シンガポールのデポジット制度、2025年から開始

シンガポール国家環境庁(NEA)によると、2025年4月から10セントのデポジットを飲料に上乗せし、制度を開始するとのこと。上乗せされた飲料には容器にラベルが貼られる。ラベルのない飲料もまだ出回っていることから、4月から6月まで3ヶ月の移行期間がもうけられている。

すべての飲料関連企業と小売店は2025年7月1日までに、デポジット制度を完全に実施しなければならない。

シンガポールでは、ペットボトルと缶が飲料容器の70%を占めるという。

https://youthopia.sg/read/beverage-container-return-scheme-launching-in-april-2025-canned-bottled-drinks-to-cost-0-10-more/?eType=EmailBlastContent&eId=225d7e5f-0e54-495b-a27c-28f281ed69a4

これまでシンガポールのデポジット制度は、2023年開始とされていた。

https://www.nna.jp/news/2160348

遅れたようだが、中止にならずによかった!

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スコットランドが「ゲームチェンジ」、今年8月16日からデポジット制度開始

スコットランドでは、イギリスの他の地域に先駆けて、2023年8月16日からデポジット制度を開始する。

コロナ感染禍により、1年遅れだ。

スコットランドのデポジット制の制度設計に関わったゼロ・ウェイスト・スコットランドのイアン・がランド最高経営責任者は

「ゼロ・ウェイスト・スコットランドはスコットランドのデポジット制の設計に助言したことを誇りに思います。これにより二酸化炭素が削減され、より良いリサイクルが進み、街路からのごみが最大3分の1が除去できるなど、いくつもの利点をもつゲームチェンジャーだ」

と述べている。

https://www.gov.scot/news/scotlands-deposit-return-scheme/

20ペンスのデポジットを払って飲料を購入し、その容器を用意された何万もの回収スポットに持参することで、デポジットは返却されるとのこと。

使い捨てのペットボトルや飲料缶などはなくすべきだとは思うが、それは現実的でない。デポジット制度はベストではないが、現状よりはるかにマシになる。日本にもデポジット制度が必要だと思うが、既得権益にしがみつく人たちの反対で、日本ではできそうにない。

「拡大生産者責任とデポジット制度の実現を目指す全国ネットワーク」が解散

「拡大生産者責任とデポジット制度の実現を目指す全国ネットワーク」(通称:デポネット)から10年ぶり?に封書が届いた。会を解散したという。運営委員会で決まったそうだ。

中心になって会を立ち上げた人が亡くなってからはほとんどそれらしい活動はなかったので、解散はむしろ遅すぎたくらいだろう。

解散できなかった理由は、会費の残金があったからとのこと。

「2014年以降は会費をいただいておりませんが、これまでにいただいた貴重な会費で2022年度までの東京都消費者月間事業実行委員会への参加が出来ました」とのこと。

「東京都消費者月間事業実行委員会」なるものを知らないが、環境展か何かに出展していたのだろうか?よくわからない。

それでもまだ少し残金があるそうなので、活動を引き継ぐ人に寄付してくれるそうだ。

立ち上がった時は、新聞でも大きく報道され、地方在住者も会員になることができ、当初はそれなりに活発に活動していたが、ここ10年以上の間の活動はよくわからない。

発足当時の団体名には「拡大生産者責任」は入っておらず、「デポジット制度」だけだった。それがある日突然この名前に変わったという知らせが届いた。変わった理由は不明だが、デポジット制度だけでも難しいのに、さらに拡大生産者責任まで入れてどうするつもりだろう?と思った記憶がある。

そもそも、デポジット制度は拡大生産者責任の1形式なのだから(日本のローカルデポジットを除く)、わざわざ拡大生産者責任などという言葉を入れてハードルを上げる必要はなかったはず。

現在、世界では多くの国がデポジット制度を導入しているか、導入準備中だ。日本が導入できないのは、飲料容器の処理に責任を持ちたくない事業者が反対するからで、事業者に忖度している環境省や経産省も動かないためだ。

デポジット制度が導入されると、販売時の飲料価格にデポジット(保証金)が上乗せされるため、販売量が落ちるから事業者に嫌われるということも指摘されている。

導入しない後付けの理由として、日本は既に90%以上回収しているからデポジット制度にする必要はない、ということも言われている。しかし、本当にこれだけ回収されているのだろうか?ごみとなったものの回収量など、正確にはだれもわからない。アンケートや貿易統計などを見て、推定に推定を重ね、こうだったらいいなぁ、これならおかしくないかも、という数値を出しているものと思われるが、これがデポジット制度になったら正しくわかるはずだ。

