相模原市の人権意識は?残念な人権条例案。パブコメ募集中

相模原市では2016年、障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が死傷される事件が起きた。市長は「多様な生き方が受け入れられ、誰一人取り残されずに幸せな相模原」を掲げ、差別解消をめざす条例の制定を公約してきたというが、どうも尻すぼみで終わりそうだ。

審議会が素晴らしい答申をあげたにも関わらず、出来上がった条例案は適用する差別の種類が少ない上、罰則もなかった。

そのため、『「津久井やまゆり園事件を考え続ける会」や「反差別相模原市民ネットワーク」など4団体は27日、担当課に抗議と修正を申し入れ、一般社団法人「神奈川人権センター」も同日、答申に沿う内容とするよう求める声明を発表した』そうだ(朝日デジタル2023.11.30)。

https://www.asahi.com/articles/ASRCY7DCCRCYULOB00D.html

このままでは「残念な」人権条例案になってしまうと弁護士も指摘している。「離脱した英国を含む全ての欧州連合(EU)加盟国には差別禁止法と差別救済を目的とする平等機関がある。米国、カナダにも公民権法、人権法や平等機関がある。林弁護士によると、「主要7カ国(G7)の中で、差別禁止法も平等機関も存在しないのは日本だけ」なのだという(東京新聞2023.12.18)。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/296627

相模原市ではこの条例案についてパブコメを募集している。締め切りは1月9日(火曜日)まで。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/shisei_sanka/pubcome/1029648.html

電子メールでも電話でもFAXでも受け付けている。

EU、売れ残りの服や靴の廃棄を禁止 規制適用は大手2年後、中小6年後

欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会と、加盟国の代表でつくる欧州理事会が、アパレル事業者に売れ残った服や靴などの衣料品廃棄を禁じる法案に大筋で合意した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05DFY0V01C23A2000000/?n_cid=NMAIL007_20231206_A

「今後、正式な承認手続きに入り、2年後から施行する。流行品を低価格で大量消費する「ファストファッション」による衣料品の廃棄拡大に歯止めをかける」とのこと。

環境を顧みず、低価格で衣料品を提供し、大量消費・大量廃棄を促すファストファッションを規制する画期的な法案で、商品の環境配慮設計を義務づける「エコデザイン規制」の改正案だ。

エコデザイン規制とは、繊維製品や家電などを対象に、製品の耐久性や修理可能性などの情報を消費者に提供する義務を販売業者に課すなどして、循環経済を実現するための規制だ。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/a08c5c6a05bd0c33.html

欧州委員会は昨年、繊維戦略を発表した際、ファストファッションを「時代遅れ」と批判している。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/a5dc1b749bd99990.html

COP28、日本4回連続化石賞「環境に優しいように見せかけている」 脱石炭連盟に非加盟なのはG7で日本だけ

アラブ首長国連邦(UAE)で開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の会場で、日本はまた「化石賞」を受賞した。化石賞は、国際環境NGO「気候行動ネットワーク」が温暖化対策に後ろ向きな国に贈る不名誉な賞だ。

受賞理由は、日本の石炭火力を延命させるための方策を、「見せかけの温暖化対策」と評価されたため。

日本は、石炭火力発電所を延命させるため、水素やアンモニア、パームヤシガラなどを石炭と一緒に燃焼させることで、「発電効率のよい火力発電所」を演出している。しかも、それを他国にも輸出しようとしている。それが見せかけの温暖化対策と見なされた。

さらに、アメリカのNGO・Oil Change Internationalが発表した最新のレポートによって、日本は化石燃料に対する世界最大の公的支援をしていることが明らかになったことも化石賞受賞の理由だという。

加えて、石炭の使用廃止を訴える約160の国や自治体などでつくる「脱石炭国際連盟」に米国が参加したにも関わらず、日本は参加しなかった。これまではアメリカと歩調を合わせていたため日本の不参加はあまり目立たなかったが、バイデン政権のもとでケリー特使は2日、SNSで脱石炭連盟に参加すると表明したのだ。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231203/k10014276101000.html

ついに先進7ヶ国(G7)で日本だけが石炭使用を進める国となった。それにも関わらず、4回連続化石賞受賞を日本政府は重く受け止めていない。日本の環境政策の後れは誰の目にも明らかで、このままでは次も受賞することになりそうだ。

自民党環境部って何するところ?杉田水脈議員が会長代理って??

「自民党は総務会で杉田水脈衆院議員を党環境部会長代理にすることを決めた」と聞いて驚いた。確か杉田議員て、人権意識が著しく欠如した発言を繰り返した挙げ句、ついに札幌法務局から「人権侵犯」認定されたヒトか?

https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=66119

でも、そんな議員がなぜ環境部?「自民党環境部」の仕事って何だろうかと、少しググってみた。もしかして、自民党内の人間環境を調整し、仲良く「右側」に並ばせることかな?

