サッカー場の人工芝張り替えに8000万円、新たな施工に1.2億円。環境ホルモン入りでも気にしない?

サッカー愛好者にとって、人工芝グラウンドは悲願なのだろうか。

最近、人工芝化するためのクラウドファンディングを最近よく見かける。

しかしプロ選手は、ケガしやすいことを理由に人工芝グラウンドを嫌っていると聞く。せっかくプロになっても、ケガをして復帰できなくなったらかなわないので当然だろう。

プロを目指す人は、いくらお金を出しても人工芝にしたいのかもしれないが、1度人工芝にしたら、張り替えに8000万円もかかるそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/238923

しかも、グラウンドに新たに人工芝を敷設する際は、1億2000万円とのこと。

天然芝の1.7倍から1.8倍の金額だという。

https://grassias-tokyo.com/blog/【グラウンドに人工芝を敷くなら】敷設費用や維/#:~:text=人工芝をグラウンドに,の金額になります%E3%80%82

メンテナンスは人工芝のほうが多少安くても、張り替えまでを考えたら天然芝の方が断然安いことは明白だ。

金額以外に、環境面・健康面を考えても人工芝は問題が多い。

東京農工大の高田秀重先生によると、人工芝にはノニルフェノールなどの環境ホルモンまで入っているそうだ。

https://www.facebook.com/hideshige.takada.9

ノニルフェノールは怖い。環境省が初めて動物実験でメダカのメス化を確認した化学物質だ。

天然芝グラウンドと人工芝グラウンドが隣り合っているスポーツ公園へよく行くが、天然芝にはいつも小鳥がいるが、人工芝では見たことがない。

小鳥は人工芝の危険を察知しているのに、人間は察知できないようだ。

カリフォルニア州、PFAS含有人工芝を禁止か

カリフォルニア州では、PFAS含有人工芝を禁止する法案が委員会を通過した。あとは上院で可決され、知事がサインしたら、2025年から製造、流通、販売ができなくなる↓

https://chemicalwatch.com/765123/california-advances-legislation-to-ban-pfas-containing-artificial-turf

https://www.ewg.org/news-insights/news-release/2023/04/california-makes-strides-ban-toxic-forever-chemicals-artificial

アメリカでは他にも多くの州で、PFAS含有製品の禁止が法制化されそうだ↓

https://apnews.com/article/cosmetics-pfas-apparel-athletic-turf-vermont-4a576b96e4014a59b2c736344b2255d0

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世界中のトイレットペーパーからPFAS!米研究

世界各地のトイレットペーパーを調べたところ、すべてのトイレットペーパーからPFASが検出されたそうだ。

https://www.theguardian.com/environment/2023/mar/13/toxic-forever-chemicals-pfas-toilet-paper

フロリダ大学の研究者らは、北米、西ヨーロッパ、アフリカ、中米、南米の21の主要なトイレットペーパーブランドを集め、調べたところ見つかった。

紙パルプが機械に付着するのを防ぐため、製造プロセスでPFASを使用していることを示唆しているそうだ。

つまり、PFASは製造工程で潤滑剤として使用され、その一部がトイレットペーパーに残っているということらしい。

意図的に添加されたわけではないから、PFAS濃度は低いそうだが、トイレットペーパーは多くの国で毎日大量に使用される。下水処理施設から川に流される水や、下水汚泥も汚染されていないか心配になる。おそらく汚染は避けられない。

この研究では6種類のPFAS化合物を検出した。このうち、6:2 diPAPが最高レベルだった。

この化合物はまだしっかりと研究されていないそうだが、精巣機能障害に関連するといわれている。お尻を拭く度にPFASが肌や粘膜に触れるとしたら、恐ろしい。

バージンパルプのトイレットペーパーからだけではなく、再生紙も似たようなものだったという。

また、この研究は、6:2 diPAPが環境中で非常に有毒な化合物であるPFOAに変わる可能性があることを発見したそうだ。つまり、6:2 diPAPはPFOAの前駆体ということか。

