ニューヨーク州、アパレルとカーペットのPFAS禁止法が成立

PFASの危険性を指摘する声が日々高まっている。

ニューヨーク州では昨年12月、ニューヨーク州知事がペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の使用を禁じる2つの法律を承認した。

1つはアパレル製品、もう1つはカーペットだ。

アパレル製品は衣料品全般で、おむつや着ぐるみも含まれているがアウターウェアが含まない。施行予定は2023年12月31日とのこと。

日本でも、汚れ防止機能などをうたった衣類が売られているが、そういうものが禁止されるようだ。日本でも、特に子ども服のPFAS使用は早急に禁止してほしい。

もう1つはカーペット。商業ビルや住宅内で使用されるカーペット(カーペットタイルや人工芝を含む。部分的に使用するようなラグは含まない)が対象で、PFASで処理されたものは販売が禁止される。

施行は2024年12月31日から。

さすがに、飛行機やバスのシートのPFAS使用はまだ禁止できないようだ。

<参考>

https://www.bureauveritas.jp/consumer-products-retail/newsroom/230131

相模原のPFAS汚染で、浄水器のカートリッジを交換した

相模原市内の地下水や河川から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出されて以来、「大丈夫?」と心配されることが増えてきた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/234009

幸い我が家では地下水を飲んでおらず、水道水のみだったため、難を逃れているようだ。

神奈川県の県営水道でもPFOSとPFOAの検査が数年前から始まっており、今のところ検出されていない。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w6a/wqa/pfas.html

とはいえ、川で検出されているのだから、検出限界値以下であっても油断はできないし、しかも調べられているのはPFOSとPFOAのみ。他のPFASは調べられていないので、完全には安心できない。

先日、ちょうど浄水器のカートリッジ交換の知らせが届いたので、交換した。

浄水器で9割程度は除去できるという研究結果もあるようなので、これが今できる最善策か・・。

汚染源は特定されていないが、誰であろうと、水や空気を汚すような製品は、絶対に作ったり使ったりしないでほしい。

下水汚泥の肥料は、PFASなどの有害化学物質やマイクロプラの検査が必要

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、肥料が高騰。そのため、下水汚泥から作った肥料に注目が集まっている。

農水省では昨年から「下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた官民検討会」を開催。目標は

「2030年までに堆肥・下水汚泥資源の使用量を倍増し、肥料の使用量(リンベース)に占める国内資源の利用 割合を40%へ」とのことだ。

下水汚泥には肥料分がたっぷり含まれているが、化学物質や重金属、それにマイクロプラスチックも当然たっぷり含まれている。下水汚泥から既にPFASが検出されているし、調べれば他の化学物質もいろいろ検出されるはず。重金属については誰もが知る既成事実だ。

当然マイクロプラスチックも含まれているので、下水汚泥のリサイクルが進んでいる欧州では、畑がマイクロプラスチックの発生源になっているという報告がある。

大気中のマイクロプラスチックの発生源になるというのも困るが、野菜が水と一緒にマイクロプラスチックを可食部分まで吸い上げているという研究報告もある。

日本は下水汚泥の堆肥化や肥料化はあまり進んでいないので、安心していたが、これから進めるならば厳しい基準を設けてほしい。

汚泥中に含まれるリンだけを抽出し、肥料にするのはよいが、汚泥全体を適当に処理して使用するのはやめてほしい。

神戸市の汚泥肥料は、「下水処理場の配管に詰まる結晶化したリンを活用」したものとのこと(朝日新聞.2022.8.28)。結晶化したリンだけ取り出しているならばよいが、やはり検査してほしい。

<参考>

農林水産省ウェブサイト

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/221018_1.html

朝日新聞(2022.8.28)「下水処理場でつくる神戸のリン、肥料高騰で商機?」

https://www.asahi.com/articles/ASQ8W6WMPQ8RPIHB026.html

コカコーラのジュースもPFAS汚染、原因は?

水道水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染が問題になっている。検査した多摩地域の住民の85%の人の血中濃度がアメリカの基準を超えていたという。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/228317

アメリカでは、コカコーラ社のジュースからも検出され、集団訴訟になっているそうだ。

原因は不明のようだが、もしかするとジュースの原料の汚染も疑われる。果汁100%ということならば、水で薄められているわけではないので、工場内の水が汚染源ではなさそうだ。

ということは、農地の地下水が汚染されていたか、灌漑農業だとしたら使用された水が汚染されていたか、はたまた農薬や肥料由来か・・。

もう1つ可能性として考えられるのは、ビニールハウスによる農地の汚染だ。

『よくわかるプラスチックの仕組みとはたらき』(桑嶋幹、他)によると、ビニールハウスにはPET系とフッ素系のフィルムが使用されており、PET系は紫外線を通さないけれど、フッ素系ならば通すので、ナスなどの栽培にも使えるとのこと(2022年、p.183)。

また、フッ素系フィルムは汚れもつきにくく、熱や寒さに強い上、材質の強度も十分。だが、フッ素系フィルムは焼却時に有害なフッ素ガスを発生させるため、廃棄処理の問題があるという。

もしかすると、農地がフィルム由来のフッ素樹脂で汚染されていて、それが農作物に入り込んだのではなかろうか?

以前はビニールハウスといえばPVCが一般的だった。PVCはフタル酸エステルが問題だったが、いつの間にかフッ素系フィルムに代わり、今度は別の問題が起きたのでは?と想像している。

便利な社会は、落とし穴だらけだ。