ドイツ:公共空間に捨てられる使い捨てプラ製品、自治体が負担する清掃費用は600億円超

使い捨てプラ製品は、自宅に持ち帰らず野外に捨てられるケースが多い。ドイツでは、自宅に持ち帰った場合は拡大生産者責任により回収・処理されるが、野外に捨てられた場合の清掃費用は自治体が負担することになる。

それでは使い捨ては減らないので、ドイツでは使い捨て「プラスチック製品基金法案」を審議。使い捨てプラ製品の製造者や小売業者が、野外に捨てられたそれらの回収、清掃、処理費用を負担すべきだということで、ドイツ連邦環境庁がその費用を調べた。

その結果、自治体が負担している公共空間に廃棄される使い捨てプラスチック製品の回収、清掃、処理は年間4億3400万ユーロ(1ユーロ140円で計算すると607億6000万円に上った。

そのため、それらプラスチック製品群ごとに製造者や小売業者が負担する費用は、使い捨てのプラスチックカップが1キログラムあたり1.23ユーロ(同172円)、プラスチックが含まれるタバコのフィルターについては1キログラムあたり8.95ユーロ(同1253円)になるという。

日本でも似たような費用になるだろう。しかも、日本の場合、拡大生産者責任が徹底されていないので、自宅に持ち帰った使い捨てプラカップの回収費用も容器包装リサイクル法によりすべて自治体が税金で負担している。

使い捨てスプーンやフォークなどのプラ製品にいたっては、回収から処理費用まですべて自治体(税金)負担だ。

使い捨てプラスチックを使わない人も、使う人のために、支払わざるをえないということだ。

<参考>

EICネット(掲載2022.12.16/情報源発表2022.11.30)「ドイツ 使い捨てプラスチック製品に対する製造者や小売業者の費用負担額に関する調査結果が公表」

https://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=51&serial=48630

<関連記事>

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です