国際プラスチックごみ条約会議の再会、8月に決定

プラスチックごみ条約会議が8月5〜14日に再会されることになった。場所はスイスのジュネーブ。

INC-5.2という位置づけだ。昨年暮れに韓国で開かれたINC-5では、プラスチックの生産削減や有害化学物質の排除など、大事な点で紛糾したため、何も決まらなかった。

サウジアラビアやロシアなどが反対したためだが、日本や中国、米国の態度も曖昧だった。こういう大事な局面で、曖昧な態度しかとれない日本にも失望するが、今回米国はどう出るのだろうか。

もし、意欲的な内容で決まっても、真っ先に「批准しない」といいそうな大統領がいる。少なくとも4年間は、アメリカには何も期待できそうにない。プラスチックの生産削減すら決まらないようであれば、未来の地球はマイクロプラスチックと有害化学物質で覆われていそうだ。

PFAS論文差し替えと森友学園文書改ざんの共通点

食品安全委員会のPFASワーキンググループは、PFASの規制値を緩く設定するため、論文の7割を水面下で差し替えていたという。

257本中の7割だから、相当な数だ。それについて、高木仁三郎市民科学基金などによる「PFASプロジェクト」が3月3日、記者会見を行った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/93440f26e9052f7d5a570475dd6dd42fa7cdd7dd

これまでもバレなかっただけで、このようなことはあったのだろうと思うが、これから先はますます増えそうだ。まさに貧すれば鈍すで、命よりもカネが大事な人は多い。企業に忖度し、論文を差し替える委員たちは、今後ますます増えそうだ。

他方では、これまで隠されていた森友学園の文書が開示されることになった。今後1ヶ月をメドに開示するとのこと。

改ざんを苦にして自殺した赤城さんの妻・雅子さんが裁判で頑張ってくれたおかげだ。

https://mainichi.jp/articles/20250304/k00/00m/010/156000c

隠蔽に改ざん・・この2つの事件は、都合の悪いことを隠すため、忖度を迫る圧力がいかに強いかを示していて、気味が悪い。

日本の「劣化」を証明しているが、裁判で勝ったことは救いだ。

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イランもデポジット制度をめざす?テヘラン大学で「デポジット制度デー」を開催

イランのテヘラン大学では、2月17日に「デポジット制度デー」イベントを開催した。

過去数年間、イランではデポジット制度に焦点を当てた活動があり、2022年にはイラン科学技術大学で最初の全国デポジット制度会議を開催した。また、2024年には同大学で「イランデポジット制度パイロットプロジェクト」が開催されたという。

今年のイベントには、イランの環境省や科学技術副大統領、観光省、テヘラン市の専門家を含む150人以上の参加者が招待され、環境専門家によるデポジット制度についての講演を聞いた。

イランでも早晩、デポジット制度が採用されるかもしれない。

イベントについての出典↓

https://www.tehrantimes.com/news/510204/Deposit-Return-Scheme-Day-held-in-Tehran

アントシアニンでマイクロプラの毒性が軽減?

アントシアニンが、マイクロプラスチックによる生殖系への影響を軽減するという研究が発表されている。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39925697/#full-view-affiliation-1

本当だろうか?

アントシアニンというと、ナスやブルーベリーなどに含まれているから、時々は食べているが、毎日多量に食べるようなものでもない。これが確かなら、ブルーベリーの錠剤などはバカ売れしそうだけれど、錠剤はデメリットがあるのかもしれない。

いずれにせよ、マイクロプラスチックのリスクをどの程度緩和するかはともかくとして、アントシアニンをたっぷり含んだ新鮮な野菜やベリー類を食べるのは健康に良さそうだ。

とはいえ、まず食品容器を脱プラしてほしい。

市販弁当をレンチンすると「心不全リスク」が上昇

コンビニや弁当店で売られているプラスチック容器入りの弁当を、そのまま電子レンジにかけると心不全のリスクを高める可能性のあることが中国の研究でわかった。

以前、名古屋市立大学の研究で、市販弁当を週に一回以上食べる人は死産リスクが2倍以上上昇するという結果があり、話題になった。悪影響は妊婦にとどまらないようだ。

中国国内の高齢者約3000人を対象に、プラスチック容器を使用する頻度と心疾患の発症率を比べた結果だ。

弁当や食事の際に使用する容器にプラスチックを利用する人はうっ血性心不全のリスクが有意に高かったという。

また、ラットを使った実験でも、プラスチック容器に沸騰したお湯を入れ、それぞれ数ヶ月飲ませたところ、ラットの腸内細菌そうが変化し、心筋組織も損傷が見られた。

レンチンによりマイクロプラスチックと一緒に化学物質が発生した結果だろうか。

元論文↓

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0147651324014593?via%3Dihub

日本語記事↓

https://news.goo.ne.jp/article/nazology/world/nazology-170816.html

冷凍食品を容器ごとレンチンすると、細胞毒性が上昇

最近発表された香港城市大学の研究によると、プラスチック容器を冷凍したりレンチンするのは危険なようだ。特に冷凍したポリスチレン容器を電子レンジにかけると、大量のマイクロプラスチックを放出するという。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0304389425004534

マイクロプラスチックの毒性試験をしたところ、細胞毒性は冷凍食品容器由来のマイクロプラスチックでより顕著だったという。細胞生存率が有意に低下した。

マイクロプラスチックが細胞内に取り込まれることで、酸化ストレスや炎症反応が引き起こされ、細胞死に至った可能性がある。

冷凍食品を自然解凍した場合の発生量などは不明だが、冷凍食品をそのままレンチンするのは危険なようだ。プラスチックを低温と高温の両方にさらすことで、プラスチックの劣化が進むらしい。

