プチ「脱プラ」宣言⑫トイレットペーパー「うれしいトレペ」

毎日使うトイレットペーパーには、誰しもこだわりがあるだろう。

シングル派、ダブル派、再生紙派、純パルプ派、芯あり派、芯なし派・・など。

他にも、付け替えが面倒なので長尺がよいとか、または購入時の1個当たりの単価重視で長さや質にはこだわらない・・などもありそうだ。

100m巻き、個包装なし、シングル、100個入りの「うれしいトレペ」を買った。雑がみ(雑古紙)からできた無漂白トイレットペーパーだ。

プラスチックのパッケージがないので、12ロール入りなどを買うより気分がいい(ただし、段ボールを止めてある2本のPPバンドのみプラスチック)。

使用後にリサイクルもできないトイレットペーパーは、捨てられてしまう雑古紙で十分、しかも色が悪くてもよい、との思いで、このトレペが開発された約20年前から、ずっと愛用している。

1ケース買うと数年はもつので、棚のデッドスペースにギュッと圧縮して詰め込む。潰して棚に入れると、通常より約2倍収納でき、ホルダーに取りつける時に手で押せば元の形に戻る。

これで何があっても(例えば、災害や、かつてのオイルショックのようなことがあっても)、トイレットペーパーだけには困らない。

経済産業省でも、トイレットペーパーの備蓄を推奨している↓

経済産業省ウェブサイト(2019.8.30)「トイレットペーパーを備蓄しましょう!」

https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190830006/20190830006.html

写真(チラシ)は、芯なしトレペ100m巻きと65m巻きの50個入りと100個入りの送料込みの価格表。個包装付きのタイプは、これに1個当たり1円がプラスになる。

80個入りも用意されている。

詳しくは(チラシ)↓

うれしいトレペ.両面

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クラレの生分解性プラ、エコ商品かも?

クラレは生分解性プラスチック事業の売上高を2026年に19年の5倍に引き上げる計画。

クラレの生分解性プラスチック「プランティック」は植物由来。今はまだ他の樹脂と組み合わせた積層フィルムだが、今後は、紙に単層のプランティックを貼り合わせた包装材料の販売拡大を急ぐとのこと。

紙に単層の生分解性プラを貼り合わせたものならば、堆肥化にも向きそうだ。

堆肥化が進まない日本では売れないかもしれないが、堆肥化の進む欧米などには売れそう。

原料の調達先が環境配慮型の生産体制かどうか、また使用する添加剤は問題のないものか、などにもよるが、「エコ商品」といえるかもしれない。

<参考>

日本経済新聞(2019.9.18)「生分解性プラ売上高 26年に5倍 クラレ、海外販売に力」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49922630Y9A910C1TJ3000/

ハワイ、発泡スチロール製容器の禁止/使用状況

アメリカでは、発泡スチロール製容器を禁止する自治体が増えている。

例えば、ハワイ島では今年7月1日からテイクアウト用の発泡スチロール容器がすべて(皿、コップ、ボウルなど)禁止された。

マウイ島では2018年末から禁止されている。ホノルルのあるオアフ島でも禁止が検討されているようだが、まだ禁止されたとは聞かない。

そのため、使用がまだ続いているのだろうと思っていたが、最近ホノルルへ行った人の話では、ガーリックシュリンプ丼のどんぶりが発泡スチロール製から紙製に変わっていたとのこと。

タレの容器は相変わらずプラスチック製だったそうだが、全体的にみて、確実に変わってきたようだ。

例えば、ジュースの容器はBPI(生分解性プラスチック)マーク入りが増え、ストローは紙製や金属製だったという。

アメリカでは、連邦政府は脱プラに消極的だが、州・自治体レベルは頑張っているようだ。

<参考>

日刊サン(2018.3.18)「発泡スチロール容器禁止法案に進展」

https://www.nikkansan.net/news/発泡スチロール容器禁止法案に進展/

日刊ローカルニュース(2019.7.2)「ハワイ島で発泡スチロール容器禁止案がスタート」

https://www.aloha-street.com/local_news/2019/07/02/326105/

 

熊本市、有料レジ袋の代わりに市指定ごみ袋を販売

以前から有料化協定により、レジ袋を有料化している熊本市で、新たな試みが始まった。

1枚3円の有料レジ袋の代わりに、市指定ごみ袋を1枚12円でバラ売りする、というものだ(10枚120円のごみ袋)。

韓国でも以前からやられている方式で、たまたまマイバッグを忘れた人や、急に思い立って店に立ち寄った人に好評な方法だ。

市は3カ月ほど実施し、対象店舗の拡大や指定ゴミ袋の大きさなどを検討する方針とのこと。

<参考>

TKU(2019.9.20)「プラスチックごみ削減へ 指定ごみ袋をレジ袋代わりに販売 実証実験」

https://www.tku.co.jp/news/プラスチックごみ削減へ%E3%80%80指定ごみ袋をレジ袋代/

 

