凹みのできた鉄製フライパン vs 230万個のマイクロプラが発生するフッ素樹脂加工のフライパン

以前、本ブログで「フッ素樹脂加工のフライパンを使わない」と書き、鉄製フライパンだけを使っていた。

ところが、鉄製フライパンに小さな凹みができていることに、最近気づいた。

この凹みは孔食というものらしい↓

http://riverlight.co.jp/ja/koushoku.php

孔食ができた原因は、おそらく焦げついた時の洗い方がまずく、焦げに含まれる塩分などが落ちていなかったためではないかと思う。

フライパンの焦げを落とすには、やはり金属たわしが一番だが、一時期、金属たわしを使わず、しゅろたわしばかりを使っていた。そのためかもしれない。

鉄製フライパンの使い方にはよく「洗った後に油を敷くこと」と書かれている。油を敷くのはイヤなので、油を敷いたことはない。しかし、それでも問題なく使えているのは、洗剤を使わずに洗っているため、油分が残っているせいだろう。

昨年発表された論文(Luo et.al., 2022)によると、フッ素樹脂で加工されたフライパンは、コーティングの表面に少し傷が付いただけで約9100個のマイクロプラスチックが放出され、コーティングが壊れると約230万個ものマイクロプラスチックが放出されるとのこと。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S004896972205392X?via%3Dihub

「テフロン」とか「フッ素コート」などと呼ばれている焦げ付き防止機能のあるフライパンは便利だが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂でコーティングされている。PTFEの人に対する毒性はまだわかっていないが、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)の仲間だから、楽観はできない。

こんなに大量のマイクロプラスチックが食べ物と一緒に体内に入るのを防ぐためにも、鉄製フライパンの凹みをこれ以上広げないように気をつけて、うまく使い続けたい。

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秩父宮ラグビー場の移転にも人工芝化にも反対します!

坂本龍一氏の遺言のようになった「神宮外苑再開発反対」。とんでもない計画であるにも関わらず、小池都知事らには見直す気はさらさらなさそうだ。

署名運動や要望書を送る運動も行われている。

https://www.change.org/p/神宮外苑1000本の樹木を切らないで-再開発計画は見直しを/u/31210494

こういうものまで無視されると、日本は本当に民主主義国家なのか?とむなしくなる。

それにしても、なぜ、野球場とラグビー場を入れ替える必要があるのか。その方が事業者にとって都合がよいからだろうが、新ラグビー場が人工芝になると聞き驚いた。

理由は、ラグビー場で音楽ライブなどもするため、密閉型のドームにすることにある。そのため、天然芝では育たないから、人工芝の方が都合がよいそうだ。

https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GR4Q8QUTQP016.html

人工芝の方がケガをしやすいことをラグビー関係者はよく知っている。選手の健康よりも、儲けを優先して作るということだ。

元ラグビー選手もラグビー場移転と人工芝化などの「改悪」に反対し、署名を集めている↓

https://www.change.org/p/秩父宮ラグビー場をこの地で継承したい-ラグビーの聖地-の移転-改悪を止めよう?signed=true

人工芝はPFASなしでは作れない。また、充填材(ゴムチップ)にはフタル酸エステル類も入っている。

化学物質による環境汚染の見地からも、ラグビー場の移転と人工芝化に反対だ。

人工芝から16種類のPFAS。マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州で人工芝を禁止する法案提出

アメリカでは人工芝を規制する法律ができつつあるようだ。

マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州で、人工芝を禁止する法案が提出されている。

ニュース(The Philadelphia Inquirer, 2023.3.7)によると、「マサチューセッツ州とカリフォルニア州のいくつかの町では、人工芝のモラトリアムを実施しています。マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州には、偽の草を禁止する法案があります。メイン州は、PFASを含むラグ、カーペット、ファブリックトリートメントの販売を禁止しています。化学大手3Mでさえ、2025年以降はPFASを使用しないと発表した」(以上、機械翻訳)とのこと↓

https://www.inquirer.com/news/pfas-forever-chemicals-drinking-water-vet-astroturf-philadelphia-20230307.html

また、同記事によると、ベテランズ・スタジアムでプレーしていた野球選手6人が同じ脳腫瘍で、全員60歳未満で亡くなっているそうだ。

この球場はまだ人工芝が一般的ではなかった頃に作られた人工芝球場。既に破壊され、駐車場になったようだが、1977年から1981年までベテランズ・スタジアムのフィールドにあった芝の破片を調べたところ、16種類ものPFASが含まれていたという。

人工芝を巡っては、多くの女子サッカーチームのゴールキーパーが血液系のガンに係ったことなども報道されている。

日本では、人工芝を小学校の校庭や幼稚園の園庭、家庭の庭などに敷くのが流行っている。本当に安全なのだろうか?