以下、機械翻訳

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食品容器から放出されるマイクロプラスチックの細胞内毒性評価の要点

• 食品容器からのマイクロプラスチックの放出および潜在的な細胞毒性がテストされました。
• PP(ポリプロピレン)およびPS(ポリスチレン)の各食品容器は、抽出後に100,000から260,000のプラスチック粒子を放出しました。
• マイクロプラスチックの細胞毒性は、用量依存的な細胞生存率の低下を示しました。
• 冷凍保存されたPS食品容器は、最も顕著な細胞反応を示しました。
• 食品包装におけるマイクロプラスチックのリスクを軽減するためには、規制措置が必要です。

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PFAS水質基準値のパブコメ開始 根拠論文を故意に差し替えた疑い

「水道における水質基準等の見直しについて(第1次報告案)」及び「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第7次報告案)」等に関するパブコメが開始された。

https://www.env.go.jp/press/press_04505.html

飲み水の基準を「PFOS 及び PFOA の量の和として 0.00005mg/L(50ng/L)以下とするという案で納得できる人は、PFAS製造・利用事業者くらいではないだろうか?

この数値を正当化するため、姑息な手を使ったらしい。評価するための論文を7割も密かに差し替えた「論文差し替え疑惑」が指摘されている。

https://slownews.com/n/n016e6347a901

PFASの曝露が腎臓がんや流産などと関係することを指摘する「都合の悪い論文」を省き、代わりに都合のよい論文を採用したという。これが本当ならば、日本は独裁者が統治する後進国と変わらない。

パブコメの〆切は3月27日だ。

「大阪PFAS汚染と健康を考える会」によると、以下の文案を参考にパブコメを書くのがよいようだ。

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意見 (別紙1-1のP4~5および全体への意見)←コレは必ず必要

環境省が新たに決めようとしている水質基準値50ng/ℓは、米国基準値の検出下限値であるPFOS4ng/ ℓ・PFOA4ng/ℓやEU諸国と比べて桁違いの高い値となっています。しかも、環境省自身が2010年より行ったエコチル調査(大規模疫学調査)で「非常に低い曝露濃度で染色体異常が起こる」との研究論文を全く無視しています。世界的趨勢及び重要な疫学調査を踏まえ、我国の水質基準は少なくとも米国基準以上に厳しくし、0.25ng/ℓ以下とすることを求めます。

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相模原市、鹿沼公園・複合施設整備基本計画のパブコメ開始

「次世代に引き継ぐ淵野辺駅南口周辺のまちづくりプラン~鹿沼公園・複合施設整備基本計画~(案)についてのパブリックコメント」が開始された。〆切は3月21日だ。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/shisei_sanka/pubcome/1032248.html

PFIをやめ、DBO方式にするそうだ。

「スケジュールは25~26年度に設計、27年度から工事に着手する。29年度に複合施設、30年度に全面供用を開始し、既存施設を解体する」とのこと。

https://www.kentsu.co.jp/webnews/view.asp?cd=250221400009&area=2&yyyy=0&pub=1

市民としては、鹿沼公園は気に入っているし、中央図書館にも特に不満はないからそのままで構わない。公園の木は伐らずにそのまま残してほしい。春は桜を楽しめるし、秋はどんぐり拾いの子どもたちがいる。デイラボッチの碑も面白い。なぜ「再開発」したいのかわからないから、できるだけ現状維持で残してほしい。どこにでもあるようなキレイな都市公園はゴメンだ。

とはいえ、市は、周辺に点在している公民館などの公共施設を一カ所にまとめ、複合施設とすることで、運営費が安くつくと見込んでいるのだろうか?

再開発の理由はわからないが、新しい施設を何年契約のDBOにするのか次第で、不満があった場合にどう対処するかが変わる。民間にできるだけ任せて面倒なことから逃れたい市の気持ちはわかるけれど、あまり長い契約にしてほしくない。

マイクロプラスチック汚染と消費行動

メリーランド大学の最近の研究によると、大気汚染と消費行動は関連性があるそうだ。買い物による満足感で、空気の質の悪さによって引き起こされる不快感を払拭しようとするため、金遣いが荒くなるらしい。

https://today.umd.edu/study-consumer-spending-rises-with-air-pollution

ということはマイクロプラスチック汚染のひどい日は、無駄遣いが増える可能性が高い。消費者にとっては踏んだり蹴ったりの日だが、石油や天然ガスを「掘って掘って掘りまくれ」というトランプや、イーロン・マスクのような資本家にとっては、儲かる日なのだろうか。

ルーマニアのデポジット制度、14ヶ月でめざましい変化

2023年11月30日に開始されたルーマニアのデポジット制度はうまくいっているようだ。

ある記事によると、

• 35億個以上のパッケージが収集された
• 230,000トン以上の再生材料がリサイクルのために転用
• デポジット制度のために設立された7つのセンター
• 800以上のグリーンな雇用が創出され、地域経済とコミュニティを支援
• 2024年10月には、84%の記録的な回収率

とのこと。

まずは良かった!

出典↓

https://www.wastedive.com/press-release/20250210-first-14-months-of-romanias-deposit-return-scheme-marked-by-success/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202025-02-10%20Waste%20Dive%20Newsletter%20%5Bissue:70316%5D&utm_term=Waste%20Dive