レジ袋、有識者会議の傍聴受付中 全店舗対象だが小規模店には猶予も

来春からのレジ袋有料化を検討する有識者会議が開催される。

第1回目は9月26日9時半からとのことで、現在傍聴を受け付けている。申込みは下記から24日14時までに↓

https://wwws.meti.go.jp/interface/honsho/committee/index.cgi/committee/28525

「産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会レジ袋有料化検討ワーキンググループ」で、今から「関係者ヒアリング」をするらしい。

それにしても、今さら関係者ヒアリングとは??

もし、有力な「関係者」が「うちは有料化ではなく、単なる価値付けで。レジ袋辞退者にポイントを付与する」などと主張したらどうするのだろうか。

気になるところだが、おそらく既にヒアリングは済んでいて、みんなの前で最後の仕上げをするだけなのだろう。

とにかく、正直に有料化する店が不公平にならないように、最低金額や対象店、有料化するレジ袋の範囲なども含めて、きちんと決めてほしい。

<追記>

NHKによると、レジ袋は全店舗対象だが、小規模店には猶予期間があるとのこと。価格は小売店がそれぞれ勝手に決めてよいそうだ(これでは法制化した意味がないのでは?)。

また、生鮮食品などの薄い小袋は対象外とのことで、残念だ。

NHK(2019.9.21)「レジ袋 原則全店で有料化 生鮮食品などの薄い小袋は除外へ」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190921/k10012092721000.html

<参考>

経済産業省ウェブサイト↓

https://wwws.meti.go.jp/interface/honsho/committee/index.cgi/committee/28525

毎日新聞(2019.9.19)「レジ袋有料化で有識者会議設置へ 年内結論、来年度義務づけ目指す」

https://mainichi.jp/articles/20190918/k00/00m/040/192000c?fm=mnm

 

 

 

中国のレジ袋、有料化から11年、400万トン超え?!

中国は、昨年でレジ袋規制から10年を経過し、合計で140万トン減ったということだった。

http://japanese.china.org.cn/life/2018-06/11/content_51982105_0.htm

しかし、最近のニュースでは、レジ袋は400万トン超えとのこと。

中国のレジ袋規制は、0.025ミリメートル以下の薄いレジ袋の禁止と、禁止されないレジ袋の有料化(1枚約3.4円)だ。

やはり有料化は効果が限定的で、日本でも5円程度では一時は減っても、すぐに回復しそうだ。

実際、昨年から有料化している近所のスーパーでも、5円出してレジ袋を購入している人をよく見かける。

日本では来春から有料義務化を決めているが、「レジ袋禁止」も視野に、削減率目標値を決めておかないと、有料化の削減効果はすぐになくなりそうだ。

<参考>

亜州IR・中国株情報(2019.9.12)「中国:「使い捨てプラ規制」効果限定、ビニール袋消費400万トン超え」

http://ashuir.com/中国:「使い捨てプラ規制」効果限定、ビニール/

AFP(2018.1.27)中国、ビニール袋などの規制10年 効果は?

https://www.afpbb.com/articles/-/3159908

Japanese.china.org.cn(2018.6.11)「「レジ袋制限令」のさらなる推進、全社会の行動が必要に」

http://japanese.china.org.cn/life/2018-06/11/content_51982105_0.htm

インド国営航空、機内での使い捨てプラを禁止 印amazonも脱プラ

2022年までに使い捨てプラスチックを廃止すると表明するインドは、脱プラ政策を加速させている。

インドの国営航空エア・インディアが、機内での使い捨てプラスチック製品の使用を10月2日から禁止すると発表した。

また、amazonのインド法人も、2020年6月までに包装材への使い捨てプラを中止するそうだ。

日本のamazonの似姿を見ると、商品がプラスチックフィルムでギリギリと段ボールに固定されている。おかげで緩衝材を使わずに済んでいるが、段ボール箱とプラスチックフィルムが使われている。