多くの製紙メーカーは気付かずにPFASを使っているようだ。「これを使うと装置を早くスムーズに動かせるよ」と言われ、機械メーカーから機械とセットで買っているのかもしれない。

人工芝のようなプラスチック製品も同様だが、紙製品も大量生産するためには、機械にパルプがくっつきにくくなるPFASのような潤滑剤が必要だということだ。

それにしても、PFASは泡消火剤や繊維、プラスチック製品、化粧品、容器などに使われるものだと思っていたが、まさかトイレットペーパーからも検出されるとは。これがもし、英紙ガーディアンの記事でなければ信じないところだ。

堆肥化可能な食品容器からPFASが揮発

PFAS(有機フッ素化合物)は、まだわからないことが多い。

半減期の長い危険な化学物質で、内分泌をかく乱する環境ホルモンであることは確かなようだ。

しかし、いろいろなものに入りすぎていて、PFASを使わないように1日をやり過ごすのは結構大変だ。

テレビなどで目にするPFASの写真は粉状、つまり固体だ。しかし、温度次第で水に溶けたり、揮発したりする種類のPFASもあるようだ。

最近発表されたカナダの研究によると、ファストフードで使用される堆肥化可能なパッケージを調べたところ、PFASが検出された。

しかも、2年間その容器を保存した後、また調べたら、総PFAS濃度が85%も低下したという。どうも揮発したらしい。

半減期の長いPFASは、気体となっても空中でその影響力(内分泌かく乱など)を駆使するのだろう。

となると、人工芝に含まれるPFASも、光にさらされ揮発して、大気中を漂っているのだろうか。子どもたちが人工芝の上で遊んでいる光景は、ほのぼのして見えるが、実は危険だということだ。

すべてのPFAS類を、早く禁止してほしい。

<出典>

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.estlett.2c00926

凹みのできた鉄製フライパン vs 230万個のマイクロプラが発生するフッ素樹脂加工のフライパン

以前、本ブログで「フッ素樹脂加工のフライパンを使わない」と書き、鉄製フライパンだけを使っていた。

ところが、鉄製フライパンに小さな凹みができていることに、最近気づいた。

この凹みは孔食というものらしい↓

http://riverlight.co.jp/ja/koushoku.php

孔食ができた原因は、おそらく焦げついた時の洗い方がまずく、焦げに含まれる塩分などが落ちていなかったためではないかと思う。

フライパンの焦げを落とすには、やはり金属たわしが一番だが、一時期、金属たわしを使わず、しゅろたわしばかりを使っていた。そのためかもしれない。

鉄製フライパンの使い方にはよく「洗った後に油を敷くこと」と書かれている。油を敷くのはイヤなので、油を敷いたことはない。しかし、それでも問題なく使えているのは、洗剤を使わずに洗っているため、油分が残っているせいだろう。

昨年発表された論文(Luo et.al., 2022)によると、フッ素樹脂で加工されたフライパンは、コーティングの表面に少し傷が付いただけで約9100個のマイクロプラスチックが放出され、コーティングが壊れると約230万個ものマイクロプラスチックが放出されるとのこと。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S004896972205392X?via%3Dihub

「テフロン」とか「フッ素コート」などと呼ばれている焦げ付き防止機能のあるフライパンは便利だが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂でコーティングされている。PTFEの人に対する毒性はまだわかっていないが、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)の仲間だから、楽観はできない。

こんなに大量のマイクロプラスチックが食べ物と一緒に体内に入るのを防ぐためにも、鉄製フライパンの凹みをこれ以上広げないように気をつけて、うまく使い続けたい。

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秩父宮ラグビー場の移転にも人工芝化にも反対します!

