キリンとローソンも0.2円でペットボトル回収、実証実験開始

キリンホールディングスとキリンビバレッジとローソンは、ペットボトル減容回収機によるペットボトル回収の実証実験を、7月15日からローソン横浜新子安店で開始するそうだ。

ペットボトル5本でPontaポイント1ポイントが付与されるとのこと。

1ポイントが要らない人は、その分の1円を国土緑化推進機構に寄付することができる。

セブン・イレブンの自動回収機も1本当たり0.2円だから、金額は同じだ(でも回収機の構造が多少セブンのとは違っているようで、こちらの機械ではペットボトルがノシイカのように圧縮される)。

海外のデポジット制度による飲料容器の自動回収機でも「寄付」を選ぶことができる。もちろん、デポジット制度による回収であれば、最低でも1円などという低い金額ではないが、結構寄付を選ぶ人も多いと聞く。

ペットボトルを使ったことによる罪悪感が、寄付することで帳消しになる気がするするから、寄付はよいアイディアだと思う。

しかし、1本0.2円で散乱ごみは減らない。メーカーは「ボトルtoボトル」のために質のよいペットボトルが必要なのであれば、潔くデポジット制度をやればよい。そうでなければ、ペットボトル飲料など売らないでほしい。

やはり自治体はペットボトル回収からもう手を引くべきだ。自治体が手を引けば、メーカーももっと回収に本腰を入れるのではないだろうか。5本も売っておいて、たった1円で回収しようなどというのは、メーカーは虫がよすぎる。

<キリンとローソンの自動回収機についての参考>

食品産業新聞社「キリンとローソンがペットボトル回収を促進、独自の回収機を店頭設置、飲料業界はプラスチック循環を加速」↓

https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2021/07/2021-0716-1812-16.html

日本ではなぜ柔軟剤を使う人が多いのか?

 以前、柔軟剤について調べていた際、ドイツでのアンケート結果の資料を読んだ。それによると、ドイツで柔軟剤を使用する層は、テレビコマーシャルに洗脳されやすいタイプの人たちで、低所得者や低学歴者に多い、という結果であった。

日本では、特に若い層に柔軟剤使用者が多いようだが、所得や学歴には無関係で、高所得者も高学歴者もこぞって柔軟剤を使っている。

日本人はドイツ人に比べ、コマーシャルで洗脳されやすいタイプの人が多いようだ。(ちなみにフランス在住の人に聞いたら、やはり柔軟剤を使う人は多くないそう。なぜ要らないものにお金を払う必要があるのか?とのことだ)

同調圧力が強い日本では、テレビで宣伝されていることをそのまま信じ込み、「他の人が使っているならば、自分も使わなければ」と思ってしまう人が多いのだろうか?

柔軟剤も毎日使えば安くない。石鹸洗剤を使えば合成洗剤と違ってゴワゴワしないから、柔軟剤を使う必要はない。昔と違って、石鹸洗剤は液体のものもあり、粉石鹸が苦手な人にも使いやすくなった。わざわざ合成洗剤を選び、ゴワゴワするからといって、百害あって一利あるかないかわからない柔軟剤を使って、自分や家族だけでなく近隣の人たちにまで「香害」の原因になるマイクロカプセルなどをばら撒く理由はない。

柔軟剤の多くには合成香料を内包したマイクロカプセルが入っている。マイクロカプセルはマイクロプラスチックの一種で、衣類についたそれは香りとともに、目に見えない小さなプラスチック片を大気中にまき散らしている。吸い込んだ人は化学物質過敏症を発症する危険性だけでなく、他の病気を背負い込む可能性も大きい※。

マイクロカプセルを家庭用品に使用することは早急にやめてもらいたい。メーカーの良識に期待したい。

※(2022.10.9付記)『脳神経内科』93巻2号(2020.8)に掲載されている「大気汚染と認知症」によると、PM2.5などの大気汚染は認知症と関連があるそうだ。ということは、マイクロカプセルやその破片が空気中に飛散していれば、それを吸い込むことで認知症になるリスクも高めてしまう可能性があるということだ。

