市販弁当をレンチンすると「心不全リスク」が上昇

コンビニや弁当店で売られているプラスチック容器入りの弁当を、そのまま電子レンジにかけると心不全のリスクを高める可能性のあることが中国の研究でわかった。

以前、名古屋市立大学の研究で、市販弁当を週に一回以上食べる人は死産リスクが2倍以上上昇するという結果があり、話題になった。悪影響は妊婦にとどまらないようだ。

中国国内の高齢者約3000人を対象に、プラスチック容器を使用する頻度と心疾患の発症率を比べた結果だ。

弁当や食事の際に使用する容器にプラスチックを利用する人はうっ血性心不全のリスクが有意に高かったという。

また、ラットを使った実験でも、プラスチック容器に沸騰したお湯を入れ、それぞれ数ヶ月飲ませたところ、ラットの腸内細菌そうが変化し、心筋組織も損傷が見られた。

レンチンによりマイクロプラスチックと一緒に化学物質が発生した結果だろうか。

元論文↓

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0147651324014593?via%3Dihub

日本語記事↓

https://news.goo.ne.jp/article/nazology/world/nazology-170816.html

冷凍食品を容器ごとレンチンすると、細胞毒性が上昇

最近発表された香港城市大学の研究によると、プラスチック容器を冷凍したりレンチンするのは危険なようだ。特に冷凍したポリスチレン容器を電子レンジにかけると、大量のマイクロプラスチックを放出するという。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0304389425004534

マイクロプラスチックの毒性試験をしたところ、細胞毒性は冷凍食品容器由来のマイクロプラスチックでより顕著だったという。細胞生存率が有意に低下した。

マイクロプラスチックが細胞内に取り込まれることで、酸化ストレスや炎症反応が引き起こされ、細胞死に至った可能性がある。

冷凍食品を自然解凍した場合の発生量などは不明だが、冷凍食品をそのままレンチンするのは危険なようだ。プラスチックを低温と高温の両方にさらすことで、プラスチックの劣化が進むらしい。

以下、機械翻訳

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食品容器から放出されるマイクロプラスチックの細胞内毒性評価の要点

• 食品容器からのマイクロプラスチックの放出および潜在的な細胞毒性がテストされました。
• PP(ポリプロピレン)およびPS(ポリスチレン)の各食品容器は、抽出後に100,000から260,000のプラスチック粒子を放出しました。
• マイクロプラスチックの細胞毒性は、用量依存的な細胞生存率の低下を示しました。
• 冷凍保存されたPS食品容器は、最も顕著な細胞反応を示しました。
• 食品包装におけるマイクロプラスチックのリスクを軽減するためには、規制措置が必要です。

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マイクロプラスチック汚染と消費行動

メリーランド大学の最近の研究によると、大気汚染と消費行動は関連性があるそうだ。買い物による満足感で、空気の質の悪さによって引き起こされる不快感を払拭しようとするため、金遣いが荒くなるらしい。

https://today.umd.edu/study-consumer-spending-rises-with-air-pollution

ということはマイクロプラスチック汚染のひどい日は、無駄遣いが増える可能性が高い。消費者にとっては踏んだり蹴ったりの日だが、石油や天然ガスを「掘って掘って掘りまくれ」というトランプや、イーロン・マスクのような資本家にとっては、儲かる日なのだろうか。

ルーマニアのデポジット制度、14ヶ月でめざましい変化

2023年11月30日に開始されたルーマニアのデポジット制度はうまくいっているようだ。

ある記事によると、

• 35億個以上のパッケージが収集された
• 230,000トン以上の再生材料がリサイクルのために転用
• デポジット制度のために設立された7つのセンター
• 800以上のグリーンな雇用が創出され、地域経済とコミュニティを支援
• 2024年10月には、84%の記録的な回収率

とのこと。

まずは良かった!

出典↓

https://www.wastedive.com/press-release/20250210-first-14-months-of-romanias-deposit-return-scheme-marked-by-success/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202025-02-10%20Waste%20Dive%20Newsletter%20%5Bissue:70316%5D&utm_term=Waste%20Dive

オサガメのお腹からプラシートとお茶PETのラベル

福井県美浜町の海岸に死んで打ち上げられた絶滅危惧種のウミガメ「オサガメ」の体内から、1メートルあまりのプラスチックシートとペットボトルのラベルが見つかった。

ラベルは国産のお茶のペットボトルで、ブランド名もはっきりわかる。好物のクラゲと間違えて食べたのだろうか。

https://digital.asahi.com/articles/ASSDM4DB8SDMULBH004M.html?iref=pc_photo_gallery_bottom

ペットボトルからラベルが勝手に剥がれることはほとんどないため、誰かが剥がしたラベルが回収ルートから環境中に漏れだし、海へ流れ出したのかもしれない。

前々から苦々しく思っていたが、日本ではラベルを剥がすことがまるで良いことのように宣伝されている。リサイクルしやすくするとして、そのように「教育」されるが、ラベルを剥がせばラベルはごみ回収から当然漏れ出しやすくなる。