坂本龍一氏の遺言のようになった「神宮外苑再開発反対」。とんでもない計画であるにも関わらず、小池都知事らには見直す気はさらさらなさそうだ。

署名運動や要望書を送る運動も行われている。

https://www.change.org/p/神宮外苑1000本の樹木を切らないで-再開発計画は見直しを/u/31210494

こういうものまで無視されると、日本は本当に民主主義国家なのか?とむなしくなる。

それにしても、なぜ、野球場とラグビー場を入れ替える必要があるのか。その方が事業者にとって都合がよいからだろうが、新ラグビー場が人工芝になると聞き驚いた。

理由は、ラグビー場で音楽ライブなどもするため、密閉型のドームにすることにある。そのため、天然芝では育たないから、人工芝の方が都合がよいそうだ。

https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GR4Q8QUTQP016.html

人工芝の方がケガをしやすいことをラグビー関係者はよく知っている。選手の健康よりも、儲けを優先して作るということだ。

元ラグビー選手もラグビー場移転と人工芝化などの「改悪」に反対し、署名を集めている↓

https://www.change.org/p/秩父宮ラグビー場をこの地で継承したい-ラグビーの聖地-の移転-改悪を止めよう?signed=true

人工芝はPFASなしでは作れない。また、充填材(ゴムチップ)にはフタル酸エステル類も入っている。

化学物質による環境汚染の見地からも、ラグビー場の移転と人工芝化に反対だ。

人工芝から16種類のPFAS。マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州で人工芝を禁止する法案提出

アメリカでは人工芝を規制する法律ができつつあるようだ。

マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州で、人工芝を禁止する法案が提出されている。

ニュース(The Philadelphia Inquirer, 2023.3.7)によると、「マサチューセッツ州とカリフォルニア州のいくつかの町では、人工芝のモラトリアムを実施しています。マサチューセッツ州、コネチカット州、バーモント州には、偽の草を禁止する法案があります。メイン州は、PFASを含むラグ、カーペット、ファブリックトリートメントの販売を禁止しています。化学大手3Mでさえ、2025年以降はPFASを使用しないと発表した」(以上、機械翻訳)とのこと↓

https://www.inquirer.com/news/pfas-forever-chemicals-drinking-water-vet-astroturf-philadelphia-20230307.html

また、同記事によると、ベテランズ・スタジアムでプレーしていた野球選手6人が同じ脳腫瘍で、全員60歳未満で亡くなっているそうだ。

この球場はまだ人工芝が一般的ではなかった頃に作られた人工芝球場。既に破壊され、駐車場になったようだが、1977年から1981年までベテランズ・スタジアムのフィールドにあった芝の破片を調べたところ、16種類ものPFASが含まれていたという。

人工芝を巡っては、多くの女子サッカーチームのゴールキーパーが血液系のガンに係ったことなども報道されている。

日本では、人工芝を小学校の校庭や幼稚園の園庭、家庭の庭などに敷くのが流行っている。本当に安全なのだろうか?

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「有害化学物質から子どもを守るネットワーク」設立

「有害化学物質から子どもを守るネットワーク(略称子どもケミネット)」(仮称)が設立されたそうだ。

https://kokumin-kaigi.org/?page_id=9884

設立に向けて、4月22日に設立総会記念講演会を開催するとのこと。

以下に案内を転載。

——-

日時:2023年4月22日(土)午後1時45分~4時30分
会場:連合会館204会議室(定員144名)
東京都千代田区神田駿河台3-2-11
最寄り駅
JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」(徒歩5分)
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B3出口(徒歩0分)
東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」B3出口(徒歩5分)
Zoomウェビナーでのライブ中継もあります。

スケジュール
1:45~1:50 開会
1:50~2;35 ネットワーク設立総会(20分)
参加団体からの表明(15分)
海外からのメッセージ(10分)2:35~2:40 休憩
2:40~3:20 講演1「最近分かった環境ホルモンの性と生殖への影響」
講師:水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事)
3:20~4:00 講演2「有害化学物質による子どもの脳への影響」
講師:木村-黒田純子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事
環境脳神経科学情報センター)
4:00~4:15 質疑応答
4:15~4:30 設立宣言採択
閉会

