英国のスーパー 国に先駆けてデポジット制度開始

今年3月、国としてデポジット制度を採用することを決めた英国で、大手スーパーが国に先駆けてデポジット制度を開始している。

英国のスーパーMorrisonは、英国内の2店舗に自動回収機を設置し、ペットボトルを入れると店で利用できるクーポンか、あるいは慈善団体CLIC Sargentに1本につき10p寄付できる。

一日最大20本で、寄付ならば1本10p(16円程度か)の現金、クーポンの場合は一日最大100ポイントとのこと。

少なくとも日本のスーパーなどでよく見かける0.2円分のポイント(500本集めないと100円にならない!)しかつかないペットボトルの自動回収機より散乱防止効果がありそうだ。

Morrisonは最近、プラスチック使用を減らすため、買い物客が肉や魚を買う際に、みずから持参した容器を使うことを認め、さらにプラスチック製透明袋の代わりに茶色の紙袋を置いている。

<出所>

Climate Action(2018.7.18)Morrisons supermarket to trial plastic bottle return scheme;

http://www.climateactionprogramme.org/news/morrisons-supermarket-to-trial-plastic-bottle-return-scheme

Morrisons launches plastic bottles deposit return scheme trial

英 コカコーラがデポジット制度のビジョンを発表

イギリスでは、デポジット制度の導入を前に、環境団体が制度への詳細な希望を表明したり、既に制度を一部先取りして開始する大手スーパーなども現れ、動きが慌ただしい。

コカ・コーラ・ヨーロッパ・パートナーズとコカ・コーラ・ブリティッシュ・コロンビアも、イギリスでのデポジット制度に役立つだろう11の提案を公表した。

財務管理と不正行為の管理、イギリス全土をカバーする共通のアプローチ、非営利団体へのスキームの委託などだ。

運営費用は、回収された容器の売却益や、容器を返還しないため残った消費者の支払ったデポジット(預り金)、そして生産者と小売店によってカバーされるべきであると提案している。また、すべての当事者が制度に確実に参加するため、法律によってデポジット制度は規定されるべきだとしている。

以前公表された日本のコカ・コーラのビジョンには、回収を自治体に任せ続けたい気持ちが透けて見えて失望させられたが、ヨーロッパとイギリスのコカ・コーラは非常にまっとうな考えを持っているようだ。

デポジット制度の運営費用は、小売店によってカバーされるべきかは異論もあるだろうが(確かにそれもよいかもしれない)、容器売却益と未返還デポジットの不足分は、生産者責任によりカバーされるべきという意見には大賛成だ。

もちろん、イギリス全土にデポジット制度を導入するため、法律で規定すべきという意見も当然であろう。

<出所>

PACKAGING(2018.7.17)Coca-Cola unveils vision for deposit return scheme

https://www.packaging-gateway.com/news/coca-cola-unveils-deposit-return-scheme/

 

日本 来年のG20でG7目標を上乗せか

2019年6月28日・29日に大阪で開催されるG20サミット首脳会議で、日本は先般拒否したG7の「海洋プラスチック憲章」の目標を上回る目標を発表するようだ。

以下、時事通信 官庁速報(2018年6月27日)より

「サミットで日本は、国内の企業や消費者の理解を得る必要があるとして、合意を見送った。しかし、目標自体は十分に達成できる可能性があることから、さらに上積みした目標を盛り込んだプラスチック資源循環戦略を19年6月までに取りまとめ、同月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議でアピールすることにした。

しかし、日本が署名しなかった海洋プラスチック憲章は、プラスチックのリサイクル率目標だけではない。日本が達成できそうな目標は「2030年までに、プラスチック用品を全て、再利用可能あるいはリサイクル可能、またはどうしても再利用やリサイクル不可能な場合は、熱源利用する」ということや「2030年までに、可能な製品について、プラスチック用品の再生素材利用率を50%以上にする」、あるいは投資を加速させることについてなどの項目である。

これらの項目については、言葉の解釈の仕方でいくらでも言い逃れ(達成)できる。例えば、日本が2030年までにペットボトルを50%再生材で作ることはそれほど難しくない。技術的には現在でも十分可能なはずだ。