「自民党環境部」でググった結果、三宅しんご議員のサイトがヒットした。「環境部会長を拝命した」とある(2023.2.2)。

初仕事は、熱中症対策関連法案関連と、GX推進本部と環境部会との合同会議開催とあった。

http://www.miyakeshingo.net/news/国政報告/entry-648.html

ということは、フツーに「環境」関連のことをする部会か?

環境と人権はかなり密接につながり、複雑に絡み合っている。人権意識が欠如した人は、たいてい環境意識も欠如している。杉田議員の抜擢は、自民党が「環境問題」を甘く考え、環境意識が欠如している証左だろうか。

イオンで乾電池回収始まる。パナがリサイクルの実証実験

パナソニックエナジーが今年6月から、イオンと東京製罐と共同で、乾電池の回収・リサイクルの実証実験を開始した。

「イオンリテールの関東・関西22店舗に回収ボックスを設置。回収した乾電池は東京製鐵岡山工場で鉄鋼材料としてリサイクルするとともに、パナソニック エナジーでは乾電池部材への再利用を目指して研究開発に着手する。実証実験の結果を踏まえ、導入店舗の順次拡大を検討していく予定」とのこと。

https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/design/2/t_vol81/?s_cid=ad_htgml7

電池のようなものは本来「拡大生産者責任」で回収されるべきものだ。

だから、パナソニックが自ら回収・リサイクルに乗りだしたことはとても評価できる。これからはパナソニック製を優先的に購入しようと思う。

昔は、多くの自治体が熱心に乾電池を回収し、北海道のイトムカまで送っていた。イトムカを見学したことがあるが、広大な敷地内に様々な電池類や蛍光管が積まれ、金属などが取り出されていた。

しかし、電池に水銀を使わないという「安全宣言」後、危険性がなくなったと判断し、リサイクルせずに不燃ごみとして回収する自治体が増えたような気がする。

マンガン乾電池は1991年に、1992年にはアルカリ乾電池で、水銀を使わなくなった。

https://www.baj.or.jp/battery/qa/battery.html

とはいえ、イトムカで回収していたのは水銀だけではない。他の重金属も回収していた。不燃ごみとして回収している自治体は、乾電池をどうしているのだろうか?単に埋め立てるだけでは有害性が心配だし、そもそも資源が無駄になる。

電池に対する意識が薄く、玩具などに入れたまま捨てる人も多い。乾電池ならばそのまま燃やしても爆発しないが、リチウムイオン電池ならば火災事故になりかねない。

最近、各地で多発しているリチウムイオン電池による火災事故は、電池を甘く考えるようになったことも原因の1つではないかと思う。充電式電池の回収場所が少ないことが一番の原因だと思うが、「電池はそのまま捨ててもOK」と考える人も多いことも一因のような気がする。

そういえば、イトムカで水銀を回収しても、国内では使用禁止のため用途がないから輸出していたはずだが、その後水銀はどう処理されているのだろう?

プチ「脱プラ」宣言⑯黒酢でシャンプー、もっと早く試せばよかった

以前は石けんシャンプーの後、リンス代わりにクエン酸などを使っていたが、最近黒酢をシャンプー代わりに使うようにしたところ、とても調子がいい。

殺菌作用があるようで、暑い夏でも頭皮がかゆくならず、ベタつくこともなかった。

一番心配していた「匂い残り」もない。

これで白髪が減ればうれしいけれど、それはまだわからない。

使い方は、洗面器にお湯を7から8分目ほど入れ、そこに黒酢を適宜(大さじ2杯から3杯ほど?洗面器のサイズと髪の長さ次第で適当に)注ぎ、それで髪を洗う。洗ったら、あとはシャワーでよく洗い流すだけ。

湯シャン(お湯のみ)や重曹シャンプーだと、だんだん髪がベタつくようになると感じていたので、継続してもベタつかない「黒酢シャンプー」はとても気に入っている。

浴室に酢を瓶ごと持ち込むわけにもいかないから、酢の入れ物には一番苦労した。

本体はガラスびんで、ふたはプラスチックが最適なようだ。フタが金属だとすぐに錆びて、汚らしくなる。昔、クエン酸代わりに黒酢を使ったときはそれで挫折した。ちょっと残念だが、フタだけはプラスチックがよいようだ(リユースできるので問題なし)。

一夏、黒酢シャンプーだけで問題なかったが、すべての黒酢がシャンプーに向いているのかはまだわからない。

今使っているのは、色が薄めの生協で購入した黒酢。今度はもっと熟成の進んだ色の濃い黒酢で試してみようと思う。

購入する黒酢のびんはフタのみプラスチックのガラスびん。完全な脱プラではないが、重曹やクエン酸をプラ袋より断然プラスチック使用量は少ない。

そのため、久々のプチ「脱プラ」宣言だ。

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環境省「漁業者と自治体の協力による海洋ごみ回収マニュアル」公表

