男前豆腐、過剰包装では?

名前が気に入らないので滅多に買わないが、気になっていた「男前豆腐」を購入した。

味は確かに豆の味がする。昔懐かしい味でおいしいが、気になるのは豆腐容器の構造だ。

豆腐がガーゼ状のものに包まれているが、引っ張ると破れやすいから布ではなさそう。パッケージの表示を見ると「吸水紙」と書かれている部分があるので、この吸水紙だろうか?

吸水紙というのは、100%紙なのか?気になる。

この布状のもので包まれた豆腐の下にはプラスチック板が敷かれていて、その下に水がたまるようになっている。全体は普通のプラスチック容器なので、このプラ板と吸水紙が容器の特徴のようで、豆の味の秘訣はこの包装にあるらしい。

パッケージに書かれた表示によると、プラマークの隣には「容器、中板、フィルム」とあり、その隣に紙マークがついている。紙マークの隣には「吸水紙」とある。

美味しくしようと工夫したことはわかるが、やはり過剰包装だ。

豆腐を持参した鍋で買って、それを布巾に包んで好きな具合に水切りし、好みの堅さで食べられるようになればうれしいが、そんな時代にはもう戻れないとしたら残念だ。

使い捨てプラは環境汚染の「時限爆弾」、マイクロプラは免疫系の病気に影響

使い捨てマスクやウェットティッシュがポイ捨てされている。先日、藤沢市の環境団体が行った「数えるごみ拾い」に参加したところ、筆者も町中でマスクを5枚ほど拾った。

BUSINESS INSIDER(2022.3.7)によると、

「世界中で毎月1290億枚のマスクが使用されている。これはざっと毎分300万枚の計算」で、「2021年の経済協力開発機構(OECD)の報告によれば、コロナ禍が始まってから世界における使い捨てプラスチックの消費量は4倍に急増した」とのこと。すごい量だ。

https://www.businessinsider.jp/post-250818

ウミガメもマスクを飲み込んでいるということが以前報道されていたが、ウミガメ以外の生物もさぞ迷惑しているだろう。

同記事によると「プラスチック業界は、コロナ禍をチャンスと捉えました。政策立案者や一般の人たちに対して、再利用可能なマスクは汚くて危険だから、安全のためには使い捨てプラスチックを使う必要があると必死に働きかけた」とのこと。

一昨年、レジ袋有料化や廃止を妨害するため、日本でも欧米でも、まるでマイバッグにコロナウイルスが付着しているかのように喧伝されたことを思い出す。

プラスチック業界にとって、使い捨てプラスチックをなくすことなど、あってはならないようだ。使い捨てマスクを使うか、リユースできる布製マスクを使うかは時と場合によると思うが、プラ業界の宣伝に踊らされないように気をつけたい。

マイクロプラスチックが人体にも悪影響を与えることは既にわかってきている。免疫系の疾患にも影響を与えているようだ。

今年、国際学術誌に発表された中国の研究によると、食品や大気に含まれるマイクロプラスチックは、炎症性腸疾患(IBD)にも影響を与えている。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.1c03924

炎症性腸疾患とは、「ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気」とのこと。比較的若い人が発症するそうだ↓

https://www.mitsuihosp.or.jp/division/department/digestive-i/ibd/

使い捨てプラスチックは、環境汚染にとっても人類の未来にとっても「時限爆弾」だ。

米国プラスチック協定が、廃止すべき11品目を発表。発泡スチロールやPFASはダメ

サーキュラーエコノミーをめざす「U.S. Plastics Pact(米国プラスチック協定)」は今年1月、「不要で問題のある材料」リスト11品目を発表した。

この11のプラスチック包装アイテムは、現在のアメリカでは再利用もリサイクルも堆肥化もできないという。これらのアイテムは2025年までに段階的に廃止される可能性があるとのこと。

その11品目とは、再利用・堆肥化・リサイクルできないカトラリーやストロー、マドラーと、意図的に添加されたPFAS入りの製品、そしてカーボンブラックなどの検出できない顔料、不透明あるいは着色されたPET(透明な青または緑以外)、オキソ分解性プラ、発泡スチロールを含むポリスチレン、ポリ塩化ビニルを含むPVC(塩ビ)・・・などだ。

PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物)とは、「永遠の化学物資」と呼ばれる有機フッ素化合物だ。何千年も分解されず、発がん性が指摘されている。

日本でも、沖縄や大阪、東京の水道水でPFAS汚染が確認されているが、ほとんどの人の血液中からも検出されているというから、調べれば他の地域でも検出されるのではないか。

撥水加工や防汚加工された製品には特に注意が必要だ。

<参考>

https://www.wastedive.com/news/us-plastics-pact-problematic-materials-list/617652/

神戸市、カフェでマイボトルを推進。なぜ横型ロッカー?

