環境政策で欧州をけん引するフランス、「反浪費法」など新法続々

ヨーロッパ諸国には、スウェーデンやデンマーク、ドイツなど優れた環境政策をもつ国が多い。かつてのフランスは、そのなかでほとんど目立たない存在だった。

しかし、最近のフランスの環境政策は勢いがある。新しい手を次々と繰り出し、EU(欧州連合)をけん引している。

例えば、2015年に制定された売れ残り食品の廃棄を禁止する法律は画期的だった。これにより、店舗の面積が400平方メートルを超えるスーパーは、賞味期限切れなどの食品を勝手に廃棄処分できなくなった。代わりに、慈善団体へ寄付したり、動物の餌として活用することになり、話題を呼んだ。

使い捨てプラスチック削減分野でも、レジ袋の禁止(2016年7月)や、生鮮食品を包むレジ袋以外の使い捨てプラスチックの禁止(2017年1月)など、対応が早かった。

さらに先月(2019.6.4)、フランス政府は、売れ残った洋服や非飲食品の廃棄処分も、2023年までに完全に禁止することを決めた。この法律が施行されると、売れ残りの衣類などもリサイクルかリユース(寄付)などにより処理しなければならない。

「残ったら燃やせばいい、捨てればいい」という安易な大量生産がなくなりそうだ。生産現場でのスケールメリットは、必ずしもエコではない。

また、フランスは、拡大生産者責任の対象商品をさらに拡大する。

JETRO(2019.7.19)によると、現在、生産者の責任で回収・リサイクルが義務付けられている製品群(現行で義務付けられているカテゴリーは電気・電子機器、容器包装、衣料・靴、家具など14種)に、新たに建材、玩具、スポーツ用品、DIY・ガーデニング用品、たばこ、ウエットティッシュなどを加える、ということだ。

また、この法案で、企業から徴収する回収・リサイクルのための拠出金(日本でいうところの再商品化費用だが、フランスでは回収分もほとんど企業が支払っている)を見直す。以下、転載↓

環境に配慮した製品の拠出金は割引し、リサイクルの可能性が制限されている製品には拠出金を割り増しする制度の導入が盛り込まれた。割り増しまたは割引の金額は、製品の販売価格の20%を上限とする。また、特定の製品や資材の市場投入の条件にリサイクル材料の最低使用量を設定することを可能にする。

今朝の日経新聞に記載されている審議中の「新法(反浪費法)」というのは、これのことだろう。消費するプラスチックの量を大胆に減らすため、不要なプラスチックを多く作る企業にはペナルティを与え、環境に良い商品を作る企業は恩恵を受けられる仕組みを作る、とある。

この法律がどのような成果をもたらすことになるのか、とても楽しみだ。

加えてフランスでは、飲料容器のデポジット制度も検討中だ。EU目標である2029年までに90%以上のペットボトルを回収するという目標を達成するためである。そのためのプロジェクト推進委員会が作られた。

「容器の返還方法や対象容器の種類などの具体的内容について協議を重ね、9月から国会で審議予定の「循環経済のための廃棄物削減に関する法案」に盛り込む予定」(JETRO, 2019.6.28)とのこと。

しばらくフランスの環境政策から、目が離せない。

日本の容器包装リサイクル法は、フランスの制度をモデルにしたといわれている。当時のフランスの容器包装令は、企業負担分がドイツに比べ少なかった。ドイツは拡大生産者責任が100%達成されているが、フランスは50%程度だといわれていた。

そのため、生産者の負担を減らす方が制度を導入しやすい日本としては、ドイツではなくフランスをモデルにしたと考えられる。しかし、フランスではその後どんどん生産者の負担割合を増やしていった。

日本の容器包装リサイクル法は、生産者が負担すべき回収費用を自治体が負担しているという点で、1995年当時からあまり変わっていない。再商品化費用よりもはるかに高い回収費用を、相変わらず自治体が税金で負担しているのだ。日本の環境政策の後進性は、最近特に顕著だ。

<参考>

「反浪費法」については日本経済新聞(2019.8.1)「プラごみ汚染どう防ぐ」:「大胆な削減」へ法整備(仏環境副大臣)

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO48022860R30C19A7TCS000/?n_cid=DSTPCS001