投資額を多少増加させることについても難しくないはずだ。これまで日本が行ってきた投資は、抜本的にプラスチックごみを減らそうというものではない。例えばセブン・イレブン店頭にペットボトルの自動回収機を設置することに環境省は補助金を出したが、これなどはどうみても、使い捨てを助長する投資だ。ペットボトルの消費拡大にはつながるが、ポイ捨てを減らすことには働かないだろう。セブン・イレブンまでペットボトルを持参し、0.2円分のポイントを得ようとする人はもともとポイ捨てするような人ではなく、自治体回収やスーパーの回収ボックスにペットボトルを排出していた人たちだ。

これまでおこなってきたこのような投資先を見直した上で、金額を多少上乗せすることは、それ程難しくない。

問題は、「不必要な使い捨てプラスチック用品を著しく削減する」ことである。これを、日本は本当にするのだろうか?

国連や、G7の海洋プラスチック憲章が、日本のような国(回収率はそこそこ高いが、使い捨てプラスチック製品を多用している国)に本当に求めていることは、リサイクル率を上げることよりも、大幅に使い捨て製品を減らすことではなかろうか。

そうでなければ、今と変わらない「大量生産・大量消費・大量リサイクル」になってしまう。使ったものを100%回収することは、今の日本の回収システムでは不可能で、その結果が今の川ごみや海ごみの現状だ。

リサイクル率を上げることも大事だが、それよりもまず、使い捨てのプラスチック製品を大幅に削減できるような方策(例えば、使い捨てプラスチックコップや使い捨て食器の段階的禁止や課税、レジ袋の禁止、ペットボトルを規制できない場合はデポジット制度により100%の回収を目指す、など)を考えるべきである。

<関連記事>

「プラスチック資源循環戦略」策定へ

 

EU 海洋ごみを減らすため新ルールを提案

欧州委員会(EU)は、海洋ごみとなりやすい10種類の使い捨てプラスチック製品や漁具を対象に、新たなルールを提案した。

①綿棒や使い捨てナイフやフォーク、皿、ストロー、マドラー、風船の柄など代替品のあるものは禁止

②プラスチック製食器や飲料カップは有料化などにより削減

③食品容器包装や飲料容器、タバコ、ウェットティッシュ、風船、プラスチック袋などの生産者には、廃棄物管理や清掃費用等の負担を義務付ける

④2025年までに飲料容器はデポジット制度などにより90%以上の回収を目指す

などである。

また、海岸ごみの27%を占める漁具については、漁具用の生産者責任制度の枠組みを完成させる。なくしたり、放棄されたりすることの多い漁具にも生産者に費用負担を求めるとのこと。具体的には、港湾施設からの収集・運搬・処理費用、および意識向上の啓発費用を生産者に求めるようだ。

このルール案は2019年5月の欧州議会選挙までに成果を出すことを目標に、欧州議会および理事会に提出されるとのこと。

詳細(原文)は↓

http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-3927_en.htm

漁具についての詳細(原文)は↓

https://ec.europa.eu/fisheries/new-proposal-will-tackle-marine-litter-and-“ghost-fishing”_en

新ルールについては、毎日新聞にも詳しい解説が掲載されている↓

http://mainichi.jp/articles/20180605/mog/00m/030/006000c

空き缶と鯉

先日、鶴見川を散歩した。

泳いでいる大きな鯉を撮ろうとしたら、コカ・コーラの空き缶も一緒に写った。

もし、デポジット制度が導入されていれば、空き缶やペットボトルなどは落ちていないのに・・残念!