「漁業者と自治体の協力による海洋ごみ回収マニュアル」が環境省のサイトに公表された。

https://www.env.go.jp/press/press_02065.html

このタイミングで公表すると、国は「汚染水」を海洋放出しておきながら、海ごみの処理費用は若干補助する、というように見えるが、担当部署が違うので関係はないのだろう。

それにしても、放射性物質は一般的な海洋ごみよりタチが悪い。

「汚染水」を「処理水」と言い換えたところで、タチの悪さに変わりない。

相模原市のごみ回収、「布類」から発火。原因は「ファン付きベスト」

最近、各地で自治体の収集ごみから発火する事故が増えている。収集車が焼けたり、破砕施設や焼却施設の火災事故が後を絶たない。特に、プラスチック製品の回収を始めた自治体に火災事故が増えているようだ。

原因は、リチウムイオン電池などの小型充電式電池だ。本来、このようなものは拡大生産者責任のもと、生産者が回収すべきもの。日本でも一応表向きは生産者が回収することになっているが、回収拠点が少なくほとんど回収されていない。

そのため、業を煮やした自治体が自ら回収に乗り出すなどしている。しかし、自治体が回収するということは税金だ。回収する自治体にとっては、施設が焼けてしまうより、自ら回収した方が安くつくと考えてのことだと思われる。

日本の充電式電池の回収拠点は大型量販店などだが、数が少ない上に、車がないと行きにくいところが多い。そのため住民は、製品から電池を抜き取らず、そのまま自治体のごみ回収に出してしまうことになる。

ちなみに、相模原市中央区で回収拠点となっている家電販売店はわずか7箇所しかない。

この度の相模原市の事故は、「布類」として出された「ファン付きベスト」の中の電池が燃えたようだ。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/1026489/recycle/1026492/1020158.html

幸い大事故にはならなかったようで、ニュースにはなっていないが、収集や選別業務に従事する人にとっては、ごみ処理は命がけの仕事になりつつある。

国はなぜこのような事態を放置しておくのか。

拡大生産者責任のもと、デポジット制度で回収させたらこの手の事故の大半は防げる。あるいは、もっと回収拠点を増やすよう生産者に義務づけるだけでも改善する。国は財界に気を使い、無策のまま手をこまねいている。

ほくほく線六日町駅に「香害」ポスターが!

六日町温泉へ行った帰りに、ほくほく線の六日町駅から電車に乗ろうとしたところ、駅の階段に5省庁連盟の香害ポスターが貼ってあった。

改訂前の古いバージョンのポスターだったが、まだきれいだ。目立つところに貼ってあったので気付いた。

駅で香害ポスターを見たのは初めて。駅員さんの気遣いが感じられ、ホッとした。

忘れ物の傘を利用して貸し出すリユース傘も置かれていた。環境への配慮と利用者への配慮が感じられ、駅員さんの思いやりにしばし癒やされた。

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エコチル調査で判明「赤ちゃんは石けんで洗う方がアレルギーになりにくい」

富山大学附属病院小児科の加藤泰輔医師らの研究グループは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の参加者を対象に、入浴時の石けん類使用頻度とアレルギー疾患の発症の関連を調べた。

その結果、1 歳半の頃に入浴時に石けん類を毎回使用する子どもと比較して、より石けん類の使用頻度が少ない子では、3 歳の時にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーと診断されている子が多いという関連が明らかになった。

しかしこの結果は、赤ちゃんの肌荒れがひどかったため、石けんで洗わなくなったとも考えられるため、1歳半時点で症状のなかった子どもだけを抜き出して解析した。その場合でも、やはり同じ結果になったそうだ。

お湯だけでは流しきれなかったアレルゲンやアトピー性皮膚炎発症にかかわるような皮膚の細菌が、石けん類で洗い流すことができたことが一因ではないかと考えられるという。

皮膚のバリア機能は、遺伝子タイプによって生まれつき弱い人がいることが知られているそうだから、あくまでも石けん洗いは「一因」だ。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37102383/

近年アトピー性皮膚炎を発症する子が増加していることは、周りの子ども達を見ていてもわかる。ある調査によると、アトピー性皮膚炎は「患者さんの約3割が1歳未満に発病し、5歳までに6割前後が発病」するのだとか。

しかも、最近では幼少期のアトピー性皮膚炎が、年齢とともにぜん息など他のアレルギー性疾患に変化していく「アレルギーマーチ」という事態も増えているそうだ。

それを防止する対策の1つに、肌のバリア機能を守るため、幼い頃から石けんでアレルゲンを洗い流すことが有効ということだ。

しかし、石けん類といっても何でもよいわけではなく、できるだけ刺激の少ない無添加石けんがよいのではないだろうか。また、衣類に残ってしまった洗剤や柔軟剤も、赤ちゃんの肌に悪いことは間違いない。