正しい数値を知りたくないし、知らせたくないということも、事業者のデポジット制度反対理由の1つではないかと想像している。

折しも、中国の「プラスチックフリーチャイナ」が発表した論説に「世界的な飲料包装回収「デポジット制」がブームになっていますが、あなたは参加したいですか?」(2023.2.6)と書かれていたと聞いた。

世界では、「ブーム」といわれるほどびん・缶・ペットボトルを対象としたデポジット制を導入する国が増えているのに、日本ではこの有様。

この団体の残金がいくらあるのかは知らないが、デポジット制度の実現に向けて活動する若い人たちが残金を引き継ぎ、新たな会を立ち上げてくれればよいと強く願っている。

マサチューセッツ州、デポジット額を上げる法案提出

マサチューセッツ州で先週、デポジット額を5セントから10セントに上げる法案が提出された。

アメリカやカナダでは、まだ5セントで飲料容器のデポジット制度を運営している州がある。マサチューセッツ州もその1つ。

40年程前に開始された時は、5セントでも返却インセンティブとして機能したが、近年5セントでは機能しにくくなっている。

そのため、10セントに上げる州が増えているが、業界の反対が強い州はなかなか上げられない。

マサチューセッツ州の環境擁護者は、少なくとも20年前から制度の近代化を求めているという。

確かに5セントでは難しいと思うが、5セントでもデポジット制度が実施できているだけ日本よりマシだ。

日本では、スーパーやコンビニの前に置かれているペットボトル自動回収機をデポジット制度だと誤解している人が多い。あれは単なる店側の顧客サービスで、デポジット制度ではない。そのため、せいぜいが1本当たり0.25円だ。

<参考>

https://www.wamc.org/news/2023-01-26/bill-filed-in-massachusetts-legislature-to-increase-bottle-deposits-to-10-cents-expand-to-more-beverage-containers?eType=EmailBlastContent&eId=97661751-d58d-44a5-8322-dd7d1c8acbd1

英政府、デポジット制度の概要を発表 2025年から開始

イギリス(イングランド、ウェールズ、北アイルランド)で2025年10月1日から飲料容器のデポジット制度が開始される予定だ。

英国政府が、デポジット制度についての意見公募の政府回答を発表した。

回答者の83%が新しいシステムに賛成しているという。

デポジットの対象は、プラスチックと缶(スチール、アルミ)から作られた使い捨て飲料容器だ。2024年夏までにシステムを運用する機関を決める。

デポジット制度により、導入3年後には廃棄される飲料容器ごみが85%減になるのを目指す。

ガラスびんはイングランドと北アイルランドではデポジット制度 によって回収されず、ガラスのリサイクルに関連して生産者に目標を課す拡大生産者責任の対象となるとのこと。

しかし、ウェールズではガラスびんも対象になるようだ。

https://www.daera-ni.gov.uk/news/deposit-return-scheme-drinks-containers-progresses

以前の発表によると、スコットランドは今年8月16日から開始される。対象は、ペットボトルとアルミ缶、スチール缶、ガラスびんで、デポジット額は20ペンスだ。

<英国政府ウェブサイト>

https://www.gov.uk/government/news/deposit-return-scheme-for-drinks-containers-moves-a-step-closer

https://www.gov.uk/government/consultations/introduction-of-a-deposit-return-scheme-in-england-wales-and-northern-ireland

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スロバキアのデポジット制度が好調。開始からまもなく1年

スロバキアはデポジット制度を今年1月1日から開始した。1月から11月までの合いだに回収された容器は7億8700万以上になるという。販売された対象飲料(ペットボトル・缶)は10億本とのこと。

回収から1年未満で約80%の回収率ということだから、順調といえる。

目標は2025年までに90%の返却率を達成すること。現在3004カ所の回収場所があり、うち1184カ所が強制、1820カ所が任意の回収場所だ。

店舗面積が300平方メートル以上の店舗にのみ回収場所の設置が義務づけられているため、大規模店舗の回収は強制だ。つまり過半が300平方メートル未満の店舗でも、自ら回収場所になっているようだ。

今後回収率を上昇させるためには、この任意の小規模店舗が回収場所になるかどうかにかかっているということだ。

スロバキアのデポジット制度の対象容器は、使い捨てのプラスチック容器と金属容器で、サイズは0.1から3リットル。牛乳やスピリッツの容器は対象から外されている。

日本はデポジット制度でもないのに、ペットボトルでも既に90%近くのリサイクル率を達成している、などと思うのは早計だ。日本の回収率は、海外へリサイクル目的で輸出される分などを加味した単なる「参考値」で、デポジット制度による正確な回収率とは全く精度が違う。