 

ニュージーランドでデポジット制度を検討

デポジット制度を導入する州が増加するオーストラリアの影響か、ニュージーランドでもようやくデポジット制度を検討し始めたようだ。

下記の記事(2018.5.14)によると、ニュージーランドでは1980年代まで「ボトル買い戻し制度」を行っていたとのこと。
(*この買い戻し制度がどういうものかはわからないが、日本でもかつて空き缶散乱が問題になった際、拾った空き缶を1個1円〜2円で買い取る自治体があった。また、オール・アルミニウム缶回収協会(現アルミ缶リサイクル協会)は、1.5円/個でアルミ缶を買い取っていた。アメリカのデポジット制度が行われていない州では、コカ・コーラ社が時々空き缶を消費者から少額で買い取っている。ニュージーランドで行われていた買い取り制度も、このようなものだったのかもしれないが、もっときちんとしたデポジット制度であった可能性もある。)

ニュージーランドの過去の制度の詳細はわからないが、ペットボトルや缶、ガラスびんのリサイクルを促すため、この制度を復活させるように、中央政府が声明を発表した。
Waste Management Institute New Zealand(ニュージーランド廃棄物管理協会)の報告書によると、デポジット制度を復活させることで、回収費用を年間2090万ドル節約できる可能性があるとのこと。
また、デポジット制度により、ニュージーランドは10年間で最大6億4500万ドル改善する可能性がある、としている。

ニュージーランドの今後の動きに注目したい。

<ニュージーランドについての出所>

1 NEWS NOW(2018.5.14)Cash for recyclable bottles scheme should be reintroduced, local councils urge Government;

https://www.tvnz.co.nz/one-news/new-zealand/cash-recyclable-bottles-scheme-should-reintroduced-local-councils-urge-government

<関連記事>

ニュージーランドでもデポジット制度を検討か?

オレゴン州でリユースびん復活か

日本のリユースびん(リターナブルびん)は、絶滅危惧種などといわれている。
確かに近くに気心の知れた酒屋さんのない地域で、びんビールや酒びんなどは買いにくい。

スーパーで買ったとしても、空きびんを回収してくれるか、5円の保証金は返してくれるか、などが気になる。
生協にでも入っていれば、リユースびん入りの酢やマヨネーズなどを購入できるのだろうが、加入していない身としては、リユースびんは気になりながらも遠い存在になりつつある。

オレゴン州ではびんビール復活に向け、ビールメーカーが団結して取組を開始したようだ。

今年7月には、州内7つのビール会社が全米初の詰替式びんビールプログラムにより、再利用可能なガラスびんでビール販売を開始する。

びんにはマーキングされ、40回繰り返し使用されるようだ。

オレゴン州といえば、かつて全米で初めてデポジット制度が導入されたことでも知られている。日本からも多くの人たちが視察に出かけた。

「空き缶公害」に苦しんでいた当時の日本で、一部自治体や市民団体がデポジット制度を模索するきっかけを作ったのが、オレゴン州のデポジット制度であった。

新聞や雑誌でも紹介され、例えば『暮しの手帖』には、15頁にもわたりオレゴン特集が組まれ、空き缶と闘った人々の健闘ぶりが紹介された。それによると、美しかった海岸などが日々空き缶や空き瓶で汚れてきたため、美しい風景を取り戻そうとデポジット制度が検討された。しかし、全米から飲料業界など反対派が集結し、少額では缶など持ってくる住民はいないからデポジット制度などムダだと反対し、議案は流れた。人々があきらめかけた時、あるスーパーのオーナーが私財をなげうって、少額でも人々は容器を返却に来ることを証明した。そのため、議案は再度提出され可決された、という感動的な内容だった。

その誌面は、当時デポジット制度を推進していた日本の人々に勇気を与えたが、産業界の強い日本ではいまだデポジット制度は導入されず、回収費用は税による負担である。

オレゴン州でのリユースびん復活に期待したい。

<オレゴン州についての参考記事>

The Refillable Beer Bottle Is Making A Comeback In Oregon↓

http://kuow.org/post/refillable-beer-bottle-making-comeback-oregon

インド・パンチクラー県 ペットボトルをATMで回収

インド・ハリヤナ州パンチクラー県で、ペットボトルや缶、ガラスびんをATM(現金自動預払機)で回収する計画があるという。
おそらくこのATMというのは、日本のスーパーでよく見かけるペットボトルなどの自動回収機のようなものだと思われる。

