どんな神奈川県にしたい?新総合計画のパブコメ募集中

神奈川県で、新たな総合計画を策定するにあたり、意見を募集している。

通常のパブコメと違い、既にある案に対して意見をいうのではなく、自分が望む2040年の神奈川県の姿を書いてよいようだ。

募集期間は、2023年7月12日(水曜日) から2023年8月15日(火曜日)。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r5k/pub/c5773391.html

ここに総合計画の関連資料などが記載されている。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r5k/keikaku2024.html#shiryou

「2040年の神奈川を考える50の視点」を眺め、日本の森林面積も神奈川県の森林面積もこんなに減ったのか、人口もこんなに減るのか、などあらためて驚いた。

パブコメに関連し、ゼロエミッションを実現する会やグリーンピースが、8月11日にこんなイベントを企画している。

「最高の神奈川を描こう! 神奈川県「新たな総合計画」のパブコメを書く会」↓

https://kanagawapubcom.peatix.com

鹿沼公園の池と樹木を残して!もしかして「公園PFI」?

2017年に都市公園法を改正(改悪?)した影響で、各地の都市公園が様変わりしている。

公園法改正により「公園PFI」という仕組みが可能になり、そのせいで民間に丸投げできるようになったそうだ。

民間に丸投げされた公園は、「稼ぐ」ことが重要になる。これまでは住民の憩いの場として機能しているだけで良かった公園が、金儲けせねばならないとしたら、樹木をどんどん伐採し、スポーツ施設やカフェを建てることになる。

樹木は「稼がない」どころか、毎年剪定にお金がかかる。それならば「根元から伐ってしまえ」ということで、樹木が大量伐採される公園が多いのだとか。

最近問題になっている東京都立葛西臨海公園もこの影響で、大量の樹木が伐採されるそうだ。

弁護士の尾林芳匡氏によると(日本消費者連盟の消費者リポート1671号より)、

「「PFI」とは「Private Finance Initiative」 の略で、 民間資金による公共施設整備という意味でしたが、法改正を重ね、公共用地を民間企業のお金儲けのために提供するなら、国が地方自治体に財政支援をするという歪んだ仕組みになっています」とのこと。

複合施設を建てることになっている相模原市の鹿沼公園はどうなるのかと思って見てみると、「鹿沼公園内にある児童交通公園、白鳥池、遊具広場、築山は残す一方、軟式野球場と水生植物池は廃止し、芝生広場と多目的広場としてリニューアルする」。

https://www.kanaloco.jp/news/government/article-962059.html

白鳥池は残すということなので少しホッとするが、水生植物池は廃止する。芝生広場はまさか人工芝ではないと思うが、たとえ天然芝であっても池より温暖化に寄与しそうだ。

池を残し、池の周囲に植えられている樹木も伐採しないでほしいが、どうなるのだろう?

ついでにいえば、「でいらぼっち」の碑も残してほしい。あの神話(巨人伝説)は興味深い。

鹿沼公園も民間企業に丸投げされ、どこにでもあるような面白みのない公園に変わってしまうのだろうか?

8/5日本環境会議「神宮外苑再開発」シンポ、8/9バイオマス国際ウェビナー「米国木質ペレット工場による大気汚染排出と健康被害」

以下、2本のイベントのご案内です。

1.日本環境会議も神宮外苑再開発に反対するシンポジウムを8月5日に開催

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  日本環境会議(JEC)主催『環境と公害』公開シンポジウム
「SDGsに逆行する神宮外苑再開発」

『環境と公害』第52巻第3号 特集「神宮外苑再開発計画」を踏まえて 

日時: 2023年8月5日(土)午後1時半~4時(オンライン)

登壇者: 

石川幹子(中央大学研究開発機構教授、東京大学名誉教授)

大橋智子(建築家)

ロッシェル・カップ(経営コンサルタント、神宮外苑問題の署名活動代表)

原科幸彦(千葉商科大学学長、東京工業大学名誉教授)

司 会: 原科幸彦

※ オンラインで行いますので事前登録が必要です。

登録URL https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_zXh6Nn-uQc2JS0aULKuMWA

【シンポジウム開催の趣旨】

危機的な状況の神宮外苑。2023年1月、日本イコモスの「虚偽報告が多数」との指摘にも関わらず評価書は公示され着工。第二球場の解体工事が進み、9月には樹齢100年のものを含む樹木伐採が始まります。これは国民全てにとって重要な問題です。都市生活のQOLを損なってしまい基本的人権にも関わります。このままでは、日本中の都市公園に開発の手が伸びてしまいます。

