articles/ASN424D52N42ULBJ003.html
朝日新聞(2020.4.2)「布マスクで「不安パッと消えます」 官僚案に乗って炎上」↓
https://digital.asahi.com/articles/ASN426G43N42UTFK00V.html?iref=pc_rellink_01