多くの商業魚がマイクロプラスチックを食べていることがわかっている。
最近では、食物連鎖を調べるため、マイクロプラスチックで汚染した農地でレタスを栽培し、それを昆虫に食べさせ、その昆虫を魚の餌とすることで、魚にもマイクロプラスチックが蓄積する実験も行われた。
では、人工芝に充填されるゴムチップはどうなのだろうか?
国際基督教大学などの実験によると、ニジマスなどの肉食魚も、人工芝グラウンドから流出するゴムチップを食べてしまうそうだ。
実験に使われたゴムチップは実際に大学の人工芝グラウンドで使われていたもので、自動車用タイヤやワイパー、窓枠を作製する際に出る余材を細かく粒子状にしたものだ。
比重は1.28あり、水に沈むタイプだ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkshs/56/1/56_13/_pdf/-char/en
また、金魚もゴムチップを食べることが発表されている。金魚の腸から、ゴムチップが見つかった。
https://www.nature.com/articles/s41598-023-28672-3
いくら流出防止のためのガイドラインを作っても、人工芝グラウンドからゴムチップの流出を完全に止めることは不可能だ。
たとえ、食べたゴムチップを魚が排泄したとしても、ゴムチップには多種類の有害化学物質や重金属が添加されている。魚にそれらが蓄積することで、生態系への影響は計り知れない。
相模原市内でも近年、新たに人工芝グラウンドが作られ、さらに軟式野球場の人工芝が敷設されようとしているが、そんなに必要なものだろうか。