日本が脱プラを鮮明にしたら、日本のamazonも変わるだろうか。

ドイツでは何度も使える「通い箱」に商品を入れて、配送する通販会社もあるそうだ。

<出所>

JETRO(2019.9.12)インドのプラスチック規制、民間企業も追随

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/15a5ea6ca78eb967.html

スロバキアも飲料容器デポジット制度を導入、2022年から

欧州連合(EU)では、今年に入ってから飲料容器のデポジット制度を検討する国があとを絶たない。

スロバキアでも2022年から制度をスタートさせるようだ。

対象はペットボトルと缶。

ペットボトルのデポジット(保証金)は0.12ユーロ、缶のそれは0.10ユーロのようだ。

スロバキア人の86%が、このデポジット制度に賛成しているとのこと。

システム導入にあたり8000万ユーロの費用がかかると試算されている。これは「汚染者負担の原則」で生産者と売り手が支払うべきで、公的資金は使われるべきではない、という。

“The costs of the deposit return scheme should be shouldered by those who profit from the sale of drinks,” Miloš Veverka and Daniel Lešinský of CEPTA said, as quoted by SITA. This means sellers and producers ought to pay since the scheme represents the “polluter pays” principle in reality.

税金でせっせとペットボトルを回収した挙げ句、環境省までもがコンビニ店頭に設置する自動回収機に補助金を出す日本とは大違いだ、と感心している。

日本の環境政策は、産業界寄りの政治家により歪められ、産業界への「忖度」で溢れている。

<出所>

THE SLOVAK SPECTATOR(2019.9.11)Slovakia will introduce a deposit scheme for PET bottles and cans in 2022;

https://spectator.sme.sk/c/22210435/slovakia-will-introduce-deposits-on-pet-bottles-and-cans-in-2022.html

 

フィリピン、コメとプラごみを交換、蚊と米を交換する自治体も、ネスレなどはリサイクル工場を建設

フィリピンの新しい政策が面白い。

プラごみ2kgをお米1kgと交換してくれるそうだ。

お米1kgは約76円とのことなので、プラごみ1kgは38円相当か。

集まったプラごみは政府により適切にリサイクル・処分される。

確かフィリピンは、大気汚染防止法により、焼却施設の建設を禁止していた。今でもそれが続いているとすると、リサイクルできる廃プラはよいとしても、リサイクルに向かない廃プラはどのように処分するつもりだろうか。

プラスチック製ストローやカップなどの店内提供は既に規制されているようだが、おそらくそんな程度ではフィリピンのプラごみはどうにもならない。

グローバル企業が日用品などの販売を通してもたらす膨大な量のプラスチック製容器包装に、フィリピン政府は今後厳しい規制をかける可能性がある、などと考えていたところ、ふと先日の新聞記事(日経2019.9.10、デジタル版は2019.9.9)を思い出した。

ネスレなど12社が、年内に廃プラのリサイクル工場をフィリピンに作るという記事だ。

確かにそうでもしないと、プラスチックで包装された製品を売り続けたい企業は、フィリピンでは生き残れない。

これからどうなるか、しばらくフィリピンから目が離せない。

(追記)

まにら新聞によると、フィリピンには蚊200匹と米1kgを交換する自治体もあるようだ。

まにら新聞(2019.9.14)「プラごみ2キロや蚊200匹をコメ1キロと交換するバランガイが登場」

http://www.manila-shimbun.com/category/society/news246982.html

<参考>

REUTERS(2019.9.13)プラごみをコメと交換、フィリピンで開始 貧困対策にも

https://jp.reuters.com/article/plastic-waste-idJPKCN1VY08I

日本経済新聞(2019.9.9)「フィリピン、プラごみ強硬姿勢 世界大手に対策迫る ネスレ、P&G、ユニリーバなど」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49583610Z00C19A9FFE000/

 

小泉環境相、どうする?原発、レジ袋

ようやく原発に反対する(少なくとも推進しない)環境大臣が誕生した。

推進する勢力とどこまで闘えるか、楽しみだ。頑張って欲しい。

また、来春にひかえたレジ袋有料化も詳細はまだ決まっていない。

容器包装リサイクル法(容リ法)の枠内で有料化するのは簡単だが、そうすると深く切り込むことはできない。

「容器包装」としてカウントされる「プラスチック袋」は一部に過ぎないためだ。

まともに減らためには、「プラスチック袋法」を考える方が良い。

例えば、新聞整理袋やかさ袋、スーパーの薄い小袋(サッカー台などにロール状で置いてある)、郵便プラ袋(ダイレクトメールやカタログなどが送られてくる袋)などは容リ法の対象ではない。

この際、不必要なプラ袋(代替品が他にいくらでもあるようなもの)はすべて減らしたい。

地球温暖化対策も待ったなしだ。石炭火力やパーム油発電にも大ナタを振るって欲しい。

小泉環境相の手腕に期待している。

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