JETRO(2019.7.19)「生産者による回収・リサイクル責任を強化する循環経済法案を閣議決定」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/b9538c17bf66d373.html

JETRO(2019.6.28)「容器回収を促すデポジット制度導入に向け、委員会を設置」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/ecee09ae588092a9.html

 

 

ペプシコ、脱プラに本気を見せる?コカコーラとともに、脱プラ阻む業界団体を脱退

ペプシコは、コカ・コーラとともに海洋プラスチック汚染企業の1つだが、最近「脱プラ」に本気で取り組む様子が垣間見えるようになってきた。

昨年、ペプシコがソーダストリーム(家庭用炭酸飲料マシンの会社)を買収した時は、ペットボトルが売れても廃れても、どちらでも生き残れるように対策したのだ、と思った。つまり、ソーダストリームはペプシコにとって、脱プラが進んだ時の「保険」だろうと。

しかし、そんなセコイことは考えていなかったようで、今年に入ってからも次々と新しい取組を発表している。

例えば、ミネラルウォーターの販売をペットボトルからアルミ缶に切り替えるとのこと。

今のところ、アメリカ国内のみが対象のようだが、世界中で早急にやってほしい。

また、同社は、LIFEWTRブランドの製品は100%再生ペットボトルのみで販売し、炭酸飲料はプラスチック容器で販売しないそうだ。これは来年から実施される。

これにより、未使用プラスチック8000トン、温室効果ガス約1万1000トンを削減するとのこと。

同社の目標である「2025年までにリサイクルあるいは堆肥化、生分解が可能な容器のみを使用する」という目標も、日本コカ・コーラの「容器の2030ビジョン」よりも上回っている。

さらに、ペプシコとコカ・コーラは、アメリカの業界団体であるプラスチック工業会を脱退する、とのこと。

理由は、この業界団体が各州の「使い捨てプラスチック禁止」の条例案を阻むロビー活動を行っているとして、米グリーンピースが2社に脱退を働きかけ、それに応えたためらしい。

ペプシコの取組が、日本でのペプシコ関連商品や日本コカ・コーラの販売活動にも影響を与えることを願っている。

<関連記事>

ペプシコ vs コカコーラ、ペプシコが自動炭酸飲料機で一歩リード?!

日本コカ・コーラの「ビジョン」に失望

<参考>

GREENPEACE(2019.7.25)「コカ・コーラとペプシコ、脱使い捨てプラを阻む米業界団体から撤退」

コカ・コーラとペプシコ、脱使い捨てプラを阻む米業界団体から撤退

HUFFPOST(2019.6.29)「ペプシ、ミネラルウォーター販売をペットボトルからアルミ缶に切り替えへ 米国地区が対象」

https://www.huffingtonpost.jp/entry/water-in-aluminum-cans_jp_5d170e0ce4b03d61163bc444

象印、社内でペットボトルを禁止

象印マホービンは、2019年内に、社内でのペットボトル飲料の使用を全面的に禁止するとのこと。

自分の席や会議室などへの持ち込みも禁止し、社内の自動販売機からもペットボトル飲料をなくす。

タイの自社工場では、既に5月には禁止したそうだ。

グループ企業にも2020年以降に広げるとのことだが、水筒を作っている会社やそのグループ企業で、社員がペットボトルや缶を使って水分補給するのはどう見てもおかしい。

自動販売機から缶もなくし、鎌倉市役所にあるようなマイカップ式か、あるいはマイボトル式のに変更したらよいと思う。

同社は、大阪府と廃プラ削減の協定を結んだとのことで、象印のボトル販売店では府の取り組みを紹介する。府が主催するイベントに象印製品を置くなど、マイボトルの普及に向けて連携していくとのことである。

<関連記事>

積水ハウス、「脱ペットボトル」へ

鎌倉市の先進的な取組

<参考>

日本経済新聞(2019.7.19)「象印、社内でペット飲料を禁止 マイボトル拡販狙う」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47495530Y9A710C1XQH000/

 

上海、7月から生活ごみ管理条例でごみの4分別開始 公共のごみ箱は?