「これほど落ちていて、これほど燃やされているのに、なぜ回収率が高いの?」という疑問を多くの人は感じているだろう。

実際、デポジット制度実施国には、すぐに拾えるところにはペットボトルや缶は落ちていない。それでも回収率は90%を切っている国も多い。「回収率90%」は、デポジット制度が順調に運営されている場合にのみ達成できる数字だ。

順調な運営には、回収拠点の密度とデポジット金額が最も重要な要素となる。

<出所>

https://www.tasr.sk/tasr-clanok/TASR:2022122000000191?eType=EmailBlastContent&eId=a9c8835f-422b-456f-b04e-560b1705dfc8

<参考記事>

コカコーラのすべきことは、ごみ拾いやCOP27の後援ではない

コカコーラは5年連続で世界最大のプラごみ汚染メーカーだ。

https://www.swissinfo.ch/jpn/ネスレ-プラスチック汚染企業のワースト3位に/48062096

「5年連続で行われた「プラスチック汚染企業」の2022年調査には、世界6大陸の44カ国で1万4760人のボランティアが協力し、約43万個のプラスチックごみが記録された。メーカーを確認できたごみを集計した結果、1位は5年連続でコカ・コーラだった。2位にペプシコ、3位にネスレが続く」

そのコカコーラは、クリーンアップの団体とごみ拾いをしたり、COP27の後援をしたりしているが、コカコーラが今すべきことはそんなことではないはずだ。

グリーンウォッシュと批判されても当然だろう。

https://www.campaignjapan.com/article/cop27を後援するコカ・コーラに-グリーンウォッシング-と批判の嵐/481774

コカコーラは世界最大のプラスチック汚染企業としての自覚を持ち、まず商品をプラスチック容器に入れないこと、入れた場合は必ずデポジット制度で責任持って回収すること、この2つを徹底してほしい。

しかし、多くの国で、コカコーラはこれまでデポジット制度の機運に水を差し、積極的に潰す方向に動いていた。

ごみ拾いなどをやっているヒマをあったら、自社製品の容器が散乱ごみにならないように早く対策してほしい。

中米の川に一面のプラごみ

中米エルサルバドルにあるスチトラン湖の動画を見て驚いた。

まさに一面のプラごみで、水面が見えないほどだ。

ぜひ、ここのAFP通信の動画をご覧ください↓

「中米の河川や浜辺覆うプラスチックごみ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/b02f9297f1cad67146e932891d22168b4a773708

また、グアテマラを流れるモタグア川支流のラスバカス川からオモアに流れ着くプラスチックごみは、年間約2万トンで、大半はグアテマラ首都のごみ埋立地から流れ出したものとのこと。

ということは、このスチトラン湖のプラごみも、ごみ埋立地から流れ出したものだろうか。

そうであれば、ごみ処理インフラの整っていない国に、プラスチック入り容器に入った製品を売ったり、あるいは「リサイクル」名目で廃プラを輸出したりするのは、まさに「環境犯罪」だ。

シンガポール、デポジット制度導入か

シンガポールの環境庁が、飲料容器にデポジット制度を導入することについて、パブリックコメントを募集している。

デポジットの金額は 10 から 20 シンガポール セント (7 から 14 セント) で、対象はアルミ缶とペットボトルだそうだ。紙パックやガラス瓶は、あとで対象にするかを検討するとのこと。

回収方法は、基本的に自動回収機を使うが、大規模なスーパーでは店頭での返金も求められている。

<参考>

recycling today(2022.9.22)

https://www.recyclingtoday.com/article/singapore-beverage-deposit-return-recycling-aluminum-plastic/

東京海上がJEPLANの技術を利用し、PETのリサイクル保険

東京海上日動火災保険が、サーキュラーエコノミーを促すための保険商品を開発したようだ。

輸送・保管中に中身の入ったペットボトルなどを事故痔破損した場合、ケミカルリサイクルの利用費や工場への輸送費を払うとのこと。

「保険料は年数十万~数百万円で、保険金は数百万~数千万円となる見込みだ。保険料収入は今後3年間で年数億円をめざす」(日経2022.8.24)そうだ。

ペットボトルのケミカルリサイクルを担うのは、JEPLAN(今年5月に日本環境設計から社名変更)。

東京海上日動火災保険は、JEPLANと資本業務提携契約も締結した。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220824&c=DM1&ng=DGKKZO6369377023082022EE9000

JEPLANは最近、佐賀市や宮津市など自治体ともペットボトルの水平リサイクルに関する連携協定を締結している。

ここまできたら、もうペットボトルは容リ法の対象から外すべきだ。