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「有害化学物質から子どもを守るネットワーク」設立

「有害化学物質から子どもを守るネットワーク(略称子どもケミネット)」(仮称)が設立されたそうだ。

https://kokumin-kaigi.org/?page_id=9884

設立に向けて、4月22日に設立総会記念講演会を開催するとのこと。

以下に案内を転載。

——-

日時:2023年4月22日(土)午後1時45分~4時30分
会場:連合会館204会議室(定員144名)
東京都千代田区神田駿河台3-2-11
最寄り駅
JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」(徒歩5分)
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B3出口(徒歩0分)
東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」B3出口(徒歩5分)
Zoomウェビナーでのライブ中継もあります。

スケジュール
1:45~1:50 開会
1:50~2;35 ネットワーク設立総会(20分)
参加団体からの表明(15分)
海外からのメッセージ(10分)2:35~2:40 休憩
2:40~3:20 講演1「最近分かった環境ホルモンの性と生殖への影響」
講師:水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事)
3:20~4:00 講演2「有害化学物質による子どもの脳への影響」
講師:木村-黒田純子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事
環境脳神経科学情報センター)
4:00~4:15 質疑応答
4:15~4:30 設立宣言採択
閉会

参加費:無料
参加申し込み方法:
会場参加のお申込みは、お名前、連絡先を明記の上 メール(kokumin-kaigi@syd.odn.ne.jp )でお申込みください。
ウエビナー参加申し込みは下記URLより事前登録してください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Jpsh4IRwRxGFqhO1s3KTtg


環境省:「PFAS排出源の98%特定できず」マジか

環境省がとりまとめた調査で、国の暫定的な目標値を超えた13都府県の81地点のうち、98%の地点で排出源の特定に至らなかったとのこと。

2021年度の自治体調査で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を上回る81地点のうち、汚染源が特定されたのは大分県の2カ所のみ。その2カ所は、過去にPFASを使用していた工場の敷地内の井戸だそうだ。

本気で調査したのか疑問だ。

米軍基地からの泡消火剤が、PFAS汚染の主な原因の1つだということははっきりしているはず。それにも関わらず、「東京都多摩地域では米軍横田基地の周辺でも、水道水に利用する地下水から高濃度で検出され、都水道局の井戸34本が取水停止となっているが、汚染源は特定されていない」東京新聞(2023.3.29)というのは、一体どういうことだろう?

まさか米軍に気を遣っている?

東京新聞によると「環境省はPFASが暫定指針値を超えた場合の対応について、自治体向けの「手引き」を作成している。その中では「排出源特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討する」としているが、具体的な調査方法などは示していない」とのことで、環境省の専門家会議で、委員からは「自治体に丸投げのようになっており、自治体側は知見がない中で(調査などを)やりようがない」などとの意見が出たという。

自治体はどういうものにPFASが含まれているのか、についてほとんど知らない。おそらく国の担当者もよくわからないから、自治体に丸投げすることになったのではないか。

泡消火剤のみならず、プラスチック工場や半導体工場、化粧品工場、撥水加工を扱う業態(例えばクリーニング店など)も調べる必要があるだろう。また、人工芝にもPFASが含まれている。人工芝グラウンドや近頃流行のゴムチップ舗装なども徹底的に調べてほしい。

<参考>

東京新聞(2023.3.29)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240743

ボストン市で人工芝を禁止!理由はPFAS

英紙ガーディアンによると、ボストン市長のミシェル・ウー氏は、都市公園に新たに人工芝を設置することを禁止した。すべての人工芝に有害なPFASが含まれているためだという。

また、人工芝の充填材(ゴムチップ)は廃タイヤで作られていることが多く、重金属やベンゼン、VOCなどを含んでいる。さらに、それらは温室効果ガスであるメタンまで発生させた挙げ句、水路に流出する。

天然芝という安全な代替品があるのに、なぜ人工芝を使うのか。ナショナルフットボールリーグの選手たちは、ケガのために人工芝を禁止するようにリーグに圧力をかけているという。アメリカのサッカー代表チームも同じ理由で、天然芝でのみプレーするそうだ。

米国内には、12,000の人工芝のフィールドがあり、毎年少なくとも1200以上の芝が設置されているが、近年、ボストン市以外でも複数の自治体が人工芝を禁止、あるいは使用を制限し始めた。しかし、マサチューセッツ州などいくつかの州で州レベルでの禁止の提案が失敗したという。

PFASは分解しにくい「永遠の化学物質」だ。数千もの種類があり、どれも危険で、ガンや免疫力低下、先天性欠損症など深刻な健康問題への関連が指摘されている。

それにもかかわらず、危険視され使わなくなったのは古くからPFOSとPFOAのみ。他のPFASグループは、使い続けられ、人の血液からも検出されている。

知れば知るほど、人工芝には反対だ。

<参考>

ガーディアン(2022.9.30)

https://www.theguardian.com/environment/2022/sep/30/boston-bans-artificial-turf-toxic-forever-chemicals-pfas