上海で、生活ごみ管理条例の下、ごみの分別回収が始まっている。

個人がごみを分別しないまま出した場合、最高200元(約3200円)の罰金が科されるという(企業の罰金は最高5万元)。

基本的に「リサイクル可能なごみ(紙、プラスチック、金属など)」、「有害ごみ(電池、ペンキなど)」、「水分を含んだごみ(生ごみ)」、「乾燥したごみ(生ごみ以外の燃やせるごみ)」の4種類に分別し、決められた時間に出すことが求められる。

ティバッグなどは、中の茶葉を生ごみに、外側を乾燥したごみに分別しなければならないようで、なかなか厳しそうだ。

以前、上海を訪問した際、公共のごみ箱からペットボトルや缶などの資源物を拾って歩く人(確か、遊撃隊と呼ばれていた)を見かけた。

ペットボトルの資源としての価値が日本より高いようだ。

←上海のごみ箱。なかなかスタイリッシュ

↑上海のごみ箱

※写真はいずれも筆者が3年程前に撮影したもの。7月以降は公共のごみ箱も分別数が増えたかもしれない。

<関連記事>

上海、7月からホテルや飲食店で使い捨て品提供自粛

<参考>

毎日新聞(2019.7.2)「ごみ分別「市民」監視毎日.2019.7.2.上海のごみ

exciteニュース(2019.7.8)「上海「ごみ強制分別」、施行から1週間で罰金通知書190枚―中国メディア」

https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190708033/

ユニクロ、9月からレジ袋を紙袋に、2020年までに使い捨てプラ85%削減 衣類の自然素材化は今後検討か?

ユニクロなどを運営する(株)ファーストリテイリングは、使い捨てプラスチックの使用削減に関するグループ方針を発表した。

2020年中を目処に、世界のグループ全体で、店頭で使用する使い捨てプラスチックのうち、ショッピングバッグと商品パッケージの85%(約7,800トン)の削減を目指すとのこと。

2019年9月1日から、プラスチック製ショッピングバッグを紙袋(FSC認証を受けた紙か再生紙)に切り替える。

国内のユニクロとGUは、2020年1月14日から全店舗で紙袋を1枚10円にするそうだ。

また、ヒートテックなどインナー類のパッケージも紙などへの切り替えを目指し、今夏から検証を開始するとのこと。

そういえば子どもの頃、表面は透明のプラスチック製で、裏面が白い紙製という材質の異なる2枚を貼り合わせた袋で、衣類が販売されているのを見たことがある(今もブドウの袋などに使われてる)。

ユニクロがどんなパッケージを採用するのか、楽しみだ。

しかし、アパレル産業にとっては使い捨てプラスチックを減らすことも大事だが、マイクロプラスチックの原因にならない衣類を作るために、衣類の材質を自然素材に切り替えることがこれから最も重要になるはず。

欧米のアパレルメーカーも既に検討していると聞く。

綿100%などを増やして欲しいが、まずはポリウレタンを使わないインナーやソックス、子供服を作ってほしい。

海ごみの見地からも、健康の見地からも、ポリウレタン入りの衣類は着る気にならない。

<補筆:「健康の見地」についてのご質問へのお答え>

ポリウレタン入りの衣類は、通常の使用ではそれほど問題はおきないのかもしれませんが、暑い日の着用や、衣類にアイロンをかけた際のことを考えると、あまり使いたくない素材です。

ポリウレタンの原料である危険なイソシアネートを吸い込む可能性があるからです。

木村・黒田先生の『地球を脅かす化学物質』海鳴社, 2018, p.127には、

イソシアネート類は、重合しポリウレタンとなった固体の状態では安全とされてきましたが、ポリウレタンとなっても、熱が高くなると乖離して空気中に放出される可能性が指摘されています。厚労省の研究報告では、ポリウレタンを使用しているアイロン台やジェルネイルから、28度の条件でイソシアネート類が空気中に放出され、40度ではその量が増えたと報告されました。高温で使用するアイロン台や、肌が触れる低反発枕などのポリウレタン製品から、どれだけのイソシアネート類が出てくるか危惧されていますが、消費者レベルでの法規制はありません。

と書かれています。

ポリウレタン製の衣類も控える方が安心だと思います。

<関連記事>

ユニクロとZARAも脱プラスチックを表明

自宅から出るマイクロファイバーを減らす洗濯法

<参考>

UNIQLO プレスリリース(2019.7.3)

https://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2019/07/19070311_bag.html

