生分解性プラの添加剤がミジンコの毒に

生分解性プラスチックはミジンコの死亡率を上昇させたり、子どもを減少させたりするようだ。

宇都宮大学の研究グループが、プラスチックに添加されるカルボジイミド化合物が、ミジンコに毒性を示すことを発見、米科学誌「Journal of Applied Toxicology」に発表した。

一般的な生分解性プラスチックであるポリカプロラクトン(PCL)の未分解の粒子は、ミジンコの消化管につまり、生存率を低下させる。またモノマーやオリゴマーに分解されていれば、そのようなことはなかったそう。

さらに、PCLなどのプラスチックを生産する際に、その安定性を高めるために添加されるカルボジイミド化合物の毒性を、同様にミジンコを用いて調べた結果、0.1〜1 mg/Lの濃度でほとんどのミジンコを死滅させるという比較的強い毒性を示したとのこと。

生分解性プラスチックは、やはり無闇に使わない方がよさそうだ。

<出所>

https://analyticalsciencejournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jat.4516

北海道の新雪からマイクロプラ見つかる

北見工業大学の研究グループが一昨年から今年2月にかけて、世界遺産の知床五湖や大雪山系の旭岳、釧路湿原など、道内の8つのエリアの新雪を採取して調べたところ、すべての場所からマイクロプラスチックが検出されたとのこと。

ポリエチレンなどで、0.06ミリメートル以下のものが中心だったという。

交通量の多い場所では、タイヤのゴムが削れて出来たと思われるものも検出された。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230721/7000059351.html

もしかすると、ポリエチレンは人工芝で、タイヤのゴムらしきものはゴムチップかも?

PFASについての日経の社説、認識不足では?

PFASに関する日経の今日の社説「PFAS汚染の実態把握急げ」を読んで驚いた。

「欧州ではPFAS全体に広く網をかけ、米国は口に入る食品包装などに絞って規制する。日本は健康への影響を調べるとともに、代替物質や無害化技術の開発状況を見極める必要がある。足りないのであれば、技術開発を支援すべきだ。漏出対策を徹底できるなら、それを条件に使用を認めてもよいのではないか。規制によって社会が混乱するのは避けたい。幅広く意見を聞きながら、規制の姿を探ってほしい。」

とのこと。

「規制によって社会が混乱するのは避けたい」とはどういうことか。

PFAS汚染は、泡消火剤や半導体工場などからの漏出だけが原因ではない。PFASは食品包装や人工芝などのプラスチック製品のほか、化粧品や繊維、焦げ付き防止機能付きのフライパンなどにも使われている。

代表的なPFOSやPFOAは危険性が明らかになり禁止されたが、代わりに使われている他のPFASも危険だと多くの専門家が指摘している。

漏出対策だけで済ませるよりも、抜本的なPFAS使用規制の方が、社会の混乱は抑えられるはずだ。

「アメリカは口に入る食品包装などに絞って規制する」ということだが、これも間違いだ。ニューヨーク州では衣類や屋内で使う人工芝などのPFASも禁止するし、カリフォルニア州でも衣類や化粧品のPFASを禁止する。

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230427#:~:text=2023年3月24,が承認されました%E3%80%82

ハワイ州でも食品容器だけでなく、化粧品のPFAS禁止を決めている。

ハワイ州では2026年12月31日に発効する。

https://insights.tuv.com/jpblog/chem-202334

この社説はPFAS汚染を甘く考え、規制しない方向へ読者を誘導している。

神宮外苑再開発の住民向け説明会、今夕から始まる

再開発エリアから380メートル以内の住民限定の説明会が今日の午後6時半から始まる。都民限定ならばまだわかるが、ごく狭いエリアに限定された説明会はほとんど嫌がらせに見える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c0d407252b5021a715589937561ef0a59abc0dfc

これほど反対する人が多いにも関わらず、小池都知事は再開発に対する考えを覆す気はないようだ。

かつて環境大臣をやっていたこともあり、「環境の小池」などと呼ばれた時代もあった都知事だが、これほど環境に悪いことをやる都知事も珍しいのではなかろうか。多分、歴史に残る。

再開発に反対する人たちの作った「神宮外苑まちづくり 不都合な実像」も今日から公開された。

「この巨大プロジェクトをもっとリアルに実感できるように、米国の建築設計事務所“バーマンデザイン”(Berman Architecture.com)に、開発の前と後のCGモデルの作成を依頼」したとのこと。

