ペルーにも脱使い捨ての波、プラ製食器や食品容器など生産・流通禁止

ペルーで2021年12月20日から、リサイクルできない使い捨てプラスチックや発泡スチロール製品(袋・食器・コップ・食品容器など)」の生産、輸入、流通、納品が全面的に禁止された。

禁止の法律は2018年12月に施行されており、36ヶ月後に発効することが明記されていたという。

ペルーでは、プラスチック袋(ポリ袋・レジ袋)やストロー、発泡スチロール製容器は既に使用が禁止されていた。

日本も早くペルーのように、プラ製の使い捨て食器やストロー、無駄な容器包装などを禁止してほしい。

<出典>

JETRO(2021.12.27)「ペルーでプラスチック・発泡スチロール製容器などの使用が全面禁止に」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/12/e653cc5b8059cf56.html

1998年の「紙容器、環境ホルモンで脚光」は、今再びよみがえる?

ため込んだ資料の整理をしていたところ、1998年6月10日(日経産業新聞)の「酒類・食品の容器、環境配慮で衣替えーー紙容器、環境ホルモンで脚光」という過去記事が目に入った。

すっかり忘れていたが、脱プラで紙製容器に注目が集まる昨今と同じような話が、過去にもあったのだった。

しかし、その内容を読むと、ハナマルキが発泡スチロールカップから紙製カップ入りの即席味噌汁を発売したという話以外は、紙とはあまり関係がない。例えば宝酒造が、ペットボトル入り焼酎「宝焼酎2.7<エコペット>」を発売するなどという話などは、どこが「紙」なのか?

要するに、紙容器に注目が集まったものの、採用例は少なく、書くネタがなかったということだろう。

しかし、最近の紙への注目度はこれまでにないほど高いような気がする。

紙容器といっても、これまでのようなプラスチックがラミネートされているようなものではなく、これからのものは本当に全部分解するものがよい。撥水加工も要らない。

もちろん基本はガラスや金属、陶磁器、木などを使ったリユース容器で、使い捨ての紙容器はあくまでも補助的な位置づけだ。来年はそういうものが普及してくれるとうれしい。

増える木製カトラリー(スプーンなど)、マックも採用

プラ新法に関する政省令の閣議決定は遅れており、この分では来年になりそうだが、企業による木製スプーンなどの採用は増えているようだ。

マクドナルドは来年2月からスプーンやフォークなどのカトラリーを木製に、ストローを紙製に順次切り替えるとのこと。まずは横浜市を中心に30店舗から導入を始める。これにより年間約900トンのプラスチックの削減につながるそうだ。

2025年末までにすべてを再生可能な素材に切り替える予定。

マクドナルドについての出典:TBSニュース(2021.12.22)「マクドナルド ストローを「紙製」に カトラリーを「木製」に切り替え」↓

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4432880.html

すかいらーくグループでも、スプーンなどは来年1月から木製に切り替える。同グループはこれにより、プラスチックの使用量を年間86トン減らすことができるとのこと。

木製に切り替えても使用量が変わらないのではどうしようもないが、すかいらーくGは来年中には木製スプーンを有料化するというから安心だ。

すかいらーくGについての出典:日テレニュース(2021.10.5)「広がる“脱プラ”木製スプーンに切り替えも」

https://news.yahoo.co.jp/articles/2c4e94a44b99200addd445da2016f0d207444702

マイクロカプセル入り日用品は欠陥商品

先日拙宅に郵便を届けてくれた人から、信じられないほど強い柔軟剤の匂いがした。いかにも「汗かき」そうな体型の人だったので、きっとこの方の家では気を遣って、高残香性タイプの柔軟剤を使用しているのだろう。

他人の汗のにおいで不快になったことはないが、最近ほとほと柔軟剤や合成洗剤の不快な匂いに閉口している。「フローラルな香り」のせいで、本物の花の香りまでイヤになりそうだ。

換気のためベランダの窓を開けると、近隣から匂ってくることも増えた。

日用品にマイクロカプセルのような野蛮なものを使って、他人に迷惑をかけるのは本当にやめてほしい。

マイクロカプセル入り柔軟剤で洗濯すると、衣類に付着したカプセルから徐々に香りが漏れ出し、匂いが持続する・・それと同時にカプセルに使われたカプセルが、壊れて空気中に飛散する。当然壊れたカプセル=マイクロプラスチックが、呼吸する度、鼻から肺に入る。