しかも、剥がされたラベルは他の雑多なプラごみと一緒くたになるため、質の高いリサイクルがなされるか疑問だ。

デポジット制度を導入している国では、返却前のボトルからラベルを剥がすことは禁じられている。ラベルを剥がすとペットボトルの由来がわからなくなるため、デポジットは返金されない。ラベルを剥がさなくとも、当然きちんとリサイクルはできている。

日本のこのラベル剥がしのおかしな習慣は一体誰のためのものなのか、いつも疑問に思う。

国際プラ条約、合意できないまま閉幕

韓国・釜山で開かれていた国際プラスチック条約会議。

期待していたにも関わらず、合意できないまま閉幕した。日本の姿勢は終始消極的で、参加国の半数以上が賛成していたプラスチック生産を削減することにも賛成しなかった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD301N40Q4A131C2000000/

これではまるで、日本が産油国などと足並みを揃えたように見える。とても恥ずかしい。

プラスチックは地球の三大危機に直結することが報告されている。気候変動、生物多様性喪失、汚染だ。地球環境あっての経済だということを、日本は理解していないのだろうか。

昨夜遅く(今朝早く?)グリーンピースが、声明を発表した↓


国際プラ条約、プラ生産規制に日本賛同せず

韓国・釜山で今行われている国際プラスチック条約会議。条約には「プラスチック生産規制」を盛り込まないと意味がない。

しかし、グリーンピースによると、昨日生産規制に賛同する80ヶ国以上が提案書を提出したが、日本は賛同しなかった。

高野心連合に早くから参加し、日本よりも環境に熱心なはずの韓国も参加しなかったようだ。

参加した国は、EU加盟国と英国、オーストラリア、ニュージーランドやノルウェー、フィンランド、スイス、フィリピンのほか、アフリカ各国や南米、島嶼国など。

詳しくは↓

ロサンゼルス郡、コカコーラとペプシコを提訴 プラ汚染の責任を追及

米ロサンゼルス郡がコカ・コーラ社とペプシ・コーラ社を訴えた。

「プラスチック汚染が環境と公衆の健康に悪影響を与えることへの責任と、プラスチック飲料容器のリサイクル可能性を公衆に誤解させたこと、そしてプラスチック飲料容器の使用に関連する重大な環境および健康被害を開示しなかったこと」がその理由だ。

https://lacounty.gov/2024/10/30/la-county-sues-pepsi-and-coca-cola-over-plastic-beverage-pollution-and-deceiving-public-on-plastic-recycling/#:~:text=Los%20Angeles%20County%20filed%20a,their%20failure%20to%20disclose%20significant

詳しく知りたいと他の記事を探したところ、韓国メディアが日本語の記事を出し、業界団体のコメントを載せていました。

https://www.mk.co.kr/jp/world/11156486

日本でもこの手の訴訟が増えると、日本の人々ももっとペットボトルを警戒するようになるかもしれない。

少なくとも、日本人もあのペットボトルの回収率やリサイクル率の「大本営発表」をもっと疑うべきだ。

目からマイクロプラ検出 マイクロプラは目の健康にも影響か

目からマイクロプラスチックが検出された。

49人の目の硝子体(しょうしたい)を調べたところ、合計8543個の粒子が見つかった。このうち、1745個が主に50㎛未満のプラスチック粒子として特定されたという。

見つかったマイクロプラスチックは、ナイロン66が最多で、次いでポリ塩化ビニル、そしてポリスチレンが多かった。

マイクロプラは、目の健康リスクに関わっているそうだ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969724012488

PFASとマイクロプラスチックの組み合わせで、毒性がパワーアップ:英研究

英バーミンガム大学の研究チームが新たな研究を発表した。マイクロプラスチックとPFASがミジンコに与える影響を調べたのだ。

その結果、マイクロプラスチック単独でもPFAS単独でもミジンコにとって有害だった(PFASの方が有害性が強かった)。

しかし、マイクロプラスチックとPFASを一緒にミジンコに曝露させると、単独のときよりも毒性が増した。しかも、複合効果は41%が「相乗的」とのこと。

つまり、ミジンコにとってマイクロプラの毒性が5,PFASの毒性が10だとすると、一緒に与えることでミジンコは15の毒性による影響を示すと考えられるが、それ以上の影響を示したということだ。

ミジンコは、成長が遅くなり、生殖への影響もでた。さらに、生存率も低下した。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0269749124018505?via%3Dihub

まさに「複合汚染」だ。

少し前に中国の研究で、湖にマイクロプラとPFASがセットで存在するという報告があったが、マイクロプラはPFASを引き寄せ、毒性をパワーアップさせているようだ。

この実験で使用したマイクロプラスチックはPET粒子、PFASはPFOSとPFOAだ。一般にPETの化学物質吸着能力は、ポリエチレンやポリプロピレンに比べ低いとされている。この実験では吸着させて与えたわけではなく、単に一緒に与えただけのようだが、もしかすると、PETの代わりにポリエチレンなどを使った方がより毒性がパワーアップしたかもしれない。

いずれにせよ、このままPFASとプラスチックをを使い続けると、ミジンコが激減し、ミジンコを餌にしていた生物も減り、生態系が大きなダメージを受けることは確かだ。