セロハンで脱プラできるらしい

気になっていたセロテープ。セロハン部分も接着剤部分もどちらもプラ系だと思っていたが、そうではないようだ。

セロハンテープのセロハンは木材などの植物から作られ、土壌中で速やかに分解されるそうだ。紙に近いが、紙としてのリサイクルはできない。

ニチバンによると、セロハンテープの接着剤は天然樹脂とのことで、プラスチック系のテープであるOPPテープと違って、接着剤部分もプラスチックではないという。

ムダに使うつもりはないが、これからは少し安心してセロテープを使えそうだ。

ニチバン「セロハンテープとOPPテープの違い」↓

https://www.nichiban-cellotape.com/difference/

トレー問題を過小評価すべきではない

朝日新聞で、トレー問題をシリーズで記事化している。それはとてもありがたいのだが、どうも影響が過小評価されているのではないかと心配だ。

発泡スチロール製トレーは、発泡スチロール部分だけが問題なのではない。上にかけられているラップも問題なのだ。

家庭用は塩ビラップ以外のものも多いが、業務用は塩ビラップが多い。健康への悪影響は、発泡スチロール(ポリスチレン)も怖いが、塩ビも怖い。

最近では発泡スチロールトレイが少しペットボトルのリサイクル品に代わってきていて、透明のPET製トレーもよくみかける。

発泡スチロールよりは多少安心な気もするが、やはりそれも油断できない。

サミットのようなトレーを減らすスーパーの取組は大歓迎だ。近所にサミットはないので、他のスーパーでもぜひ取り組んでほしい。(もちろん、容器を持参するから量り売りしてほしいが、次善の策として)

発泡スチロールの健康への悪影響については海外ではいろいろ指摘されている。マイクロプラスチック化しやすいから、環境への影響も大きい。環境中に散らばると、雨水を含んでしまうため蚊が培養されると聞く。

多くの国や地域で食品容器としての使用規制が既に始まっている。日本も早急に規制してほしい。

朝日新聞の記事↓

第1回「お肉の下のトレーは消える? 「いいね」までの長い戦い」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DPJP62ULEI00K.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_1

第2回「スーパーの悩みから生まれたノントレー機 昨年は爆売れ」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DRVP62ULEI00W.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_2

第3回「トレー回収箱、スーパーの半数に ゴミ箱にされたあの頃」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DVLP68ULEI003.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_3

第4回「トレーがなくなると何が変わる? プラごみ問題は奥深い」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DYTP6RULEI00D.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_4

RKB毎日の「香害」放送、よかった!

RKB毎日がとてもよい香害の放送をしてくれた。
短いけれど、とても的確だ。

EUのマイクロカプセルの規制動向もよくわかる。

ドイツ在住の知人によると、ドイツでは柔軟剤が日本ほど使われていないせいか、香害はほとんど問題になっていないそうだ。

日本ではなぜこれほど柔軟剤が一般的になってしまったのだろう?やはりテレビコマーシャルの影響だろうか?コマーシャルによる洗脳は怖い。要らないものでも、必要だと思い込まされてしまう。

EUでの規制目的は「香害」防止ではなく、あくまでも意図的に添加するマイクロプラスチックを規制することだ。

日本も早くマイクロプラスチックの意図的添加を規制してほしい。日本には、スクラブ目的の洗顔剤などだけが、化粧品に含まれるマイクロプラスチックだと誤解している人がまだまだ多い。

そんなものは、マイクロプラスチックのごく一部に過ぎない。他に多くのマイクロプラスチックが、柔軟剤や洗剤、ペンキ、化粧品、農薬、インクなどに使われている。

第4弾↓
https://youtu.be/l10CWhy3dTg
過去の放送はこちら↓
第1弾↓
https://youtu.be/lvtVSkBg4gs
第2弾
https://youtu.be/c_t2mVtOKlc
第3弾
https://youtu.be/Z8-bH7j8etk

海洋生分解性プラによる環境破壊

「海洋生分解性プラを採用すればエコだ」と勘違いしている人が多いのではないか。

カネカの海洋生分解性プラPHBHは、日本で一番評判がよいかもしれない。しかし、その原料はパーム油だ。

https://rief-jp.org/ct4/93045

食品からパーム油を排除するのは難しいが、パーム油はインドネシアやマレーシアの森林破壊を引き起こし、森林火災の原因にもなっている。先住民族や現地住民への人権侵害も問題だ。CO2の膨大な排出の一因でもある。

たとえ認証されたものでも使わないに越したことはない。

そうであれば、ストローやスプーン、レジ袋などのような使い捨てのものに採用するなどは、あってはならないのではないか。このようなものは、特に必要がないケースが多い。ほしい人はお金を払って買えばよい。