神戸市が市役所内のカフェ(萩原珈琲)でマイボトルを預かって洗浄・保管し、注文を受けたときに飲み物を入れた状態で渡す実証実験を開始している。

消費者は、最初に2500円で専用の「マイボトル」を購入。同ボトルには実証実験の期間中は2000円分の飲食ができるポイントが付くというから、実質500円のようだ。

アプリで注文すると、店が450円(同店のコーヒー一杯分の料金)でコーヒーを詰めたマイボトルを専用ロッカーに入れてくれる。QRコードをかざすと、注文した客はドリンクを受け取れるという仕組みだ。

実証実験は4月末まで続くという。

映像を見ると、専用ロッカーはボトルを横に寝かせて入れる仕組み。しかし、なぜ横なのか?横にするとボトルの蓋部分(おそらくプラスチック)と飲料が接触する。プラスチックには添加剤が当然使われているので、飲料次第では添加剤が溶出する可能性がある。プラスチックに接触した熱い飲み物などあまり飲みたくないと思う人は多いはずだ。

同店では、このサービスを利用せずに自分のボトルを持参すると50円引きになるようだ。ボトルを洗う手間を惜しまない人ならば、50円引きしてもらう方がよいと思うが、手間と時間を惜しむならば、このサービスを利用するのも悪くないかもしれない。

<参考>

神戸経済ニュース(2022.2.15)

https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-10520.html

映像↓

衝撃的な「衣類の末路」、チリの砂漠に衣類ごみの山

NHK番組「「知られざる衣服の末路」ニュース 地球まるわかり 」の終わりの方だけ偶然目にして、気になっていた。昨日、まだNHKプラスで放送されていることを知り、急いで視聴した。

南米チリのアタカマ砂漠に大量の衣類の山が出来ている。理由は、チリの自由貿易港で、衣料品の関税が免除されていることにある。関税が免除されるため、世界各国から売れ残りの衣類や古着が集まるそうだ。

その量は年間約6万トン。それを求めて各地からバイヤーが集まり、売買されるが、売れるのは約4割。6割(約3万9000トン/年)は砂漠に捨てられる。

かさを減らすため燃やされることもあるそうだが、プラスチックを燃やしたときの臭いが発生するという。大半が合成繊維だろうから、当然だ。

この捨てられた衣類の山のせいで、土壌汚染や火災などが起きている。近くには住宅もあるため、近隣住民に被害を与えている。

このような「衣類の末路」となっている国はチリ以外にもあるそう。廃棄衣料とはいえ、先進国の流行のファッションが新品(あるいは古着も)で入ってくることで、自国の繊維産業は壊滅的な打撃を受ける。自国の産業保護のため、タンザニアやウガンダなどで作る「東アフリカ共同体」は2016年、自国の産業保護のため海外から来る衣類を禁止しようとしたが、アメリカが自国のごみが送れなくなるとアメリカ国内の環境が悪くなるので困ると強く反対した。そのため、禁止もできなったそうだ。

2014年だけで、世界で1000億着以上の衣類が作られた。これは2000年のおよそ2倍の量だったという。先進国のファストファッションは、途上国の産業を壊滅させ、しかも大量のプラごみを押しつける結果になっている。

衣料を廃棄したり途上国へ行かないようにしたりするための、何らかのシステムが必要なようだ。

もう一度番組を見たいと思い、今日またNHKプラスで見ようとしたところ、昨日の夕方までの期限だったようで、既に見られなくなっていた。再放送があればぜひまた見たいと思う。

<追記>

日経新聞(2022.2.15)「アパレルの脱炭素へ「在庫税」を 河合拓コンサルティング代表 河合拓」によると、日本のアパレル産業は構造的な課題を抱えていて、

「1990年に約15兆円あった衣料品市場は新型コロナウイルス禍の20年は約7兆5千億円と半減した。一方で衣服の供給量は年20億点から年40億点近くとなりほぼ倍増。容量の限られるバケツ(市場)に水(衣服)を入れ続けている状態で、結果として余剰在庫も増え続けているとのこと。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220215&c=DM1&ng=DGKKZO8010685014022022KE8000

日本の2014年の衣服供給量はわからないが、現在40億着近いならば、世界の1000億着のうち、日本の衣服の占める割合は結構高そうだ。

オランダのデポジット制度、効果てきめん。PETより缶が9倍以上散乱

オランダでは大型のプラスチック容器のみを対象に、2005年からデポジット制度が施行されていた(2004年制定)。そのため、小型ペットボトルの散乱が増え続けた。

昨年(2021年)7月1日から、1リットル未満のペットボトル(水、ソフトドリンク)もデポジット制度の対象に加えられた。その成果が如実に表れているようだ。

8年ほど前からごみを拾い続けている人によると、「缶の比率は数年前からペットボトルよりも高く、2.7倍にもなっている。2021年の第4四半期には、缶はペットボトルの9.4倍」だったとのこと。

ペットボトルと缶のいずれもデポジット制度で回収していない日本では、ペットボトル散乱量は缶よりもはるかに多い(川底に沈んでいる缶も多そうだ)。しかし、オランダではペットボトルのみが対象となったため、ペットボトルの散乱量は減ったが、缶は相変わらずだ。