都市において、100年もかけて育った樹木は貴重です。公共空間である神宮外苑の樹木は戦火の中でも生き残った、東京都心のレガシー。全国からの献金、献木、勤労奉仕で創られただけでも貴重ですが、加えて100年の間、守られ育てられてきたという歴史があります。

この歴史的な価値を尊重するのが、SDGsです。事業者はいずれも、SDGsの推進をと言っています。ならば、この100年間の重みはわかるはずです。イチョウやケヤキなど、数百年も育つ樹木を伐採するのは理がない。レガシーをと都知事が言うのなら、これを守るべきです

しかも、樹木は保存して、ラグビー場も野球場も改修する案が複数出されています。これらに目を向けないのは合理性に欠けます。あまりにも不透明な進め方です。

*参考 『環境と公害』第52巻第3号(2023年1月25日発行)で、神宮外苑再開発を特集

特集②〉 神宮外苑再開発計画 <目次>

特集にあたって――神宮外苑再開発計画 原科幸彦

近代日本の文化的資産である神宮外苑の保全と継承に向けてー社会的共通資本である都市の緑地の保全に向けてー 石川幹子


神宮外苑再開発計画にみる問題――市民の立場から 大橋智子

日本とアメリカ、大きく違う計画への市民参加――問われる民主主義 ロッシェル・カップ

神宮外苑の環境はアセスメントで守れるか――日本の制度の効果と限界 原科幸彦

2.NGOによるバイオマス国際ウェビナーを8月9日に開催

8/9(水) 9:00~10:30 開催
 バイオマス国際ウェビナー「米国木質ペレット工場による大気汚染排出と健康被害」
 https://www.gef.or.jp/news/event/230809biomasspollution/   
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再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)により促進されている木質バイオマス発電や、石炭とバイオマスの混焼向けに、今後、約850万トンの木質ペレットが米国から輸入されると予想されている。

生産地では、大量の木材を伐採し調達し続けることによる生物多様性や森林の多面的機能への影響だけでなく、木質ペレット工場からの大気汚染物質排出による住民の健康被害も問題となっている。これまでにドラッグス社やエンビバ社のペレット工場が米国の大気汚染防止法違反で罰金を科されている。

ペレット工場の多くは、黒人などマイノリティのコミュニティ、つまり所得や教育水準が低く、トラブルがあっても訴訟などについての知識や経済的余裕が乏しい人々の暮らす地域に建設されており、「気候正義」の観点からも問題があると考えられる。

この問題は、米国国内における公害であると同時に、大量の木質ペレット輸入国である日本にとっても、持続可能性やビジネスと人権の観点から無関係ではない。

本セミナーでは、木質ペレット工場からの大気汚染に詳しい現地の専門家・Patrick Anderson氏(Environmental Integrity Project)に状況を伺い、日米両国が今後どのように取り組んでいくべきかについてディスカッションする。

▼開催概要
日時:2023年8月9日(水)9:00~10:30
開催方法:Zoomウェビナー(同時通訳付き)
参加費:無料(要事前登録)

▼お申込み
zoom登録フォーム
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_EtRkm3IRR764qKqINBHgFA#/registration

▼お問い合わせ先
バイオマス産業社会ネットワーク 泊 E-mail: mail(a)npobin.net Tel: 047-389-1552

地球・人間環境フォーラム 飯沼 E-mail: event(a)gef.or.jp 

(a)を@に変換してお送りください。


神宮外苑再開発の住民向け説明会、今夕から始まる

再開発エリアから380メートル以内の住民限定の説明会が今日の午後6時半から始まる。都民限定ならばまだわかるが、ごく狭いエリアに限定された説明会はほとんど嫌がらせに見える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c0d407252b5021a715589937561ef0a59abc0dfc

これほど反対する人が多いにも関わらず、小池都知事は再開発に対する考えを覆す気はないようだ。

かつて環境大臣をやっていたこともあり、「環境の小池」などと呼ばれた時代もあった都知事だが、これほど環境に悪いことをやる都知事も珍しいのではなかろうか。多分、歴史に残る。

再開発に反対する人たちの作った「神宮外苑まちづくり 不都合な実像」も今日から公開された。

「この巨大プロジェクトをもっとリアルに実感できるように、米国の建築設計事務所“バーマンデザイン”(Berman Architecture.com)に、開発の前と後のCGモデルの作成を依頼」したとのこと。