自動回収機にペットボトルを入れると、日本では0.2円相当程度のポイントが付くことが多いが、パンチクラー県のそれは、「人々がお金を稼げる」程度、つまりデポジット制度に匹敵する金額が回収奨励金としてバックされるようだ。

県は飲料メーカーなどとこの計画について話し合っているそうなので、奨励金の出所は税金ではなくメーカーのようだ。メーカーが全面的に協力し、税金を使わないならばよいが、ここまでやるならばデポジット制度にした方がよいのではなかろうか。

メーカー責任によるデポジット制度ならば、販売量を増やしてしまう心配はないが、安易な奨励金方式は、その商品の販売量を増大させる効果を持つことに注意が必要だ(日本のスーパーやコンビニで、わずかなポイントの付くペットボトル自動回収機を設置する店が増えている理由は、企業責任を果たしていると消費者に認識させる効果と、ついで買いを促す効果、そしてペットボトル需要の拡大を狙ったものであり、散乱ごみ対策とは言い難い)。

とはいえ、この現金がバックされるインドの環境政策が実現するならば、この県の飲料容器の散乱が減少することは間違いないから朗報といえる。

<出所>
hindustan times(2018.5.13)Soon, deposit waste at Panchkula ATMs, make money;(このサイトはSafariでは開けないようです)

https://www.hindustantimes.com/chandigarh/soon-deposit-waste-at-panchkula-atms-make-money/story-LKRQL6wtmwdTDmjzRtU9DK.html

NHK 「ペットボトルがついに限界!?」続編に期待、日本にもプラスチックフリーのスーパーを

5月9日のクローズアップ現代「ペットボトルがついに限界!?世界に広がる中国ショック」を見た。

中国が廃プラ輸入規制に踏み切ったことから、世界中で廃プラスチックが溢れ、輸出する廃プラの7割を中国に頼っていた日本もその例外ではない、散乱も多い、という内容だ。

確かに海外でも、中国ショックは最近よく話題になっている。韓国・ソウルでも廃プラが溢れ、資源ごみとして別回収されていたレジ袋などプラスチック袋の回収が中止され、ゴミ袋の中にそれらが入っているのが見えると回収しない、などのルールができたと聞く(結果的に、韓国はスーパーでのレジ袋配布を禁止することになった)。米国では州によって差があるようで、これまで中国に全面的に頼っていた地域が困っているようだ。

しかし、中国の輸入規制は突然ではない。2017年7月にWTOに廃プラや古紙など一部廃棄物の輸入停止が通告され、8月には日本でも大きな話題になっていた。9月にはJETROが詳しい内容を公表している。つまり、中国に頼っていた企業は、半年以上も対策を練る時間があったということだ。おそらく「上に政策あれば、下に対策あり」の国だから、国がああいってもなんとかなるだろう、とタカをくくっていたのではなかろうか?

番組の内容で残念だったことは、廃プラのデータを使いながら「ペットボトル」のことだと誤認させるような説明をするなどしていたこと(ペットボトルは廃プラのごく一部に過ぎない。タイトルをペットボトルとするならば廃ペットボトルの貿易コードで調べたペットボトルだけのデータを使うべき。「廃プラ」全体のデータを使って、ペットボトルのことだと誤解させているように思えた)、そして、対策がリサイクルに偏っていたことである(時間の制約上やむをえなかったならば、続編に期待したい)。確かに、ベトナムやタイに輸出先を変更したり、国内のリサイクル工場を拡充できれば、私たちはこれまで通り何もしないでラクかもしれない。

しかし、世界はもう大量のプラスチックごみに行き詰まり、為す術がないところまで来ていることをもっと強調したほうがよかった。

きれいなままペットボトルを回収できれば、少なくともペットボトルに関しては、中国に頼らずとも、日本には既に十分な容量のリサイクル施設がある(日本の廃ペットボトル再商品化工場の受入れ可能量は38万4000トン、指定PETボトル販売量は59万6000トンなので、受入れ容量不足ではあるが、廃PETでなく廃プラとしての処理ならば可能)。問題は、鉄道やコンビニ前などから回収されるペットボトルは内容物が残っていたり、他のごみが混在していたりするため、国内のリサイクル工場では受け入れにくいということだ。