参加費:無料
参加申し込み方法:
会場参加のお申込みは、お名前、連絡先を明記の上 メール(kokumin-kaigi@syd.odn.ne.jp )でお申込みください。
ウエビナー参加申し込みは下記URLより事前登録してください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Jpsh4IRwRxGFqhO1s3KTtg


環境省:「PFAS排出源の98%特定できず」マジか

環境省がとりまとめた調査で、国の暫定的な目標値を超えた13都府県の81地点のうち、98%の地点で排出源の特定に至らなかったとのこと。

2021年度の自治体調査で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を上回る81地点のうち、汚染源が特定されたのは大分県の2カ所のみ。その2カ所は、過去にPFASを使用していた工場の敷地内の井戸だそうだ。

本気で調査したのか疑問だ。

米軍基地からの泡消火剤が、PFAS汚染の主な原因の1つだということははっきりしているはず。それにも関わらず、「東京都多摩地域では米軍横田基地の周辺でも、水道水に利用する地下水から高濃度で検出され、都水道局の井戸34本が取水停止となっているが、汚染源は特定されていない」東京新聞(2023.3.29)というのは、一体どういうことだろう?

まさか米軍に気を遣っている?

東京新聞によると「環境省はPFASが暫定指針値を超えた場合の対応について、自治体向けの「手引き」を作成している。その中では「排出源特定のための調査を実施し、濃度低減のために必要な措置を検討する」としているが、具体的な調査方法などは示していない」とのことで、環境省の専門家会議で、委員からは「自治体に丸投げのようになっており、自治体側は知見がない中で(調査などを)やりようがない」などとの意見が出たという。

自治体はどういうものにPFASが含まれているのか、についてほとんど知らない。おそらく国の担当者もよくわからないから、自治体に丸投げすることになったのではないか。

泡消火剤のみならず、プラスチック工場や半導体工場、化粧品工場、撥水加工を扱う業態(例えばクリーニング店など)も調べる必要があるだろう。また、人工芝にもPFASが含まれている。人工芝グラウンドや近頃流行のゴムチップ舗装なども徹底的に調べてほしい。

<参考>

東京新聞(2023.3.29)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/240743

ボストン市で人工芝を禁止!理由はPFAS

英紙ガーディアンによると、ボストン市長のミシェル・ウー氏は、都市公園に新たに人工芝を設置することを禁止した。すべての人工芝に有害なPFASが含まれているためだという。

また、人工芝の充填材(ゴムチップ)は廃タイヤで作られていることが多く、重金属やベンゼン、VOCなどを含んでいる。さらに、それらは温室効果ガスであるメタンまで発生させた挙げ句、水路に流出する。

天然芝という安全な代替品があるのに、なぜ人工芝を使うのか。ナショナルフットボールリーグの選手たちは、ケガのために人工芝を禁止するようにリーグに圧力をかけているという。アメリカのサッカー代表チームも同じ理由で、天然芝でのみプレーするそうだ。

米国内には、12,000の人工芝のフィールドがあり、毎年少なくとも1200以上の芝が設置されているが、近年、ボストン市以外でも複数の自治体が人工芝を禁止、あるいは使用を制限し始めた。しかし、マサチューセッツ州などいくつかの州で州レベルでの禁止の提案が失敗したという。

PFASは分解しにくい「永遠の化学物質」だ。数千もの種類があり、どれも危険で、ガンや免疫力低下、先天性欠損症など深刻な健康問題への関連が指摘されている。

それにもかかわらず、危険視され使わなくなったのは古くからPFOSとPFOAのみ。他のPFASグループは、使い続けられ、人の血液からも検出されている。

知れば知るほど、人工芝には反対だ。

<参考>

ガーディアン(2022.9.30)

https://www.theguardian.com/environment/2022/sep/30/boston-bans-artificial-turf-toxic-forever-chemicals-pfas

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