G20、米中に配慮、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン

29日、G20が閉幕した。
気候変動ではアメリカに配慮した結果、一歩も進展しなかった。海洋プラスチック汚染では中国にも配慮した結果、「2050年までにプラスチックごみの海洋投棄をゼロにし、さらなる海洋汚染をゼロにする」となった。
欧州の国々は「2030年まで」のゼロを求めたという。
また、大阪サミットに先駆けて開催されたG20エネルギー・環境関連閣僚会合で決まった「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組」には、数値目標がない。

詳細は今後決まるらしいが、日本のごみ処理方法(本来、生産者責任で回収すべきものまで税金を使って回収し、回収したごみを焼却炉で燃やす)を途上国に押しつけるだけになるのではないかと心配だ。
今のところ、日本が支援する予定の国は、インドネシアと南アフリカか。
焼却炉を途上国に売ることは、地球規模でのプラスチック汚染と温暖化を解決することにはならないだろう。

強国に配慮しつつ、単に各国首脳の発言や思惑の共通項をとりまとめただけの「首脳宣言」では、議長国として失敗だったのではないか。

この大阪ビジョンで読み取れるのは、海洋へプラスチックを流出させているのは途上国で、日本は流出させていないから日本のやり方を教えてあげよう、という傲慢な勘違いと、焼却炉を買わせて将来に渡って稼ごう(定期的にバグフィルターを交換するなど維持費が必要)というソロバン勘定だけだ、といったら言い過ぎだろうか。

<参考>

環境省「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組(仮訳)」

https://www.env.go.jp/press/files/jp/111883.pdf

日経新聞(2019.6.29)「「公正・無差別な貿易へ努力」G20首脳宣言採択し閉幕」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46772370Z20C19A6MM8000/

日経新聞(2019.6.30朝刊)「廃プラ削減険しい道 流出元 把握進まず」

朝日新聞(2019.6.30)「(社説)大阪G20閉幕 安倍外交の限界見えた」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14076118.html?iref=com_rnavi_arank_nr01

朝日新聞(2019.6.29)「日本政府、南アフリカに2億円 海洋プラごみ対策で協力」
https://digital.asahi.com/articles/ASM6Y3FDDM6YULFA003.html

インドネシア、ごみ焼却発電を10都市に導入?!

インドネシアは、ジャムベックらの試算によると、世界第2位の海ごみ発生国(2010年に海へ流出させたプラスチック量が2番目に多い国)であるとされている。
また、インドネシアに漂着したクジラの死骸から、プラスチックごみが大量に見つかったのもまだ記憶に新しい。
そのためか、インドネシアでもプラスチックの取扱いが厳しくなってきている。
例えば、レジ袋を有料化している地域が増えてきた。
また、まもなくプラスチックごみの輸入も禁止するそうだ。
おそらく輸入古紙も夾雑物の割合などが厳しくなるだろう。
それはとてもよいことだと思う。

しかし、インドネシアは今後3年間で焼却炉を10都市に導入するとのこと。ごみを焼却発電するそうだ(毎日新聞2019.6.26)。
ごみの焼却発電など、決して高効率とはいえない。
せいぜい10%〜20%、うまくいって、20%を少し超える程度ではないか。
それよりは、使い捨てを減らすことでプラスチックを削減し、出たごみの回収、リサイクルに尽力すべきだろう。

アメリカでは、GAIAというNPOが焼却炉についての新レポートを出したという。
『アメリカにおける焼却炉の時代は終わりつつある』というタイトルだ。
アメリカでは、焼却施設は差別されている地域に多く、73ある焼却施設の8割はマイノリティに設置されているそうだ。
どんな高性能の焼却炉でもダイオキシンなどの有害物質の発生を完全にはなくせない。
しかも、ごみ量を10分の1にするだけで、後には有害な焼却灰も残る。仮に焼却灰をセメントなどに利用しても、その利用先の環境汚染を長期間気にしていなければならない。
日本は1990年代、世界最大のダイオキシン汚染国だと言われていた。
欧米がダイオキシンを気にして、プラスチックごみを簡単には燃やさなくなってからも、プラごみを気軽に燃やし続けていたためだ。
その汚名は、ダイオキシン法ができ、高性能の焼却炉を導入するようになってから、返上されたかもしれない。しかし、ごみを焼却し続ける限り、焼却炉に大金を投じ、焼却灰の処理に頭を悩ませ続けなければならない。