しかし、デポジット制度でペットボトルを回収するならば、きれいな状態で回収できるため、これらはデポジット制度により容易に解決できる問題である。もちろん、デポジット制度で散乱ごみも減ることは、既に多くの事例から判明している。

また、フランスやイギリス、台湾、インドなどで決定しているような使い捨てプラスチックを禁止する政策を、日本でも選択すべきだろう。

レジ袋をいまだに無料配布しているスーパーやコンビニを黙認する日本の環境行政を至急見直す必要がある。ペットボトルにしても飲料メーカーは作り放題、消費者は使い放題で、回収方法はお寒いばかり。サントリーのノンアルコールビールのペットボトル化は、ビール容器のペットボトル化の引き金となり、ペットボトル散乱をより加速させるだろう。次回の番組制作では、そこまで踏み込んでほしい。

レジ袋やペットボトル以外にも、減らせるプラスチックごみは多数ある。日本で、プラスチック包装に包まれていない製品を購入することは本当に難しい。このままでは、日本中プラスチックごみとリサイクル工場、焼却場だらけになってしまいそうだ。

オランダでは2月下旬にオープンしたプラスチックフリーの陳列棚を有したスーパーが好評で、今後も継続、拡大するようだ。日本の小売店も、ぜひプラスチック包装を使わない商品を提供してほしい。

NHKクローズアップ現代(2018.5.9)↓

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4126/index.html

毎日新聞(2018.5.9)「使い捨ての包装は全廃へ 欧州のプラスチックごみ対策最新事情」↓

https://mainichi.jp/articles/20180509/mog/00m/030/005000c

関連記事

韓国のスーパー レジ袋禁止

世界初 オランダに脱プラスチック包装の陳列棚のある店がオープン

ペットボトル激増のきざし? サントリーがノンアルPETビールを発売

過度期にあるごみの分別 分別もバリアフリーに

最近、ごみ分別と専業主婦の役割について考えている。

これまでは、ごみ排出量を減少させるためには、ごみの排出に手間がかかるようにする必要があると考えていた。
ごみを排出しやすくすればするほど、安易にごみを捨てる。ごみ量は増える一方だと思っていたためである。
もちろん、この考えは間違ってはいないだろう。ごみ回収日を減少させた自治体はごみが減るし、分別数を増やした自治体のごみも減る傾向がある(資源ごみもごみ量としてカウントした場合でも、ごみ全体量は減少する)。
しかし最近、ごみ分別に困難をきたす高齢者が多いと聞く。弱視でごみを分別できなかった町議が、不法投棄をして逮捕されたというニュースもまだ記憶に新しい。

今の容器包装リサイクル法は、プラマークやPETマークなどが頼りだ。真面目に分別しようと思うと、弱視者には難しいだろう。
どれが容器包装のプラスチックで、どれが容器包装に分別してはいけない製品プラスチックなのか、高齢者や弱視者でなくとも悩む人は多い。
また、ペットボトルにしても、ノンオイルの青じそドレッシングはPETボトルに分別できるが、オイル入りの一般的なドレッシングは、たとえPET製であってもPETボトルでなく、プラスチック製容器包装として分別しなければならない。

このような複雑な分別を消費者に求めるリサイクル法は、専業主婦が分別することを前提とした法律ではないだろうか?専業主婦のいない家庭で、ごみ分別に手間をかけるのは時間的にも厳しいし、そもそも分別に関心をもつのも難しそうだ。

これからゼロ・ウェイスト社会に進んでいくためにも、住民に手間をかけさせないで済む仕組み(手間をかけられない住民もラクにごみを出せる仕組み)で、かつ分別したり、ごみを減らしたりすると得になるような経済的インセンティブを付加した仕組み(手間をかけられる人は手間をかけることで、ごみを減らせる人は減らすことで得になる仕組み)が必要になるのではないか、と考えている。

そうでなければ、高齢化や女性の社会進出に対応できるごみ処理システムとはいえないのではないだろうか。