映像で開発の「ビフォー」「アフター」が実感できる。

5省庁が「香害ポスター」を改訂。それよりもムダに強い香り付き製品を禁止すべき

5省庁の香害ポスターが改訂された。

従来のポスターは、「その香り困っている人がいるかも?」という馬鹿げたものだった。いるかも?ではなく、多くの人が確実に困っていたにも関わらず・・。

それがようやく「その香り困っている人もいます」と断定された。

本来は「その香りで多くの人が困っています。だから使ってはダメ」とすべきところだし、5省庁が揃ってポスターを作るよりも、禁止を含めた規制を早急に考えるべきだ。

一部メーカーの利益と、強い香りに無頓着な(あるいは匂いに慣れてしまった)人のために、なぜ多くの人がガマンを強いられるのか、本当に理解できない。

少なくとも、誰の身体にとっても良くないマイクロカプセル入りの製品は禁止すべきだ。「香り長持ち」=「毒性長持ち」だから、禁止は多くの人にとって福音となるはず。

きっと何年か後には、「昔はこんなバカげたものを使っていたのよねー、怖いねー」と笑う日が来るはず。

金魚やニジマスも人工芝充填材(ゴムチップ)を食べている

多くの商業魚がマイクロプラスチックを食べていることがわかっている。

最近では、食物連鎖を調べるため、マイクロプラスチックで汚染した農地でレタスを栽培し、それを昆虫に食べさせ、その昆虫を魚の餌とすることで、魚にもマイクロプラスチックが蓄積する実験も行われた。

では、人工芝に充填されるゴムチップはどうなのだろうか?

国際基督教大学などの実験によると、ニジマスなどの肉食魚も、人工芝グラウンドから流出するゴムチップを食べてしまうそうだ。

実験に使われたゴムチップは実際に大学の人工芝グラウンドで使われていたもので、自動車用タイヤやワイパー、窓枠を作製する際に出る余材を細かく粒子状にしたものだ。

比重は1.28あり、水に沈むタイプだ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkshs/56/1/56_13/_pdf/-char/en

また、金魚もゴムチップを食べることが発表されている。金魚の腸から、ゴムチップが見つかった。

https://www.nature.com/articles/s41598-023-28672-3

いくら流出防止のためのガイドラインを作っても、人工芝グラウンドからゴムチップの流出を完全に止めることは不可能だ。

たとえ、食べたゴムチップを魚が排泄したとしても、ゴムチップには多種類の有害化学物質や重金属が添加されている。魚にそれらが蓄積することで、生態系への影響は計り知れない。

相模原市内でも近年、新たに人工芝グラウンドが作られ、さらに軟式野球場の人工芝が敷設されようとしているが、そんなに必要なものだろうか。

相模原市にもようやくウォーターサーバー設置

いまだに「レジ袋削減」以外の脱プラ方針を打ち出せずにいる相模原市だが、ようやく市役所本庁舎にウォーターサーバーを設置した。

マイボトル専用のため、当然紙コップなどは置かれていない。

これで安心してマイボトルを持って、市役所方面に出かけられる。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/recycle/1026493/katei/1019736.html

本庁舎だけでなく、他の公共施設にも設置してほしい。

それと、傘の雫とりも早く設置してほしい。

いまだに中央図書館の入り口には、雨天時に使い捨ての傘袋が置かれていて恥ずかしい。

えびせんから大量のマイクロプラ。原因は不明

韓国のえびせん「セウカン」とカニ風味スナック「コッケラン」から、多量のマイクロプラスチックが検出されたそうだ。

混入原因はわかっていないが、「セウカン」から1グラム当たり13個のマイクロプラスチックが検出されたとのことなので、それほど多量というわけでもないような?

一般的なサイズ(1袋90グラム入り)のセウカンであれば、1袋に1170個のマイクロプラスチックが入っていることになるという。

おそらく日本の駄菓子からもこの程度のマイクロプラスチックは検出される気はするが、原因は海産物だろうか?それとも工場の空気がマイクロプラスチックで汚染されていたせいか。

もし後者だとしたら、その原因は何だろう?リサイクル工場などもある工場団地のようなところならば、製造工程に高性能の空気清浄機が必要かもしれない。

生活クラブ生協で量り売り石けん販売、4店舗目

生活クラブ生協の「デポー浦安」で液体けっけん類の量り売りを開始した。東京の「デポー石神井」、神奈川の「つなしまデポー」と「ちがさきデポー」に次いで4店目とのこと。

「デポー浦安」で量り売りをするのは、ハンドソープ、ボディシャンプー、キッチン用液体せっけん、洗濯用液体せっけんに加え、生活クラブ千葉独自品の台所用液体せっけんおれんじ、お風呂洗い用せっけんの6品目。

生活クラブ生協には入っていないけれど、もし近所に量り売りの店ができたら、ぜひ買いに行きたいと思う。詰め替え用パウチなど使いたくないと思うと、罪悪感なく液体石けんを使うには、量り売りで買うしかない。

ニュージーランドで、薄いプラ袋も禁止

ニュージーランドでは2019年からレジ袋を禁止しているが、さらに生鮮食品などを入れる薄手の袋も禁止された。

スーパーなどで使われていたものだ。7月1日から正式に施行された。

ニュージーランドのジェームズ・パーマー環境長官は、この新しい禁止措置により、毎年1億5000万枚のプラスチック製青果物袋が流通からなくなると見込んでいるとのこと。

フランスでは既に大分前から行われていた措置だ。今後ますます後に続く国が増えそう。

日本ではいまだにレジ袋有料化にさえ踏み切れず、無料配布をサービスだと勘違いして法律の抜け穴を利用し無料配布しているスーパーや家電量販店があるが、恥ずかしい限りだ。

<ニュージーランドについての出所>

https://www.npr.org/2023/07/03/1185758479/new-zealand-single-use-plastic-produce-bag-ban-grocery-stores