日本もインドネシアも脱焼却を目指し、ゼロ・ウェイスト政策に舵を切る必要がある。

(追記)

インドネシアの廃棄物発電情報を検索したところ、さまざまな情報がヒットした。例えば、下記など。既にインドネシアも、廃棄物発電に向かって突き進んでいる。

THINK WASTE(2018.4.25)「インドネシア、廃棄物発電プラント建設加速、大統領制を施行」↓

http://thinkwaste.net/international/1894

THINK WASTE(2018.9.3)「インドネシア、廃棄物発電で日本と協力希望」↓

http://thinkwaste.net/politics/2048

じゃかるた新聞(2019.4.8)「バンドン県で廃棄物発電へ JICAがコンサル」↓

https://www.jakartashimbun.com/free/detail/47110.html

<参考>
インドネシアの10都市での焼却炉について↓
毎日新聞(2019.6.26)「プラごみ輸入禁止」
毎日2019.6.26.インドネシア禁止

GAIAの焼却炉レポートについて↓
「GAIAからの新レポート:アメリカにおける焼却炉の時代は終わりつつある」(2019.5.23)↓
http://eritokyo.jp/independent/ikeeda-gaia2019-may.html

上海、7月からホテルや飲食店で使い捨て品提供自粛

上海で「上海市生活ゴミ管理条例」が今年7月1日から施行されるのに伴い、ホテルや飲食店での使い捨て品の提供が自粛される。
ホテルでは、ハブラシや石けん、ひげそり、クシなどアメニティグッズを積極的に提供できなくなるとのこと。
違反者には罰則もあり、宿泊者が通報することもできるそうだ。
また、飲食店でも使い捨てのナイフやフォーク、レンゲ、食器を積極的に提供してはならないとされている。
そのため、ケータリング(外売り)業者も使い捨ての箸などを積極的に提供しないよう、7月から自粛するそうだ。

一方日本では、コンビニなどが使い捨てフォークやスプーン、ストローなどを提供し続けるため、植物由来の素材を30%入れたり、生分解性プラスチックを採用するなどしている。
割り箸も相変わらず無料提供のままだ。
宿泊施設では最近、タビ状のソックスやタオル、ハブラシ、クシなどが、わざわざカラフルなヒモ付きのプラスチック袋(茶巾袋)に入れられて、提供されることが増えている。
中を開けると、中身もほとんどがプラ包装だ。
材質変更よりも、まず希望者だけが使えるように、有料配布にしてほしい。
日本も上海のような「生活ごみ管理条例」が必要だ。

G20のために、日本が用意した海ごみ対策のシナリオは、イノベーションばかりが強調され、「削減」につながることはほとんど書かれていない。
日本の環境面での後進性は、近年特に際立っている。

<参考>
JETRO(2019.5.28)「上海市内のホテル、使い捨てアメニティー(日用品)の提供を自粛へ」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/05/598a3d75f8404a01.html

人民網日本語版(2019.5.14)「上海のホテルで7月から使い捨てアメニティグッズの提供禁止へ 違反した場合は罰則も」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0514/c94475-9577991.html

餃子の王将、7月から順次「植物由来」ストローに

餃子の王将がプラスチック製ストローをやめ、植物由来の生分解性の素材(紙?)に切り替えるとのこと。
また、テイクアウト用のスプーンは、植物由来の素材を25%以上使ったものに変更する。
素材変更も良いが、テイクアウト用スプーンを有料にすれば、断る人が多いからプラスチック使用量がもっと減るのに・・と思う。
テイクアウト用とはいえ、自宅やオフィスで食べる場合は、マイスプーンで食べる人も多いだろう。
客にしてみたら、要らないのにスプーンが付いてきた、というケースはよくある。
2019年7月から順次切り替えるそうだ。

日本の脱プラは、国は何も決めず、企業任せにする。
環境意識の高い店のストローは切替が進むが、まだそのままの店も多い。
消費税の増税をやめ「使い捨てプラスチック税」を導入するか、あるいは有料化すれば、切替や廃止がもっと進むだろうと思うが、国はレジ袋の有料化を決めるだけでも、経団連の助けが必要だった。
台湾では7月から、プラスチック製ストローの店内提供が禁止になる。
台湾では目下ガラス製ストローが流行っていると聞くが、ファストフード店でガラス製を使うことは考えにくい。
どう変わるか興味津々だ。
日本に出店している台湾の店はどうするのだろうか?
気になるので、7月になったらタピオカミルクティでも飲みに行って確認してみたい。

