PFASに関する日経の今日の社説「PFAS汚染の実態把握急げ」を読んで驚いた。
「欧州ではPFAS全体に広く網をかけ、米国は口に入る食品包装などに絞って規制する。日本は健康への影響を調べるとともに、代替物質や無害化技術の開発状況を見極める必要がある。足りないのであれば、技術開発を支援すべきだ。漏出対策を徹底できるなら、それを条件に使用を認めてもよいのではないか。規制によって社会が混乱するのは避けたい。幅広く意見を聞きながら、規制の姿を探ってほしい。」
とのこと。
「規制によって社会が混乱するのは避けたい」とはどういうことか。
PFAS汚染は、泡消火剤や半導体工場などからの漏出だけが原因ではない。PFASは食品包装や人工芝などのプラスチック製品のほか、化粧品や繊維、焦げ付き防止機能付きのフライパンなどにも使われている。
代表的なPFOSやPFOAは危険性が明らかになり禁止されたが、代わりに使われている他のPFASも危険だと多くの専門家が指摘している。
漏出対策だけで済ませるよりも、抜本的なPFAS使用規制の方が、社会の混乱は抑えられるはずだ。
「アメリカは口に入る食品包装などに絞って規制する」ということだが、これも間違いだ。ニューヨーク州では衣類や屋内で使う人工芝などのPFASも禁止するし、カリフォルニア州でも衣類や化粧品のPFASを禁止する。
ハワイ州でも食品容器だけでなく、化粧品のPFAS禁止を決めている。
ハワイ州では2026年12月31日に発効する。
https://insights.tuv.com/jpblog/chem-202334
この社説はPFAS汚染を甘く考え、規制しない方向へ読者を誘導している。