しかし、商品には「マイクロカプセル入り」などとは書かれていないため、消費者にはわからない。しかし、メーカーは「消費者が香りを求めているから」と言い逃れできる。

なぜ他人の使った柔軟剤が私の健康を脅かすのか、と考えると、だんだん怒りがこみ上げてくる。匂いの持続する柔軟剤や合成洗剤は、明らかに「欠陥商品」だ。

マイクロカプセル入りの日用品は早急に禁止すべきだ。

1本1本植物にかける防虫剤にマイクロカプセルを使用するのは、100歩譲って仕方がないかもしれないと思う。これらは、周りに農薬が飛散しないように開発されたものだと聞く。

しかし、ドローンやヘリコプターを使って、マイクロカプセル入り農薬をばら撒くのは、化学兵器をまくのと同じ事だ。日用品への使用と同様に、やめてほしい。

少子化で子どもの数が減っているが、昆虫も減っている。理由の一部に共通点があるのではないか。

こんな野蛮な商品を作り続けるメーカーの品性を疑うが、今日もテレビで宣伝している。

アサヒの新会社に期待

飲料メーカーには失望していたが、アサヒの新会社「アサヒユウアス株式会社」は期待が持てるかもしれない。

「森のタンブラー」はリユースカップのようだし、「もぐカップ」は食べられるからごみが出ない。蔵前BLACKはよくわからないが、蔵前WHITEはパンの耳を利用しているようだ。

リサイクルや、リデュースとは名ばかりの薄肉化を大義名分にして、使い捨てを続ける他社に比べマシな気がする。

2022年1月1日より事業を開始するとのこと。

<参考>

PR TIMES「サステナブルな社会の実現に貢献する商品の販売、サービスを提供する「アサヒユウアス株式会社」2022年1月1日事業開始」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000058947.html

不滅のペットボトル?

動画「不滅のペットボトル」を見た。最後にペットボトルがウインクするところが、正直キモい。

この動画は、なぜか気持ちを逆なでする。ペットボトルがヒーロー面しているからだろうか?

プラスチック汚染問題は日々深刻さを増している。昨年のトロント大学などの研究チームの発表によると、プラスチックごみの約11%が海に流出しているそうだ(2016年のデータを元にした推計)。ペットボトルも多数流出していることは間違いない。

2010年のデータをもとにしたジャムベックらの報告よりも、海洋へのプラスチック流出量はさらに増えている。

こんな深刻な事態なのに有効な手を打つことなく、ペットボトルをさもヒーローのように扱うこの広告は、どういう意図で作られたものだろうか。

せめてデポジット制度でメーカーが真剣に回収してくれていれば、これほど腹が立つこともないのだろうけれど・・。ペットボトルは「不滅」でないほうがいい。

「不滅のペットボトル」(全国清涼飲料連合会)↓

コカコーラ、4年連続トップの汚染企業

breakfreefromplasticの2021年レポートによると、2021年のプラスチック汚染企業は、「コカ・コーラカンパニー、ペプシコ、ユニリーバ、ネスレ、プロクターアンドギャンブル、モンデリーズインターナショナル、フィリップモリスインターナショナル、ダノン、マース、コルゲートパルモリーブ」とのこと。

コカコーラは、「販売量と同等量を回収」などという「2030年ビジョン」を大々的に掲げていながら、今年も汚染トップ。これで4年連続だ。

しかし、「ESGブランド調査」によると、コカコーラは5位。この手の調査結果は、環境団体の認識とはかけ離れているようだ。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00159/100600034/

イメージ戦略はうまいが、拡大生産者責任(EPR)は果たすつもりがないのだろうか。サスティナビリティをうたいながら、200mL前後の超ミニボトルを量産し、回収責任を果たさない・・。グリーンウォッシュを疑いたくなる。