<関連記事>

人工芝にもPFAS。人工芝の危険性はゴムチップだけではない

人工芝にもPFASが含まれるそうだ。

ミシガン州に拠点を置く非営利環境グループであるエコロジーセンターが調べたところ、調べた8つの芝サンプルのすべてから、PFASが検出されたという。

芝は通常、ポリエステルやポリプロピレン、ナイロンなどで作られ、無害のように見える。しかし、芝を作る際、押出機を詰まらせるため、プラスチックにPFASを添加する。すると、詰まらずにうまく押出機を通過するそうだ。

PFASなしで芝を作ることは考えにくいらしい。

そういえば、最初に人工芝を作ったのは、ラウンドアップなどで有名な化学会社のモンサントだ。その手のものが入っていても不思議はないかもしれない。

これまで人工芝の危険性は主に充填材(ゴムチップ)にあると考えていたが、芝部分と芝の台になっているマットにもあるということか。

2017年、交換後の古い人工芝のロールが積み上げられていたため、そのロールから切り取ったマットの芝部分を捨て、マット部分を調べたらそれからもPFASが検出されたそうだ。しかも、検出されたPFASはPFOSだ。

また、その場所の近くに湿地があり、その水を調べたら、そこからもPFOSが検出されたそうだ。

人工芝もPFASによる水汚染の一因になるということだ。

<参考>

The Interecept(2019.10.8)(英語)↓

https://theintercept.com/2019/10/08/pfas-chemicals-artificial-turf-soccer/

日本語ブログ↓

https://ameblo.jp/rudoharu/entry-12777920917.html

<関連記事>

ニューヨーク州、アパレルとカーペットのPFAS禁止法が成立

PFASの危険性を指摘する声が日々高まっている。

ニューヨーク州では昨年12月、ニューヨーク州知事がペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の使用を禁じる2つの法律を承認した。

1つはアパレル製品、もう1つはカーペットだ。

アパレル製品は衣料品全般で、おむつや着ぐるみも含まれているがアウターウェアが含まない。施行予定は2023年12月31日とのこと。

日本でも、汚れ防止機能などをうたった衣類が売られているが、そういうものが禁止されるようだ。日本でも、特に子ども服のPFAS使用は早急に禁止してほしい。

もう1つはカーペット。商業ビルや住宅内で使用されるカーペット(カーペットタイルや人工芝を含む。部分的に使用するようなラグは含まない)が対象で、PFASで処理されたものは販売が禁止される。

施行は2024年12月31日から。

さすがに、飛行機やバスのシートのPFAS使用はまだ禁止できないようだ。

<参考>

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230131

相模原のPFAS汚染で、浄水器のカートリッジを交換した

相模原市内の地下水や河川から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出されて以来、「大丈夫?」と心配されることが増えてきた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234009

幸い我が家では地下水を飲んでおらず、水道水のみだったため、難を逃れているようだ。

神奈川県の県営水道でもPFOSとPFOAの検査が数年前から始まっており、今のところ検出されていない。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w6a/wqa/pfas.html

とはいえ、川で検出されているのだから、検出限界値以下であっても油断はできないし、しかも調べられているのはPFOSとPFOAのみ。他のPFASは調べられていないので、完全には安心できない。

先日、ちょうど浄水器のカートリッジ交換の知らせが届いたので、交換した。

浄水器で9割程度は除去できるという研究結果もあるようなので、これが今できる最善策か・・。

汚染源は特定されていないが、誰であろうと、水や空気を汚すような製品は、絶対に作ったり使ったりしないでほしい。

地下水もマイクロプラで汚染、園芸用ポットも原因の1つ

熊本朝日放送がとても興味深いシリーズを始めた。

1回目は「プラスチックの行方~「水の国」からの警鐘」だ↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/ad7c7522c41bb45f8a92a1982679e79794ccb75e

マイクロプラスチックが熊本の地下水から検出され、添加剤から由来を調べると屋外で使う園芸用ポットだったらしいことがわかったそうだ。

この他、以前話題になったギンジャケの大量死の原因がタイヤの添加剤6PPDにあることも報道している。

6PPDが酸化すると6PPDキノンになり、一部の魚に毒性がある。魚に毒性があるということは、人間の健康にとっても良いはずがないが、6PPDキノンは東京の道路からも検出されている。

プラスチックの屋外使用は本当に気をつけなければならないことを、この番組は訴えているようだ。

シリーズ2回目は、「マイクロプラスチックが生態系に与える影響」とのこと。楽しみだ。

番組はyoutubeでも公開されていて、とても見応えがある↓