中国がついにすべての固形廃棄物の輸入を禁止すると発表した。前から予告されていたこととはいえ、来年からの古紙の行方が気になる。
日本は国内で発生する古紙の多くを国内でリサイクルしているが、国内では使い切れない分を輸出することで、これまで何とか古紙回収も回っていた。
しかし、海外への輸出分の半分以上が中国へ送られていたため、それを今後どうするかが問題になる。おそらく東南アジアに向かうだろうが、東南アジアは中国ほどは古紙を使い切れない。そのため、廃プラの二の舞になり、早晩、東南アジアからも古紙輸出を断られる可能性がある。
国内で使い切るためには、古紙利用率を上げるしかないが、既に板紙(段ボールなど)は極限まで古紙を使っている。オフィスペーパーなど、これまでほとんど古紙を使っていないジャンルに古紙利用を広げるしかない。
環境団体でさえ、バージンパルプ紙でチラシやリーフレットを印刷している。ネット印刷の場合、再生紙を指定できないためだ。指定できたとしても、価格が上がると言われ、よほど意識の高い団体でないと再生紙に踏み切れない。
本来、再生紙の方が価格は安いはず。それにも関わらず、なぜ印刷会社に頼むと値段が上がるのか。ロットの問題か、それとも印刷会社が再生紙を使いにくいと思っているためだろうか。
いずれにせよ、グリーン購入法も守っていない自治体がある昨今、すべての印刷用紙に最低守るべき古紙配合率の基準を決めるべきだ。そうすれば、誰もが再生紙を使いやすくなり、海外に輸出しなければならない古紙も減るのではないか。
もちろん、紙にも拡大生産者責任が必要だ。
<禁止についての出所>
XINHUANET(2020.11.27)China to ban all imports of solid waste from 2021
http://www.xinhuanet.com/english/2020-11/27/c_139547665.htm