セブン・イレブンが以前、カネカのPHBHをストローに採用した。

https://www.kaneka.co.jp/topics/information/in20191031/

こんなものを採用するのはセブンだけだろうと思っていたところ、最近ファミリーマートまでがスプーンに採用したそうだ。

https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2021/nr2106221.html

レジ袋に採用したところもある。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/10634/

これらのような不必要なものに、パーム油を使わないでほしい。

海洋生分解性プラスチックはもっと有用なものに使うべきではないか。

海洋生分解性プラというと、海に落ちればすぐに分解してなくなくように聞こえるが、そんなことはありえない。認証の基準である海水温が30度もある海など日本近海には真夏の一時を除けばほぼ存在しないし、仮に熱帯地域の暖かい海に落ちたとしても、海底に沈んでしまえば、海水温は低く酸素量も少ないから分解しない。

分解が止まった海洋生分解性プラは、普通のプラスチックと同様、生物にとって害悪だ。

今後コンビニなどが、プラスチック製のフォークやスプーン、ストローをどのように減らすつもりかは知らないが、有料制を導入し、大幅に減らしてほしいと思う。

フタル酸エステル類も少子化の原因?

昨日の本ブログで化粧品に使われているフタル酸エステル類について触れたため、気になってフタル酸ジエチルについて少し調べてみた。

環境省の資料を見ると、

https://www.env.go.jp/chemi/report/h16-01/pdf/chap01/02_2_17.pdf

「フタル酸ジアルキル(C=1~2)の主な用途は、有機化学製品用(ゴム製品、接着剤、 その他)、添加剤(樹脂用、合成樹脂)、有機化学製品用(その他)、添加剤(樹脂用)とされ ている 17)。本物質の主な用途は可塑剤で、酢酸セルロース、メタクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンにも相溶性がある。また、香料の保留剤としても用いられる」

とのことだ。

(注)フタル酸ジアルキル(C=1~2)(フタル酸ジエチ ル、フタル酸ジメチル)

香料の保留剤というのは、それぞれ揮発性が異なる香料の揮発性を調整し、香りを保持するためのものらしい。香料は通常、10種類以上を組み合わせて使うものなので、それらの揮発性を調整する必要がある。

p.10のヒトへの影響の項を読んで驚いた。

「ヒトの精液で本物質が検出されており、多分、プラスチック包装に本物質が広く使用さ れていることの結果だろうと考えられている」そうだ。

また、こんなことも書かれている。

「健康な成人男子あるいは不妊治療の患者の夫から得た精子に本物質を含むフタル酸エス テル類を添加して培養したところ、すべての物質で精子の運動性が用量依存的に阻害され、 速効性はあまりなかったが、暴露時間の経過と共により顕著な影響となった。精子の運動性はフタル酸ジエチルヘキシル及び本物質でより大きな影響を受け、フタル酸ジ-n-オクチ ルで影響が最も小さく、次いでフタル酸ジブチルと思われた 33) 」。

ということは、プラスチックや香りに使われるフタル酸エステル類は、少子化の原因物質の1つだということだろうか。

少子化対策として、不妊治療費用を助成するのもよいが、フタル酸エステル類を規制することも必要なのではないか。柔軟剤や洗剤、シャンプー、ひげそりクリーム、制汗剤など、男性が使うものにも香り成分の入った物はいくらでもある。

EUは、数年前にフタル酸エステル類の使用を厳しく制限した。フタル酸エステル類は、赤ちゃんの脳にも損傷を与えると報道されたことは昨日も書いたとおりだ。

日本も早急にフタル酸エステル類を厳しく制限してほしい。

化粧品の安全性は?PFAS、マイクロプラ、フタル酸エステル類

化粧品の安全性について、いくつもの疑問符がついている。もちろん以前からアブナイ化粧品はあったけれど、表示さえ確認して買えば、ある程度危険は回避できると楽観していた。

しかし、成分表示が不十分で、自衛できないらしい。

研究チームがアメリカで購入した多くの種類の化粧品から、高濃度の有機フッ素化合物(PFAS、ピーファス)を検出したそうだ。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96530_1.php

「全体の52%の製品から高濃度のフッ素が検出された。リップメイク用品は55%、液体状の口紅は62%、ファンデーション(リキッドおよびクリーム)は63%、コンシーラーは36%、マスカラは47%、ウォータープルーフマスカラは82%に高濃度のフッ素が含まれていた。そのほかのアイシャドーやアイライナー、クリーム、化粧下地やペンシル類についても、全体の58%に高濃度のフッ素が含まれており、パウダー類や頬紅、ブロンザー、ハイライターやスプレー類などについても全体の40%に高濃度のフッ素が含まれていた」とのこと。

とりわけフッ素濃度が高かった29製品をさらに分析したところ、4から13種類のPFASが含まれていたそうだ。この中で製品の成分表示ラベルにPFASが記載されていた製品は、たった1つだけだったという。

こんな危険なものを化粧品に入れているとは・・と思いながら眺めていて、ふと気づいたのは、PFASの入っているものとマイクロプラスチックを含有する化粧品とは共通するものが多そうだということだ。マイクロプラスチックも口紅やファンデーション、アイメイク関係に多く使われている。

PFASとマイクロプラスチックは相性がよいのだろうか?