映像で開発の「ビフォー」「アフター」が実感できる。

「坂本龍一と神宮外苑を心配する」ウェブサイト開設 エピソードや情報提供も呼びかける

「坂本龍一と神宮外苑を心配する」というウェブサイトが開設された。坂本龍一氏からのメッセージや小池都知事に宛てた手紙も公開されている。

「坂本龍一と神宮外苑を心配する」↓

https://jingugaien.jp

神宮外苑に関連するエピソードや情報提供なども呼びかけられている。

これほどみんなが守ろうとしているものの破壊に加担する事業者や政治家に明るい未来などあるのだろうか。

日本企業、バイオエタノールの量産計画進む。バイオマスを使い捨てプラの隠れ蓑にしないでほしい

バイオエタノールを使ってバイオマスプラスチックを作るため、日本企業はしのぎを削っているようだ。

日本経済新聞(2023.6.29)によると、旭化成はブラジル産のサトウキビの糖を発酵させてバイオエタノール量産を計画中。2027年にも商用化するそうだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC040RI0U3A400C2000000/

また、住友化学は積水化学工業と組み、2025年度をめどにエチレンなどの製造を実用化する計画とのこと。

三菱ケミカルグループは豊田通商を通じ外部調達し、プロピレンなどを製造。2025年度にも製造・販売する。

王子ホールディングスは木質資源からの製造を検討している。

各社バイオエタノールをプラスチック原料に活用する考えだ。

「リサイクルの難しいプラ関連製品は焼却処分されることが多く、廃棄までのバイオマスプラスチックの工程全体でCO2排出量を減らせる。製造コストは検証を進める」とのことだが、リサイクルの難しいプラスチック製品は、最初から作るべきではない。

医療品などのような必需品は別として、もし使い捨てプラスチック製品などを念頭に置いているならば、バイオマスプラスチックなど不要だ。バイオエタノールの量産が、使い捨てプラスチックの言い訳や隠れ蓑に使われてはたまらない。

「地球は既に限界」ネイチャー発表。「地球の表面の生態系はほぼ自然のまま半分は覆われる必要がある」

世界トップクラスの科学者グループが、英科学誌「ネイチャー」に論文を発表した。地球は既に安全の限界点を超えているそうだ。

気候、生物多様性、水、自然生態系、土地利用、肥料、エアロゾルの影響など8つの地球システムの限界点のうち、7つが限界点を突破したという。

「地球の表面の50〜60%はほぼ自然のままの生態系に覆われる必要があるが、既にそれ以下になった」とのこと。

日本国内を見ていても、神宮外苑は再開発の美名のもと木が伐られているし、全国各地で人工芝グラウンドも増えた。公園などはプラスチック遊具が置かれ、その下の地面はゴムチップ舗装か人工芝だ。家庭の庭さえも人工芝で覆う家が増えている。「ほぼ自然のままの生態系」が残っている土地など、いかに森林率の高い日本でも半分もあるだろうか。

ウクライナではダムまで壊された。人間は地球に寄生しながら、地球を滅ぼしている。

ネイチャーに掲載された論文の出典は日本経済新聞(2023.6.8)↓

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230608&c=DM1&ng=DGKKZO7170779007062023FFJ000

「チョコレートがガーナの森を壊す?」オンラインセミナーのお知らせ

熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の興味深いオンラインセミナー(参加費は無料)です。

——-以下転載——-

4月21日(金)16:00〜開催【ウェビナー】
チョコレートがガーナの森を壊す?~ガーナの森林破壊とアグロフォレストリーの現状
https://www.jatan.org/archives/6003

カカオ生産の裏には児童労働や貧困の問題があることは知られていますが、森林破壊の問題については日本ではまだまだ知られていません。日本に輸入されるカカオの7割がガーナ産であり、ガーナからのカカオとカカオ製品の輸出先の第2位が日本であることから、日本にとってガーナの森林破壊には大きな責任があると言えます。今回は今年1月にガーナを調査した榎本より、ガーナにおける森林破壊とアグロフォレストリーの現状をご報告します。また、森林破壊をモニタリングする、マイティー・アースの作成したガーナのカカオ・アカウンタビリティ・マップについてもご紹介します。

【日時】2023年4月21日(金)16:00~17:30

【内容】
1.「ガーナにおける森林破壊とアグロフォレストリーの現状」
榎本肇(熱帯林行動ネットワーク/JATAN)