オランダでは今年12月31日から、デポジット制度の対象を缶にも拡大する。缶の散乱量も減るだろうから、結果が楽しみだ。

<散乱数についての出典>

https://www.packaginginsights.com/news/dutch-trash-mapper-identifies-30-drop-in-beverage-pack-litter-after-government-drs.html?eType=EmailBlastContent&eId=cb6dc626-42fe-4c27-87a4-6415b2caaff0

不織布製マスクから環境ホルモン、子どものマスクは大丈夫?(追記)ストローからもノニルフェノール

新聞で、混獲されたウミガメの排泄物から不織布製マスクが出てきたことが話題になっている。

記事によると、国内で市販されている不織布製マスクを調べたところ、5社のうち4社のマスクから

「生物への悪影響が懸念されるベンゾトリアゾール系と呼ばれる紫外線吸収剤を検出した。中には、環境ホルモンと指摘されるUV329という物質を比較的高濃度で含む製品もあった」とのこと。

最近は、2歳の子どもにまでマスクを推奨するなどという話まで出ているが、肺機能の見地から反対する医師も多かった。

マスクから環境ホルモンまで検出されたとなると、ますます子どもにマスクを着用させない親が増えそうだ(もし私が親ならば、子どもにマスクをさせたくない)。

子どもによっても違いそうだが、マスクをすることによる悪影響と、しないことによるリスクはどちらが大きいのだろうか?

<追記>東京農工大学・高田秀重教授のFacebookによると、不織布製マスクからノニルフェノールまで出ているそうだ。1メーカーの値が突出して高いが、さらに高いのがストローだ。ノニルフェノール付きストローなど、大人でも使いたくないが、小さい子どもはもっと影響を受ける。メーカーは、一体何を考えてこんな商品を作っているのかと腹立たしい。こんなことすら、法律で規制できないのだろうか?

<記事の出典>

新潟日報(2022.2.9)「ウミガメがマスク誤飲、初確認 岩手で捕獲、悪影響の恐れ」↓

https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/24543

佐賀県鹿島市、4月からプラ一括回収

鹿島市は4月からプラスチックごみの一括回収を開始する。

これまでは容器包装のプラスチックのみの回収で「容器包装プラスチック・ビニール類」と書かれた有料袋(10枚400円)で回収していた。しかし、4月からは「プラスチック・ビニール類」として回収するそうだ。

回収したプラごみは「燃料油にして活用する事業を展開するリサイクル業者に持ち込む予定」とのこと(佐賀新聞)。

容器包装リサイクル協会によると、同市のプラごみは令和2年度も3年度も日本製鉄が引き取っていた。用途は、コークス炉化学原料化と工業原料(コークス炉)のようだ。

4月から機械油にするということは、容リ協会を通さず、独自ルートで処理するつもりなのかもしれない。

容リ協会を通す必要はないだろうが、質の高い製品プラまで機械油にするのは、少々もったいないような気もする。

<出典>

佐賀新聞(2022.2.9)「鹿島市、「プラスチックごみ」分別収集 4月から資源循環促進法が施行」↓

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/808788

ドバイで7月1日からレジ袋有料化

ドバイで7月からレジ袋を有料化するとのこと。日本が2020年の7月からだったので、ちょうど2年遅れだが、1枚25フィルスとのことなので、日本よりしっかりとした有料化だ。日本円で7〜8円程度だろうか。

日本の1円以上ならばいくらでもOK、バイオマス由来の原料を25%以上使っていればタダで配ってもOK、などというゆるい規制は早く見直すべきだろう。

ドバイ政府は市民に対し、ごみの分別も促しているそうだ。

ドバイといえば昔、南回りで欧州へ行く際の飛行機の給油地の1つ。給油の間、乗客は空港内で1時間ほど待機する。そんなこんなで、確か南回りの場合、日本からイギリスまでちょうど24時間かかった記憶がある。

<出典>

「ドバイ、7月1日から使い捨てプラスチック袋を有料化」(2022.2.8)↓

韓国:使い捨てカップの店内使用4月から禁止に、テイクアウト時は6月からデポジット制に

韓国では、カフェやファストフード店内で提供する使い捨てカップの使用を、4月1日から禁止する。以前にも一度禁止されたが、コロナ感染症を理由に許されていた。それが再び、禁止となる。

さらに、6月10日からは、カフェやファストフード店でテークアウト用に提供されるプラスチック製または紙製の使い捨てカップは、保証金制度(デポジット制度)の対象になる。

日本も早くそうなればよいと思う。

(補筆2023.11.15)店内で提供する使い捨てカップの禁止は禁止が11月まで適用が延長されていたが、また延長されたようだ。いつまで延長するかは未定で、禁止路線が変更されたようだ。また、テイクアウト時のデポジット制度も2025年まで延長されている。

<出典>

聯合ニュース(2022.1.18)「カフェで使い捨てカップの利用時に保証金 6月から=韓国」↓

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220118001500882

聯合ニュース(2022.1.6)「4月から使い捨てカップ使用禁止に」↓

https://jp.yna.co.kr/view/PYH20220106144800882