ではこのあたりだけ避ければよいかというとそうではなく、シャンプーや香り製品などにはフタル酸ジエチルなどのフタル酸エステル類が使われている。

フタル酸エステル類は「赤ちゃんの脳に損傷を与える危険があるため、直ちに禁止すべき」だと専門家が警鐘を鳴らしていると以前のCNNニュースにも書かれていた。

CNN NEWS(2021.2.20)

https://edition.cnn.com/2021/02/20/health/baby-brain-damage-plastic-phthalates-wellness/index.html

フタル酸エステル類は、以前から発がん性や精子数の減少など危険性が指摘されている化学物質で、プラスチックの可塑剤としてもよく使われている。

CNNニュースによると、「フタル酸エステル類は、自動車、家庭、食品、パーソナルケアの何百ものアイテムに含まれています。洗剤; ビニールフローリング、衣類、家具、シャワーカーテン。自動車用プラスチック; 潤滑油と接着剤; 雨や汚れに強い製品。シャンプー、石鹸、ヘアスプレー、マニキュアなど、香りを長持ちさせる商品も多数」とのこと。

メーカーは一体何を考えてこのような商品をいつまでも使い続けているのだろう?使いやすさや売りやすさばかりを追求し、肝心な安全性を軽視しているのではないか、と腹立たしい。

オンタリオ州、リサイクルプログラムを拡大し完全なEPR法に

カナダ・オンタリオ州政府は最近、ブルーボックスプログラム(容器包装と印刷された紙のリサイクルプログラム)を拡大し、生産者に完全に責任を負わせる計画を発表した。

オンタリオ州政府の発表によると、2025年までに州全体のブルーボックスプログラムの全責任を生産者に移行するとのこと。つまり全費用を生産者に負わせるということだ。

これにより、自治体は年間約1億5600万カナダドル(約1億2900万ドル)節約できるという。

拡大される対象には、ストローや紙皿など使い捨てフードサービスアイテムも追加される。これらを追加することで、リサイクル費用を逃れたければ、リユースに切り替えろということを意味するのだろう。

日本の容器包装リサイクル法では、一番お金のかかる分別収集費用を自治体に負わせている。それがもう20年以上も続いているが変える気配もない。その上、先日成立したプラスチック資源循環促進法では、プラスチック製品の収集費用どころか再商品化費用さえも、自治体の責任だ。

拡大生産者責任へ移行できない日本の病癖は重い。

<オンタリオ州の出典>

waste today(2021.6.9)

https://www.wastetodaymagazine.com/article/ontario-epr-legislation/

進むオーストラリアのプラスチック対策

最近、オーストラリアのプラスチック対策に関する発表が多い。

西オーストラリアでは、使い捨てのプラスチック製コーヒーカップとフタが2022年末までに段階的に廃止される予定だ。ストローやカトラリー、綿棒のプラ製の軸などは今年末に禁止する。

https://www.mediastatements.wa.gov.au/Pages/McGowan/2021/06/Western-Australias-plan-to-ban-single-use-plastics-fast-tracked.aspx

南オーストラリア州でも使い捨てプラスチックを禁止した。

JETROによると

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/09/ba332b7fca8d2c28.html

対象となる使い捨てプラスチック製品は、ストローやフォーク、スプーンなどのカトラリー、飲料を攪拌(かくはん)するマドラーなどで、これらを南オーストラリア州内で販売、供給、流通することを禁止する。違反した場合は、最大2万オーストラリア・ドル(約154万円、豪ドル、1豪ドル=約77円)の罰金が科される。ただし、新型コロナウイルス感染拡大によるビジネスへの影響を考慮し、同法の施行は2021年初めとした。

とのこと。

そういえば、クイーンズランド州でも以前プラスチック対策について発表があった。

国全体の取り組みとしては、マイクロファイバー対策がある。

2030年7月1日までに、新たに設置する洗濯機には、段階的にマイクロファイバー回収フィルターを標準装備することになったようだ。

フランスに次いで2例目か。

家庭用洗濯機も業務用洗濯機もどちらも対象だ。

https://www.environment.gov.au/protection/waste/plastics-and-packaging/national-plastics-plan/plastics-oceans-waterways

日本以外の国はどんどんプラスチック規制を強めている。日本はなぜ進まないのだろうか。