2.「ガーナ・アカウンタビリティ・マップについて」
マイティー・アース(未定)

3.質疑応答

【お申し込み】
Zoomでのオンライン開催となります。以下の登録フォームよりお申し込みください。
https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZckde-pqjooEt2eCzFsh0swY8f3uN-mfIEA

【主催団体の概要】
・熱帯林行動ネットワークは、熱帯林をはじめとした世界の森林の保全のために、森林破壊を招いている日本の木材貿易と木材の浪費社会を改善するための政府、企業、市⺠の役割を提言し、世界各地の森林について、生物多様性や地域の住⺠の生活が守られるなど、環境面、社会面において健全な状態にすることを目指しています。2010年以降はプランテーションが森林や地域社会に及ぼす影響熱帯林保全に関わるNGO6団体のネットワークであるプランテーション・ウォッチの事務局団体として、環境・社会問題に配慮した責任あるパーム油等の調達を企業に求める活動も進めています。

・マイティー・アース(Mighty Earth)は、土地、海洋、気候を守るため、活動する世界的キャンペーン団体。 森林破壊と人権侵害をサプライチェーンから排除する方針を採用するように世界大手の食品企業と農業法人を説得する上で主導的な役割を果たし、クリーンエネルギーに数十億ドル規模の資金の移転を行うよう推進しています。国際的に変化を訴えたり、あるいは地元レベルで呼びかけをし、環境保護の動きを促しています。チョコレートに関するキャンペーンは、Chocolate’s Dark Secret(2017年9月)というレポート発表から始まり、その問題提起を受けてカカオ業界は2017年にCocoa and Forests Initiative(CFI)を設立しました。マイティー・アースは、それ以降、現地での調査や衛星監視活動などにより、森林と人権の実態をモニタリングしています。

【主催】熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、マイティー・アース(Mighty Earth)
【協力】プランテーション・ウォッチ、地球・人間環境フォーラム

<本件に関するお問い合わせ>
熱帯林行動ネットワーク(担当:中司、榎本)
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11 JF千駄ヶ谷 4F
電話:03-5843-6720(テレワークのため留守番電話となっております)
Eメール:cocoa[@]jatan.org


木質バイオマス発電、高効率の闇。三隅火力発電所2号機も混焼

世界的に木質バイオマス発電が大きな問題になっている。先日のNGOのセミナーによると、EUでも問題になっているとのこと。

バイオマス発電は、カーボンニュートラルというトリックで、日本ではまだ持ち上げられているが、いずれバームオイル発電と同じ道をたどりそうだ。

11月1日に営業運転を開始した三隅火力発電所2号機も石炭に木質バイオマスを10%混焼する(日経.2022.11.1)。

カーボンニュートラルの計算式のおかげで、石炭よりカロリーが低いはずの木質チップを混ぜるほど額面上は「高効率」発電が実現できる。

木質バイオマス発電が増えれば増えるほど、森林破壊も温暖化も生物多様性減少も進んでしまう。

<三隅火力発電所の参考>

日本経済新聞(2022.11.1)「中国電力、三隅火力発電所2号機の営業運転を開始」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC013E50R01C22A1000000/

神宮外苑:イコモス案ならば、伐採2本、移植も1/4に

892本の樹木を伐採する上、残すイチョウ並木も球状に近いため、悪影響が指摘される神宮外苑の再開発計画。

イコモスが都に提言した案では、再開発を行っても伐採は病害虫の激しい2本のみで済み、移植する樹木も42本で済むとのこと。

現在進められている計画では、秩父宮ラグビー場と神宮球場の敷地をわざわざ入れ替える計画だが、イコモス案では入れ替えず、現在地もしくは近くで再建する。テニス場も移設しない。

イコモス案ならば、伐採を計画している約1000本の木が守られ、その上さらに1000本以上の新たな植栽が可能になるそうだ。

秩父宮ラグビー場と神宮球場を入れ替える計画の真意はどこにあるのか、できるだけ工事を大がかりにして誰がトクをするのだろうか、都市部にわずかに残されている生物多様性の場を破壊する理由はあるのか、など疑問だらけだ。

こんな計画に都が賛成している理由を知りたい。

<参考>

東京新聞(2022.4.27)「樹木伐採892本→2本でOK「逆に1000本以上植えられる」 明治神宮外苑再開発、イコモスが都に提言」↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/174107