(補筆)
『プラスチック・フリー生活』(NHK出版, p.182)によると、プラスチック製ストローには「着色剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが添加される」とのこと。出典はワールドウォッチ研究所とのことだが、出典先URLのリンクが既に切られていたため、確認できなかった。もし、これが本当だとすると、小さい子ども達が使っているマグカップや水筒に付いているリユース用ストローの安全性も気になるが、どうなのだろうか?

<関連記事>

台湾 2019年7月からストロー禁止

<参考>
テレ朝news(2019.6.19)「「餃子の王将」も“脱プラ” スプーンも植物由来に」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000157531.html

朝日デジタル(2019.6.20)「餃子の王将も脱プラ スプーンやストロー」
https://digital.asahi.com/articles/ASM6L4QMMM6LPLFA007.html

人は毎週5gのプラスチックを食べている、について

WWFが、オーストラリア・ニューカッスル大学に委託した調査結果をもとにDalbergの最新レポートをまとめた。それによると、人間は平均毎週5グラム(クレジットカード1枚分相当)のプラスチックを食べている、とのこと。

約2000個のマイクロプラスチックだそうだ。

内訳を見ると水(水道水・ペットボトル)がダントツで1769個、あとは貝・甲殻類(182個)、ビール(10個)、塩(11個)。

筆者も以前計算してみたが、これ程多くはならなかった。何が違うのかと見てみたところ、こちらの計算は水からの摂取がかなり多いようだ。

以前のミネソタ大学の研究発表をもとにした新聞報道(東京新聞2018.9.3)によると、

「米国人の標準的な消費量に基づくと、水道水と食塩、ビールから年間五千八百個のマイクロプラスチックを摂取する計算になる。水道水由来が全体の88%を占めた」

とのことだから、年間5800個ということは週111個。やはり筆者の計算と同様、今回の発表の方が1桁多い。

おそらく、ペットボトルと水道水の違いか。ペットボトルで水を摂取することが多い人の食生活をベースに計算すると、週2000個になるということだろう。

以前報道されたペットボトルから検出されたマイクロプラスチックの数は1リットル当たり平均325個だった(当時の報道では0.1ミリを超えるものは10個/Lで、それより小さいマイクロプラスチックも含めると325個)。

毎日1リットルのペットボトル水を飲むと、それだけで週2275個。500ミリリットルでは1138個。煮炊きには水道水を使用するだろうから、ペットボトル水+水道水で、週1769個はそれ程過大とはいえないかもしれない。

WWFのレポートをまだザッとしか読めていないが、これから詳しく読んでみたい。(補筆:WWFの “No Plastic in Nature:
Assessing plastIc IngestIon from Nature to peopLe”を見てみたところ、呼吸で吸っている分のマイクロプラスチックも5gにカウントされているようだ。しかし、それについての詳細は書かれていないため、5gの正確な内訳は不明。このため、正確なことは委託先の研究者の論文を読まないとわからない。もしかすると、WWF日本のPR TIMESに書かれていた「2000個」というのはマイクロプラスチック5g分の個数ではなく、飲食している分だけの個数か??)

(補筆)

他の報告がないか調べて見たところ、アメリカ人は1年に7万個以上のマイクロプラスチックを食べているという研究報告(Science Daily, 2019.6.5)が見つかった。

年間7万個ということは週1340個程度か。水の摂取方法(ペットボトルか水道水か)やマイクロプラスチックのサイズの下限の設定次第で、数字はいくらでも変わりそうだ。

https://www.sciencedaily.com/releases/2019/06/190605100332.htm

<出所> WWFプレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000018383.html

http://awsassets.panda.org/downloads/plastic_ingestion_press_singles.pdf

<参考>

水道水については、東京新聞(2018.9.3)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/CK2018090302000127.html

ペットボトル水については↓

https://toyokeizai.net/articles/-/236346

https://www.gizmodo.jp/2018/03/report-finds-microplastic-in-93-of-bottled-water-tested.html