そういえば、コカコーラはかつて日本で「空き缶公害」が問題になった際、汚染トップ企業だとして当時の若者たちが問題にした会社だ。当時の新聞によると、若者達は拾ったコカコーラの空き缶をトラックにいっぱい積み込んで、本社前に乗り付け、コカコーラに空き缶の買い取り要求をしたという。

その当時から会社の体質は何も変わっていないということか。回収責任をきっちり果たしてほしい。

<出典>

https://www.breakfreefromplastic.org/wp-content/uploads/2021/10/BRAND-AUDIT-REPORT-2021.pdf

鳩サブレー、紙製容器に

鳩サブレーのパッケージ(仕切りトレーや緩衝材)が紙に変わった。脱プラスチックを目指し、豊島屋と日本製紙とが、2年かけて開発したとのこと。

「使い捨てプラスチックの使用量を年間およそ100トン削減できる見込み」だそうだ。

10月から順次販売。使い捨てではあるけれど、漫然とプラスチックを使っているよりはマシだ。

今度買ってみたい。

<出典>

FNNプライムオンライン(2021.10.30)「鳩サブレー」のパッケージが紙に 使い捨てプラスチック 年間100t削減」↓

https://www.fnn.jp/articles/-/261770

もうバドワイザーは飲まない リユース樽を使い捨てプラスチック樽へ変更

もうバドワイザーは絶対に飲まない。

アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパンは、リユースされていた「バドワイザー」Pure Draught(ピュアドラフト)のスチール樽を、わざわざ使い捨てのプラスチック樽に変更した。

返却しないでよいため、返却に伴うCO2を出さずに済むとのこと。しかし、この容量ならば飲食店向けだろうから、飲食店に新しいビールを配達する際に引き取っていたのでは?

典型的なグリーンウォッシュ。言い訳にしか聞こえない。返却の際の輸送に伴うCO2は気になるが、空いた容器を処分する際のCO2や新原料から樽を作る際のCO2は気にならないようだ。エコロジカルフットプリントで計算せずに、カーボンフットプリントで都合のよいところだけ計算するから、このような結論になるのだろう。

「年内はスチール樽からの切り替えに重点を置き、来年以降、本格展開を予定」とのこと。

このご時世、わざわざ使い捨てプラに切り替えるのは、余程SDGsに逆らいたいのか。

「リサイクルできる」というが、主材料として使っているPET樹脂以外に、ガスバリア性を高めるため何か他の樹脂を使っているのでは?「PET/プラとして処分することが可能」とのことだが、この色つきボトルがいわゆる「PET」として他のペットボトルと一緒にリサイクル工場へ行くとは思えない。

プラスチック資源循環促進法では、事業者の自主回収も促されている。ワンウェイ容器であっても、このようなものは事業者が引き取るべきだ。そうであれば、返却に伴うCO2は、リユース容器と大して変わらない。

<出典>

Web東奥(2021.9.30)↓

https://www.toonippo.co.jp/articles/-/692156

食品産業新聞社(2021.10.27)「「バドワイザー」新プラスチック樽「ピュアドラフト」開発、企画背景や今後の展開を聞く」↓

https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2021/10/2021-1027-1448-14.html

「レジ袋有料化廃止」は桜田議員の選挙対策?

「レジ袋有料化は廃止されるの?」と最近よく聞かれる。その都度「まさか!あり得ません」と答えるが、なぜこんな風評が広まったのかと、気になって少し調べてみた。

発端は、桜田義孝衆議院議員のツイッターらしい。桜田氏が5日、ツイッターを更新し、レジ袋有料化問題について「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。・・・レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿したのだそうだ。

これが、「レジ袋有料化が廃止される」などと誤解されるような話にまで発展したらしい。

桜田議員といえば以前、復興五輪についての不適切発言で辞任した議員だ。今度の衆院選で、千葉8区は野党が候補を一本化し、包囲網を敷いた。

https://www.asahi.com/articles/ASPBF652BPBDUDCB003.html

それで焦って、レジ袋有料化に反対する人達の票を取り込むべく、ツイッターに「環境大臣とお友達だよ」アピールをしたのだろうか?

もしそうであれば、これほど広まるとは思わなかったにせよ、あまりにも幼稚でお騒がせな「選挙対策」だ。国会議員の発言とは思えない。